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土方歳三、中村半次郎、小栗忠順、武市半平太……。博物館学芸員資格を持つ歴史好きタレントとして活動中しているほか、歴史番組・イベント・講演会等で講演やMCとして多数出演している著者が、愛してやまない幕末の侍たちを、実際にその地を巡り、見て聞いて感じたことなどをもとに渾身の力で描いた連作短編集。
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Posted by ブクログ
小栗さくらの幕末維新の短編集。どれも作者の想いが伝わる傑作でした。特に中村半次郎の内面に迫った波紋と、土方歳三に近臣していた立川主税からみた歳三を描いた碧海が印象に残ります。 著者の次作も楽しみ。 波紋 夏の盛を過ぎた京の相国寺にて信州上田藩から招いた軍学者、赤松小三郎の講義を受ける薩摩藩士...続きを読むの面々。 野津道貫(七次) 別府晋介 そして中村半次郎 すでに薩長が武力倒幕で一致していた時期に公武合体で挙国一致を唱える小三郎の運命は、監察としての挟持を持つ半次郎が握っていた… 半次郎に迷いがない分、結末に暗さがなくむしろ爽やかさを感じた。 小三郎から同じ講義と教練を受けた三人が戊辰戦争では共に闘うが、西南戦争で敵味方に分かれ、結局小三郎の予見した国難に立ち向かったのは、小三郎を薩摩へ招へいし、日清日露戦争で軍を率いて功績を残した野津道貫だった。機会があれば波紋の先もまた作者に語ってほしい。 恭順 小栗上野介の養子又一は幕臣として闘うことを望むが、上野介は将軍慶喜への献策が退けられてから違う未来を夢見ていた。 しかしもとより薩長は上野介と又一にはその夢を見ることを認めていなかった。上野介を救う手段はなかったのか…無念。 確か東郷平八郎は上野介が残した横須賀造船所が日露戦争の海戦において大いに役立ったと遺族に語ったとの逸話があった。上野介の夢は現実となった…感謝。 そう言えば、本作に何度も登場するあの螺子は大河ドラマ『青天を衝け』にも登場していましたね! 誓約 竜馬は言う 『そがな甘い御仁なら、とうに武市さんの目指す挙藩勤皇はなっちょる!』 そして誓約は守られなかった? 碧海 土方歳三と最後の日々を闘った、立川主税の見た歳三。覚書に想いは結実し、遺族を癒やし、そして読者も。 感涙。 あれから巨海は箱館の海をおとずれたのでしょうか? わたしはまだ一度も訪れたことがありませんが、是非歳三がみた海を見に行きたい。 以上
激しくも清らか
幕末短編4作。倒幕、幕府、攘夷、佐幕。立場は違えども、激動の時代にそれぞれの義と意地をもって挑む姿が描かれています。激しく、ときに愚かなほどにまっすぐ。短編ながら、登場人物たちの歩いた道が確かに感じられました。
佳作揃いでした。 幕末期や戦国期の人物は、司馬遼太郎作品で人物像や印象が出来上がってしまっており、変に影響されちゃってるものがあるけど、この本はよかったです。 特に土方歳三の最期を題材にした碧海がよかった。
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