小説・文芸 - 実業之日本社作品一覧

  • ヒート
    4.1
    日本男子マラソンの長期低迷傾向に歯止めをかけるため新設された「東海道マラソン」。神奈川県知事の号令のもと、県庁職員の音無太志は、日本陸上界の至宝・山城悟のペースメーカーとして、孤独なランナー・甲本剛に白羽の矢を立てる。甲本はかつてハーフマラソンの日本記録を持っていた「30キロまでの男」。所属していた実業団が解散し、母校のグラウンドを借りて練習する身だ。ペースメーカーになることを渋る甲本に、音無は破格の条件を提示するが――。果たして世界最高記録達成はなるのか。数多の人間の欲望と情熱を乗せたレースは、まさかの展開に――。箱根駅伝を走る学連選抜チームの激走を描いたベストセラー『チーム』の“その先”の物語。疾走感あふれるレース描写と、男たちの人間ドラマに一気読み必至。
  • よろこびの歌
    4.1
    著名なヴァイオリニストの娘で、声楽を志す御木元玲は、音大附属高校の受験に失敗、新設女子高の普通科に進む。挫折感から同級生との交わりを拒み、母親へのコンプレックスからも抜け出せない玲。しかし、校内合唱コンクールを機に、頑なだった玲の心に変化が生まれる――。見えない未来に惑う少女たちが、歌をきっかけに心を通わせ、成長する姿を美しく紡ぎ出す。小泉今日子さんや書評家、書店員諸氏も絶賛した傑作。
  • 生命の略奪者 天久鷹央の事件カルテ 完全版
    4.0
    強奪された「心臓」 誰が、何の目的で? 臓器移植。不幸にも命を失った人間の善意が別の患者を助ける、命のリレー。 そんな死者の崇高な遺志を踏みにじる「連続臓器強奪事件」が発生する。 心臓を運ぶコーディネーターへの襲撃を皮切りに、次々と奪われる命の灯。その被害は天医会総合病院にも及び……。 生命を略奪する犯人の正体は? 現役医師が描く本格医療ミステリー! 書き下ろし掌編「生命の摂食者」収録。 出版社名「新潮社」より過去に配信された作品に加筆修正し、新たに書き下ろし掌編を加えた『完全版』となります。重複購入にはご注意ください。
  • 久遠の檻 天久鷹央の事件カルテ 完全版
    4.0
    美しく可憐な少女は、 「不老不死」のアイドル? 楯石希津奈。十五年以上前にアイドルとして活動していた少女が、当時とまったく同じ外見で現れた。 患者の姿に驚いた精神科部長の墨田淳子は、統括診断部の天久鷹央に診察を依頼する。 だが、その矢先、父親によって希津奈は連れ去られてしまい……。 ミイラ化した遺体。自殺からの復活。不老不死は実在するのか? 現役医師が描く医療ミステリー! 書き下ろし掌編「天国への道」収録。 出版社名「新潮社」より過去に配信された作品に加筆修正し、新たに書き下ろし掌編を加えた『完全版』となります。重複購入にはご注意ください。
  • 絶対零度のテロル 天久鷹央の事件カルテ
    4.0
    熱帯夜に起きた凍死事件。 蠢くテロリストの影。 九月の熱帯夜、小鳥遊優と鴻ノ池舞が当直を務める救急外来に搬送されてきた身元不明の男性。その死因は「凍死」だった。 摩訶不思議な状況を前に司法解剖の必要性を説く医師達だったが、刑事の反応は芳しくなく……。 捜査機関の協力が得られない中、天久鷹央は独力で遺体の正体に迫るが、それは日本全土を揺るがす大事件の序章に過ぎなかった。 シリーズ最大規模の凶悪犯罪の真相は!
