舞城王太郎のレビュー一覧

  • キミトピア
    ユートピアはYOUTOPIAではなかったのかと、アホな私はドキッとした。
    この冒頭のポワーッとした感じが、とても好きだ。
    舞城先生の言葉はおもしろくて、分かり易くて、語感が良くて、頭にスッと入るので、何だかテンションが上がってくる。
    それで誰かに話したくなって、きっかけを作ってくれる。

    書下ろしの...続きを読む
  • キミトピア
    『ユートピア』を何となく『YOUTOPIA』だと思い込んでいて、大好きなあなたと一緒にいられるのならそりゃその場所は楽園だわなと考えていた。≪君とピア≫の≪ピア≫が何のことかは判らないけれど語感は明るいし何だか可愛いし。
    でも君が笑って指摘する。
    『ユートピア』は『UTOPIA』で、イギリスの政治家...続きを読む
  • キミトピア
    舞城王太郎の最新短編集。
    相変わらず面白すぎる。

    軽快な言葉遊びと少し不思議な人間たちが織り成す物語は一見ファンタジックなんだけど、実は普通に人生を送っている僕らの「生きること」「他人との付き合い方」の本質を突いてくる。

    それが痛快でもあるし、図星だからこそ心をヒリッとさせられたりもする。

    ...続きを読む
  • キミトピア
    書き下ろし3編を含む短編7編。
    いずれも相変わらずのスピード感で、ほどよい読み応えもあり、面白い。最近の舞城の描く世界は、何気ない日常が、ふとしたことでどんどん逸脱していって、その逸脱を収束させようと頑張って思考する、という1つのパターンがある。この「逸脱」が、「やさしナリン」だったり「穴食い虫」だ...続きを読む
  • 短篇五芒星

    流石の舞城作品。全5編の短編全てが舞城氏
    でしかあり得ない。印象的にはスピード感を
    ダウンさせた代わりに、言葉の一つ一つが
    胸に残る言葉で紡がれ、積もっていく雪のように
    のしかかってくる重みを増した気がします。

    流産という理不尽な現象に偏執的に取り憑かれた
    27歳の男の話。
    地味だ...続きを読む
  • ディスコ探偵水曜日(上)
    SFっぽくもあり探偵ものでもあり、エログロ暴力哲学がここぞとばかり入り乱れる。ジャンル分類不可能な、舞城王太郎ワールド全開の1冊。
    広がりまくった風呂敷が、<意志>と<運命>のもと、下巻で一気にたたまれていく様は圧巻。衝撃だった〜。
  • スクールアタック・シンドローム
    【スクールアタック・シンドローム】題名からしてもっとどうしようもない話だと思っていたのですが至極まっとうな話でした。親子愛にほっこり。好き。【我が家のトトロ】りえがいい女すぎる。これも家族愛が感じられて良かったです。りえと主人公のやりとりでなんか泣きそうになってしまった。こういう風に生きていけたらい...続きを読む
  • ディスコ探偵水曜日(上)
    おもしろかった~!
    超展開からのどんでん返しの連続で、下巻まで一気に読んだ。
    梢は救われるのかな…と、最後までどきどきした。
    他の舞城作品を読んでいたので、名探偵がどんどん登場してくる場面は凄く嬉しかった。

    そして、水星Cさん格好良過ぎ。
    最後まで格好良過ぎ。
  • SPEEDBOY!
    成雄シリーズなんですねこれ。
    他の作品とか読まずにこれから入りました。

    帯の通り、
    早い、速い、全部が。

    成雄=五歳児のイメージで読んでた。
    小さい男の子が、周りが見えずにだだーっと走ってる感じ。
    自分は怖いモノがないから、前しか見えてなくても、周りはモノが倒れたり、ヒトにぶつかってたりしてるん...続きを読む
  • 獣の樹
    『歯磨きというものは途中で終わらせることのできない営みなのだ。』

    『悪いってそういうものなの。見た目には判んないものなんだよ』

    『疑わない奴は考えられない奴だよ。賢くなろうと思ったら、まずはいろいろ疑いな』

    『私がここで大変だみたいに勝手に言わないでよ。決めつけないで。私の状況は私が作ってる状...続きを読む
  • SPEEDBOY!
    講談社BOXとか言う、よく分からんボッタクリラノベレーベルから出ていた作品だったので未読だったが、文庫化されたのを機に購入。
    相変わらず舞城作品にハズレは無い。

