保阪正康のレビュー一覧

  • 賊軍の昭和史
    大河ドラマ「花燃ゆ」を見て感じた、「吉田松陰の思想が、日本を太平洋戦争に引きずり込んだのではいか」との疑問が裏付けられた。
    「靖国神社は薩長歴史観の空間」。靖国神社は今も日本を敗戦に追い込んだ薩長思想をひとめようとしている。
    安倍晋太郎も使用する「知行合一」。法治国家を否定する危うさがある。
    石原莞...続きを読む
  • 賊軍の昭和史
    明治維新前後の官軍と称する勢力は、昭和の大戦においても時代錯誤の影響力を撒き散らした。
    尊王思想にしても、自分の理想を成就せしめるためには何でもありの狂気の思想であり、今の大河ドラマが不人気なのも、活動家らに抜き身の刀を近くで振り回されているような厭な雰囲気を、視聴者が感じているからではなかろうか。
  • 賊軍の昭和史
    司馬遼太郎が書かなかった、書けなかった?昭和史。迫りくる欧米列強と対峙し、明治維新後、日清・日露を官軍の側から描けた司馬史観。
    官軍・賊軍の確執、そして、統制派、皇道派と続く、昭和の軍閥の混乱。司馬史観では取り上げられない史実だ。
    昭和史に詳しい、半藤、保坂コンビが、官軍・賊軍がどう昭和の戦争に突き...続きを読む
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く
    立憲君主制下の君主として、ごく数回の例外を除いて明治憲法で定められた「あるべき君主像」を自らに課し、そしてそれが故に、軍部の独走を抑えられず、却って国土の荒廃と数百万の国民を犠牲においやってしまったナイーブでインテリな君主。戦争を実力で止めなかったが故に法的な責任を逃れえたが、一方で同じ理由で道徳的...続きを読む
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く
    半藤一利氏、保阪正康氏、御厨貴氏、磯田道史氏4名が『昭和天皇実録』を読んでの感想を諸々述べている本。4氏の話の中から垣間見られる『実録』の内容からはとくに「新発見」の類はないようだが、新たな史料の存在も示唆されているようで興味深い(ただし、原本の公開は難しいのかも)。

    最後に保阪氏が「「昭和天皇は...続きを読む
  • あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書―
    戦後70年の広島に原爆が投下された日に読み終えた。まさに「あの戦争は何だったのか」。目的もあいまいなままに突き進んだ。著者は、あの戦争は、今も日本人にとっての反面教師となると記している。戦後に生まれた日本人は同じ轍を踏まぬようにしなければならない。黙祷。
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く
    本当なら、全61巻、12000ページあるという「実録」そのものを読みたいところではありますが、さすがに躊躇してしまうので、とりあえず昭和史の研究家の何人かが語っているこの本で概略をつかんでおこうと思いました。

    ・そもそも「実録」を残すというのは、古代中国の皇帝が亡くなった時に編纂する伝統が生まれ、...続きを読む
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く
    「昭和天皇実録」の第1巻、第2巻が書店に並んだとき、思い切って買ってみようかとかなり悩んだ。でも、今後刊行される分を含めてすべてを読み通すことは難しいし、読んでも十分理解できないと思い、この種の解説本を待つことにした。
    本書で取り上げられた部分は、大方の日本人が関心を持つ部分であり、既に知られている...続きを読む
  • 日中韓を振り回すナショナリズムの正体
    ナショナリズム=愛国心は、愛郷心のようなかたちで本来誰にでもあるものだ。が、権力と結びついているナショナリズムというものがあり、それが意図的に前者のナショナリズムを扇動し、政治的に利用しようとする構図がある。それがタイトルにある、日中韓でいま相互不信をかりたてているナショナリズムの正体だ。それぞれの...続きを読む
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く
    2014年に刊行された昭和天皇実録についての対談集。少年時代の遊びや叱られたこと、乃木希典への敬慕。欧州遊学。摂政として国の舵取り。熱河作戦の阻止失敗。2.26事件への対応と石原莞爾への不信。三国同盟と松岡洋右。開戦への気持ちの変化と軍部への不信。嘘の上奏ばかりで短波放送を聞いて情報を得る。終戦工作...続きを読む
  • あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書―
    日本包囲網で石油が2年しか持たないのは、海軍によって作られたプロパガンダだった。

