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おすすめ将棋漫画11選! 9×9=81マスの大勝負が熱い!

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長い歴史を誇るゲーム・将棋。9×9=81マスの盤上で繰り広げられる真剣勝負。戦略性が高いわりにルールがシンプルで覚えやすく、老若男女、世代を超えて楽しめる奥深い魅力があります。

今回は、そんな将棋を題材とした漫画を11作品ご紹介します。初心者から経験者まで、読むと思わず将棋が指したくなる作品ばかりです。

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『3月のライオン』

『3月のライオン』 1~14巻 羽海野チカ / 白泉社

白熱した対局と心の交流を描いた人気作『3月のライオン』 

『ハチミツとクローバー』で有名な羽海野チカ先生の『3月のライオン』は、2016年秋にテレビアニメ化され、神木隆之介さん主演で2017年に実写映画化もされた人気作です。主人公は15歳で将棋のプロ棋士になった桐山零(きりやま れい)。幼いころに交通事故で両親を亡くした零は、父の友人である棋士・幸田に引き取られることに。高校生活にも対局にも行き詰まりを感じていた17歳のある日、ふとしたきっかけから、川本家のあかり・ひなた・モモの3姉妹と知り合います。3姉妹との心の交流を通じて、零は幼い日に失った何かを取り戻していきます。

本作の見どころは、零が3姉妹と過ごす中で、将棋の対局でも気づきを得て徐々に変わっていくところ。校内でイジメに悩まされる次女・ひなたを絶対に守ると強く決意したり、将棋のライバル・二海堂晴信を棄権に追いやった相手を撃破して無念を晴らしたりと、だんだんたくましくなっていきます。そして零の内なる言葉が多いのも本作の特徴。

「「いつでもおいで」って言ってくれたけど ホントかな… なんだか 「おいで」と言ってもらえた場所ができただけで…… そのコトバだけで うれしくておなかがいっぱいで もう 充分な気がした」(1巻, p75)

など、その素直さにちょっと切ない気持ちにもさせられますが、共感できる名言が多い漫画です。

対局の描写も本格的で、所々に先崎学九段の将棋解説も入っており、初心者への配慮があるのもうれしいところ。

なお、本作に登場する日本将棋連盟の神宮寺会長の若き日を描いた『3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代』というスピンオフ作品もおすすめ。本作のテイストを残しつつ、情熱的なキャラが繰り広げる白熱した対局をメインとした話となっており、併せて読むとより一層楽しめますよ。

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『或るアホウの一生』

完結『或るアホウの一生』 全4巻 トウテムポール / 小学館

まっすぐに夢を追うことの大切さを教えてくれる『或るアホウの一生』

同人作家時代からBL作品『東京心中』で人気を博していたトウテムポール先生の将棋漫画です。主人公は17歳の高校生、高以良瞬(たかいら しゅん)。幼少期に母が亡くなる直前に放った言葉が忘れられず、将棋の養成機関・奨励会に所属し、プロ棋士を目指しています。

奨励会の仲間は、ちょいワル風で辛口な最年長・迫、一見温和だけど腹黒い牧野、瞬と同い年でイケメンな坊っちゃんの夏目の3人。プロになれず負け越し人生をゆるく送りながらも、将棋への情熱を持ち続ける男たちの苦悩や生きざまが描かれます。読んでいると、彼らから時々ほとばしる熱さや純粋さに、前向きな気持ちがわいてきます。

本作の特徴は、高以良が勝つためになぜか顔にデスメタルのアーティストや歌舞伎のようなメイクを施すなど、情熱的でまっすぐだけれど、ベクトルのズレた頑張り方をするところ。本人たちは至って真剣なだけに、その姿はシュールな笑いを誘います。また、将棋漫画の中でもプロになるための試練を描いた作品は少ないので、成長ストーリーとしても読み応えがあります。

ゆるい笑いと勝負の世界のハードさが混在している本作。熱血ものやスポ根作品とはひと味違った、現代的な悩みや努力の様子に共感したい方、一つの道を諦めない姿勢を応援したい方にぜひともおすすめしたい漫画です。

