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高校サッカーからユース、Jリーグまで!今おすすめのサッカー漫画13選

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※2019/10/1更新: 『Mr.CB』・『TIEMPO―ティエンポ―』・『サッカーの憂鬱 ~裏方イレブン~』の3作品を追加しました。

今や多くの日本人サッカー選手が、海外リーグで活躍するようになりました。彼らとともにプレーする世界のスター選手たちが、高橋陽一先生の『キャプテン翼』を読んで育ったと話すのは、日本人としても誇らしいですよね。また、「現代サッカー」という言葉が示す通り、サッカーは時代によって主流となる戦術が大きく変わります。

サッカー漫画には大島司先生の『シュート!』や草場道輝先生の『ファンタジスタ』など名作が数多くありますが、今回は、高校サッカーからJリーグをはじめとするプロサッカーまで、「いま読んでほしい!」サッカー漫画を13作品に厳選してご紹介します。

フィールドを泥臭く走る! 主人公のひたむきさが魅力の『DAYS』

『DAYS』

『DAYS』 1〜34巻 安田剛士 / 講談社

全くのサッカー素人、しかも中学までは運動音痴だったという主人公が、強豪校のサッカー部で活躍する本作。2016年にはアニメ化もされた人気作品です。

風間陣という少年と知り合ったことで、サッカーの魅力を知った主人公の柄本(つかもと)つくし。2人は偶然にも、聖蹟高校に入学することが決まっていたのでした。つくしは、高校では風間と一緒にサッカー部に入ろうと決意しますが、なんとそこは東京都でも屈指の強豪高。初心者が気楽に参加できる部ではなかったのです。

入部希望者の1年生に最初に課されたのは、2本の線の間の往復をダッシュで繰り返す“シャトルラン”という練習。100本のノルマのうち、20本でつくしは気絶してしまい、キャプテンに「いや お前 もう帰れ」と切り捨てられてしまいます。しかし、ここからがつくしの真骨頂。同じようなリタイヤ組は帰ってしまったのですが、つくしはキャプテンに頭を下げ、夜までかかって100本を走り切るのです。技術も才能もない自分にできることは、ひたすら走ること。その努力とひたむきさは新入部員たちの心に響き、つくしは徐々に仲間の信頼を得るのでした。

つくしの走りは、ゲームでも重要なファクターになります。フィールドのどこにでも顔を出し、泥臭くボールに絡み、チーム全体の走る意識を高める。そんなつくしの能力は監督にも認められ、なんと初心者の1年生なのにベンチ入りメンバーに。ストーリーに個性豊かなレギュラー陣が絡み出し、天才プレイヤーの風間とともに、つくしは注目の1年生になっていきます。公式戦が始まると、チームのムードメイカーという、つくしのもう一つの能力も明らかに。実力のあるメンバーに、ここまで愛され、必要とされる初心者は、漫画の世界でもなかなか見たことがありません。

大きな大会へと進み、強敵との試合前に、監督が

「サッカーの根幹とは何だ?」

と選手たちに尋ねるシーンがあります。

「ボールを蹴ること?」

「ゴールを決めること」

「楽しむこと」

などと答える選手たち。その最後に、つくしが

「走ることです」

と答えると、みんながハッとします。

「どんなに上手い選手も この土台なくしてはサッカーはできん」

「気持ちで聖蹟(チーム)を引っ張れよ 柄本」

と監督。チームに必要不可欠の存在となったつくしの戦いは、今も続いています。

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型破りな監督と、サッカーに関わる人々の群像劇『GIANT KILLING』

『GIANT KILLING』

『GIANT KILLING』 1~52巻 ツジトモ・綱本将也 /講談社

イングランドのアマチュアクラブを率い、格上を倒す「ジャイアント・キリング」を幾度となくやってのけた達海猛(たつみ たけし)が、古巣の弱小プロサッカークラブ・ETU(イースト・トーキョー・ユナイテッド)の監督に就任します。 かつてETUのエースでありながら、チームを見捨てて海外へ行ってしまった達海を恨む声は多く、そんな彼に監督が務まるのかという疑念もある中、完全に負け癖がついてしまった選手や関係者、サポータたちを率いて、達海は戦略とカリスマ性でチームを再建するのでした。

