ぶくまる – 書店員おすすめの漫画・本を紹介!

書店員が選んだ「本当に面白い漫画・本」をご紹介!

元バレー部の書店員が選ぶ、本当に面白いおすすめバレーボール漫画7選

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スリリングな勝負やひたむきな努力と成長というスポーツならではの魅力に加え、1人1人の能力が発揮されたチームプレイの面白さや「ボールを落としたら失点」「3回以内に返球」といったルールが生むドラマが魅力のバレーボール。

バレーボールを描いた漫画は『アタックNo.1』『サインはV!』などの名作がありますが、今回は元バレーボール部の書店員が選んだ、本当に面白いバレーボール漫画7作品をご紹介いたします。熱血系から頭脳派まで、豊富なラインナップをお楽しみください!

一芸を磨いてチームの総力を上げろ!『ハリガネサービス』

ハリガネサービス

『ハリガネサービス』 1~21巻 荒達哉 / 秋田書店

主人公の下平は中学バレー部で3年間ベンチを温めつづけた気弱な少年。高校ではレギュラーをめざそう! と奮起しますが、同期は中学東京選抜メンバーと経験者ぞろいで、下平の出番はなし……。落ち込みつつも、バレーが好きな一心で地道に基礎練を積む下平ですが、彼にはとんでもない武器がありました。それは驚異的に正確でテクニカルなサーブ。たちまち下平は、スゴ腕な同期たちに目をつけられ……!?

レシーブの金田、トスの松方、スパイクの間白とそれぞれ実力を持つ同期たちに囲まれ、チームにも同期にも期待されていなかった下平。本作は、そんな彼が「サーブ」という武器で自分の居場所を作りだし、仲間に信頼される喜びとチームプレイの楽しさが、爽やかにもアツく描かれています。決して器用な主人公ではないだけに、努力や苦悩の様子が垣間見え、応援したくなる作品です。

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オレ様な監督が頭脳戦で勝ちあがる!『神様のバレー』

神様のバレー

『神様のバレー』 1~16巻 西崎泰正・渡辺ツルヤ / 芳文社

阿月総一は実業団バレーボールチームのアナリスト。ベンチ外から相手チームを分析し、戦略を練るのが仕事です。そんな阿月がひょんなことから、中学生の弱小チームを率いることになります。そのチームを日本一に導けたら、ごほうびは全日本男子バレーの監督というポスト! 阿月は日本一を目指し、嫌がらせと騙しに満ちた戦略で、頭脳派バレーを展開するのでした。

努力や根性にフォーカスするバレー漫画が多い中で、「戦略で勝つ」面に注目した異色作です。秀才が多くてバレーの基礎もできているのに勝利に縁遠かったチームを、冷静な分析と戦略で勝てるチームへと成長させていく本作。相手チームの守備位置を限定するサーブで翻弄させたり、ローテーションの弱みにつけ込んだり、はたまた雰囲気にのまれているメンバーをちょいエロな発破をかけてコントロールしたり、技術的にも精神的にも徹底して戦略的なのが特徴です。

阿月は1から10まで相手チームの攻略方法を説明するわけではないので、試合展開の面白さにのめり込んで読んでいるうちに、読み手もまんまと阿月の戦略にはめられることになります。計画通りに試合を運んで勝利を勝ちとる様は痛快で、相手の裏の裏をかく、嫌がらせと騙しの阿月の戦略がクセになります!