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『ハチワンダイバー』

完結『ハチワンダイバー』 全35巻 柴田ヨクサル / 集英社

賭け将棋の世界にダイブする『ハチワンダイバー』

主人公の菅田健太郎(すがた けんたろう)は、プロ棋士の夢破れ、素人相手に真剣師(しんけんし)として賭け将棋で漫然と生活しています。無敗を誇る彼はある日、「アキバの受け師」と呼ばれる女真剣師に勝負を挑み、全く歯が立たずに完敗します。

完膚なきまでに負けたショックで、心を入れ替えて将棋と向き合うことにした菅田は、まずは自分の部屋の片付けから取りかかろうと清掃業者を呼ぶことに。そこに現れたのはなんとメイドの格好をした「アキバの受け師」こと中静そよ(なかしず そよ)だったのです。その場で再戦を挑んでまたしても負けた菅田は、強くなるために真剣師たちとの勝負の世界に飛び込みます。

本作の特徴はなんといっても、普通の将棋ではなく賭け将棋の勝負が繰り広げられるところ。賭博という裏の世界を舞台とした対局には、緊張感のある駆け引きがめじろ押しです。本気で勝負を挑む際には「ダイブ」と叫び、意識を研ぎすまして「潜る」菅田。他の濃いキャラクターとの真剣勝負にグイグイひきつけられます。菅田の七転八倒ぶりや、将棋に注ぐ情熱に、読んでいるこちらも熱い気持ちになってきます。また、菅田とポーカーフェイスかつ大食い、何より巨乳! なそよとの微妙な関係も気になります。

本編の番外編として、真剣師であり人形師でもある斬野シトが主人公の『ザンガード』も出ています。こちらはシトが「オタク根絶委員会」から秋葉原の平和を守るために戦う様子が描かれており、将棋のお話ではありませんが、本作の世界観にハマった人は併せて読むとさらに楽しめます。心理描写が巧みな柴田ヨクサル先生は他に『エアマスター』もヒットしており、本作は溝端淳平さん主演でテレビドラマ化もされています。

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『盤上の詰みと罰』

完結『盤上の詰みと罰』 全2巻 松本渚 / 双葉社

記憶をなくした女流棋士が自らの謎に挑む『盤上の詰みと罰』

主人公の霧島都(きりしま みやこ)は、17歳にして将棋界で元6冠を誇った女流棋士。ところが現在は5年前の対局がきっかけで、1ヶ月ごとに記憶が当時にリセットされる特異体質になってしまっています。都は、その原因となった対局の相手を探すために、全国を旅します。

記憶障害の都は、棋士としての能力は全盛期の5年前のままなので、当初は対局してもほとんど最強です。しかし、新たな作戦を思いついても記憶がリセットされてしまうため、得意戦法を駆使してくる対戦相手に、徐々に苦戦を強いられます。

都は苦境をどう脱するのか、5年前の謎は解き明かされるのか――。対局の監修をプロの戸辺誠七段が務めているため、盤面や試合展開に説得力があり、とてもスリリングです。

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『ひらけ駒!』

『ひらけ駒!』 1~8巻 南Q太 / 講談社

将棋を親子の視点から描いた異色作『ひらけ駒!』

主人公は将棋が大好きな小学4年生・菊池宝(きくち たから)とそのお母さん。将棋に夢中でまっすぐな宝と、そんな息子を優しく見守る母親の愛情を描いた作品です。

一対一の対局である将棋を、母と子の2人を軸にすえて描いているのが独特です。学校の勉強は大嫌いで字も汚いけれど、将棋の本は夢中になって読む宝。おっとりしていて、負けたらクヨクヨと落ち込むくせに、連勝が続くと自信満々になる、分かりやすい性格です。そんな息子にあきれていたお母さんでしたが、息子を見守るうちに自らも将棋にのめり込んでいきます。

全編を通して親子のドラマ中心のストーリーで、対局の場面でも白熱した展開は少なく、淡々とした作風です。しかし、実在のプロ棋士が実名で登場するなど、将棋の指南は本格的。「ああ、確かに」と思えるようなあるあるネタが多いので、将棋に興味のある方、これから将棋を始めてみたい方におすすめです。親子のやり取りが実にほのぼのとしていて、じんわりと温かい読後感が残りますよ。

