【胸を熱くするファッション物語】漫画『ランウェイで笑って』(猪ノ谷言葉)の魅力を徹底解説!
夢を追いかける若者は、いつの時代も尊く、そして美しいもの。改めてそう想わされると同時に、ふと気づけば自分の胸の中に燻っていた熱い何かがザワザワと音を立てている…。この漫画は、夢を追い続ける者の原動力、そしてかつて夢を追いかけたことのある者にもう一度その楽しさを思い出させてくれる情熱を秘めている、パワフルな漫画です。2020年1月からはTVアニメも放送!ますます目が離せない『ランウェイで笑って』の魅力をお伝えします。
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※当記事に記載の内容は全て「ぶくまる編集部調べ」です。また、当記事には一部ネタバレを含みます。
目次
漫画『ランウェイで笑って』基本情報
胸が熱くなる漫画『ランウェイで笑って』のあらすじや作者などの基本情報をご紹介します!
『ランウェイで笑って』あらすじ

主人公の藤戸千雪(ふじとちゆき)は、ファッションモデルに憧れる女子高生。小4で身長158cmという高身長で将来を期待されたは良いものの、そこから全く身長が伸びずに気づけば高校3年生に。

それでも彼女はモデルの夢を諦めていませんでした。というのも、彼女の父親はモデル系の事務所「ミルネージュ」の社長であり、ランウェイを歩くモデル達を間近で見ながら育った千雪にとってモデルを志すのはむしろ自然なことだったのです。さらに、この「ミルネージュ」という会社の名前は、フランス語で「千の雪」。つまり千雪のことを想って父がつけた名前でした。千雪はそんな父の想いに応えるべく、「ミルネージュ」所属のファッションモデルとしてパリコレを歩くことを目標にオーディションを受け続けます。

そんなある日、千雪はひょんなことから地味なクラスメイトの男子・都村育人(つむらいくと)の進路希望調査の紙を見てしまいます。そこには「東京デザイナー専門学校」の文字を消した跡が。幸も影も薄いキャラの育人でしたが、彼の夢はファッションデザイナーになることでした。しかし貧乏な家計を支えるため、夢を諦めて就職すると決意。育人の事情を知った千雪は彼に対して「夢を諦めな」と言います。しかし、その言葉は同時にファッションモデルを目指す彼女自身の夢をも否定する言葉として跳ね返ってきてしまいます。千雪はそんな言葉を撤回・払拭するべく、育人に「わたしが一番魅力的に着れる服作って‼︎」と懇願します。育人は千雪のために服を作り、その服を着てオーディションに臨んだ千雪は見事合格。やっと憧れの「ミルネージュ」のモデルとなります。さらに千雪の纏う育人の服がSNS上で話題となり、育人にもデザイナーとなるチャンスが訪れます。

この物語は、念願の夢のスタートラインに立った2人の主人公たちが、一流のファッションモデル、そしてファッションデザイナーになるまでの物語です。
作者は猪ノ谷言葉(いのやことば)先生
週刊少年マガジンで、本作『ランウェイで笑って』が連載デビュー作となる、猪ノ谷言葉(いのやことば)先生。この猪ノ谷先生、非常にすごい経歴の持ち主なのです。『星に願いを』という作品で、講談社が主催する「週刊少年マガジン新人漫画賞」において、史上4人目となる「特選賞」(最上位の賞)に選ばれています。その展開と構成力、キャラクターの瑞々しい描き方で審査員の度肝を抜いた猪ノ谷先生は、本作『ランウェイで笑って』でファッション業界を舞台に選びました。少年誌としては珍しい題材ですが、先生が描くストーリーは「主人公がその世界の階段を駆け上がっていくドラマ」という点でむしろドンピシャ。男女問わず高い人気を誇る注目の先生です。
累計発行部数
2016年に第1巻が発売されて以降、SNS等でも高い評判を得ている本作。11巻まで発売されている時点で累計100万部のヒットを飛ばしているようです!とにかく第1巻を読めば、その展開に魅了されてファンになること間違いなし。今後も伸び続ける予感に満ちています!
2020年1月よりアニメ化!
人気沸騰の中、2020年1月にTVアニメが開始。千雪役が花守ゆみりさん、育人役が花江夏樹さんの他、茅野愛衣さん、木村良平さん、諏訪部順一さんなど豪華キャストが話題です。
公式twitterでは原作者・猪ノ谷先生のハイテンションな実況も見られるかも…!? 目が離せません。
受賞情報
話題の漫画というだけあり、近年の漫画賞に多数ノミネートされています。ニッポン放送アナウンサーである吉田尚記さんが発起した「マンガ大賞」の2018年度版で6位入賞。さらに、niconicoとダ・ヴィンチが創設したユーザー参加型の賞である「次にくるマンガ大賞」においてもコミックス部門で12位に入賞しています。そして第64回「小学館漫画賞」にも少年部門でノミネート。今後もさらに多くの漫画賞に選ばれるのではないでしょうか!
このように、まさに「飛ぶ鳥を落とす勢い」の漫画『ランウェイで笑って』。
人気を博している作品の魅力をポイントごとにまとめてみました!
夢追う者のドラマを描く普遍的なスポ根物語!
この漫画は単にファッションの世界に生きる若者を中心に描いた物語ではありません。その世界で影響し合い互いに高め合っていく熱い夢追い人を描いたスポ根物語なのです。多くの人が一度は描いたことのある強烈な夢、そしてそれに向かって努力し続ける姿を描いた普遍的なドラマであるからこそ、ファッション業界に関する興味関心の有無に関わらず、老若男女の心を鷲掴みにしているのではないでしょうか。

