オフィスで恋！ ほろ酔いで恋！ 大人の胸キュン恋愛漫画10選
オフィスラブは、学園ものより一段上の、よりディープな胸キュンポイントが魅力。夜のムードやお酒の力を借りることもしばしばです。大人の恋の味を味わいたい方におすすめの、キュンとする10作品をご紹介します。
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未完結の4作品
器を通して触れ合い、とけていく心のわだかまり。そして…『青の花 器の森』
『青の花 器の森』 【1〜4巻】 小玉ユキ / 小学館
『坂道のアポロン』の小玉ユキ先生の最新作。陶芸の町・長崎県波佐見町を舞台にしたお仕事漫画です。
主人公は、とある窯に勤める31歳の馬場青子。家族全員が陶芸の仕事に携わってきた家の生まれで、陶芸が大好き。器に絵柄を入れていく作業、いわゆる「絵付け」を得意としています。
ある日、窯に新人スタッフがやって来たところから物語はスタート。フィンランドで陶芸作家をやっていたという真鍋龍生（マナベ タツキ）で、知識と技術も兼ね備え、即戦力になっていきます。年齢は27歳と、青子よりちょっと年下です。
窯で働く人達と打ち解けようとしない龍生は、謎多き人物です。陶芸家なのに火がトラウマになっていたり、他人には絶対に触れられたくない、青くて美しい器を保管していたり。つねに無愛想ですが、ふと見せる笑顔のほうが、彼の本来の姿なのではないかと思わせるシーンもあります。
絵付きの器は好きじゃないと発言したことで、最初は龍生と激しく対立した青子。最悪な印象から始まってしまった2人の関係性ですが、青子は龍生を知れば知るほど、彼にときめいていくことに。なぜなら、彼が作る器も、器を作るときの手つきも、すごく美しかったからです。
「なんなのあの手 器触ってるだけなのに 優しくて色っぽくて」
と、ドキドキする青子。
また、ろくろを回している姿を見たときも、「指で土に魔法をかけているみたい」と、その手つきに見とれます。こんなふうに、陶芸の仕事をしている女性ならではの「きゅん」ポイントが本作の特徴です。
少しずつ龍生に心を傾けていく青子ですが…揺れる恋のドラマから目が離せません。
命を張って生きる危険な男との激しい恋に「きゅん」とする『恋と弾丸』
『恋と弾丸』 【1〜4巻】 箕野希望 / 小学館
ヤクザの若頭と女子大生のラブストーリー。ヤクザを「社会人」というのはちょっと語弊がありますが、年上の男、しかも超危険でセクシーな男の魅力にドキドキできる作品です。
不良達に襲われているところを、ヤクザの一団に救われた女子大生のユリ。彼らを率いていたのが、桜夜組の若頭・桜夜才臣（オウヤ トシオミ）でした。傷ついたユリに自らのコートを掛け、「お怪我は？」と優しく微笑む才臣。その紳士的な態度にユリは「きゅん」とします。
後日、コートを返しに才臣の家に向かったユリは、いきなり才臣に口説かれることに。才臣の魅力に抗うことができないユリでしたが、そんなとき、才臣が何者かに狙撃されるという衝撃の展開が──。
その出来事がきっかけとなって、才臣は、いつ死んでしまうか分からない危険な世界に生きる男であると気づいたユリ。彼女は覚悟を決めて、彼の恋人になろうと思います。そんなユリの一途さに、才臣は驚喜。彼女の体を激しく求めた後で、
「この身が散って消えるまで 君を愛しぬくことを誓う──」
と手の甲にキスをするのでした。
次から次へと繰り出される才臣のセリフはどれも甘く危険。特にユリの体を求めてくるときの艶っぽくてSっ気たっぷりのセリフには「きゅん」とさせられます。普通の女子大生だったユリが、危険な世界に飛び込んで、愛する男のために成長していく物語でもあり、2人の揺るがない絆が描かれていきます。
途中から舞台を上海に移して、よりゴージャス＆デンジャラスな展開に。非日常の世界を見せつけられ、多くの女性ファンの心を虜にしているラブストーリーです。
日本酒に楽しく酔って後輩との恋にも酔…えるのか？『酒と恋には酔って然るべき』
『酒と恋には酔って然るべき』【1〜4巻】はるこ・（原案協力）江口まゆみ / 秋田書店
「酒と恋には酔って然るべきなの!! どちらも気持ちよく酔える瞬間なんて一瞬の夢…」
そんな人生観、恋愛観を持つ32歳の会社員・藤井松子。家には、一人飲み用のカップの日本酒を各種揃える、お酒が大好きな社会人女性です。