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『しおんの王』

完結『しおんの王』 全8巻 安藤慈朗・かとりまさる / 講談社

将棋×サスペンス。少女は盤面の向こうに犯人を見た『しおんの王』

幼い頃に両親を殺されたショックで事件の記憶をなくし、声も失ってしまった安岡紫音(やすおか しおん)。当時、殺害現場には将棋の王将が残されており、紫音は将棋の駒を並べる犯人と対峙していました。事件が迷宮入りのまま、中学生にして最年少女流棋士となった紫音は、おぼろげな記憶をもとに犯人は棋士ではないかと推測し、徐々に真相に近づいていきます。

将棋漫画でありながらサスペンス要素の強い本作。盤上の駆け引きと、盤外の人間模様が交錯し、犯人とその真の目的が分かるラストまで、一気に読ませます。

シリアスなストーリーながら、紫音は明るく誰からも慕われており、コミカルな要素も救いとなっています。ですが、いざ対局となれば、彼女の目は棋士の眼差しに変わり、その鋭さにはプロとしての矜持を感じます。その才能が、事件の真相を照らすこととなるのです。

原作者のかとりまさる先生は、元女流棋士・林葉直子さんのペンネーム。息を呑む対局の棋譜は、各話の間で詳細な解説もあり、本格的な将棋漫画としても読みごたえ満点。テレビアニメ化もされています。

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『月下の棋士』

完結『月下の棋士』 全32巻 能條純一 / 小学館

将棋漫画のスタンダードと言えばコレ『月下の棋士』

主人公は、幼少より元将棋名人の祖父・御神三吉(みかみ さんきち)に将棋を教わりながら育った天才棋士・氷室将介(ひむろ しょうすけ)。祖父亡き後、上京した将介はプロ棋士になるべく、奨励会の門をたたきます。対局を重ね、後に宿命のライバルとなる滝川幸次と出会った将介は、彼に勝つことを目指して腕を磨き続けます。

この漫画では、将棋の対局にある独特の緊張感や焦燥感が見事に表現されています。登場人物の心理が非常に巧みに描かれていて、将棋が頭脳戦であるのと同時に心理戦でもあることが緊迫した描写から伝わってきます。豪快で目上の人でも呼び捨てにしてしまう将介をはじめ、ライバルである滝川も赤信号をそのまま歩いて渡るなど、強烈なキャラが多数います。将棋に一生を賭ける熱い人間たちの生きざまを情熱的に、時に醜く描き切ったハードボイルドな作風です。V6の森田剛さん主演でドラマ化もされた将棋漫画の大定番です。

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『リボーンの棋士』

『リボーンの棋士』 1〜3巻 鍋倉夫 / 小学館

プロの道を閉ざされた大人が、アマの世界で再起する『リボーンの棋士』

子どもの頃からプロの棋士を目指して、一度は挫折してしまった大人が、アマチュアの世界で再起を図る物語です。

主人公は29歳の安住浩一。かつては、プロ棋士養成機関である奨励会(正式名称は、新進棋士奨励会)に所属していましたが、年齢制限の26歳までに四段(プロ)に昇格することができずに退会。現在はカラオケボックスで働くフリーターです。

将棋を捨てて、一般社会で生きようとしていた安住でしたが、将棋への情熱は3年経っても衰えることなく、彼は再び駒を手にすることに。アマチュア棋士として再出発します。

奨励会では、周囲から才能を認められながら、勝たなくてはいけないというプレッシャーから自分らしい将棋が指せなくなり、ずるずると負けがこんでしまった安住。しかし、プレッシャーから解放され、のびのびと将棋が指せるようになった彼は、3年のブランクを乗り越え、将棋を心から楽しみつつ、緊張感溢れる勝負の世界に戻っていくのでした。

安住の最初の一歩として印象的に描かれているのが、中学生プロ棋士・明星六段との勝負です。彼は、安住が奨励会時代、退会のきっかけとなる負けを喫した相手。デパートの将棋イベントで明星と再会した安住は、指導対局に平手(お互いに全ての駒を使っての勝負)で挑み、なんとトッププロ相手に勝利するのです。

