舞城王太郎のレビュー一覧

  • 短篇七芒星
    とても面白い。なにがどう展開していくのか、この後彼らはどうなってしまうのか、まったく想像がつかない。この登場人物が死ぬのか、それとも生き残るのか、まったく予想もできない展開で一気に惹き込まれる。だからこそ短いのが惜しいなって思う。そろそろディスコ探偵水曜日級の長編を出してほしい。
  • 煙か土か食い物
    最高。基本ユニークな表現とセリフで笑わせてくるのに、最後の四郎怒涛の緊急施術の嵐で涙ぐんでしまった。
    ヘンテコミステリーを求めてこの作品を手に取ったのに、ド級の家族愛パンチを喰らってしまった。奈津川兄弟大好きだ!
  • されど私の可愛い檸檬
    3作品とも好き。
    とくに心に突き刺さったのは「ドナドナ不要論」
    この世にかなしみはたくさんある。かなしい思いは少しでも減らしたいし、できることならしたくない。でも、かなしいだけじゃなく、そこには美しさもあるかもしれない。
    「されど私の可愛い檸檬」は身近にいる人を思い出してしまってなんだかかなしくなっ...続きを読む
  • 私はあなたの瞳の林檎
    You are the apple of my eye という慣用表現にぴったりなほど、登場人物が可愛くて愛おしい。恋愛としての好きなのか好きじゃないのかはよくわからない中でも、そこには愛が溢れていた。舞城王太郎の愛の物語はとても好き。
  • 淵の王(新潮文庫)
    どうしてなのか自分でもよく分からないけど、読み終わった後しばらく心に居座り続ける本がある。これもそうだった。

    話は3つに分かれていて、それぞれの主人公を見守る『何か(もしくは誰か)』が物語を語る珍しい二人称の小説。

    色々な解釈の仕方があるだろう。こういう不思議な掴みどころのない話は。
    『これはこ...続きを読む
  • 好き好き大好き超愛してる。
    「愛は祈りだ。」という冒頭の言葉がすべて。「祈りは言葉でできている。」という言葉も好き。読み進めていると、あまりに真っ直ぐな言葉で時折苦しくもなった。愛と物語は同一なのかもしれない。
    柿緒の物語と寓話が交互に語られる構造はとても面白かった。現実と物語は連続してるのだなと感じた。
  • されど私の可愛い檸檬
    久しぶりの舞城作品第二弾、本当に胸を貫く。
    「ドナドナ不要論」が一番好きだった。椋子の母が、うちの母と、似てる~!!!去年結婚したこともあり、自分が膵臓がんになったら、うーん…そうなるかも。わからん。想像は無意味。舞城を大好きになったきっかけである「煙か土か食い物」の衝撃を思い出すが、苦痛は人を全く...続きを読む
  • 私はあなたの瞳の林檎
    久しぶりに読んだ舞城王太郎の新作。高校生の頃『煙か土か食い物』にハマって、そこから九十九十九や阿修羅ガール、熊の場所など読み漁った。忘れていたこのスピード感。かつての記憶よりもギョッとする直接的な描写はマイルドだったけれど、時速100キロで展開していく世界は変わりなく、時にドキリさせられ時に美しさに...続きを読む
  • SPEEDBOY!
    これ、本当に疾走感があって好き。
    まず僕は「ソニックブーム」という現象が好きだ。それが登場していて、なおかつ舞城王太郎さんの作品であるのだから本当にこの本は性癖に刺さりました。
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    心情がよくわかる

    ほにゃららサラダの主人公のように、憧れの人と付き合っていきたいと言う理想、そしてそれに伴う軋轢や心の苦しさなど、読んでいて共感するところがたくさんありました。青春期を迎えた読者におすすめのお話です。
  • 煙か土か食い物
    これは新種の文学だろうかと思う程面白い。
    ミステリーが霞む程、遠慮の無い四郎の一人称。私は爽快感すら感じました。
    これぐらいイカれてても大丈夫だよね。取り繕うから綻ぶんだよ。でも取り繕わなければ、色々と面倒なのよ。
    あぁ、面白かった。

    「インザプール」も適度な脱力感があって、違った面白さがあります...続きを読む
  • 月夜のグルメ 1
    舞城王太郎のグルメ作品ってこうなるんですね。とても新鮮ながら舞城王太郎の家族小説を読んでる時のあの暖かさを感じました。影響されまくって日本酒飲んだら即日超吐いた。でも楽しかったです。
  • イキルキス
    単行本には収録されていない「アンフーアンフー」「無駄口を数える。」の二編が良かった。舞城の小説にしばしば登場する、冷静な登場人物たちが好きで、そうした登場人物たちがこの二編でも活躍?している。
  • イキルキス
    人は死ぬし生き返るし、赤ちゃんは窓からブン投げられても抱きとめられるし、恋心はいつだって暴走するし、何事も必然の上に成り立っていて、その上を私たちは歩いている。
    相変わらずの勢い。短編なので凝縮された舞城感が最高。
    各話さっぱりとしてるので、案外初めて読む人にオススメできるかもしれない。
  • 煙か土か食い物
    かっこいい小説でした。
    文章なのに速度があって、文章なのに音量が大きい。舞城王太郎さんの文章が癖になります。
    どんどん物語が加速していくのも痛快で、最後は自分の手元に返ってきて終わるような話の運びも好みでした。
    最後の一文の切り上げ方まで、ぱんと手を叩いて終わるようなキリの良さがあって本当にかっこよ...続きを読む
  • 世界は密室でできている。
    舞城王太郎スタイル健在。
    破綻しそうな危うさを常にちらつかせつつ、勢いに乗ってなんとか崩れることなく最後まで突っ走った感じ。それでいてクライマックスの盛り上がりにはすっかり心を持っていかれ、終わればやっぱり☆5つ付けてしまう。
    人生はこんなふうに、キレイにまとまらずに疾風怒濤と流れていくものかもしれ...続きを読む
  • この恋はこれ以上綺麗にならない。 1

    まずは1巻だけでもいい。

    全4巻だから、とりあえず購入してもらえればと
    思うけど、そうでなければ1巻だけ試しに読んで
    みて欲しい。
  • 好き好き大好き超愛してる。
    間に挟まれる寓話は脈絡がないように思えるけど、それはただ形を変えているだけで、本質の上ではちゃんと繋がっている。過去の出来事は細切れになって、小説に形を変える。言葉を紡ぎ、物語を通じて、願いを実現させる。そんな祈りのお話。"愛し過ぎるといのはそういうことなのだ。そしてそれぐらいで、人を愛するにはちょ...続きを読む
  • スクールアタック・シンドローム
    始めての舞城。おもろかったー。
    無茶苦茶な感じがいい。
    どの話も印象深くて、引き込まれて、残る。

    真の友達なんてない。救われた。
  • 煙か土か食い物
    「読書したいけど何を選んでいいかわからない」という相談を受けた時には迷わずこの作品を薦めているし、読んだ人の反応がめちゃくちゃに良い。
    これは普段読書に慣れてない人でも読み進められる舞城氏の持つ優れたスピード感とリズム感によるところが大きいのではないかと感じている。

    本作はデビュー作であるため「俺...続きを読む