彼女が毎回美味しそうに飲む日本酒の銘柄を、うんちくたっぷりに描いてくれるグルメ漫画でもある本作。「きゅん」ポイントとなるのは、会社の後輩・今泉との恋人未満の関係です。
同じ部署に異動してきた今泉は、高身長のイケメンで無愛想なタイプ。大人数での飲み会が嫌いだというので、松子がサシ飲みに誘うと、「…いいですけど…」という上から目線の返事が返ってくるのですが、アルコールが入ると笑顔がこぼれ、「かわいいじゃないの!!」と松子は普段とのギャップに「きゅん」。次は、松子のマンションでの2人きりの家飲みへと進展していきます。
2人でキッチンに立ち、まるで夫婦のようにおつまみの準備をして、楽しく飲み、帰り際には
「さみしいなら泊まっていきましょうか？」
「なに言い出すの、もう!!」
みたいなやり取りもあって、甘々な2人。しかし、このまま恋人同士になっていくかというと……簡単にはそうはならないのです。
なんと松子を初詣デートに誘っておきながら、今泉は「かわいい彼女が待ってる」家へと帰ってしまうのです。実は今泉の言う「彼女」というのはペットの猫のことだったのですが、松子はそれを言葉通りに捉えてしまい、悩みまくるのでした。
今泉は、松子のことを好きかどうか、明確な意思表示をせずに、彼女を誘い続けることに。そんなどっちつかずの関係性も、ある意味では「きゅん」ポイント。松子は銘酒「新政No.6」を、いつか彼氏ができたら一緒に飲もうと、大切に冷蔵庫に保管しているのですが、それを開ける日は訪れるのでしょうか？
ちょっと冴えないカップルの一夜の出来事が、じわっとくる『ワンナイト・モーニング』
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『ワンナイト・モーニング』 【1～2巻】奥山ケニチ / 少年画報社
男女がともに過ごす一夜と、翌朝の朝食をテーマにした短編連作集。描かれているカップルはみんな、ちょっと冴えない人達で、等身大の「きゅん」を味わうことができます。
最初に登場するのが宮川くんと岩本さんのカップルです。2人の出会いは高校時代の学食。その頃、岩本さんはソフトボール部に所属していて、男子以上に男子っぽい女の子でした。
そこから始まった友達関係は大学生になっても続き、岩本さんは髪を伸ばしたことで急に男子にモテ始めることに。それでも岩本くんとの気さくな関係は変わらず、夜、酒とつまみを持って彼のアパートを訪れては、酔ってそのままベッドに寝てしまったりします。
夜中に岩本くんがふと目を覚ますと、寝返りを打った岩本さんの顔が至近距離に。漫画では決して珍しくない「きゅん」ポイントですが、奥山先生の素朴なタッチによって描かれていると、味わい深いものに。純朴な宮川くんの心臓の鼓動が伝わってきました。
彼らは登場する３話の中で、正式に付き合い始め、社会人となり、同棲が始まりと、少しずつ恋人らしくなっていきます。ささやかな幸せを噛みしめるように過ごすふたりの姿は本当に素敵です。
他のエピソードには、会社員のセフレカップルや、彼氏に命令されて他の男にハニートラップを仕掛ける女の子といった、ちょっとあぶない関係も。しかし、どの物語もほのぼのとしたオチにたどり着くのが、本作のいいところ。登場人物たちが、なんだかんだあった後に食べる朝食のメニューも美味しそうで、いろいろな意味で「ごちそうさま」と言いたくなる作品です。
完結済の6作品
結婚したい女と結婚したくない男の大人の駆け引き『突然ですが、明日結婚します』
完結『突然ですが、明日結婚します』 【全9巻】 宮園いづみ / 小学館
営業成績が全支店の中でトップ3に入る、大手銀行のキャリアウーマン・高梨あすか24歳。超有能な彼女の願望は、結婚して専業主婦になることでした。しかし、付き合って5年になる彼氏に、突然別れを告げられて茫然。そんな時、TV局の期待の若手アナウンサー・名波竜と偶然の出会いを果たすことになります。
美男美女同士で、すぐに惹かれ合う2人でしたが、それと同時に結婚観の違いで激しくぶつかり合うことに。竜は恋はしても、結婚はしたくない男なのでした。
「君と結婚する男は幸せになるだろうな」
とあすかを抱きしめたかと思うと、次の瞬間には
「結婚なんて死んでもごめんだね」
と拒絶。かつては女優との仲も噂され、女性の扱いに慣れている竜のセリフや行動の一つ一つに、あすかは振り回されるのですが、それでも少しずつ2人の距離は縮まっていきます。
どちらもバリキャリの社会人なので、お互いの魅力に気づいて、「きゅん」とする場面も仕事絡みなのが、面白いところです。
