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沖縄生まれの勇と、日系二世のトキオ。一九三四年、日本から最も遠いブラジルで出会った二人は、かけがえのない友となるが……。第二次世界大戦後、異郷の地で日本移民を二分し、多数の死者を出した「勝ち負け抗争」。共に助け合ってきた人々を駆り立てた熱の正体とは。分断が加速する現代に問う、圧倒的巨篇。
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Posted by ブクログ
戦争が齎した日本人同士の無駄な闘い。 戦争が終わっても、10年近く戦争が続いていたことを知ることができた。 教科書では学ぶことのできない、ブラジルでの勝ち負け抗争… 最後の参考文献や現地取材など、著者とこの作品に関わる全ての方の尽力に敬意を!
舞台はブラジル。大正時代からブラジルに移民してきた人達の話。 主人公は勇とトキオ。物語は2人の目線から進んでいきます。 ブラジル移民の子供として、ブラジルで生まれて育ったトキオと、日本で生まれ、ブラジルに移住してくる勇。 弥栄村という、ブラジルの殖民地で出会い、親友となります。 そこから戦...続きを読む争が始まり、遠く離れたブラジルにもその影響が。 終戦になるも、戦争に勝ったと思う派と、負けたと思う派が別れて争いに。 テーマは、認めてしまう事の恐怖だと思います。 戦争に負けたと、何となくわかっている。でも、それを認めてしまったら、自分は?家族はどうなるのだろう?という恐怖。 そして、移民してきた事が間違いだったかもしれないと思ってしまう恐怖。 長い話でしたが、別の視線から戦争を知ることができ、良かったと思います。
1934年、ブラジルの日本人入植地「弥栄村」で出逢った沖縄生まれの勇とこの地で生まれ育った日系2世のトキオ…2人は無二の親友となる…。その後、太平洋戦争が勃発…1945年に終戦を迎えるも、ブラジルでは「日本は勝った」と信じる「戦勝派」と敗戦を認める「認識派」の「勝ち負け構想抗争」が勃発…、勇とトキオ...続きを読むも巻き込まれていく…。 圧巻のストーリーでした。「もうひとつの戦争」と言っても過言ではないと思います。実際に当時あったんですね、知りませんでした…。でも太平洋戦争って、こういう思想が当たり前にあってそれを信じて疑うこともない…そんな時代があったと思うと怖くもあり、でもそれだけ日本って気高い国民性を持っていたんだなって…そんな風に感じました。そして思うのは、今は??なんだか…いいように流されてしまっているんじゃないかなぁ~とか、思ってしまったり…。この作品では、このストーリーが描く時代背景と、あと勇とトキオの友情の行方が一番の読みどころかな…この作品を手に取れて、知らなかったことを知ることができ、よかったと思います。
舞台も内容も登場人物も好み。 よくここまでの内容を丁寧に描写してくれた。 知らない歴史を知ることが出来たのも良かった。
人間は自分に都合の良いことを信じてしまう。その信じたことを否定する他人を排除しようとする。それを象徴する事件が第2次世界大戦直後のブラジルで起きた「勝ち負け抗争」だ。 ブラジルに移住していた多くの日本人が、日本は戦争に勝ったと信じるグループと負けたと信じるグループに分かれ、対立。多くの死者が生じる...続きを読む武力抗争にまで発展した。 本作品はこの事件に巻き込まれ、かつての友情を失い、敵対することになってしまった青年たちの物語。故郷から遠く離れた地で、協力して暮らしていたはずの日本人が不確かな情報によって、醜く争ってしまう史実と謎の老婆をめぐるミステリーがほどよくミックスされた歴史小説だ。 こんなことで争うなんて、昔の人はおろかだった。確かな情報を簡単に手にできる今の時代はすばらしい。なんて、思うかもしれないが、現代だって宗教や強力な主導者をすんなりと信じて、極端な行動を選択するものはいくらでもいる。信念を前にすれば、人間は簡単に分断される。ただの昔話とは思えない恐ろしさがある。