本作の特徴は、主人公の達海だけでなく、サポーター、スカウト、広報、選手、番記者といった、チームを取り巻く、さまざまな立場の人物から見たサッカーが描かれていることです。多くの関係者の思いを受けとめ、過去の経験によって培われた知見や自身の反省も交えながら、達海はETU改革に取り組みます。チャラチャラして何も考えてないようで、実は色々なところに目を配り、深い洞察力を持つ達海。彼が見いだした選手・椿をはじめ、個性豊かな選手たちをうまくまとめ上げてしまう人心掌握術や、懐の深さも持ち合わせています。チームのために全てを懸けてきたミスターETU・村越をキャプテンから外した時にかけた達海の言葉が、彼のポリシーを端的に表現しています。

「お前が背負ってきたもんの半分は これから俺が命懸けで背負ってやるよ」

チームのことは背負わずに、選手としての自分の武器を探せ、という監督の立場からのメッセージです。従来のスポ根ものにはない、新しいリーダー像がここにあります。多くの関係者に支えられているチーム・ETUが繰り広げるジャイアント・キリング、思う存分味わってください!

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プロを目指す、むき出しの野心がぶつかりあう『アオアシ』

『アオアシ』

『アオアシ』 1~17巻 小林有吾・上野直彦 / 小学館

愛媛の中学生・青井葦人(あおい アシト)は、「俺が戦術」と豪語する、お山の大将的サッカー少年。アシトは中学最後の大会で惨敗しますが、それを見ていたJリーグの強豪クラブ「東京シティ・エスペリオンFC」のユース監督・福田達也に「ある才能」を見出され、ユースのセレクション(入団試験)を受けることに。「自分の作り上げたクラブで世界を掌中に収める」という野望を持つ福田との出会いが、アシトのサッカー人生を大きく変えていくことになるのです。

部活動のサッカーではなく、Jリーグクラブの育成組織「Jクラブユース」が舞台となっているところが、本作の特色です。有力クラブのユース生は特待生として高校に入学し、サッカーに100%集中できる環境を与えられます。それでも、プロで活躍できるのは一握りの選手だけ。チームメイトと言えども全員がライバルで、野心むきだしで「自分が誰よりもプロになる資格がある」と考える選手がぶつかりあう、ヒリヒリした緊張感がたまりません。セレクション上がりのアシトたちは、ユースの上位チームとの試合で、厳然たるレベルの違いを痛感します。シビアな現実を目の当たりにしながら、それでもなお、サッカーに対する執着や、家族への恩返しのために、プロへの階段を上がっていくのです。

元・日本代表MFにして、スペインのリーガ・エスパニョーラで活躍した福田が気づいたアシトの才能とは「フィールド上の全員の選手の位置を完全に把握できる能力」。本作では、フィジカル(身体能力)・テクニック(技術力)よりも「インテリジェンス(思考力)」、そして味方への「コーチング(指示)」が問われる局面が多いですが、アシトには自身の能力に対する自覚が無いため、それを戦術に活かせません。今まで感覚だけでプレーし、パスを「止めて、蹴る」ことすらできなかったアシトですが、コーチやチームメイト達から影響を受け、次第に「考える選手」に成長していきます。

単なる根性論ではなく、思考を言語化し、戦術に昇華させることの重要性が描かれている本作。アシトのみならず、ユース生それぞれのプロ意識の芽生えと成長も見ものです。Jクラブユースの裏側を知ることで、新たなサッカーの楽しみ方に気づかされる、今イチオシのサッカー漫画です。

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一流プレイヤーに必要な本当の筋肉がわかる!『フットボールネーション』

