葉真中顕のレビュー一覧

  • ロスト・ケア
     衝撃作。佐久間の愚かさはもちろん断罪されるべきものだが、逆恨みや嫉妬に近い大友への酷評は必ずしも的外れではなかったと最後には思わせられてしまう。安全圏で声高に善性を説いても、物事の一面しか見ていない者の言い分に過ぎない。正義も悪もない。検事の職責として範囲はここまでと区分せざるを得ないとしても、検...続きを読む
  • Blue(ブルー)
    平成が始まるときに生まれたブルー、そして平成が終わる時に死んだ。少年の半生を描いた本。
    一気読みしました。
    悲しい終わりに、涙しました。
  • 鼓動
    圧巻。
    引きこもりを題材にした作品の中で過去イチ良かった。

    物語は、長い引きこもり生活の末に罪を犯した草鹿秀郎と、事件の真相を追う刑事・奥貫綾乃の視点で交互に語られる。

    たらればを言ってもしょうがない。

    だが、中学時代のいじめがなければ…。
    就職氷河期のタイミングと重なっていなければ…。
    一人...続きを読む
  • 絶叫
    なんで、あなたは、っていう話の進め方なんだろうと思ったら最後の最後にそういうことか、と。
    最後の4行読んですごい遡った。

    東京に住む意味は、選べるということ。
    っていうのがそうだなあと思わされた
  • 鼓動
    ★5 引きこもり中年男性が侵してしまった事件… 8050問題の背後にあるリアルな原因と結果 #鼓動

    ■あらすじ
    長い間ひきこもり生活を続けていた秀郎は、近所に住むホームレスの老女を公園で燃やしていた。通報を受けた彼は逮捕され、さらに自宅で父も殺害したと供述をする。

    事件の背景について捜査を進める...続きを読む
  • 鼓動
    葉真中顕氏の力作、
    不可思議な殺人事件をめぐる捜査の中で、様々な人間模様を見事に結びつけ、最後まで一気読みしてしまった。
    団塊世代と団塊ジュニアの世代、8050問題などとよく言われる問題、我が家の事とついつい結びつけながら読んでしまった。
  • ロング・アフタヌーン
    題材、設定、構成がとても好き

    一気読み。個人的ヒット

    出版社勤務
    本を愛してやまない
    生き悩む女性たちが主人公
    男性性への疑問、人間の課題の根源
    彼らに都合良く作られた社会構造

    親友への思慕
    人生の選択、自分で選び取ってきたこと自体の大切さ
    『それぞれの選択は思い描いた通りの結果を招かなかった...続きを読む
  • 鼓動
     奥貫綾乃刑事…なんか、名前知ってる…!!「絶叫」と「Blue」にも出てきてたんだ!!なんの予備知識もなく、ただ好きな葉真中顕さんの新作だからと読み始めました。やっぱ、葉真中顕さんの社会派ミステリーはスゴイです。

     「明日は今日より豊かになる」で始まるプロローグ…。ホームレスの老女が殺された上に燃...続きを読む
  • 絶叫
    ラスト4行で絶叫します。
    あまりに悲惨な鈴木陽子の人生に、読むのが1億回嫌になりましたが最後まで読んでよかった〜!!あまりにも勇敢。
  • 鼓動
    引きこもりの主人公と同年代の自分にとって、この物語には大きく揺さぶられた。
    そういえば自分の子どもの頃ってこうだったよね、となんとも言えない懐かしさや息苦しさ。

    時間を忘れて一気読み。
  • ロスト・ケア
    介護業界の闇を知り、まさに”社会の穴”を痛感した。
    介護する側もされる側も、貧富の差を問わず全員が救われる世の中になってほしい。
    大友と佐久間の善人っぷりとクズっぷりが対照的なのも、話の展開に良いスパイスとなっていた。
  • シークレット~綾辻行人ミステリ対談集in京都~
    綾辻さんもいつの間にかもうかなりのベテランっていうのが驚き。今をときめく若手の書き手の対談はとても興味深いし面白い。ホストが綾辻さんだから成り立っている部分が多分にありそう。もっと分量を読みたいし、他の方との対談も読んでみたい。
  • ロスト・ケア
    映画が上映されている時から気になっていたので本を購入して読みました。
    他人事ではなく将来自分も経験することになるかもしれない介護について深く考えさせられる本でした。
    欺波という人物、彼という自分それぞれで話が進んでおり構成が面白かったです。
    映画のポスターや予告から犯人が誰か分かっていたので分からな...続きを読む
  • ロスト・ケア
    ずっと読みたいと思いつつも怖くて読めなかった。年月が流れ、今やっと読めた。
    あなた達なら出来ると全ての人達から言われ、最初は使命感で誠心誠意お世話をしていたが、年月が経つに連れ、この生活はいつまで続くのか神経は擦り減っていった。介護に終わりを望むことはいけないと分かっていても望んでしまう。開放された...続きを読む
  • 鼓動
    面白かった。長年引きこもりの生活をしてきた男と自分の娘を愛しきれなかった刑事の心情が事件の流れにそって交互に語られていく設定が読みやすく引き込まれてしまい一気に読んでしまいました。
  • 鼓動
    葉真中顕さん初読みにして最高傑作に感じた作品でした。いまだかつてない心理描写ミステリーだと感じました。読み始めてなんともない展開がだんだんと心躍らせるストーリーになってきました。引きこもり、ホームレス、つながりなどあった驚く展開にびっくりです。刑事奥貫綾乃の経歴がいまだかつてないダークなイメージで出...続きを読む
  • ロスト・ケア
    私をはじめ、多くの人が斯波の人生が導き出した答えに共感をしてしまうと思う。身近に介護が必要な老人はなく、私自身も介護は未経験だけど、未曾有の高齢化社会に直面し、そしておそらくしばらくは老人を支える側になるであろう世代の1人として、深く考えさせられる作品だった。この作品を読んで『安楽死を合法化せよ』と...続きを読む
  • 灼熱
    戦争が齎した日本人同士の無駄な闘い。
    戦争が終わっても、10年近く戦争が続いていたことを知ることができた。
    教科書では学ぶことのできない、ブラジルでの勝ち負け抗争…
    最後の参考文献や現地取材など、著者とこの作品に関わる全ての方の尽力に敬意を!
  • ロスト・ケア
    正義なのか悪魔なのか・・現代社会の闇に深く切り込んだ物語。
    読後も何が正しいのか自問自答を繰り返してしまう。ここまでひきずる小説も珍しい。きっと素晴らしい作品だということなのだろう。
  • 絶叫
    長い〜!長いけど読み進める手が止まらない!一気読みしてしまった。

    もちろんフィクションの話なんだけれど、でもエピソード一つ一つは日本のどこかで起きていることなんだと思うと怖くなる。
    ホームレスを囲っている団体も、離婚して風俗に落ちる女性も、人知れず山林に捨てられる人間も、きっと現実にはたくさんいる...続きを読む