  • 怪談刑事
    4.0
    1巻1,870円 (税込)
    容疑者は……怨霊!?  警察庁の本庁地下4階に存在する「第二種未解決事件整理係」。 怪奇現象めいた未解決事件を再調査する部署で、通称「呪われ係」とも呼ばれる。 突然配属されたベテラン刑事・只倉恵三は渋々調査を引き受けるが、愛娘の彼氏である怪談師が現れて――!?  古今無双の〈ミステリ×怪談〉小説誕生! 【目次】 第1話 繰り返す男 第2話 猫に憑かれた女優 第3話 トンネルとマヨイガ 第4話 物の怪の出る廃校 第5話 対決・仏像怪談 第6話 生霊を追って 装画:市川友章
  • 魔弾の射手 天久鷹央の事件カルテ 完全版
    4.0
    見えない「魔弾」を放ったのは、誰か。 西東京市にある廃病院で、看護師が転落死した。 不治の病を苦にした自殺と見做されたが、彼女の娘・時山由梨はそれを頑なに否定。 母が一人で死ぬはずがないと訴える。天才医師・天久鷹央は由梨の依頼を受け、事件を調べ始めるが、そこに「不可視の魔弾」の謎が立ちはだかる……。 現役医師の著者のみが描ける驚天動地のトリック。その犯人とは? 書き下ろし掌編「幽霊と鴻ノ池」収録。 出版社名「新潮社」より過去に配信された作品に加筆修正し、新たに書き下ろし掌編を加えた『完全版』となります。重複購入にはご注意ください。
  • 彼女。
    4.0
    話題沸騰の傑作アンソロジー待望の文庫化! 百合って、なんだろう。 彼女と私、至極の関係性。“観測者"は、あなた。 新学期初日、彼女を見つけた。窓際の一番後ろの席でうたたねしている姿から目が離せなくなった…(「椿と悠」)。 なぜ最強の姉妹は近付く“観測者”を片っ端から殺していくのか。彼女たちを追い異国の地へ…(「恋澤姉妹」)。 百合――女性同士の関係性をモチーフに豪華作家陣が描く珠玉の七編とそれを彩る七点のイラスト。究極のコラボレーションが実現! 相沢沙呼「微笑の対価」/扉イラスト 清原紘 青崎有吾「恋澤姉妹」/扉イラスト 伊藤階 乾くるみ「九百十七円は高すぎる」/扉イラスト 郷本 織守きょうや「椿と悠」/扉イラスト 原百合子 斜線堂有紀「百合である値打ちもない」/扉イラスト たいぼく 武田綾乃「馬鹿者の恋」/扉イラスト けーしん 円居挽「上手くなるまで待って」/扉イラスト toi8 カバーイラスト/100年 カバーデザイン/円と球
  • 気散じ北斎
    4.0
    希代の絵師・葛飾北斎とその娘・お栄。 数十年にわたる奇妙な親子の絆。 そして蔦重や写楽、歌麿らとの 交わりのなかで浮かび上がる、驚愕の真実とは? 25年大河ドラマ主人公・蔦屋重三郎も登場の傑作時代小説! あんたは私で私はあんた―― 絵師・葛飾北斎は後妻の連れ子であるお栄(後の葛飾応為)と初めて出会ったとき、 手本と寸分たがわぬ線で蛇の絵を見事に描く姿に驚く。 お栄が酒癖の悪い実の父親から虐待を受けていたことを告白すると、 北斎は一生をかけてお栄を守ると誓うが… 合わせ鏡のような北斎とお栄の奇妙な親子関係と版元の蔦屋重三郎、東洲斎写楽、喜多川歌麿、渓斎英泉ら絵師との交わりのなかで、 ある驚愕の真実が浮かび上がる――綿密な時代考証と斬新な着想で描く傑作長編小説! 「「狂」を生きる北斎の知られざる豊かなエピソードを活写した傑作」 菊池仁(文芸評論家)
  • 千年を超えて君を待つ
    4.0
    紫式部、あなたが書くのよ。 あの史上最高の物語を――!! 大学院生の藤原弥生は『源氏物語』が大好き。 日本最古にして最高の女性作家・紫式部は、弥生にとって最愛の「推し」だ。 ある日、発熱して平安時代の幻を見た弥生は、目覚めると本当にその時代にタイムスリップ!! なんと紫式部の親友として、彼女の執筆活動を支えるという夢のような大役を担うことに!? 千年を超えて「推し」と邂逅する奇跡の物語!! 令和と平安、時代を超えた友情を描いた傑作ファンタジー! もうひとつの「紫式部物語」が今ここに!