『フットボールネーション』

『フットボールネーション』 1~13巻 大武ユキ / 小学館

アマチュアチーム「東京クルセイド」は、草サッカーチームの日雇い助っ人”ジョーカー”こと沖千尋と出会います。広い視野を持ち、ボディバランスがずばぬけている千尋は、なぜ今まで無名だったのか……。まずは天皇杯、そしてゆくゆくは日本サッカーを変えると宣言する「東クル」の監督と、複雑な過去を持つ千尋は、天皇杯本選に向けて共に道を歩み始めるのでした。

この漫画の見どころは、サッカーにおける優れたプレイヤーの身体の使い方が描かれていること。インナーマッスルに焦点を置き、一流のプレイヤーに必要な身体とは何かが丁寧に説明されています。鍛えるべきポイントの勘違いは多くのチームがやってしまいがちですが、本作では筋肉の使い方を始め、日本の現代サッカーが遅れていることを危惧し、改善方法を示唆しているようでもあります。腸腰筋や大腰筋といった、サッカー漫画でもなじみの薄い筋肉の名前が出てきて、取り入れたくなる考え方が満載! サッカー経験者をはじめ、理論・ウンチク好きにもおすすめの漫画です。

もう1つの見どころは、表舞台に出ず、日陰者としてサッカーを続ける千尋と、今をときめく現役高校生Jリーガー・一ノ瀬迅との関係。過去に、ともにプレーしたことがある2人には浅からぬ因縁があり、前半ではその謎が次第に明らかになります。影に生きながらサッカーのためにすべてをなげうつ覚悟があり、楽しくプレーをする千尋と、脚光を浴びながらも過去の負い目からどこか不安定で楽しくプレーができない迅。対照的な2人のサッカーの向き合い方にも注目です。

サッカーに並々ならぬ情熱を持つ大武先生のサッカー漫画をもっと味わいたい方は、高校サッカーを取り上げた『我らの流儀-フットボールネーション前夜-』と大学サッカーを取り上げた『サッカーボーイ フットボールネーション-胎動-』もあわせて読んでみてください。

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奇跡的な復活を遂げた主人公が、仲間たちと成長していく『BE BLUES!〜青になれ〜』

『BE BLUES!〜青になれ〜』

『BE BLUES!〜青になれ〜』 1〜36巻 田中モトユキ / 小学館

サッカーの天才少年・一条龍の成長を描く本作。作者は、『リベロ革命!!』でバレーボールを、『最強!都立あおい坂高校野球部』などで野球を描いてきた田中モトユキ先生。確かな画力と綿密な取材によって、選手のダイナミックな動きから、プレー1つ1つの意味まで、綿密に描かれているのが特徴です。

小学生時代から輝きを放ち、日本代表を目指して、一直線に進むはずだった龍のサッカー人生。ところが、小学6年生の時に、再起不能直前にまで追いこまれる出来事が起こります。 しかし、不屈の闘志でそれを乗り越え、中学2年の秋に再びサッカーに打ち込めるまでに回復。天才的なプレースタイルは一度失われましたが、龍は夢を諦めず、着実に前進していきます。

そこには、チームメイトを始め、たくさんの大切な仲間との出会いが。その中に、龍のプレーを龍が小学生の頃から見つめていた外国人の老人がいるのですが、物語が進むにつれ、とても重要なキャラクターになっていきます。特に、龍が中学サッカーから引退して、高校進学するまでの間に、その老人から授かった教えは重要で、龍はチームプレーとしてのサッカーを見つめ直すのでした。

小学生時代、中学生時代にも熱い展開はたくさんありますが、やはり本作が本格的に盛り上がるのは、高校生時代。 龍が入部した強豪の武蒼高校には、個性豊かな先輩たちや龍の小学生時代からのライバルたちが所属し、魅力的なキャラばかり。特に、「尊敬しろ」が口グセのエゴイスティックなドリブラー・桜庭巧美の存在感は強烈です。