たとえば、竜には顔出しせずにナレーションだけを担当している小さな旅番組がありました。目立たない番組だけど大切にしていたそれを、あすかが龍の仕事だとは気づかないまま録画しているのを知って、「きゅん」。愛する人に仕事が認められるのは嬉しいことです。
また、普段は分別のある大人ですが、攻めるときはとことん攻めるのが竜。合コン会場のバーや駅のホーム、タクシーの車内での熱烈なキス。仕事で合えない時間が続けば、燃えるようなラブシーンがあり、欲望を我慢できない竜の「大人げなさ」にもドキドキさせられます。時間をかけて答えを探していく大人の恋を味わってください。
13歳から三十路の今まで、恋の意地を通す女・まめの物語、『こいいじ』
完結『こいいじ』 【全10巻】 志村貴子 / 講談社
中学1年の時に、近所に住む5歳年上の男の子・聡太に勇気をもって「大好き」と伝えた忠実（まめ）。16歳の時の2度目の告白も失敗に終わり、成人式のあとの3度目では、なんと「オレ結婚することにした」という衝撃のひと言が。それから10年後、30歳になっても聡太を好きでい続ける、諦めきれない女・まめを主人公にしたラブストーリーです。
現在の聡太は、妻の春子を失って1年。喫茶店を経営しながら、小学生の娘・優と暮らしています。まめは、実家の銭湯「すずめ湯」を手伝いながら、聡太の喫茶店に通ったり優の遊び相手をしたりという毎日。若い頃のように恋心を表に出すことはありませんが、聡太の何気ないひと言に「きゅん」としては、今も好きだという気持ちを確認するのでした。
2人が暮らすのは近所付き合いが色濃く残る下町。子供時代の友人が大人になってもそのまま暮らしていて、近場でカップルが生まれやすい環境です。
そんな狭いコミュニティが、心地良い場所として描かれているのが本作。一筋縄ではいかない大人の男女が入り乱れての恋模様が話の主軸ですが、志村先生のふんわりした絵柄がエグみを中和しており、淡々としていながら刺さるセリフがたくさん登場する独特の世界観が展開されます。そんな中、まめは大人でありながら、いつまでも少女のような心を持ち続けます。
それでもストーリーが進むと、少しずつまめにも変化が。家を出て１人暮らしを始め、お世話になった不動産屋の青年と恋仲になったりもします。それでも、心はやっぱり聡太へと戻ることに。果たしてまめには、聡太と結ばれる未来があるのでしょうか？
「契約結婚」から始まる大人の恋模様『逃げるは恥だが役に立つ』
完結『逃げるは恥だが役に立つ』 【全9巻】 海野つなみ / 講談社
派遣切りにあい、父の元部下であるサラリーマン・津崎平匡の家事代行として働く25歳の森山みくり。平匡からの評価も上々で、仕事にも慣れてきた頃、森山家が転居することに。東京に残り、住む家と仕事を得たいみくりと、適度な距離感で信頼できる家事手伝いが欲しい平匡、2人の利害が一致し「就職として結婚」することに決めたのでした。
ある意味「オフィス」から始まる恋愛漫画であり、現代の「結婚制度」に縛られない、新しい結婚観を提示した本作は、新垣結衣さんと星野源さん出演でTVドラマ化されました。「契約結婚」だけあってビジネスライクな関係だけかと思いきや、共に暮らすに連れてお互いの良いところが見え、惹かれ合っていきます。平匡への気持ちを早くに自覚したみくりに対して、平匡は36歳まで童貞を貫いてきた、自称「プロの独身」。恋愛に対して自信がなく、すぐに壁を作ったり、いい雰囲気から逃げ出したりしてしまいます。平匡の奥手ぶりから、もどかしい関係性が続き、思わず「ムズキュン」してしまうところもしばしば。ハグやキスなどスキンシップを重ね、一進一退しながらも着実に愛を育む2人に胸キュンが止まりません！ ただし、ビジネスライクな会話はいつまでも変わらない、というのが、このカップルの面白いところです。
また、みくりたちをはじめ登場人物たちが交わす、知的な会話も大きな魅力。結婚観や仕事観や人生観について考えさせられます。みくりと平匡の契約結婚だけでなく、年の差恋愛や、同性愛など、様々な恋愛のカタチが出てくるのも特徴。旧来の価値観に縛られない、現代的な生き方を教えてくれる作品でもありますよ。
働く女性の乙女心を射抜く胸キュンがたっぷり！『ホタルノヒカリ』
完結『ホタルノヒカリ』【全15巻】ひうらさとる / 講談社
