葉真中顕のレビュー一覧

  • 灼熱
    「ブラジルに取り残され、国に棄てられたと悟ったあのとき、変わったんじゃないでしょうか」志津が語る。男の人は志が無に帰しただけ、女の人は”悪魔”になって守ったのに。そんな思いが伝わる。

    明治以降の海外移民政策。ブラジルは比較的上手くいった方だと聞いていたけど、戦争によって棄民政策と化けてしまう。移民...続きを読む
  • コクーン
    葉真中作品にしては評価が低かったのでイマイチなのかな…?と思いながら読み始めたけど、あれよあれよとイッキ読みでした。
    最後まで読んでパズルのピースがピタッとハマったけど、、バタフライ・エフェクト、、なんか怖いなぁっと思った。
    でもその後、何気なくページを捲っていたら、続きのようなものががあって、、、...続きを読む
  • コクーン
    蝶を視点に物語が動くので神秘的な印象がある。時代や登場人物がコロコロ変わり、それぞれに繋がりがあるのでついていくのが大変だった。繭子のエピソードが一番こわかった。
  • ロング・アフタヌーン
    二重らせんの物語 - 葉真中顕「ロング・アフタヌーン」★★★★☆

    面白い仕組みだな。物語と事実がリンクするような気分になってくる。でも事実も物語なわけだから物語を2つ読んでいる気分になるのか。
    すごく読みやすいので、なんか流れちゃった感が強かったけど、面白かったな。どこまでが事実でどこからが物語な...続きを読む
  • 灼熱
    第二次世界大戦後、ブラジルで起きたもう一つの闘い「勝ち負け抗争」の史実に基づいた600ページを超える大作。
    日本の移民政策で1934年にブラジルに渡った沖縄出身の勇とブラジルで生まれた日系二世のトキオ。
    同い年の二人は親友となるが、第二次世界大戦が始まり、日本が不利になる中で、二人も離れ離れになる。...続きを読む
  • コクーン
    広義でのバタフライ・エフェクトを狭義に落とし込んだような作品。

    ロスト•ケアを読んですぐに読み始めた。
    こちらも現実の事件と少し絡めて物語が進む。
    中心にいるはずの教祖のことは深く掘り下げられず、周囲の人々の人生を描かれている。

    単行本と文庫本では掌編の順序が逆なようなので、個人的には文庫で読ん...続きを読む
  • Blue(ブルー)
    ★4.5
    絶叫に続き葉真中さんの著書2冊目です。
    おもしろかった。

    ただ、何日かかけて読んでいたため「これは誰だっけ?」「どう繋がってたんだっけ?」と自分の記憶力の乏しさに悲しくなりました(;_;)
  • Blue(ブルー)
    時代とその時の社会問題が合っていたので読みやすかった。
    その社会問題の中生きる者の話なので途中で何度か切なくなった。
  • Blue(ブルー)
    初めてこの作者の本を読んだが、社会的な課題がテーマで面白い!
    子供時代に、当たり前に与えられるべき愛情、環境、そもそも存在しているという証明、それが無い人がいる問題。
    最近、児童養護施設卒業後のフォローが強化されているニュースを見たが、もっと幼い頃に、人の暖かさを感じながら育つことを支援する必要があ...続きを読む
  • 灼熱
    数年前に垣根涼介の「ワイルドソウル」でも読んだ、
    戦後のブラジル移民計画が題材、
    馬鹿げた国策に振り回された人々、やるせない思いで読みました。
  • 凍てつく太陽
    アイヌの生活とかよく調べているなと思いながら読み進めてましたが
    終盤、えっまさかあの人が...ですよね。
    無理がないのかもう一度読み直してみたい気もするけど....
  • 灼熱
    1934年、ブラジルに移民した沖縄生まれの勇と、ブラジルで生まれ日本を知らないトキオは出会う。初めから気が合った2人は、以後10年以上に亘り友情を育むが、太平洋戦争の終結が思わぬ事態を引き起こす……。
    本文664頁に及ぶ大作。移民の苦労や戦争の悲惨さも描かれるが、2人の少年の成長譚として読んだ。巻末...続きを読む
  • 灼熱
    「日本は大勝利をおさめた」
    終戦後、遥か遠いブラジルで祖国の勝利を頑なに信じた日本人移民たちがいた。彼らは愛国団体を結成し、それはやがて狂信的な団体となり、敗戦を受け入れた同胞への襲撃を始める。
    「勝ち負け抗争」と呼ばれる勝ち組と負け組の争いが圧倒的なリアリティで描かれる。
    抗争に翻弄される無二の親...続きを読む
  • 灼熱
    読書再開一冊目にしてはヘビーな作品でしたが、読み終わったあとの充足感はなかなかでした。知らなかったブラジルでの抗争。いま日本でも起きている情報操作による人との分断。怖い…思い込みとそれぞれの正義が暴走してました。おかしい、と思うことに声をあげることの難しさ。日本を愛する気持ちは同じなのに…。
  • 夜更けのおつまみ
    まさに夜更けにお酒をちびちびと呑むように、ちびちびと気分が良い夜に読んでいたら結構時間がかかったけど好きな本でした。このシリーズ、他のも読んでみたい。生活感が満たされる。
  • 夜更けのおつまみ
    原稿があがった後の枝豆とビール、秘密のレシピでつくる肴、大切な人との一皿…。31人の人気作家がおつまみにまつわる思い出を語ったエッセイ・アンソロジー。『asta*』掲載を文庫化。投稿コンテスト大賞受賞作も収録。

    いろいろ試したくなるおつまみ。
  • W県警の悲劇
    W県警の熊倉警部が遺体となって発見された。
    彼に極秘任務を与えていた監察官の松永菜穂子は
    動揺を隠せない。
    県警初の女性警視昇任はあくまで通過点。より上を目指し、この腐った組織を改革する。その矢先の出来事だったのだ。
    「極秘」部分が明るみに出ては、県警を揺るがす一大事だ。事故として処理し事件...続きを読む
  • シークレット~綾辻行人ミステリ対談集in京都~
    ホスト役・綾辻行人さんの人望の厚さが窺い知れる、まさに十人十色の対談集。過去の雑誌連載をまとめたものだが、最後のボーナストラックは最新の“語り下ろし”。その相手、熱烈綾辻ファンを公言する辻村深月さんとのやり取りがとても和んだ。
  • コクーン
    『ロスト・ケア』から派生した、行き場のない人々の姿が、こちらでも描かれているように思う。ロスト〜ではぎこちなかった文体や物語性は、強く確かな骨格を持って、鍛えられた鋼のようだ。
    余談だが、こちらを読んだ方は、ぜひ、中村文則『教団X』も読んで欲しい。
  • 政治的に正しい警察小説
    葉真中顕さんにしては珍しい独立した短編集。どれもイヤミス全開。『秘密の海』..1番釈然としない。『神を殺した男』..1番読み物として面白い。『推定冤罪』..1番気持ち悪い。『リビング・ウィル』..1番どうでもいい。『カレーの女神様』..1番よく出来ている。『政治的に正しい警察小説』..1番ナンセンス...続きを読む