不屈の精神で見事な復活を果たし、頼もしい仲間と出会った龍。高校時代の物語は、いよいよ公式戦へ。全国優勝を目指しての戦いが、今、まさに盛り上がっています。

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クライフのサッカー理論が高校生たちを変える『夕空のクライフイズム』

『夕空のクライフイズム』

完結『夕空のクライフイズム』 全10巻 手原和憲 / 小学館

自分の指示通りのプレーしか許さない監督のもと、チームの状況が悪くなっていた木登学園高校サッカー部。主人公の今中一輝も、得意のドリブルを禁じられて不自由な思いをしていました。そんな時、監督が急に他校に引き抜かれ、臨時の代理として中等部の監督がやって来ることに。そこから、本作の物語は始まります。

タイトルにある「クライフイズム」とは、伝説的なサッカー選手であり監督のヨハン・クライフのサッカー観のこと。中等部の監督はクライフに心酔し、その哲学と戦術論によってチームを変えていこうとします。

美しく敗れることは恥ではない。無様に勝つことを、恥と思え

その言葉に代表されるクライフのサッカーとは、監督いわく「守備なんてやってらんねーよ」「恐れず攻める俺らカッコいい!!」という、“中二病”のようなサッカー。監督は、最も美しいサッカーのためには

「勝つことくらい、あきらめましょう。」

と言い切ります。

最初は面食らった今中たちサッカー部員ですが、クライフの理論に裏打ちされた練習を繰り返していくごとに、その魅力にハマっていきます。もちろん、今中はドリブラーとしての能力を遺憾なく発揮。かつての監督の呪縛から解かれ、ようやくにして高校サッカーが楽しくなっていくのです。

監督とともに、サッカー部にクライフの戦術を植えつけていくのが、監督の娘で中等部の生徒である雨宮雨。今中とは、サッカーオタクとしても意気投合して、国内外の選手の話から戦術論まで、2人の会話はかなりディープ。サッカー理論好きは、かなり楽しめる作品です。

その一方、チームメイトとのやり取りや試合の描写などはコミカルで、親しみやすいものに。全体的にまったりとした、サッカー漫画としては独特の雰囲気もクセになります。

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潔癖症なのにサッカー!? 斬新な設定の変わり種サッカー漫画『潔癖男子!青山くん』

『潔癖男子!青山くん』

完結『潔癖男子!青山くん』 全13巻 坂本拓 / 集英社

サッカーは、よほどの悪天候でない限り中止されず、ボディコンタクトも激しいスポーツ。果たして潔癖症の人がサッカーできるなんて、誰が思うでしょうか? グラウンドの隅に転がっているドリンクを飲むなんてとんでもない! ゴールが決まって抱きつくなんてもってのほか! それでもスーパープレイを決め込むのが、潔癖症でありながらサッカーセンス抜群の青山。ちなみに、彼がサッカーを始めたきっかけは、「手を使わなくていいから」だそう。潔癖症ゆえに、敵方と接触しない距離を保つよう、すべてのプレーが正確で徹底しているのがすごいところ! そう、青山は、潔癖という名の絶対領域を持つ選手なのです。

普通、潔癖症であれば、汚れる可能性の高いサッカーなんか選ぶはずがありません。潔癖症がハンデになると分かっていながらサッカーに取り組む青山は、れっきとしたサッカーバカなのです。しかし、チームメイトがゴールしてもハイタッチは避けるし、ユニフォーム交換は絶対拒否! 徹底して自分の周りを綺麗に保とうとする青山と、その牙城を崩そうと奮闘するチームメイトとの、コミカルやりとりもまた面白いですよ。

意表を突いた設定で、サッカー漫画としてはちょっと変わり種の本作。2017年7月よりTVアニメが放送中です。

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今も多くのファンを持つ少年サッカー漫画の定番『ホイッスル!』

『ホイッスル!』

完結『ホイッスル!』 全15巻 樋口大輔 / 集英社

1998年から2002年にかけて週刊少年ジャンプで連載された本作。最初は下手だった主人公が努力を重ねて成長していく王道のストーリーと、樋口大輔先生の洗練されたタッチによって、多くのファンを持つ作品です。

