葉真中顕のレビュー一覧

  • ロスト・ケア
    痛い。心が痛い。今年の春、認知症のははを亡くしました。母は、静かに息を引き取りましたが、私だって この本の中の一人になっていたかもしれない。たくさんの方に読んでほしい。
  • そして、海の泡になる
    かつて大阪ミナミの千日前にあった料亭の女将で、天才投資家とよばれた尾上縫をモデルにした物語。話は日本の敗戦から始まり、朝鮮戦争特需、戦後復興、オリンピック、万博、プラザ合意、バブル、バブル崩壊と日本経済に合わせたジェットコースターのように主人公の人生は急展開する。求めたのは女の独立、幸せなのか?
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  • 絶叫
    出来事の重なりと知らぬ間の選択で陥ってしまう負の連鎖から自由に生きることの意味を捉えていて、読み応えがあった。
  • ロング・アフタヌーン
    作中作「犬を飼う」からの始まりにして、すでに不穏な雰囲気プンプンです。
    小説家志望の女と編集者の女2人の物語ですが、作中作「長い午後」がリアリティにあふれ、どんどん2人の人生にリンクし絡まっていく様は圧巻です。

    NANAのいちばん好きなシーンが出てきました。
  • 絶叫
    はじめは、盛り込みたい「要素」を優先するあまりなのか、人物たちの会話にやや自然なリアリティが不足しているのが気になってしまったが、徐々に浮き彫りになる事件の行方に引き込まれ、そして最後は気持ち良く驚きを味わえた。
    男女間の教育格差と賃金格差、機能不全家族、発達障害、セクハラ、雇用問題、性産業、DV、...続きを読む
  • ロスト・ケア
    現代の日本が抱えている介護•福祉の問題を突きつけられる作品。
    ずっしりと重くのしかかってきた。

    「安全地帯」にいる人には絶対にわからない。
    身をもって介護の辛さを経験している人にしかわからない。
    正しいこと、理想論を唱えるだけでは解決できないことがあり、犯人が辿り着いたのは「ロストケア」だった。
  • ロスト・ケア
    頑張って生きてきて、最後ぐちゃぐちゃになってしまって、家族を辛い目に合わせるくらいなら、本人も尊厳死したいよね。家族の絆があったからこそ、縛られて。事件の酷さより、それでもまだ悪くなっていく未来しかないのが恐怖。
  • ロング・アフタヌーン
    導入の小説で一気に惹き込まれた。
    "犬を飼う"は、男性差別の極論のような話で、確かに重箱の隅をつつくような設定の疑問点はあれど、面白い世界観だった。
    そして、"長い午後"では共感が強く、本当か嘘か分からないようなラスト。特に、最終選考に残ったことで魔法がかかり、夫に対して食事中、優勢になっていた場面...続きを読む
  • ロスト・ケア
    面白かった、けどそれだけじゃない。
    介護の過酷さに震えた。
    自分の近い将来を見るようで、怖かった。
    義父母が介護になったら。
    一人で支えられるだろうか。
  • ロング・アフタヌーン
    読後感はいやーな気持ちになりました。
    でも、怖いもの見たさで他の本も読みたくなってしまいました。
    志村多恵さんの書く小説と、それを読む編集者、葛城梨帆さんの話になります。
    この志村さんの書く小説が薄気味悪いです。
    しょっぱなから飛ばしています。
    男のいない世界で、男が産まれるとすぐに脳の1部を切り取...続きを読む
  • Blue(ブルー)
    名は青、母親は彼をブルーと呼んだ。。。

    ブルーにはない、愛と幸福に満たされた家庭
    それを滅茶苦茶に崩壊したいという気持ちに翻弄されます
    苦しみもがき、平成という太く短い時代を生きたブルーの人生を追います

    躾とは言えない幼児虐待、貧困、無戸籍児、外国人の低賃金労働、違法売春、ドラッグ、様々な社会問...続きを読む
  • 灼熱
    ブラジル移民と戦争の話。
    同じテーマだと垣根涼介のワイルドソウルがあるが、あちらは1960年代から話がスタートするのに対し、こちらは戦前から始まる。殖民地を開拓し日本人村を作り、そこで生まれる交流。日本の敗戦を信じず、日本は勝ったと信じ込む人たちと、敗戦を認識していた認識派。両者の抗争に巻き込まれる...続きを読む
  • 絶叫
    早く先が読みたくて、一気読みでした。

    途中はなんともいたたまれない感じでしたが、こういうお話は大好きなんで、面白かったです!
    初めての作家さんなので、違う作品も読んでみたいです。
  • Blue(ブルー)
    貧困、虐待そして無国籍。虐待により心が傷つく。心が固くなる。身体が痛い。感覚が無いようにしたくなる。
    ブルーの気持ちが、どこに有るのか?
    どう生きれば良かったか。どんな子供か。どうすればよかったか。どんな大人になりたかったか。悲しい。
  • Blue(ブルー)
    平成時代の社会の闇を凝縮したような内容です。

    ベトナムの『運命の湖』という美しい青色をした湖の風景から始まります。
    これに関しては何の予備知識も入れずに読み始めた為、完全に油断していました。

    この景色が伏線なんだろうなあ、位で読み進めて行くうちに、おや?あらあら?これは…
    コレヲヨムニハ、カクゴ...続きを読む
  • 絶叫
    かなり読み応えのあった1冊。少し長かったから★4だけど、すべて必要な描写で文章構成がすごった。想像した結末とはちがって、うわーやられたーってかんじ。
  • 絶叫
    うわぁ。
    してやられる。

    きっとみんな、どこで絶叫すんだろ。断末魔か?と主役がいつどこで題名通りに絶叫するのかと待ち構えて待ち構えて、待って待って、読んで読んで読み進めて。

    最後。

    わたしが絶叫しました。



    ぎゃ〜



  • 凍てつく太陽
    終戦間近の北海道室蘭が舞台。アイヌの人達がこの時代どう生きたのか、ミステリーや脱獄もののエンタテーメントの要素があって読み応えあった。
  • コクーン
    1995年の事件を主軸に過去と現在が行ったり来たりのバタフライエフェクトもの 登場人物が多い はじめはそんなに多いと思ってなくて、年代的に合わないからだれの話だろうと混乱するけど、読み進めていくと緻密によくできていて凄いなあと感心する
  • 絶叫
    初めて著者の作品を読みました。主人公と同年代ということもあり、リアルさを感じされられました。事件を追う刑事目線で読んでいた私は、なんという、波瀾万丈な。。。映画や小説の中のストーリーみたい。と、いう感想を持ってしまう程に、リアルにその世界を生きている人もいるだろうと、思わせる作品でした。