舞城王太郎のレビュー一覧

  • 世界は密室でできている。
    また大江健三郎かもしれません
     冒頭の、肌を搔きむしって全身が乳首のやうになるシーンは、なかなか想像するとグロテスクです。下品でくだらなくて気色悪いのですが、最後まで読むと、まあめちゃくちゃでヘンテコリンな小説だけど、アリかなといふ気がしてくる。
     登場人物はみんなどこかをかしいけれど、まあツバキエ...続きを読む
  • 短篇七芒星
    イマジネーションに溢れてるなあ。日常と非日常が境目無くつながっている。
    ■奏雨:タイトルと足首でピンときた
    ■狙撃:狙撃主の消える弾丸
    ■落下:引越先での落下音の正体と頼れるパパ
    ■代替:赤子の泣き声
    ■雷撃:石はペットか兄弟か恋人か神様か
    ■春嵐:犬のストーム大活躍
    ■縁起:胎内記憶。アレを豚の神...続きを読む
  • 短篇七芒星
    観念的なものが現実とも繋がっていて、つまり目の前の現実は用意されたものではなく、自分の脳内が用意したもの、という様なお話が多かった気がします。
    そこをそのまま描いた小説はあまり見かけない気がしますが本作で語られている事も腑に落ちるというか、「あるある」の様な気分で共感してしまいました。確かに在るけど...続きを読む
  • 煙か土か食い物
    東西ミステリ72位。自意識の垂れ流しをミステリーの仕掛けの中に取り込むと言う意欲作です。ミステリーの体裁を取っているけど、私小説、それも家族の物語ですね。

    途中の回想シーンも、含めて作品全体だと理解すると楽しめると思います(読んで不快とかそうじゃなくて圧が凄いです)。

    "これが噂のMaijoだ"...続きを読む
  • 短篇七芒星
    snsで知ったから読みたいと思っていたけど、想像以上にぶっ飛んでで、最初は完全に理解できなかったけど、何回か読んでいくうちに自分の中で少しずつ理解?することができた。
    何回読んでもわからないところもあるけど、他にはない表現の仕方が好き。
  • 阿修羅ガール(新潮文庫)
    キュートでポップでテンポ感の良い文章、なのにとってもおどろおどろしくてどこか恐くて、とにかく強烈な印象を受ける作品だった。
    利己的で弱くて脆いっていう誰にでもある一面を精一杯肯定して強かに自分のあるがままに生きる、生きようともがくアイコはほんとにすごいと思う。
    世界観もはちゃめちゃでよく分からないま...続きを読む
  • 熊の場所
    小川哲の「君のクイズ」に「熊の場所」が出てきたからどうしても読みたかった。サイコパス感強めだけど、恐怖を取り去るためにその場所に戻るという話はよくわかる。
    「バット男」も気持ち悪い話だったけど、チョー刺さった。薄気味悪い社会のシステムを傍観し続ける語り手に共感してしまう。
    「ピコーン!」は馬鹿馬鹿し...続きを読む
  • キミトピア
    面白いとか感動するとかではなく、とにかく好き。
    何故、好きなのか理屈をつけてしまうと好きでなくなってしまいそうで怖いので思考停止しておくのがいいなあと漠然と思っているうちに10年以上経ってしまったくらいに好き。
  • 好き好き大好き超愛してる。
    自分が相手にこう思われたい、みたいな自意識で気持ちを覆ってしまってストレートに想いを伝えられなかったりするけど、今好き、好きだから好き、みたいな包み隠さない純度120%の好きを伝えられるのってすごいことだなって思った。
    よく分からないって思う箇所もあったけど、それもそのままでいいのかなって思う。
    ...続きを読む
  • 短篇七芒星
    雷撃
    p108-109
    田舎だから信仰深いのか、神様的な話が重いのだ。

    個人的には雷撃以降の4話がお気に入り。代替の視点切り替えは著者のシグネイチャーとも言える。そこで言う「お前」という呼び方は何かを示唆しているのではないか、隠喩、メタファーのように思てならなくて、何重もの意味でゾクゾクします。
  • バイオーグ・トリニティ 14
    圧倒的な舞城節に圧倒的な大暮維人の画力。
    結局、舞城王太郎は愛で密室だな(それがいい)。
    そして、最終巻に収録された小説「自転車」「自転車II」を読んで、やっぱりこの人の文章が好き、と。
  • バイオーグ・トリニティ 11
    これをお薦めできる相手が誰一人として思いつかないんだけど面白かった。あの決め台詞(?)はズルいよなあ。
  • 好き好き大好き超愛してる。
    人を愛することの美しさ、切なさ、儚さがぎゅって詰められた話だった
    愛する誰かを亡くしたことはまだないけど、この前大好きだった人に振られてとんでもない地獄を味わったとき、死別って耐えられないよなって感じたのを思い出した
    でもやっぱり人は生きていくんだなっていうのは共感。どんだけ辛くてもいつかは記憶にな...続きを読む
  • 好き好き大好き超愛してる。
    同僚に勧められて読んだが、変な話をいつも勧めてくる子なので、過激なコメディかなと思って読み始めたら、予想外に純粋な話で、とても感動した。

    電車の中で何度も涙が出てきた。
    大切な人を亡くしたことのある人は、慰められるような物語だと思った。
  • 煙か土か食い物
    お名前は見かけていましたが、その名前故に避けていたところがあります。だって、なんというか狙っている風のネーミングというのでしょうか、ちょっとふざけている?感を勝手に感じていたのです(作者名も作品名も)。読む前から「キャッチーな外面で内面をごまかしてはいないか?」という疑念がありました。

    でも、やっ...続きを読む
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    わかる!!

    舞城王太郎さん気になっていましたがちゃんと読んだのは初めてでした。
    天才とか才能とかに対して、よくわかんないけど感じる心のざわめきが言語化されてこの小説にあるのを感じました。読んでるうちにそうそう!そういうことだよ!わかる!!と思わず言ってしまうような言葉が散りばめられていて、テンポも良くて、とて...続きを読む
  • 阿修羅ガール(新潮文庫)
    疾走感とハチャメチャ感が満載! パンクでキュートな少女の思考を味わえる作品 #阿修羅ガール

    またもや変態世界に引き込まれてしまった…

    相変わらずのグルーヴ満載の文章で、もはや文字の麻薬。少女のパンクな脳みその中を、山盛りで堪能させていただきました。

    本作はなんといっても主人公の少女が最高!

    ...続きを読む
  • 煙か土か食い物
    NINEまでは作者と主人公の癖の強さについていけず何度か断念しそうになったが、TENで奈津川家の過去が深く掘られていくとようやく四郎の全体像がなんとなく掴めたので、同じ気持ちの人たちはどうにか断念せずに読み進めてほしい。全体像を雰囲気だけでも掴めたら、あの躁状態に近い気持ちについても推し量ることがで...続きを読む
  • 短篇七芒星
    「ろくでもない人間がいる。お前である。」
    書き出しからガツンと来る短編の数々でした。この発想はどこから出て来るのだろうとしげしげ見てしまう、そういった面白さがありました。
    初めての舞城王太郎でしたが短編から入ったのはよかったかもしれません。句読点が少なく一本の棒のような文も面白いし、話ごとにフォント...続きを読む
  • ID:INVADED(3) #BRAKE-BROKEN
    テレビアニメの続編としては満足な出来。
    というか舞台設定が明確になって面子も増えたから、むしろここから世界を広げてほしいまである。
    「攻殻機動隊」とか「サイコパス」とかと同じ臭いがするし。
    このまま「お蔵入り」にするにはもったいないな。