サッカーの名門・武蔵森学園から公立の桜上水中学に転校してきた主人公・風祭将。最初は武蔵森のレギュラーがやって来たと誤解されますが、実は3軍。しかも、背の低さから武蔵森では全くチャンスが与えられない挫折を味わっていました。

技術に劣る風祭ですが、サッカーへの情熱と努力する姿勢は人一倍。桜上水サッカー部一のテクニシャン・水野竜也に認められ、やる気のない上級生が去った後、2人はサッカー部を再建していきます。優れた運動神経とサッカーセンスを持つ佐藤成樹(しげき)や、寡黙な天才ゴールキーパー・不破大地といったメンバーが加わり、元日本リーグ選手だった松下左右十(そうじゅう)がコーチとして就任してチームが醸成し、地区予選が始まります。

それぞれの試合の手に汗握る展開も読み応えがありますが、王道のスポーツ漫画として欠かせないのは、魅力溢れるライバルの存在。武蔵森のストライカー・藤代やキャプテン渋沢、ドイツ人のハーフである国部第二中の大型ストライカー・天城、女の子と見間違えるくらいの美形かつ小柄な飛葉中のディフェンダー・椎名など、サッカーテクニックと見た目の麗しさを兼ね揃えたキャラも多数登場します。やがて、彼ら全員が招集されての東京都選抜チームの結成と、物語は盛り上がっていきます。

現在は、彼らの子供世代を主人公にした『ホイッスル!W』 が連載中。二世代に渡る物語としても楽しむことができますよ。

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個性派女子サッカー部が強豪に挑む『さよなら私のクラマー』

『さよなら私のクラマー』

『さよなら私のクラマー』 1〜9巻 新川直司 / 講談社

『四月は君の嘘』の新川直司先生が描く女子サッカー漫画。新川先生には『さよならフットボール』という、女子中学生が男子サッカー部に混じって活躍する作品がありますが、その主人公・恩田希が、本作にも登場しています。

舞台となるのは、埼玉県立蕨青南高校。中学の頃、同地区のライバル同士だった周防すみれと曽志崎緑は揃って進学し、女子サッカー部に入部します。部長の2年生・田勢恵梨子がまとめるそのチームは、顧問・深津のやる気のなさから、部員の多くが辞めていった、今イチ活気がない部。しかし、新入部員として、天才肌のミッドフィルダー・恩田希や、高飛車お嬢様キャラのフォワード・白鳥綾といった面白いメンバーが加わり、元日本女子代表の能見奈緒子がコーチに就任。それぞれがワクワクした気持ちを抱きながら、練習が始まっていくのでした。

練習の帰りに、1年生の一人で希の中学時代からの友人・越前佐和がつぶやいた言葉が印象的です。

「これからきっと夢みたいなフットボール生活が待ってるよ」「もう1人じゃないんだもん」

男子に比べ、競技人口が圧倒的に少ない女子サッカー。学校の部活で、マジメに取り組めるチームに加わること自体が容易ではないのです。特に孤独な環境にいたすみれは、希を見て、「もう一人の自分を見つけた」と感じるのでした。

新チームは、能見のコネクションにより、いきなり高校女子サッカー日本一のチーム・久乃木学園と練習試合をすることに。ライバルとの出会いがあり、周防たちは大きな刺激を受けます。新川先生の作品らしく、テンポのいい展開でストーリーが進み、シリアスとコメディのバランスも絶妙。もちろん、登場する女子選手たちは全員、魅力的です。

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クラブチームのサポーターが主人公の『サポルト!〜木更津女子サポ応援記』

『サポルト!〜木更津女子サポ応援記』

『サポルト!〜木更津女子サポ応援記』 1〜3巻 高田桂 / アース・スター エンターテイメント

続いて紹介したいのは、『GIANT KILLING』でも描かれていた、クラブチームとサポーターの関係。3人の女子高生を主人公に、サポーターの活動について掘り下げているのが本作です。

