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最強メンバーは1万2000ページに及ぶ 激動の記録をどう読んだか? 初めて明らかにされた幼少期、軍部への抵抗、開戦の決意、聖断に至る背景、 そして象徴としての戦後。天皇の視点から新しい昭和史が浮かび上がる。 第一章 初めて明かされる幼年期の素顔 第二章 青年期の栄光と挫折 第三章 昭和天皇の三つの「顔」 第四章 世界からの孤立を止められたか 第五章 開戦へと至る心理 第六章 天皇の終戦工作 第七章 八月十五日を境にして 第八章 “記憶の王”として
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Posted by ブクログ
掛けた歳月24年5カ月、総ページ数12,000ページ。87年に渡った昭和 天皇 の生涯を綴った『昭和天皇実録』の編纂が終了し、今上陛下に 奉呈された のが2014年9月。 そして、今年3月から一般刊行が始まった。早々に予約をしたのは いいが、 全19巻を5年かけて刊行することを予約語に知って愕然...続きを読むとした。 それまで 何があっても生きていなくちゃ。 既に刊行された2巻は手元にあるのだが、未だ手を付けていない。 読もうと思った矢先に、本書が出版されたからだ。昭和天皇の 崩御後、関連の書籍が多く世に出たので時間のある限り読んだ のだが、それでも知らないことが多い。 なので、『昭和天皇実録』に取り掛かる前段階の予習として本書は 最適なのではないだろうか。昭和史に詳しい4人それぞれが、持論を 展開しながらも『昭和天皇実録』の主要と思われる部分を読み解いて いる。 本書のメインとなっているのが戦前から終戦までだったので、『重臣たち の昭和史 上・下』を読んでおいてよかった。これが予備知識として 役に立った。 幼少時の話も興味深かったのだが、今まで昭和天皇の関する作品を 読んでいて何故、軍部の暴走をみすみすお許しになったのか疑問に 感じてたんだよな。 だが、半藤氏の以下の発言ですとんと自分の中で何かが繋がった。 「実は私は、昭和天皇には三つの顔がある、と考えているんです。 ひとつは「立憲君主」としての天皇、もうひとつは陸海軍を統帥する 「大元帥」。そして両者の上位にさらに、皇祖皇宗に連なる大祭司で あり神の裔である「大天皇」がおわす、というのが私の仮説です。」 ふたつの異なる立場の間で、板挟みになっている昭和天皇像が 克明に浮かび上がるではないか。 もうひとつの発見は、これまで内容が明らかにされていなかった 「拝聴録」である。折々に昭和天皇が侍従を相手にご自分の胸の うちを語られた聞き書きである。 やっぱりあったんだな。だた、どこにあるのかがはっきりされていない。 今上陛下のお手元にあるのではないか…とも言われるが。 この「拝聴録」がいつか一般に公開されたら、昭和史が今以上に 興味深くなるかもしれない。 本書の4人の語り手の解読を参考に、そろそろ『昭和天皇実録』に 取り掛かろうかな。でも、その前に昭和史を今一度復習しておいた 方がいいかも。 『昭和天皇実録』本体を読み通すのは無理…と言う人でも、昭和史に 興味がある人にはダイジェストとしていいかもしれない。
「実録」の編纂者の中に「エース」の存在を仮定し、その人物の思考を考慮しながら読み解いていく点に興味を持った。 まだ手を付けていないが「実録」を読む楽しみが増えた。
-2015/09/01 ①特別攻撃隊の戦果報告を聞いた裕仁天皇は、「そのようにまでせねばならなかったか。しかし、よくやった」と語ったという。前半は天皇としての言葉、後半は大元帥としての言葉に裕仁天皇の苦悩があった。 ②天皇はアメリカの短波放送で日本軍の所在を知る状態であったという。陸海軍が天皇に事実...続きを読むを伝えていなかったという事実。
陛下のご本心を知ったからといって、今更何が変わるのか?ということはあるが、とはいえ戦前の厳しい御決断を迫られる局面での陛下の息遣いを、生硬な文書から読み解く試みは、好奇心を大いに刺激するとともに、既知の日本近代史の解釈に、別の視座を与えてくれる、非常に興味深い一冊だった。
宮内庁が編集した『昭和天皇実録』は、単に事実を載せるだけではなく、どの様に昭和天皇を見せたいのかの意図が働いていると著者達は語っている。 しかも重要な部分では”エース”が登場していると推測しており、宮内庁と著者陣との攻防も楽しめる。 この様な著者陣の豊富な知識、洞察力があって初めて『昭和天皇実録』...続きを読むを読み解くことが出来るのであろう。 さらに違う場面を取り上げた続編を是非出して欲しい。
激動の62年間の昭和。その時代のうねりの中どのようにお過ごしになられていたのか、昭和天皇の息遣いに耳を傾ける。一国の主人として、戦争にどう立ち向かったのか、どう終わらせようと思ったのか、昭和天皇のお気持ちに心を重ねることに意味があるように思う。
立憲君主制下の君主として、ごく数回の例外を除いて明治憲法で定められた「あるべき君主像」を自らに課し、そしてそれが故に、軍部の独走を抑えられず、却って国土の荒廃と数百万の国民を犠牲においやってしまったナイーブでインテリな君主。戦争を実力で止めなかったが故に法的な責任を逃れえたが、一方で同じ理由で道徳的...続きを読む・精神的な咎に、一生苛まれていたに違いない。本書では、昭和天皇の人間的な姿を、はしばしに見つけることができる。一方で、実録を編纂した宮内庁の恣意的な情報公開と秘匿が、この第一級の資料に与えたインパクトについては評価が分かれるかな。
半藤一利氏、保阪正康氏、御厨貴氏、磯田道史氏4名が『昭和天皇実録』を読んでの感想を諸々述べている本。4氏の話の中から垣間見られる『実録』の内容からはとくに「新発見」の類はないようだが、新たな史料の存在も示唆されているようで興味深い(ただし、原本の公開は難しいのかも)。 最後に保阪氏が「「昭和天皇は...続きを読む生きている」との感がしてならなかった」と述べている。自分も「昭和生まれ」のひとりとして『実録』から漏れ聞こえてくる昭和天皇の息づかいに触れてみたいと思う。
「昭和天皇実録」の第1巻、第2巻が書店に並んだとき、思い切って買ってみようかとかなり悩んだ。でも、今後刊行される分を含めてすべてを読み通すことは難しいし、読んでも十分理解できないと思い、この種の解説本を待つことにした。 本書で取り上げられた部分は、大方の日本人が関心を持つ部分であり、既に知られている...続きを読む資料との異同も含めて触れられているので、一人で実録を読むよりよほど意味があった。できれば、新書一冊というボリュームでは取り上げ切れなかった他のテーマについても、また解説してほしいと思った。
2014年に刊行された昭和天皇実録についての対談集。少年時代の遊びや叱られたこと、乃木希典への敬慕。欧州遊学。摂政として国の舵取り。熱河作戦の阻止失敗。2.26事件への対応と石原莞爾への不信。三国同盟と松岡洋右。開戦への気持ちの変化と軍部への不信。嘘の上奏ばかりで短波放送を聞いて情報を得る。終戦工作...続きを読むと陸軍への説得。大元帥と天皇と大天皇。マッカーサーとの信頼。沖縄基地問題。A級戦犯の靖国合祀問題。実録は後世への歴史責任を果たす為、かなり中立に抑制的に書いてある。また天皇の生の感情も抑制的に書いてある。六国史に連なる国紀が書かれていることの重要性。24年掛けた大作に感謝。
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「昭和天皇実録」の謎を解く
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