保阪正康のレビュー一覧

  • 昭和の怪物 七つの謎
    平成という時代のが終わろうとしている今、戦前、戦後の昭和の時代に何が起こり、誰がどんな判断をしてきたのかを2018年の今こそ知らしてくれる一冊。
  • 昭和の怪物 七つの謎
    講談社現代新書今月の新刊。丁寧なインタビューと一次資料の読み込みにより昭和史の謎に迫る。第1章の東條英機についても予断を排してその存在を再構築していく様が白眉かつ痛快。2章以下は 石原莞爾、犬養毅、渡辺和子、瀬島龍三、吉田茂。2018年必読の書。
    以下本文p13-14より 東條英機論

    …とにかく強...続きを読む
  • 田中角栄と安倍晋三 昭和史でわかる「劣化ニッポン」の正体
    べつに安倍総理を個人攻撃でコキ下ろす本ではない。平成28年現在の日本が直面している諸問題について、昭和史を振り返ることで深層を探っていくのが趣旨となっている。毎度毎度、保阪先生の本は文章が非常にカタくてとっつきにくく、読み進めるのに苦労するのだが、自らの言葉として吸収し、心中へと落とし込む作業を(強...続きを読む
  • 昭和史の深層
    『昭和史入門』(文春新書)の姉妹編とも言うべき内容。昭和史をめぐる諸問題(あるいは昭和史に端を発する問題)に対し、現代を生きる我々の取るべき道を示していく。どの章も、冷徹な事実の積み上げによって形成されており、新聞やネットに溢れる小手先の「あった」「無かった」の水掛け論とは一線を画している。ぜひ「ネ...続きを読む
  • 昭和史のかたち
    昭和史の中にいくつかある重大な局面を、「かたち=図形」で捉え直す試みを綴った書。第四章で示された「頂点A=天皇、頂点B=統帥権、頂点C=統治権とする三角形」という図式は、憲法のグレーゾーンを恣意的に利用した軍部の動きが具体的にイメージでき、なるほどと思った。「かたち」を意識して、これまで読んだ昭和史...続きを読む
  • 昭和の名将と愚将
    多少覚悟はしていたものの、やはり「特攻」の内実は暗澹たる気持ちにさせられる。あまりにも悲惨で、この上なく酷い。「国を護るための尊い自己犠牲」などと美談に仕上げて、思考停止してはならないと強く思った。戦前のごとく世論がどんどん右傾化している昨今、「特攻」や戦争そのものに対し、徹底的に考察されなければ、...続きを読む
  • 「昭和」とは何だったのか
    アジア・太平洋戦争のさなかにいた軍人・政治家やその身内など、昭和史の当事者"に取材を重ねてきた著者の、「自国の歴史を風化させてはならない」という強い思いを感じた一冊だった。愚かな歴史を繰り返さないために、我々が学ばなけばならないことは、まだ山ほどある……。"
  • 昭和天皇(下)
    戦前・戦中における「大元帥」としての人物像に比べると、顧みられる機会の少ない、戦後における「象徴」としての姿に迫った下巻。御製(折に触れて詠まれる和歌)と記者会見での質疑応答、従者の回想記を中心に、憲政史の中での立ち居振る舞いを詳細に書いている。
  • あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書―
    結局のところ、今の日本が抱える問題は、「臭いものには蓋」精神であの戦争から目を逸らし続け、十分な総括と教訓化をしてこなかったツケ、なのだろうな。いじましい自己憐憫は当事者たちにとっちゃ気持ちいいだろうが、後世を生きる人間には迷惑なだけだ。
  • 太平洋戦争の失敗・10のポイント
    「負けを認めたくない」と安いプライドを惜しみ、いつの間にか「負けるわけがない」という妄想に取りつかれた。そしてその根拠無き妄想が、取り返しのつかない破滅を招いてしまった……なんだか今の日本とダブるなぁ。
  • 昭和天皇(上)
    やはり昭和史を追うことは、昭和天皇その人について知ることに他ならぬ。上巻では誕生(明治34年)から、弟宮:秩父宮との死別(昭和28年)まで。
  • 昭和の戦争を読み解く 戦争観なき平和論
    戦争をやるにも、反戦平和を唱えるにも、そこには確固たる「戦争観」が伴わねばならない。でなければ、ただ醜態をさらすのみ。
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く
    掛けた歳月24年5カ月、総ページ数12,000ページ。87年に渡った昭和
    天皇 の生涯を綴った『昭和天皇実録』の編纂が終了し、今上陛下に
    奉呈された のが2014年9月。

    そして、今年3月から一般刊行が始まった。早々に予約をしたのは
    いいが、 全19巻を5年かけて刊行することを予約語に知って愕然...続きを読む
  • 昭和天皇(上)
    [時代の御方]戦争、復興、経済成長に代表される出来事が目まぐるしく展開していった昭和という時代。天皇という存在をその時勢に合わせてどのように日本の中に位置付けていくかを呻吟し、何よりも国民と国家の安寧を願い続けた昭和天皇の歩みを、その生い立ちから崩御まで丹念に描いた作品です。著者は、日本の昭和史研究...続きを読む
  • 昭和天皇実録 その表と裏3
    2.26事件のあった年、3月12日から、宮内省からの親書や対外関係文書での呼称を皇帝から天皇に統一

    天皇は京都学派の進講は不要とした。
  • 昭和天皇実録 その表と裏3
    2.26事件のあった年、3月12日から、宮内省からの親書や対外関係文書での呼称を皇帝から天皇に統一

    天皇は京都学派の進講は不要とした。
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く
    「実録」の編纂者の中に「エース」の存在を仮定し、その人物の思考を考慮しながら読み解いていく点に興味を持った。
    まだ手を付けていないが「実録」を読む楽しみが増えた。
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く
    -2015/09/01
    ①特別攻撃隊の戦果報告を聞いた裕仁天皇は、「そのようにまでせねばならなかったか。しかし、よくやった」と語ったという。前半は天皇としての言葉、後半は大元帥としての言葉に裕仁天皇の苦悩があった。
    ②天皇はアメリカの短波放送で日本軍の所在を知る状態であったという。陸海軍が天皇に事実...続きを読む
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く
    陛下のご本心を知ったからといって、今更何が変わるのか?ということはあるが、とはいえ戦前の厳しい御決断を迫られる局面での陛下の息遣いを、生硬な文書から読み解く試みは、好奇心を大いに刺激するとともに、既知の日本近代史の解釈に、別の視座を与えてくれる、非常に興味深い一冊だった。
  • 日本原爆開発秘録
    戦中の挿話に加えて、本書は原子力利用の推移や、近年の原発事故の問題にも筆者の筆は及んでいる。

    共感を覚えたのは…「スリーマイル、チェルノブイリ、フクシマ」は判るとして、「ヒロシマ、ナガサキ、フクシマ」には大きな違和感を覚えるという、巻末近くに挙げられた話題だった…原子力の制御が困難で「事故が起こっ...続きを読む