自分が暮らす街を好きになれないでいた女子高生の室町花子(ムー子)は、駅前で偶然、同じクラスの問題児・佐橋風夏とはち合わせたことで、サッカースタジアムに連れていかれます。そこは、2部リーグに所属する木更津FCのホームスタジアム。風夏はその熱心なサポーターだったのです。ゴール裏で大声を出して応援する風夏と、スタジアムの熱気に飲まれるムー子。得点シーンで、この街の歌が大合唱されるのを聞いた彼女は、「なんだ この“好き”にあふれた場所は」と驚くのでした。

ずっと嫌いだった街の中に、スタジアムという“好き”がたくさんある場所を見つけたムー子。さらに、クラスに転入してきたイギリス帰りの帰国子女・熊倉あゆみも加わり、3人は一緒にスタジアムに通う仲間になります。

ウルトラと呼ばれるゴール裏に陣取る熱狂的なサポーター達との交流や、シーンによって歌い分けられる応援歌・チャント、さらに屋台メシスタジアムグルメ(スタグル)まで、スタジアム観戦の魅力がたくさん描かれていく本作。やがて、隣の千葉市がホームとなる幕張SCとのダービーマッチにムー子たち3人が参戦。幕張サポーターの女子3人組も登場し、楽しさが増していきます。

その一方、荒々しいサポーターの存在や古参サポーターと新規サポーターの確執など、サポーター活動の負の部分も取りあげられ、ただ楽しいだけの場所ではないこともしっかりと描かれているのが、本作のもう一つの魅力。現実に存在する問題が、女子高生の目線で分かりやすく描かれ、考えさせられます。

何があっても、仲間と一緒のゴール裏に通い続けるムー子。この街が嫌いだった彼女は、いつしか「アイラブきらさづ」と叫んでいるのでした。

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センターバックの活躍を描く『Mr.CB』

『Mr.CB』 1~3巻 綱本将也・谷嶋イサオ / 秋田書店

あの『GIANT KILLING』綱本将也先生原作のサッカー漫画です!
タイトルのCBとは「センターバック」の略で、サッカーのディフェンスライン中央で相手フォワードと駆け引きを繰り広げる重要なポジションです。
あまり目立つポジションというよりも縁の下の力持ち的な位置なので、そんなセンターバックを題材にした漫画って、サッカー漫画の中でも実は結構珍しいんです。

国内3部リーグの小さなクラブ・東京ワンダーズに在籍する元サッカー日本代表・吉永衛は、偶然出会った無名の高校生・千明明(ちぎらあきら)にセンターバックの資質を見出し、クラブの存続を賭けて彼をスカウトすることに。
果たして東京ワンダーズのリーグ昇格はかなうのか、その裏ではクラブ運営の目論見や癖のある監督との軋轢があって…。

王道のサッカー漫画でありながら、クラブチームの存続を賭けたドラマは意外な展開の連続で読み応え抜群です!
読者の予想を遥かに上回る駆け引きにワクワクします。
またそんな駆け引きを展開する登場人物たちも、ベテランの風格たっぷりの吉永や、インテリ風眼鏡が異彩を放つ桂木GMなど個性豊か。
一筋縄ではいかないクセの強い面々が裏の裏をかくように動いていきます。
だからこそ、ピュアな高校生・千明の純粋さやポテンシャルを秘めたオーラがより際立って、今後の活躍に期待してしまいます。

さらにコマ割りや見せ方もドラマチックで面白いシーンが沢山あります。
シーンの見せ方によって生み出されている驚きやワクワクも数多くありますよ!
予想の斜め上をいくサッカー漫画、おすすめです。

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ポジショナルプレーはタイミングが命!『TIEMPO―ティエンポ―』

