保阪正康のレビュー一覧

  • 昭和の怪物 七つの謎
    平成が終わる中、今一度昭和史、特に戦中、戦後と社会が大きく変わった時代のリーダーたちを知りたくてこの本をとった。
    東条英機の文学や哲学、学問を軽視する姿や逆の立場であった石原莞爾など、時代は違えど人間として、現代人にもi-eyところはあった。
    特に瀬島龍三のエピソードにあった、平気で一次情報の文書を...続きを読む
  • 昭和の怪物 七つの謎
    半藤一利と並ぶ昭和史研究の大家である著者が、太平洋戦争の目撃者たる東条英機、石原莞爾、吉田茂ら6名の人物に焦点を当て、それぞれの謎について、膨大なこれまでの研究成果をもとに著者なりの真相仮説を提示する。

    特に重点を置いて描かれるのは東条英機と石原莞爾の二人であり、この二人に対するパートで本書の半分...続きを読む
  • あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書―
    読むのが辛かったが、読むべき本として、最後まで読んだ。戦争は止めることができる。できないのは決心ができないため。その決心ができずに、原爆を被った。
  • 昭和の怪物 七つの謎
    紹介されている人物、いい面だけでなく悪い面も書かれてあり、引き込まれやすかった。東条と石原の比較がやはり面白い。なぜ日本は戦争に走っていってしまったのか、戦争が始まってもなぜなかなか終わらせることができなかったのか、という点でも再確認でき勉強になった。
  • あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書―
    「本書は、太平洋戦争の戦史克明に追った訳ではないし・・・」(「あとがき」より)

    戦争批判を、
    (1)戦争の目的の不明さ(2)戦争指導の権限
    この2点から行っている。

    なかなか読み応えのある著作だった。
  • 昭和の名将と愚将
    名将の条件(P14):①決断を自分で下す、②部下に作戦の目的を明確に伝えられる、③情報を自分の目や耳でつかむ。
    愚将の条件(P174):責任ある立場なのに無責任。
    現代に通じる真理だと思う。もう一つ現在につながるのは、名将が必ずしも出世階段を昇り詰めていない事。上手く忖度できるものだけが残っていく。...続きを読む
  • 田中角栄と安倍晋三 昭和史でわかる「劣化ニッポン」の正体
    田中角栄「本」のつもりで購入したのですが、周辺をとりまく戦前〜戦後〜現代の「日本政治学」という方がすんなりくる。「田中角栄と安倍晋三」というより「昭和史がわかる」のほうが内容的には圧倒的に正しい。(タイトルで良い意味でも悪い意味でも誤解?損をしている気がする)

    ようは、今の日本政治はダメダメという...続きを読む
  • 1989年の因果 昭和から平成へ時代はどう変わったか
    昭和が終わり平成に変わった1989年にスポットを当て、その前後に起きた社会的・政治的な事象に対し、保阪氏が所感を忌憚なく語った一冊。特に昭和天皇の戦争責任について書かれた章には、思想信条問わず多くの人がギクリとさせられるのではないか。平成が27年を数えた今になると、時の彼方に消え去ったものもあり、未...続きを読む
  • 歴史でたどる領土問題の真実 中韓露にどこまで言えるのか
    領土問題に関してはキチガイが多過ぎるためなるべく近づきたくなかったのだが、「保阪正康なら安心だろう」と思い手にとった。強気な書名がつけられてはいるが、内容的にはやはり冷徹な保坂史観。日本近代史を「領土」の観点から見直し、事実と論点を細かく整理している。
  • 昭和史がわかる55のポイント
    長大な昭和史を、要点のみ55個のポイントとして抽出したダイジェスト本。語り口は厳し目のリベラル調で、反皇国史観でありながら、戦後の左翼に対しても厳しい。なので偏った愛国者は注意すべし(笑)
  • そして、メディアは日本を戦争に導いた
    歴史を知ることの大切さを感じるようになった。それは大人なんだから、とか教養として、という部分もないわけじゃないんだけど、それ以上に今現在、自分の身の周りを考える上で重要な示唆があると感じるからだ。

    五・一五事件の話があった。

    首相が暗殺されたというあの事件で、殺された首相犬養毅の孫である犬養道子...続きを読む
  • 昭和史 七つの謎
    目次
    ・第1話 日本の〈文化大革命〉は、なぜ起きたか?
    ・第2話 真珠湾攻撃で、なぜ上陸作戦を行わなかったか?
    ・第3話 戦前・戦時下の日本のスパイ合戦は、どのような内容だったか?
    ・第4話 〈東日本社会主義人民共和国〉は、誕生しえたか?
    ・第5話 なぜ陸軍の軍人だけが、東京裁判で絞首刑になったか?...続きを読む
  • 昭和史の論点
    昭和史におけるいくつかの重大な事件・事象をテーマに冷静に語られた対談集。中立的な立場から平易かつ簡潔丁寧にまとめられているので、非常に分かりやすい。全世代におすすめ。
  • 二・二六事件蹶起将校 最後の手記
    とあるご縁で手に入れた本。解説にもあるように、二・二六事件で蹶起将校として参じながらも「観察者」としての側面を持っていた山本又だからこそ書けたと思われる描写で、たいへん勉強になる。蹶起将校たちの空気感を、山本又は客観的に捉えられる立場にいたのであろうことが伝わってくる。

    現代語訳、原文、解説という...続きを読む
  • あの戦争になぜ負けたのか
    近衛は首相の強い意思もあり、昭和16年10月中旬に、アラスカにおいてルーズベルト米大統領との首脳会談が計画されていた。ところが近衛書簡の内容の概ねが漏れてアメリカの新聞に発表されてしまう。日本政府はアメリカに泣きを入れた!対米強硬・親ドイツ派の右翼や小壮軍人や軽噪な言論人は、この方に激昂した。一般の...続きを読む
  • あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書―
    著者の保坂正康氏は、昭和史の第一人者と呼ばれる。
    成熟社会を迎え、経済成長も期待できない今の日本。日本はこれからどこへ向かうべきか。それを知るには、二つのポイントがある。
    一つ目は、世界がどこへ向かうかを知ると良い。世界的な潮流には抗えないからだ。
    そして二つ目は、日本の過去を知ると良い。過去の延長...続きを読む
  • あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書―
    ☆☆☆☆この本のタイトルが、この本のすべてを貫いて存在してます。
    【あとがき】にあるように『太平洋戦争を正邪で見るのではなく、この戦争のプロセスに潜んでいるこの国の体質を問い、私たちの社会観、人生観の不透明な部分に切り込むのが本書のねらい』と書いてありますが、このことを踏まえたうえで、本文を振り返る...続きを読む
  • 日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島
    現行の領土問題として知られる、北方領土、竹島、尖閣諸島について、歴史から現状までを幅広く記述した一冊。

    日本の見方はとかくこれらをどうやって奪回(尖閣諸島は維持)するかというところだが、実際には世界のパワーゲームの中で様々な見方があることを知った。
  • 新編 後藤田正晴 異色官僚政治家の軌跡
    後藤田という人には興味があったので読んだが、一本心が通っている人だったことがわかった。とても勉強になった。
  • 昭和史のかたち
    昭和史をいろいろな形で表現しているのは,ある意味で理解を深める有効な手段だと感じた.特に良いと思ったのは「正方形」で日本型ファシズムを表した第2章だ.情報の一元化,教育の国家主義化,弾圧立法の制定と拡大解釈,官民挙げての暴力,これらの4本の線で国民を締め付けていたと解析している.それぞれの線は,大本...続きを読む