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今こそ、墨子の思想が日本、そして世界を救うと確信する著者が熱く語る“墨子のすすめ”。巻末に中村哲氏との対談を収録。
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Posted by ブクログ
著者の半藤一利さんの著作は、今までも何冊も読んでいますが、今回の著作は扱っているテーマがちょっと毛色が異なっていたので気になって手に取ってみました。 ご存じのとおり「墨子」は、中国戦国時代、諸子百家の墨家の開祖で平和主義・博愛主義を説いたと言われています。 本書では、この墨子の論をまさに半藤流...続きを読むの語り口で縦横無尽に解説していきます。ところどころでの確信犯的な脱線のトピックも楽しいですね。 ただ、この著作で高らかにうたわれている半藤さんのメッセージ、「非戦」への決意はとても大切な志だと思います。巻末の中村哲さんとの対話の内容も併せて思うに、お二人ともとても素晴らしい方だったと本当に残念でなりません。
著者自身が文中でもあとがきでも書いているように、脱線話が多く、墨子に興味があって読み始めた者にとってはいささかイライラする。著者にしてみれば、その方が軽い仕上がりになって読者にとっても読みやすくなるだろうとの思いもあるのだろうが、著者と同時代を生きた読者にはともかく、若い読者の感覚にはそぐわないよう...続きを読むに思う。著者の言わんとすることは若い読者にこそ届けたいものであるだけに、そこが残念だった。もうすこしオーソドックスに墨子について語ってほしかった。ただ、巻末の中村哲との対談はよかった。短い紙幅の対談でありながら、アフガニスタンの現状や中村哲の活動とその思想が本当に読みやすくわかりやすく語られている。この部分を読むだけでも、この本を読む価値があると思った。
墨子よみがえる 講談社学術文庫の『墨子』は前に読んだことがあって。 (今見直したら2011年…え、そんな昔!?) 思想の全体を理解したとは言い難いとはいえ、今でもずっと気になる思想家の一人。 それを半藤一利氏が解説するとなったら、読まねば。 結論から言えば、思ってたんと、ちょっと、だいぶ、違った...続きを読む。 墨子の解説を求めてる人には全くおすすめしない。 いつもの半藤さんのお話を、違ったエッセンスを加えて聞きたい、という人は是非読むべき。 巻末の中村哲氏との対談は必読。 愛って、強くて弱いんだなって切なくなった。
著者の作品は、一度読んでみたいと思いながら、数冊が積読状態になってしまっているんだけど、個人的教養文庫フェアブームに乗って、いよいよ読んでみた次第。以前、”墨攻”の漫画化を最初の方だけ読んでなかなか面白かったけど、本作に触れて、その思いさらに膨らむの巻。何より、徹底した非戦論が好もしい。儒学とは似て...続きを読む非なるもの、ってのもなるほどって感じ。氏の他作品も、順次紐解いていきたい。
うーん、ちょっと思っていたのと 違っていた感じ。 ペシャワール会の中村哲さんとの対談が 興味深かったな。
あまねく人を愛する思想とか、古代中国にあって非戦を解き、非戦をつらぬくためにむちゃくちゃ戦争に強かったとか、虚実あるのかもしれないけれど、関心をもって読んでみた。うーん。半藤氏のくだけ方がちょっと昭和風できつく、ちょっと肩透かしを食った気分。面白くはあったと思うんだけど、あの人も墨子の系譜、あの人も...続きを読む墨子を読んでたんじゃないか、なんて展開させるやり方は、読みやすくはあったものの、ちょっと軽かったかな。軽さについては、あとがきで著者からの説明があったけどね。まぁ、墨攻とか、読んでみたいとは思ったかな。 中村哲氏についても書いてあったし、対談もあったんだけど、思ったよりは短かった。中村氏については、やっぱり単著を読むべきだろうな。
墨子は、名前は知れども、中身は知らずで、特に関心もなく過ごしてきた。けれども、半藤さんが、読みなさいというからには、何かあるのだろうと、読んでみた。 本書は、導入編といったところで、墨子の何たるかは、今一つわからなかったけれども、墨子をネタに縦横無尽に古典の知識が展開される。墨子の兼愛、非攻、俠、天...続きを読む、など色々な概念。日本国憲法の9条の精神的根拠になりそうな気もした。墨子も、いつか翻訳した原典に当たってみたいと思う。 巻末の中村哲さんとの対話が圧巻。『西欧的な民主主義を入れないと人間は幸せになれないというのは驕り。』経済や社会制度が変われば至福が来るという風潮への疑念と、人を殺して、戦争してまで、その社会制度を取れという押し付けが正しいのかという問いは、大切な問いだと思った。
故・半藤一利さんの著作。非戦への奮闘努力として古代の思想家の墨子を解説。いつも通りといえばそれまでだが、脱線が多すぎて読みにくかった。しかしながら、理解したところでは、 ・兼愛・非攻の精神でどんなケースであれ、誰の利益にもならない戦争は身を挺して止める ・そのためには、縦横無尽に王や士大夫を説得して...続きを読む戦争の未然防止らに勤める ・天を奉ずる点では儒家と同一だが、天は抽象的の存在ではなく鬼神を使わして実際に懲罰を加えるもの。お天道様に反した行いはすべきではない。 ・運命論・宿命論には反対。未来は行動によって変えられる。 ・墨守というが、戦争絶対抑止のため、攻められた側に加担して、土木工事や加工技術を駆使して絶対に守り切る戦をした技術集団が墨家。 ということ。なるほど、専守防衛のもと平和維持を諦めずに全力を尽くす。義に反する行動はしない。今の我々に必要な考えだと思う。 別の著作でもうすこしちゃんと読んでみたいと思うが、関心を持たせてくれるきっかけとなったという意味で本書に感謝したい。
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