平川克美のレビュー一覧

  • 撤退論
    現在のシステムの潮流でのカタストロフィの生じる前の方向転換を撤退論としている。
    コモンの再生と撤退ということで、斎藤幸平が、『資本主義から撤退して里山に行くだけでは不十分。何故ならそのままでは、資本主義が里山を含めた環境を破壊するから。』と言っていたところに納得。彼はだからこそ資本主義は止めなければ...続きを読む
  • 株式会社の世界史―「病理」と「戦争」の500年
     2020年11月初版発行。
     本書は単なる株式会社論ではなく、思想書に近いと感じる。出色なのは「利益追求という株式会社にとっての絶対善」を「病」と表現している点である。
     国家でも制御できないほど肥大化した株式会社によるグローバリズムの行き着く先は戦争にならざるえないのではないか、というのが本書の...続きを読む
  • 撤退論
    「まえがき」の内田樹の文章の衝撃たるや。
    21世紀末には、総務省の中位推定で、日本の人口は4700万人に。7000万人も減るという。
    そして、この事実を国は知ってはいるが、「このシナリオを国民に対して開示する気がない」にっちもさっちもいかなくなってから、我々に、さて、「日本は沈みつつありますが、生き...続きを読む
  • 撤退論
    涙あり、衝撃あり。15通りのメガネをかけさせてくれる、とても有意義な一冊。
    一人ひとりの論考をじっくり味わいたい、でも面白すぎるし文章の量も程良いのでもう1人読みたい、もしくはこの人の別の著書を早く読みたい、そんな気持ちになった。
    新しい時代がそこまで来ている、そんな予感がしてくる。
  • 「あまのじゃく」に考える 時流に流されず、群れをつくらず、本質を見失わず
     「目的志向」、長い間席巻しています。役にたたないことはしない。目的に向かって最短距離をと。損得勘定の社会はもう行き過ぎ。「目的志向」の対極にある思考法が。英語では、Something for Nothing  何かのためではない大切なこと。目に見えない価値の中に大切なものがある。例えば、自分の家の...続きを読む
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ
     内田樹さんんが呼びかけて「中高生向き」に書いてもらった,オムニバス本。わたしが知っていた人は6~7人だが,それぞれの呼びかけが面白かった。
     本書のメッセージは,30代~70代の年代別に分かれていて,70代なんて,中高生が大人になった頃はほとんど現役ではないわけで,だからこそ,なにを呼びかけている...続きを読む
  • 転換期を生きるきみたちへ
    数年前に1度読んだが、内容を忘れてしまったので再読。
    様々な立場の方々が、先の見えない転換期にあたり、中高生に向けて「根元的に物事を考える」ために書かれた本。

    刺さるメッセージはたくさんあったが、特に刺さったのは「13歳のハードワーク」だった。
    たしかに「夢=職業」にしてる人が圧倒的だなー、と思っ...続きを読む
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ
    高校3年生の私でも分かりやすい文章が多かった。新型コロナによって振り回される私たちの未来を前向きに考えていこうと思った。まずは正しい知識を得ること。そしてタテ、ヨコ、算数(本書より)の多角的視点から問題をみつめる。これから大学に進学する上で役立ちそうな知恵を得ることができた。
  • 株式会社の世界史―「病理」と「戦争」の500年
    株式会社という存在は社会の成長がストップしたときに自らを抑制するブレーキ装置を持っていない。コロナ禍の大恐慌で株式会社は資本主義はどうなっていくのか。
    500年の歴史からじっくり読み解く本。
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ
    色んな立場における識者の手による、今の時代ならではのアンソロジー。内田樹編ってところで、それなりのバイアスがかかっていることは間違いないけど、氏の慧眼に心酔している身としては、その選択には疑念の余地なし。通読した後も、その気持ちに変わりはなかった。いくら博覧強記でも、単著では、その言論にそれなりの限...続きを読む
  • 見えないものとの対話~喪われた時間を呼び戻すための18章
    読み終わった時、この本がこれほど自分の中に滲み入ることになるとは、読み初めにはわからなかった。
    最初の方は、すでにどこかで読んだことがある内容のような気がして、平川さんのお書きになったものもわりと私普段から読んでいるんだなぁ(内田樹先生同様に)と思っていた。

    詩がたくさん引用されているのだが、私は...続きを読む
  • 街場の五輪論
    久しぶりの内田本(といっても対談集)。結果的に、誰も予想し得なかった形で五輪はポシャッた(あ、まだ延期か)訳だけど、このタイミングだからこそ読みたい一冊。皆がいったん、五輪どころではなくなり、そっちの方面に関しては冷静になれている今だからこそ、本当に、どうしてもやる価値があるものなのかどうか、改めて...続きを読む
  • 街場の平成論
    いろいろな観点から「平成」を振り返る論集。30年間の変化の大きさに愕然とする。もっとも改元が時代の変化を表さないことは言うまでもないが。
  • 転換期を生きるきみたちへ
    中高生に『ミライの授業』と併せ読んで欲しい。

    本書は、大人が読んでも考えさせらえるものである。
    「転換期を若い人が生き延びるための知恵と技術」について、親子で一緒に考えてみてはどうだろうか?
  • 「移行期的混乱」以後
    「移行期的混乱」以後 ──家族の崩壊と再生 (犀の教室)
    これまた前作『移行期的混乱』に続いて刺激の多い著作。
    経済社会の原理原則が競争原理から変わろうとしていて、まだ代わりの何かが見つかっていない状態、というのがこの「移行期的混乱」で、本書では少子化について論じている。

    まず、日本の少子化は「将...続きを読む
  • 転換期を生きるきみたちへ
    『日本の反知性主義』の続編。うんうんうん、と頷きながら読んでました。そしてしみじみ、今は時代の転換期なんだなぁと思いました。
  • 経済成長という病 退化に生きる、我ら
    エッセーみたいな語り口なので、スラスラ読むことができます。
    特に印象的だったのは、P179の「教育をビジネスで語るな」という内容です。
    自分達の言葉遣いには、時代の影響が色濃く反映されています。
    最近だとコスパという言葉が、時代を象徴していると感じます。
    コスパは、コストパフォーマンスの略語ですが、...続きを読む
  • 経済成長という病 退化に生きる、我ら
    日頃世の中に感じてる違和感を、見事に文章化してくれていました。「ほんとそうだよな〜」という箇所がたくさんあって本が付箋だらけになりました。
  • 喪失の戦後史―ありえたかもしれない過去と、ありうるかもしれない未来
    戦前、戦中、戦後。ニュースになるような事件や政治でなく、社会の雰囲気がどういう風に変わってきたのか、に最近興味があるかな。今の自分の周りの社会と比べてみて。
  • 転換期を生きるきみたちへ
    まさに今、日本は転換期を迎えている。今こそ一度立ち止まって考えるべきときが来ている。中高生だけでなく大人にも、言葉そして考えることの大切さを問いている。超高齢化、少子化、貧困、格差社会、どれをとっても、その解決策は成長戦略では、ない。と。