『TIEMPO―ティエンポ―』1~4巻 飯野大祐 / 集英社

サッカー漫画の主人公といえば、並々ならぬ勝利への執着があったり、向上心に満ち満ちていたり、ポジティブなエネルギーが全開!というイメージですが、この物語の主人公・瀬戸柚樹(せとゆずき)はちょっと違って…。
超絶怖い俺様キャラの先輩・朝美圭右(あさみけいすけ)にしごかれすぎて、とにかく「怒られたくない!」という想いが先立つようになってしまいます。
しかし、逆にその恐怖体験が柚樹のサッカーを知らず知らずのうちに押し上げていて、いつの間にかプレーの質が格段に上がっていたことに気付きます。

高校への進学とともに朝美との恐怖サッカーも終わったかのように思えたのですが、高校でも朝美とまさかの同じチームになってしまった柚樹。恐怖でガチガチになってしまう反面、自分のサッカーが進化するのではないかとワクワクしている自分もいて、そのアンビバレントな感情に葛藤しながらサッカーを極めていくという、ちょっと個性的な展開のサッカー漫画です。

タイトルの「ティエンポ」とは、タイミングという意味。サッカーでポジショナルプレーを展開するうえで大切になってくる要素の1つです。どれだけ技術があったとしても、タイミングが合わせられなければ、それは間違ったプレーとなってしまいます。だからこそ、怖すぎる先輩の朝美や、なにかと個性的なチームのメンバーと「ティエンポ」を合わせてプレーすることが求められるのです。

サッカーをプレーするうえでの覚悟や、その際に考えるべき戦略など、プロ志向の高校サッカーに触れて成長していく柚樹のこれからに期待できる、青春ど真ん中のサッカー漫画をぜひ!

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サッカーの裏方版プロフェッショナル仕事の流儀『サッカーの憂鬱 ~裏方イレブン~』

完結『サッカーの憂鬱 ~裏方イレブン~』全2巻 能田達規 / 実業之日本社

華々しいイメージのあるサッカーの試合。
この表舞台で活躍しているのは選手たちだけではありません。
彼らを支えている裏方たちの存在があってこそです。

この漫画はそんなサッカーを縁の下から支えている11人の裏方たちに焦点を当て、その日々の奮闘・ドラマを描いた作品です。
「裏方」というだけあって、数多くあるサッカー漫画の中でも描かれてこなかった職種が沢山登場します。

審判、クラブ広報、ホペイロ(用具係)、実況アナウンサー、第3ゴールキーパー、スポーツカメラマン、通訳、ユースコーチ、チームドクター、クラブ社長、ターフキーパー(芝管理人)。

どの仕事も決して楽なものなどありません。
例えば、審判は公平なジャッジを下すうえで選手からの反発を招くことも少なくないですし、実況アナウンサーはどんなに白熱した試合にあっても冷静さを失わずに事実を伝える必要があっしす。
通訳は海外の監督の言葉を適切に、かつ最も状況が好転する形で選手に伝えることに骨を折ったり、チームドクターは重要な局面の試合だとしても、怪我をした選手の容態を見てドクターストップをかけなくてはならなかったりします。

当たり前ですが、どんな仕事にもその仕事なりの苦労があり葛藤があることが再認識できる漫画です。
しかし、ただ辛いだけでもないはずです。
その仕事の先に全力でプレーできる選手たちがいて、そのプレーを見て熱狂するファンの存在があります。
自分の仕事が、いろんな人の最高の表情を引き出していると思うと、やっぱりどんなに苦しくても辞められない…!

VARやJリーグの誤審騒動、ルール変更など、サッカーをめぐる状況は日々変わっています。
この作品を読んだら、サッカーという競技を支えるの々を思い出して
さらにプレーや観戦が面白く感じられるのではないでしょうか。

『サッカーの憂鬱 ~裏方イレブン~』を試し読みする

最後に

サッカーはボール1つでできるシンプルなスポーツ。しかし、これらの漫画を読めば、戦術の深さに気付くことでしょう。選手交代や何気ないポジショニングの裏にも、いろいろなストーリーが隠されていることが分かります。サッカー漫画を読むと、サッカーを見る楽しみも、プレーする楽しみも、一段と増すことうけあいです!

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