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お互いを想いあう絆がさらにチームを強くする『少女ファイト』

少女ファイト

『少女ファイト』 1~15巻 日本橋ヨヲコ・木内亨 / 講談社

バレーボールの名門・白雲山学園中等部に在籍する主人公・大石練(ねり)。練は小学校時代に全国大会準優勝まで行った実績がありながら、過去のトラウマから実力が出せずにいました。それは、バレーをやっていた姉を交通事故で亡くした悲しみで、周りが見えなくなるほどバレーに没頭するがあまり、ついていけなくなったチームメイトに嫌われたことがきっかけでした。しかし、姉がいた黒曜谷高校にスポーツ特待生として入学したことから、再び本気でバレーと向き合うようになります。そして、新たな仲間たちを得て、春高バレーを目指し走り出すのでした。

チームスポーツならではの人間関係の難しさと、相性によって発揮される強さや喜びが描かれています。過去の挫折から同じことを繰り返してしまう恐怖を抱いていた練が、一癖も二癖もあるチームメイトとの関わりの中で、過去の自分やバレーと向き合っていきます。練はバレーに関しては天才ですが、その反面、自分のことになると素直に気持ちが表現できなかったり、遠慮してしまったりと、必ずしも完璧ではないところに親近感がわきます。

チームメイトたちもそれぞれ悩みを抱えていますが、共通することは「チームメイトのためだったら悪役も買って出る」ということ。同じ気持ちを共有できるチームメイトができ、信頼し合って生まれるプレーに感動すること間違いなし! お互いを想いあう絆がさらにチームを強くするという、アツいバレーボール漫画です。また、作中では日本橋ヨヲコ先生の『G戦場ヘヴンズドア』の登場人物たちも出てくるので、そちらのファンも楽しめる作品ですよ。

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リベロへの転身で勝ち取れ勝利!『リベロ革命!!』

リベロ革命!!

完結『リベロ革命!!』 全13巻 田中モトユキ / 小学館

幹本要(かなめ)は、中3で160センチ未満の小柄な少年ですが、チームのエーススパイカー。強豪・藤原高校を志望しましたが、藤原の監督は要の身長の低さをズバリと指摘し、リベロへの転向を勧めます。怒った要は他の高校へ入り、弱小チームを率いて打倒・藤原を目指しますが……。

作者は『BE BLUES!~青になれ~』『最強!都立あおい坂高校野球部』などの田中モトユキ先生です。熱血スパイカーでアタックにこだわっていた要が、ちゃらんぽらんな弱小チームで選手兼監督のような立場でプレーするうちに、チームの中で自分がすべきことに気づき、リベロとして成長していくというバレー漫画です。リベロは守備のスペシャリスト。スパイクやサーブといった攻撃はできませんが、後衛の選手と自由に交代することができるため、誰よりもコートを見渡すことができるポジションです。要は熱血漢でありながら、勝つために一歩引いて考えられる冷静さも持ち合わせているため、チームの弱点を補うためにスパイクを諦めリベロの道を選びます。持ち前の明るさとガッツでチームを引っ張りながら、アタックをせずにレシーブだけのバレーを提案したり、あえてリズムを崩したプレーをすることで試合の流れを変えたりと、試合展開やチームの様子から冷静に判断できる要は、リベロ向きのプレーヤーだったのです。

要がママさんバレーの監督を引き受けて奮闘したり、女子チームとの対戦を通して自分たちの課題を見つけたりと、高校男子チームとの試合以外の勝負も多く、その経験が要やチームを成長させていくのも楽しめるポイントです。

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殺し屋×バレーボール!?初心者にもおすすめバレーボールコメディ『殺し屋サムのバレーボール』

殺し屋サムのバレーボール

完結『殺し屋サムのバレーボール』 全1巻 菅辺吾郎 / マッグガーデン

主人公は屈強な体とバツグンの運動神経をもつ、名を持たぬプロの殺し屋。大学生・水野透明の暗殺を依頼され、大学へ潜入します。ところが、水野が所属するバレー部へ赴いたところ、丁度ボールに当たってしまい、頭を打って記憶喪失に! さらにその体格に惚れ込んだ水野によってバレー部に加入させられてしまい、イチからバレーを習い始めるのでした。