普段は、TVドラマってあまり見ないのですが、昨年1月たまたまチャンネルを合わせた「その女、ジルバ」になぜかハマってしまいました。池脇千鶴の40歳になった女性の自信の無さを描く捨て身の演技がすごかった…不惑女性の惑いまくりの人生が少しづつ変わっていく小さなスナックを舞台にしたファンタジーなのですが、そ...続きを読むのお伽噺(?)に厚みと深みと苦みを与えていくれるのが、ドラマには登場しないスナックを始めたママ、ジルバの人生。ブラジル移民が戦後帰国したという設定で、日本の終戦を受け入れるか入れないかの「勝ち負け抗争」も彼女の人生の大きな出来事になっていました。戦勝派、敗戦派のことはそこで初めて知ったのですが、本書はその争いをテーマにした骨太なエンターティメントです。作者は「凍てつく太陽」で初めて知った人ですが、共通して日本という国のギリギリの境界線で、日本人のアイデンティティの不確かさを描いています。アイヌ民族、ブラジル移民、彼が選ぶテーマには日本が考えずに放置していた問題が逆噴射しているような熱さを感じます。1945年8月15日を敗戦とせず、終戦と呼び「一億総懺悔」として責任を過去のものにしてきたことが、はるかかなたのブラジルでは勝ったのか、負けたのか、お互いを殺し合う抗争になる、まるで内向きの目線で事を済まそうとしている戦後日本に対して、そんな訳にいくか、と暴れているようです。今年、沖縄復帰50周年でいろいろメディアでも取り上げられていますが、お祭りではなく、きっともっと向き合わなくてはならないのでしょうね。
小説であるが、ほぼノンフィクションである事に驚き。 実際にブラジルで「勝ち負け抗争」があったようであるが、当時の日本の情報断絶の状況は想像に難くない。横井庄一さんや小野田寛郎さんのように30年近く経ってから日本の敗戦を認識した例もあるくらいだから。 逆に情報過多の現代もフェイクニュースが溢れ、またロ...続きを読むシアや中国のように自国有利な情報以外は遮断される状況においては、判断が難しいとも言える。 現代の日本においても、為政者や悪意ある者の恣意的な情報操作に惑わされずに、様々な情報を元に冷静に判断出来るようにしていきたいと思う。
凄かった。今まで読んで(知らされて)きた歴史は何だったのかと、今更ながらの無知さを恥じるばかり。あるメディアで、戦争は軍人ばかりでなく、狂信的な国民の後押しがあったから〜と言う様な事を知ったが、正にこんな事がそこかしこであったのかと戦慄と共に660ページ超えを一気に読んだ。 1人でも多くの人に読んで...続きを読む欲しい一冊。
戦前から戦後直後までのブラジルに移民として渡った人たちの苦労を描く前半。後半は、日本が戦争に負けたと知る人たちの、負けてないと主張する人たちの強烈な抗争を描く、ドキュメント風小説。 分厚いのに一気読み。参考文献を見ると、どうやら抗争は事実あったことらしい。情報を捻じ曲げ曲解したり、自分の都合の良い...続きを読む方に解釈するのは、洋の東西を問わず、またいつの時代でもやってしまうことなのだろう。 歴史的に何があったか知る知識小説でもあり、また親友だったトキオと勇がなぜ対立するようになり、それがどうなっていくかを読むエンターテインメントでもあった。
戦後ブラジルの日本移民を二分した「勝ち負け抗争」事件が題材。あの「凍てつく太陽」と同様骨太でエンタメ性も高く、何より史実の重みを感じる、期待通りの新作だった。8・15以降、満州、東南アジアや北方領土だけでなく、地球の裏側ブラジルでも“戦争”は続いていたという事実、いつの世も変わらないデマの怖さを今改...続きを読むめて思い知らされる。600ページ超の大作だが冗長さはない。特に分断が進む第2部からの展開はスリリングで、ミステリー的要素もあって一気読み。最後は胸が熱くなった。葉真中作品にハズレなし!
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