雨宮蛍は27歳のグータラOL。職場では一応まともに働いているものの、メイクやファッションは惰性＆手抜き、定時後や休日はゴロ寝・漫画・ビールでひたすらダラダラ……という、女盛りを干からびさせた「干物女」です。思わぬ成り行きから、上司の高野誠一部長と同居することになるのですが、女として見られることもない体たらく。そんな蛍に、年下のイケメン・手嶋マコトが告白してきて……!? 高野とのノホホンとした同居生活、マコトとの久々のときめき、その間でオタオタする蛍の干物っぷりがコミカルな作品です。
アラサーとしてのほろ苦いリアルも描きつつ、働く女性の乙女心を射抜く胸キュンポイントもたっぷりな本作。第一に、職場のアイドルで女性陣にモテモテのマコトが、蛍を選んだところ。純情で意外に不器用なマコト君は、年下好きな方なら萌えること必至。一方でクールな41歳の高野部長は、仕事もプライベートも完璧で、年上ならではの「デキる男」の魅力を見せてくれます。蛍が芯から落ち込んでいるときには
「キミにはキミだけの良さがあるだろう」
などと、蛍を「意外に認めてくれている」点も、働く女子のハートをわしづかみにするポイント。別居している高野の妻の存在や、マコトの多忙な仕事が恋にスキマを作ることなど、大人の恋ならではのエピソードはリアルな切なさがあり、ほろ苦い胸キュンも味わえます。
「干物女」という流行語を生んだ本作は、綾瀬はるかさん主演でドラマ化され、続編ドラマや映画も大ヒットしました。漫画やドラマで干物女の恋模様にハマった方は、本作の続編である『ホタルノヒカリ SP』『ホタルノヒカリ BABY』もどうぞ。
見合い相手はおっかない上司!?『溺れる吐息に甘いキス』
完結『溺れる吐息に甘いキス』【全5巻】如月ひいろ / 小学館
失恋のトラウマを抱える優木陽菜は、ヤケになって「相手は誰でもいいです」と見合いに臨みます。ですが、当日待ち構えていたのは、「鬼」とアダ名される上司の湯川亨。なかば上司命令に従わされる形で渋々付き合い始めた陽菜ですが、湯川の素顔と隠れた優しさを知って次第に心がほぐれていきます。そこへ「本来の見合い相手は自分のはずだった」と名乗る男性が現れて……。仕事のつらさや私生活との兼ね合いなど、働く女性には共感しやすい要素が詰まったロマンティックなラブコメディーです。
胸キュンポイントは、「鬼の湯川」のオンとオフとで見せる顔のギャップ！ 職場ではコワモテで隙のない上司なのに、実は酒がめっぽう弱くて陽菜に介抱してもらったり、寝顔が無邪気だったりと、「意外なかわいさ」が魅力です。また、本音を漏らす時には、京都弁が出るのもチャームポイント。猛烈にヤキモチ焼きで、交際・結婚を強引に迫るところも、押しの強い男性が好きな方にはたまらないでしょう。
ケンカした翌日、職場で気まずい思いをして切なくなったり、同僚の目を盗んでキスしたりと、オフィスラブ漫画ならではの醍醐味をたっぷり味わえる1作です。
「社内恋愛禁止」ルールだからこそ燃えるオフィスラブ！『さあ 秘密をはじめよう』
完結『さあ 秘密をはじめよう』【全7巻】一井かずみ / 小学館
転職したてのOL・水浦真依は、しゃべったこともないエリート社員・加藤知哉にいきなり告白されてびっくり。会社が社内恋愛を禁じている上、加藤には「ワンマンで傲慢」という悪評もあることから、とりあえず断ることにしたのですが、突然、加藤専属のアシスタントを命じられ……。社則や周囲の目という「タブー」があるからこそドキドキ感が高まる、大人のロマンスです。
胸キュンポイントは、社内一有能で傲慢でも許されてしまうエリートの加藤が、真依にふっと見せる弱気な部分。
「会社のルールを無視できるほど
君の返事が待てなくて
君を追い詰めてしまうほど君が好きだ」
という一途なセリフに、キュンとならない女性はいないでしょう。
ひと気のない資料室でのキスや、さっきまで同じベッドにいたのに、会社では何食わぬ顔で交わす朝の挨拶など、職場恋愛ならではのときめき要素もさることながら、社則違反者には謹慎や異動が言い渡されるほどの厳しい職場環境で、2人が愛を育んでいくスリルが、本作のスパイスであり醍醐味です。制約があるからこそ燃える、というのは、恋愛の真理なのかもしれませんね。
最後に
いかがでしたでしょうか。完結済の作品と現在連載中の作品、両方ご紹介しました。しがらみや作り笑いと無縁ではいられない大人の世界で、素直になれるのは恋愛の時だけ……本音をぶつけ合いながら離れられなくなっていく男女にあなたもキュンとしてみませんか。
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