ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
1995年3月20日、丸の内で起こった無差別乱射事件。カルト教団『シンラ智慧の会』による凶行の首謀者は、忌まわしき過去を背負う教祖、天堂光翅であった。彼や教団に関わった者たちの前に現れる一匹の煌めく蝶。金色の翅が導くのは地獄か、それとも……。平成を揺るがすテロ事件が生み落とした絶望とかすかな希望を、幻想的かつスリリングに物語る衝撃作!
アプリ試し読みはこちら
Posted by ブクログ
絶望の世界の物語なのに、なぜか神々しい世界へ連れて行かされる。今まで経験のしたことがない物語体験でした。 カルト教団、診療報酬、自殺サイト、震災、戦争、性的虐待……、 『ロストケア』『絶叫』と同様に今回も葉真中さんは社会の闇、人間の闇に容赦なく光を当てます。 各章に登場するそれぞれの...続きを読む登場人物たちが見る闇と地獄。そして幕間に登場するある女性の壮絶な人生。葉真中さんの筆力はますます乗ってきているというか、光無き世界とその運命に翻弄される人物たちを、容赦なく描きます。どれもシリアスで暗い話ばかりですが、ついつい引き込まれます。 そして、第4章を読み始めたとき「ん?」と思う人もいるのではないかと思います。 なんとも意味深な夢から始まり、そして4章の語り手の幼少時代も、人によっては「ん?」と勘ぐる人もいるかもしれません。 そしてその意味は最後に明らかになります。そして4章以外にもところどころで描かれていた、引っかかりたちにも、途方もない意味があったことが分かるのです。矛盾を最後に意味を持たせるということに置いては、これはミステリーなのかもしれません。しかし、そこから導き出される世界の真実は、ミステリという概念を大きく飛び越えてしまうのです。 介護、貧困……自分の世界も運命も、ふとしたきっかけで容易に反転しうることを、これまで読んできた葉真中作品では描いてきたように思います。それは個人ではどうしようもない、社会がそして世界が個人の上に乗っかり、押さえつけているからのようにも感じます。 しかし、その社会や世界を相対化するような光景を葉真中さんは用意します。それはある意味このどうしようもない世界の、一つの究極の真理なのかもしれません。 多分この種明かしに納得できない人もいると思います。ただこの物語の到達点は、おそらくそんじょそこらの作品では、決して描ききれないものだと僕は強く思うのです。
1匹の黄金蝶が導く、数多の人たちの過去、そして現在。 全ての人の運命は、1995年にカルト教団「シンラ智慧の会」が起こした銃乱射事件で繋がっている。 それぞれの人が各々の考えで行動し、生きていると思うことは当然なのか、それともこの世界の全ては巨大な装置に牛耳られ決まったルートをあたかも運命かのように...続きを読む選ばされているだけなのか…。 さすが葉真中顕さん、今回もめちゃくちゃ深かったです。 本書のキーワードであるバタフライ効果の着地点、なるほど!面白い! 「社会小説」「ミステリー」だけでは到底表現し尽くせない緻密さに酔いしれる作品でした。
1995年の事件を主軸に過去と現在が行ったり来たりのバタフライエフェクトもの 登場人物が多い はじめはそんなに多いと思ってなくて、年代的に合わないからだれの話だろうと混乱するけど、読み進めていくと緻密によくできていて凄いなあと感心する
カルト教団「シンラ智慧の会」 その教祖、教祖の母親、信者、信者の家族、教団が起こした事件の被害者とその家族。 いろんな面から見る世界。 複雑に絡み合う出逢い。 あの時、この道を選んでいなければ幸せだったのか。 運命というものを考えさせられる。
蝶を視点に物語が動くので神秘的な印象がある。時代や登場人物がコロコロ変わり、それぞれに繋がりがあるのでついていくのが大変だった。繭子のエピソードが一番こわかった。
#ダーク
『ロスト・ケア』から派生した、行き場のない人々の姿が、こちらでも描かれているように思う。ロスト〜ではぎこちなかった文体や物語性は、強く確かな骨格を持って、鍛えられた鋼のようだ。 余談だが、こちらを読んだ方は、ぜひ、中村文則『教団X』も読んで欲しい。
テロを起こした教祖と、その事件に人生を狂わされた人たち、教祖を産んだ母、関わりになった人たちの物語がつぐまれている。 生きることって苦しいよね、でも意味があるよねということなんだろうけど、複雑で割り切れるものでもなし。 文章は上手いし、話も複雑に絡み合っている構成も上手い。 面白いけど。難しい。
こことここが繋がってるんだ、あーだからか、、的な繋がりは多数だけれど、どんでん返し的な驚きはない。 読んでて辛くなる描写が多かった。救われない。 カルト的宗教団体、格差社会、生活保護の搾取、集団自殺、、等々、実際の社会問題や震災など、リアルなものが盛り込まれている。 読み終わってモヤモヤっとする...続きを読む。
個人の選択の違いで少しずつ分岐し存在するかもしれないパラレルワールドでも、歴史の大きな流れは変わらないとしたら。。 主人公の、カルト宗教団体の教祖としてテロを起こした息子が、生まれてない世界の方がより大きなテロ事件も原発事故も起こってたら、わたしと息子の存在にも意味があったのだ…という着地は主人公の...続きを読む救いにしかならないけれど、主人公にとっては唯一の救いだろうな。 丸の内で銃乱射事件を起こす《シンラ智慧の会》も東日本大震災も、ハルピンの描写も生々しい。群像劇で連作短編集なので前の話に出てきていた人物がこの人だったんだ…というつながりが恐ろしいです。“沼”はこれから天堂光翅みたいになるんだろうか? 「原因と結果は、常に強力な因果律で結びついているのだ」。だとすると、今起こっている事も因果応報なのだろうか。思いの外落ち込みます。
結果として 一気に読む手が止められず 引き込まれる作品だった。 読み進める程にしんどくなり、 どんどん気持ちが落ちて行く。 実在した事件や災害を背景に 新興宗教にのめり込み、犯罪に手を汚す者たち、 信仰の教えに陶酔する事で救われる者、 裏切られる者に関わる家族。 無信仰の者には到底理解できない...続きを読む。 信じる者も信じない者も救われない結末。 勿論フィクションだけど、 実際にあった事件の背景を生々しく 解明するようなリアルさに まんまとやられた。
レビューをもっと見る
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新刊やセール情報をお知らせします。
コクーン
新刊情報をお知らせします。
葉真中顕
フォロー機能について
「光文社文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
Blue(ブルー)
ロスト・ケア
アイアムアヒーロー THE NOVEL
凍てつく太陽
鼓動
作家 超サバイバル術!
灼熱
小説現代 緊急特集 この災厄に思うこと
「葉真中顕」のこれもおすすめ一覧へ
▲コクーン ページトップヘ