「今まで使ってなかった細胞が、生き返っていくみたいだ!!」

「今の俺には何もない。でも…なんて楽しいんだ!!」

と喜びを爆発させる安住。彼はもともとポジティブで明るい性格で、やがて、アマチュアの全国大会へと進出していく本作のストーリーも、葛藤や苦悩とは無縁の明るいものとなっているのが特徴です。一度全てを失ったからこその「無欲」が、安住の原動力なのです。

実は奨励会を退会しても、プロの道が完全に閉ざされたわけではありません。安住は自由な発想を失わずに、どこまでたどり着けるのか? 大人の再出発の物語として、多くの読者の共感を呼んでいる作品です。

将棋監修を務める鈴木肇先生は元奨励会員で、現在はアマ名人となり、プロを目指して活躍中。つまり安住と同じ境遇にあるということで、それ故のリアリティが本作にはあります。

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『聖(さとし)』

完結『聖(さとし)』 全9巻 山本おさむ / 小学館

若くしてこの世を去った天才棋士をドラマティックに描く『聖(さとし)』

29歳の若さでこの世を去った天才棋士・村山聖九段。難病と闘いながら将棋に情熱を注いだ彼の人生が熱いタッチで描かれるのが本作です。

5歳の時、ネフローゼという腎臓の病気にかかった主人公の聖は、小学生時代を病院の養護学校で過ごすことに。そこで友達になった直人から将棋を教わり夢中になっていきます。病気によって人生を奪われたと感じていた聖は、将棋との出会いによって生きることに前向きになれたのでした。

そして、こども将棋名人戦に参加して実力を発揮。数年のうちに、東京での全国大会に呼ばれるまでに強くなっていきます。その大会には、羽生善治九段や佐藤康光九段といった、後にトップ棋士となる少年達も参加していました。中学に入ると森信雄七段(当時四段)に弟子入りし、奨励会試験に14歳で合格。関西奨励会に入会して、ネフローゼに苦しめられながらの将棋人生を本格的にスタートさせます。

森七段と初めて会った時、

「何で将棋が好きなんや……」

と尋ねられて、聖は

「好きじゃありません……」

「僕には……将棋しかないんです……」

と答えます。この短い言葉には、聖の想いの全てが詰まっていて、彼にとっては生きることと将棋はイコールなのです。

聖の将棋の持ち味はものすごい粘りと、閃きによる終盤での逆転。奨励会の仲間から「怪物」と呼ばれるようになった聖は、なんと3年弱でプロ入り。プロになってからは、

「終盤は村山に聞け」

と言われるほどの存在になっていきます。

本作は、実在の人物である村山聖九段の人生をそのまま描くのではなく、山本先生によって脚色されたフィクションです。それだけに、両親や師匠との絆、淡い恋、そして羽生九段をはじめとするライバルとの激闘がドラマチックに展開。聖を我が子のようにかわいがる森七段など、キャラクターは誰もが人間味溢れています。

山本先生の奥様もまたネフローゼを患い、本作の連載中にこの世を去ったことが、最終巻のあとがきに記されています。限られた時間を精いっぱい生きる人間のたくましさを、教えてもらえる作品です。

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『将棋の渡辺くん』

『将棋の渡辺くん』 1〜3巻 伊奈めぐみ / 講談社

トッププロ・渡辺明二冠の日常を描くエッセイ漫画『将棋の渡辺くん』

プロ棋士を夫に持つ伊奈めぐみ先生によるエッセイコミック。知られざる棋士の日常をコミカルに描いた作品です。

伊奈先生の夫は棋士の渡辺明二冠。15歳でプロとなり、竜王、王座、棋王、王将といった数々のタイトルを獲得してきたA級棋士です。第1巻によれば、70年の現代将棋の歴史の中で、中学生でプロになったのは渡辺二冠を含め4人(現在は、藤井聡太七段を含め5人)しかいないとのこと。それだけでも天才ぶりがわかります。