    成雄サーガの一つに数えられる短編集で、彼を取り巻く人物が全7篇に共通して出てくるが、それぞれがパラレルワールド的な世界観になっているので...続きを読む
  • SPEEDBOY!
    『速く走ることに大事なのは筋肉でも技術でもない。血だ。血こそが全ての源泉なのだ。』

    『人の意識は自分の身体にブレーキをかけるのだ。無理だと思えば無理になる。できると思えばできるようになる。』

    『人間の気持ちはすぐに満足するし、すぐに限界を感じる。もうこれでいい、もう無理だ、と思いやすき生き物なの...続きを読む
  • スクールアタック・シンドローム
    舞城王太郎という作家を好きになりました。
    すべての作品に流れる非日常とは言えないが、決して日常とは呼べない風景に酔いました。
    最初は「ちょっとおかしいんじゃない?」と思うような主人公の言動とかにも、そういう見方もあるのか、と思うようになる会話術というか読ませ方というか。
    大津でいろいろ騒いでるときに...続きを読む
  • 九十九十九
    こりゃもうほんとに衝撃だった。
    初の舞城王太郎体験。

    息苦しいほどに句読点もなく詰め込まれた文章、
    だけど謎のスピード感にどんどん読んでしまう。
    「読めてしまう」んでなく、「読んでしまう」。

    グロくてクレイジーで限りなく悲しくて意味不明で。

    元ネタを全く知らないけど、
    メタ的に進むストーリィに...続きを読む
  • みんな元気。
    単行本『みんな元気。』より、「みんな元気。」「Dead for Good」「矢を止める五羽の梔鳥」の3篇を収録。

    『阿修羅ガール』のアイコもそうだったけど、舞城の書く女子主人公ってどうしてこんなにも身に積まされるんだろう。って云うか舞城本当は女性だったらどうしよう。とあらぬ妄想が始まってしまう位、...続きを読む
  • スクールアタック・シンドローム
    単行本『みんな元気。』より、「スクールアタック・シンドローム」「我が家のトトロ」を収録。に、加えて書き下ろしの「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」。

    数年振りに読み直したら初読の時より10倍くらい面白く感じた。
    自分が作品に追いついたようで嬉しい。

    「スクールアタック…」の暴力性、「トトロ...続きを読む
  • 熊の場所
    書店でバイトしていた頃、年上の後輩に勧められて購入。
    正直、舞城は代表作とされる「阿修羅ガール」の時点でいまいちピンと来てなくて、この作品も1年近く積読状態にあったんだけど、読んでみたら、どの作品にも愛と暴力が溢れていて、良いじゃないですか!

    短編がいいのかな、舞城は?
  • ディスコ探偵水曜日(下)
    舞城王太郎作品を読むのは初めてだったけど、予想以上に面白くてぶっ飛んでた。ぶっ飛び過ぎてて理解が曖昧のまま読み終えてしまったけど、それでも面白かったと言えるし、分からないままでも読ませる勢いがある。「踊り出せよディスコテック」でシビれた。
  • ディスコ探偵水曜日(下)
    『違う。何ができるかじゃない。何かをするんだ。何でもするんだ。』

    『世界は人の信じるように在り、その世界観は絶えず他人によって影響され、揺らいでいる。』

    『深刻ぶってたって問題は解決しねえぞ? 罪悪感だか自己憐憫だか知らないけど、くだらねえ情緒的な苦しみなんか苦しんでないで考えろよ。』

    『何し...続きを読む
  • ディスコ探偵水曜日(中)
    『そんなのちゃんと説明してあげれば大した罪にはなるはずないよ。女の子の恋心を誰が責められるの?』

    『梢のためと言われたら俺に躊躇はない。何でもする。何でもだ。』

    『影響? お前みたいな奴が何をベラベラ喋ってようが俺の世界はびくともしねえよ』
    『しますよ。他人の存在って大きいんです。そして世界は絶...続きを読む