葉真中顕のレビュー一覧
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戦争が齎した日本人同士の無駄な闘い。
戦争が終わっても、10年近く戦争が続いていたことを知ることができた。
教科書では学ぶことのできない、ブラジルでの勝ち負け抗争…
最後の参考文献や現地取材など、著者とこの作品に関わる全ての方の尽力に敬意を!Posted by ブクログ -
正義なのか悪魔なのか・・現代社会の闇に深く切り込んだ物語。
読後も何が正しいのか自問自答を繰り返してしまう。ここまでひきずる小説も珍しい。きっと素晴らしい作品だということなのだろう。Posted by ブクログ -
一瞬の展開に「えっ?何?何?…何が起こった?」
頭の中が大混乱!
ストーリーもさることながら、
社会問題に切り込んだ題材が、深く心に刺さりました。
最終章は涙と動悸(年のせいでしょうか?)
で心ここに在らず状態になってしまった。Posted by ブクログ -
孤独死と思われた女性の壮絶な半生。
本人が意思決定をしているように見えるが、実はそうじゃない。
社会の闇に絡め取られるように転げ落ちていく様子があまりにもリアル。キツイ描写もあるが展開が気になり一気に読んだ。圧倒されたし、最後は衝撃で声が出た。Posted by ブクログ -
出版社の小説部門で働いていた主人公。その時に小説を投稿してきた女性が、7年の月日を得て、再び主人公に小説を送るところから物語は始まります。
その物語もとても興味深いというか、特殊というか。(なんでデビューさせなかったの?と言うぐらい、印象に残ります)
テーマは、愛に負けるな!じゃないかなと思い...続きを読むPosted by ブクログ -
編集者の梨帆に届いたのは、七年前に新人賞の最終候補に残ったものの、落選した志村多恵による新たな小説だった。「長い午後」というタイトルのその小説に、梨帆は引き込まれていく。そしてこの小説は事実を描いたものではないのか、という疑念が強まるなか、小説の主人公は大きな決断をすることになる。本好きは特に必読か...続きを読むPosted by ブクログ
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まず、逃げ切っちゃうんだ。。の感想で頭いっぱいになった。
しかも普通に、あ、え?って声出てたし、出てきた人と物語が絡み合って濃密で満足って感じ。
出てきた女性たちの人生は全然環境が違うのにどこか通づるところがあって私も子育てについてはどうなるかわからないなって、ドキドキした。
いい。Posted by ブクログ -
女の午後は長いというけれど、
で始まる7年前に新人賞で落選してしまった志村多恵から突然届いた原稿。
ミステリーのような、シスターフッドのような、絶妙なバランスと素晴らしいストーリー構成。面白い!どんどん先読みたくなる。
今回は社会派なストーリーではない。Posted by ブクログ -
大戦直後、ブラジルの移民社会で起こり同胞の間で多数の死傷者を出した勝ち負け抗争を舞台にブラジル移民がブラジル社会に根付く初期の過程を主人公達の物語にのせて描く。骨太な社会派小説で、その作風は得難い。主人公たちの物語性もよく、里子が志津を赦すラストあたりはどーしても泣ける。主人公は勇とトキオ。長編。Posted by ブクログ
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本作には物語を書く女と編集者の女が登場する。編集者の女は次第に彼女の書く物語に魅了されていく。
本作はとても意地が悪い。書き出しからして男性への嫌悪が剥き出しになっている。男性優位の社会で打ちひしがれ、認められなかった女の怨念のようなものを強く感じた。
長い午後、というタイトルがとても良い。作中作...続きを読むPosted by ブクログ -
冒頭の挿入小説も不気味でしたが、タイトルにもなっている小説を読み進むにつれますます気味悪さが膨らみ、ページを捲る手が止まらなくなりました。もう1人の主人公の編集者はもうひとつイメージがピンとこない感じでしたが、ストーリーや構成は文句なしでした。予想を裏切るエンディングにもまた私は好感を持ちました。葉...続きを読むPosted by ブクログ