子どもの頃から将棋一筋で生きてきたプロ棋士。いったい、家庭人としての彼らはどんな存在なのでしょうか。渡辺二冠に限っていえば、とても面白い人としか言いようがありません。ぬいぐるみが大好きで、家ではいつも一緒にいたり、本棚は将棋の本ではなく漫画で埋め尽くされていて、

「人生の半分は漫画で学んだ」

と断言したり、息子のためにサッカーの審判の資格を取ったり、虫が大嫌いでホテルでの対局に殺虫剤を持参したり、マンゴープリンが大好きだったりと、棋士と言えども普通の人なんだなあと、ほのぼのさせられます。

将棋のプロの世界についても、伊奈先生の目線で、他の作品にはないエピソードがいくつも描かれています。たとえば棋士とお金。百万円を一気に降ろして、先輩に連れられてスーツを仕立てにデパートに行ったり、競馬で思いっきりスッて

「次の対局勝てばいっか」

とコロッと立ち直ったり、渡辺二冠の金銭感覚は一般人とはかなり違うようです。

また、渡辺二冠はストレスで胃が痛くなったり、肩が凝ったりすることが一切ないのだそうです。フィクションでは棋士が心と体をすり減らして戦う姿がよく描かれますが、そういう葛藤とは縁遠いのが渡辺二冠。コミカルに描かれていますが、トップ棋士の強靱なメンタルには、ただならぬすごみを感じます。また、プロ棋士になるために必要な資質も、夫婦の会話の中で紹介されています。

将棋そのものの描写はほぼありませんが、棋士という存在のあらゆる秘密がわかる、将棋ファン必読の作品です。

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『紅葉の棋節』

完結『紅葉の棋節』 全2巻 里庄真芳 / 集英社

亡き兄の背中を追いかけ、プロを目指す中学生の物語、『紅葉の棋節』

少年週刊ジャンプで連載された、胸アツの将棋漫画です。

主人公の蔵道紅葉は、奨励会入りを目指す13歳の中学生。彼が将棋に情熱をかけるきっかけとなったのは、兄の桜の存在でした。“桜流”と呼ばれる天才的な攻め将棋を武器に、竜王戦の決勝まで登りつめつつ、対局中に命を落として「伝説の棋士」となった兄。その背中を追いかけて、プロ棋士になるため努力を重ねる紅葉でしたが、全く強くなれません。

「兄が才能で魅せた“桜”なら── 弟は才能を枯らしてしまった“落ち葉”」

と周囲からは言われ、苦悩の日々を送っていました。

そんな紅葉の前に現れたのが、史上初の女性プロ棋士にして現役高校生の市原銀杏(女流棋士ではなく、奨励会を勝ち上がってプロになった“女性棋士”は、現実には今のところ存在しません)。出会って早々、

「蔵道紅葉っ 私の弟子になって最強の棋士… 竜王になれ!!」

と、銀杏は紅葉に言い放ちます。

銀杏は誰よりも早く紅葉の真の才能に気づき、兄が「天才的な攻め将棋」で魅せたのなら、弟は「受ける将棋」で魅せる天才だと評します。強力な師匠を得た紅葉は、自分の将棋に開眼。そしていよいよ、奨励会の入会試験に挑戦するのでした。

熱血漢で才能を秘めた主人公と、それをサポートする年上の美女。強くなるごとに現れるライバルと心強い仲間達などなど、キャラクターの配置は明快で、テンションの高いストーリーが展開。紅葉がここぞという一手を指すシーンは、日本刀で相手に斬りかかるイメージで描かれるという、いかにも少年ジャンプ作品らしい読み心地。惜しむらくは2巻で完結となったところですが、それでも作品の放つ魅力を十二分に堪能できます。

監修を務めるのは、20代のプロ棋士・三枚堂達也六段。それも合わせてフレッシュな作品です。

『紅葉の棋節』を試し読みする

最後に

将棋は頭脳とひらめきのぶつかり合い。漫画に出てくるようなドラマチックな対局はできなくても、登場人物になったつもりで盤面にのめり込めるのは漫画ならではの面白さですね。

対局したくなれば、友だちや家族とでも、地域の将棋クラブでも、会社の同僚とでも、誰とでも指せるのが将棋の良いところ。ご紹介した漫画で学びながら、あなたの熱戦を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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