さらにこの漫画の大きな魅力は、「人が感動する瞬間」の描き方です。人が何かに心を動かされる瞬間や触発される瞬間、それは時にその後の人生を大きく左右したりするものですよね。この物語では、主人公の二人をはじめ多くのファッションに関わる人間が、誰かによって「心揺さぶられる瞬間」が繊細かつダイナミックに描かれています。

「この世界に生きる!」と決めた人々の転機の瞬間・人生の岐路はドラマチックです。これらのシーンには、読者自身にも自分の人生の転機の瞬間を思い出させるパワーがあります。人間の普遍的なエネルギーの源泉を丁寧に描いた本作だからこそ、多くの人が共感することも納得です!
スピード感のある展開はまさに王道少年漫画!
そしてこの作品を読み終え最初に思うことは、とにかく圧倒的な「スピード感」に引き込まれる、ということ。主人公である千雪と育人が共にファッションモデル・ファッションデザイナーを目指すと決めてから、彼らの元には幾つものチャンス、そしてピンチが矢継ぎ早に訪れます。その展開はまるでジェットコースターのようであり、王道の少年漫画なのです。

そして千雪と育人は、幾度となく訪れる困難に対峙する中で、より自分の夢への想いを強めていきます。その過程を追うにつれ、挑み続けた者にのみ挑戦の機会が与えられるのだと、二人から教えられているように感じられます。気づけば背中を押されているような感覚であり、不思議と勇気が湧いてくる物語。

夢に向かって加速し続ける気持ち良さが味わえる漫画です!
「ファッション業界」の細かなディテールにも注目!
さらに物語の普遍性や本質に目が行くのは、ディテールの世界観がしっかり描かれているからこそ。「ファッション」がテーマの本作では、ファッションモデルになることの厳しさやデザイナーとして生きていく覚悟、ショーや展覧会の空気感などが、非常にリアルに描かれています。実際に業界で働く人のファッションにかける熱情まで、肌で伝わってくるような臨場感がそこにあります。

そして当然ですが何度も登場する「服」に関しても、その形や質感、素材ごとの特徴まで、圧倒的な画力でリアルに描かれています。まさに主人公がランウェイを歩いている場面では、照明に照らされて彩りを増す「服」の表情が立体的に立ち現れてくるようで、この漫画を代表する美しいシーンとなっています。
ちなみに…
本作のタイトルである『ランウェイで笑って』。通常ファッションモデルは服に観客の視線を集めるべく笑ってはいけないとされています。つまり「ランウェイで笑う」ことは、常識を超えた所作ということです。本作の主人公たちも、小柄な身長という困難を超えてファッションモデルを目指すなど、立ちはだかる常識を次々と超えていきます。タイトル『ランウェイで笑って』は、ファッション界の常識を超えていく主人公の千雪と育人の生き様を表したタイトルと言えますよね。
『ランウェイで笑って』終わりに
さて、いかがでしたでしょうか。2020年1月上旬現在で既刊13巻が発売中の本作『ランウェイで笑って』。今後も胸を熱くする普遍的な人間ドラマ、そして圧倒的スピード感あふれる展開で、私たちを楽しませてくれること間違いなしです!リアルに再現された世界観から「ファッション」に精通されている方が楽しめるのは勿論、特に詳しくない人でも十二分に熱くなれるストーリーとなっています!まずは1巻、ぜひぜひ読んでみてください!
『ランウェイで笑って』 1~13巻 猪ノ谷言葉 / 講談社
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