    始める必然はあったが、収拾することを誰もプランニングしていなかった。

    2005年、戦後60年で書かれた本。
  • 日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島
    日本の領土問題のポイントを知るには手軽な本。外務省官僚らしく、どちらにも片寄らない引用はさすが!放置したらどんどん悪化する領土問題、、、北方領土返還のチャンスがこんなに沢山あったなんて、、、
  • そして、メディアは日本を戦争に導いた
    今回の総選挙での自民党からの圧力、秘密保護法施行と、まさに戦前回帰している今だからこそ、知っておくべき内容。どこで踏みとどまらなければならないのか、今こそ学び考えましょう。
  • 太平洋戦争の失敗・10のポイント
    太平洋戦史について書かれていますが、現代の日本国が持つ根本的な問題点、欠陥が未だに変わらず継続しているような気がしました。
  • そして官僚は生き残った 内務省、陸軍省、海軍省解体―昭和史の大河を往く〈第10集〉
    一番身近な時代でもあるはずなのに、戦国時代や幕末などメジャーな時代以上に資料も揃っているはずなのになかなかその真相がわからない『昭和』。
    正直、学生時代から自分が生きている時代であった昭和については関心が持てなかった。
    歴史の授業でも最後の最後に飛ばすくらいで終わっていた時代。
    今思うと、あえて飛ば...続きを読む
  • そして官僚は生き残った 内務省、陸軍省、海軍省解体―昭和史の大河を往く〈第10集〉
    一番身近な時代でもあるはずなのに、戦国時代や幕末などメジャーな時代以上に資料も揃っているはずなのになかなかその真相がわからない『昭和』。
    正直、学生時代から自分が生きている時代であった昭和については関心が持てなかった。
    歴史の授業でも最後の最後に飛ばすくらいで終わっていた時代。
    今思うと、あえて飛ば...続きを読む
  • あの戦争になぜ負けたのか
    この本を読むと官僚組織が力を持ちトップダウンで政策を指示、遂行していくという流れが戦前から変わっていない事がわかります。(力を持ったものが武官が文官に代わっただけ。)過去の戦争での悲劇をを風化させてはいけないと強く思います。
  • そして、メディアは日本を戦争に導いた
    今の記者のレベルがひどい点。◆新聞は戦争で儲かること。◆◆明治期の新聞は、旧幕臣がメインで、そのため政権に批判的だったなど。◆これは括目。◆◆毎日新聞西部本社版の終戦日の白紙紙面のこと。
  • 歴史でたどる領土問題の真実 中韓露にどこまで言えるのか
    北方領土、竹島、尖閣諸島と日本が隣国と領有権を争っている領土の歴史的経緯に詳しく参考になった。ただ読後感は何となくすっきりしない。本書で3つの地域とも’暴力で奪い取った’ものではないことは明らかにされたが、編入手続きに若干の不備があったり、外交交渉でうまいことやり籠められたりして、正々堂々と日本固有...続きを読む
  • なぜ日本は〈嫌われ国家〉なのか ──世界が見た太平洋戦争
    日本がまともな戦略を持たないことを痛感させられる。
    諸外国の一般人は、日本人に対するイメージを第二次大戦までほとんど持たなかった。日本人イメージが確立したのが第二次大戦であり、そこには真珠湾と英捕虜の処遇などが大きく影響し、それは現代までつながっている。
    一方、独伊が日本の利用法に対して持っていた方...続きを読む