スゴ腕の殺し屋がバレーを基礎から挑戦するという、コメディタッチなバレー漫画です。殺し屋・サム(仮名)はバレーをまるで知らず、ボールをすごい速度でバスケのゴールにシュートしたり、胸板でブロックしたりするなど、初心者ならでは(?)のハチャメチャでとんでもないプレーが続出! しかし、その一方で、バレーのルールやレシーブ・ブロックのコツなどが、バレー初心者にもわかりやすく説明されるので、サムがバレーを上達していくのと共にバレーに詳しくなれます。「ボールの勢いを【殺す】」や「相手を【殺す】球を打て」など、殺しに関連する言葉で説明するとサムにしっくりくるところもまた面白い! 殺し屋とその標的がバレーに興じるという展開も、先行きが気になって一気に読めちゃいますよ。1巻完結ながら読み応えのある作品です。

『殺し屋サムのバレーボール』を試し読みする

自分にとってのバレーの意味を問い続ける、試行錯誤の思春期バレーボール漫画『その娘、武蔵』

その娘、武蔵

完結『その娘、武蔵』 全3巻 田中相 / 講談社

男まさりの女の子・武蔵は、身長184センチという恵まれた体を持つ、中学バレーボール界のスター選手。しかし、部活でバレーボールをする意味を感じられなくなり、高校はバレー部のない大仙高校へ進学します。それなのに、武蔵が入学した年にバレー部が復活! 武蔵は半ば強引に引っぱりこまれ、やがてバレー部でかつて起きた体罰事件の真相を知ることに……。

『千年万年りんごの子』『地上はポケットの中の庭』などの田中相先生が描くバレー漫画で、みんなと一緒でなくてはならないことに対する居づらさや、協調性を押しつけられることへの反発を、バレーを通じて描いた作品です。みんなが勝利を喜んでいるときは喜ばなければならない、チームのために心をひとつにしなければならない、そういったことがプレッシャーとなり、バレーボールをやる意味を見出せなかった武蔵が、バレー部の先輩たちや顧問の先生と出会い、試行錯誤しながら自分なりにその答えを見つけていきます。納得のできる答えが見つかった武蔵は、過去におきた体罰問題にも対峙することに。チームが強くなるために厳しい指導は必要かどうか、というスポーツと切り離せない問いについても描かれています。

『その娘、武蔵』を試し読みする

スポ根バレーボール漫画の新定番!『ハイキュー!!』

ハイキュー!!

『ハイキュー!!』 1~33巻 古舘春一 / 集英社

中学最後の公式戦で、天才プレイヤー影山に惨敗した日向。雪辱を期して烏野高校バレー部の門を叩きますが、そこでなんと影山とチームメイトになってしまいます。険悪な仲の2人ですが、練習試合でいきなりコンビを組むことに。そこで2人は、感情はともあれ、バレー選手としての相性はバツグンに良いことに気づき……。

いま、「バレーボール漫画といえば、コレ!」という新しい定番にして、王道なスポ根バレーボール漫画。TVアニメ化、舞台化、映画化など、その勢いはとどまることを知りません。中学時代、やる気も体力もあるのにバレー仲間がいなかった日向と、実力はあれど孤独だった影山。敵同士だった2人が同じチームになった時、爆発する化学反応が気持ち良い! スパイクを打つ一瞬の爽快感など、バレーボールの魅力を感じられるシーンもいっぱいです。特に、試合の描写が細かく描かれており、コートの中の緊張感や1点を取った時のメンバーの興奮など、その臨場感に思わずのめりこむこと間違いなしです。

『ハイキュー!!』を試し読みする

最後に

バレーボール漫画で描かれているのは、1人1人の力が結集して発揮されるチームワーク。スター選手だってレシーブやトスに支えられるからこそ輝くことができます。1人ではできないスポーツだからこそ、切磋琢磨してお互いを高めあう。1点に泣き、1点に笑う、ボールがコートに落ちるまでのドラマが詰まった作品たちを、ぜひお楽しみください。

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