  • 癒しの湯 純情女将のお慰め
    4.0
    わたしのことも、 慰めていただけませんか? 悩みを抱える人妻、 純真無垢な仲居、 憧れの若女将 ポツンと温泉旅館で、 心も体もほっかほっか!! 濡れたバスタオルが 肌にぴったり貼りつき…… 雪景色を眺めながら、 吾郎は列車に揺られていた。 突然、札幌に転勤になった彼は、 大学の卒業旅行以来、 思い出の温泉旅館を訪れることになったのだ。 10年前、温泉で慰めてくれた 年上の若女将はいるのだろうか--。 旅館では、悩みを抱える37歳の人妻、 元気いっぱいのかわいい仲居とも出会い……。 読めば元気が湧いてくる、 ハートウォーミング温泉官能! 目次 第一章 湯けむりの若女将 第二章 一夜だけの情交 第三章 仲居さんのお願い 第四章 女将の矜持 第五章 十年目の交わり
  • 一億円の犬
    4.0
    1巻1,870円 (税込)
    この犬さえいれば、人生勝ち組―― 人間の欲望と犬の純真が交差したとき、嘘・罪・謎が加速する。 疾走感No.1作家が放つ、傑作サスペンス! 六本木のセレブ妻という設定で、SNSにマンガ〈保護犬さくら、港区女子になる〉を投稿している梨沙。 ある日、出版社の編集者から書籍化のオファーが来る。動画サイトで人気になれば億単位の収入も夢ではないという。 年収一億円を夢見る梨沙は大胆な行動に出るが、想定外の“事件”に巻き込まれ……。 殺人者は誰か、嘘をついているのは誰か?  一度読みだしたらページをめくる手が止められない、疾走感満点の傑作長編ミステリー!
  • 神に愛されていた
    4.0
    1巻1,870円 (税込)
    小説を書くことに翻弄される二人の女。 どうしようもなく背負ってしまう因果。 無傷ではいられないのに、 それでも私は書き続けるのだ、 という覚悟。 そのすべてを封じ込めた物語を チレンさんは書いてしまった。 ――――窪美澄(作家)  彼女は己の何もかもを削ぎ落しながら、 美しく繊細な物語を紡ぐ。 そうして生まれた作品は眩いばかりの光を放ち、 同時に深い闇を孕む。 この作品は、まさしく木爾チレンそのものだ。     ――――町田そのこ(作家) 窪美澄さん、町田そのこさんも激賞!! 一気読み必至!! 2023年の大本命!! 最旬にして俊豪・木爾チレンの真骨頂、 深き心の闇に愛憎蠢くヒューマンミステリー!! 女にだけわかる、狂気。 過剰な嫉妬は、やがて強大な殺意へ…。 若くして小説家デビューを果たし、その美貌と才能で一躍人気作家となった東山冴理。 しかし冴理は人気絶頂のさなか、突然、筆を断った――。 やがて三十年の時が経ち、冴理のもとに、ひとりの女性編集者が執筆依頼に訪れる。 「私には書く権利がないの」そう断る冴理に、 「それは三十年前―白川天音先生が亡くなったことに関係があるのでしょうか」編集者は問う。 「あなたは、誰かを殺したいと思うほどの絶望を味わったことってあるかしら」 ――そして、この時を待っていたというように、冴理は語り始める。 高校文芸部の後輩、白川天音が「天才小説家」として目の前に現れてから、 全ての運命の歯車が狂ってしまった過去と、その真実を……。 希望と絶望、 羨望と嫉妬…… これは、ふたりの女性作家が、才能を強く信じて生きた物語。 すべてを読み終えたあと、 あなたはタイトルに託された"切ない意味"を知り、 ぎゅっと、胸を締め付けられる。 ヒット作『みんな蛍を殺したかった』の俊英女性作家による、 1年ぶりの書き下ろし長編小説。 満を持して、待望の最高傑作、降臨!!
  • ミドルノート
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    ひと振りの香水で 明日のわたし、もっと輝く!  ベストセラー『翼の翼』『君たちは今が世界』で大躍進の著者がすべての女性に贈るエール。 食品会社同期でワーキングマザーの菜々と愛美。アロマデザイナーに転身した元同期の麻衣。 菜々たちと同い歳の派遣社員・彩子。 働くスタイルや活躍の場が異なる四人のアラサー女性は、新型肺炎が蔓延し、混沌とした時代の波に揉まれ、変化を余儀なくされる。 焦りや不安、重圧のなかで、彼女たちが拠りどころにしたものとは!? 「香水は、使われている成分の揮発性に細かい差があり、時間とともに香り方が変化してゆく。 肌につけた時、最初の数分の香りをトップノートというそうで、 次にくるのがミドルノート、その先にラストノートと呼ばれる香りがあって、 最後の香りがずっと続く(中略)とはいえ、ミドルノートも、ラストノートの手前の大事な香りです。 強く香ることも多いので、やっぱりミドルノートがその香水の中心っていうか、 わたしはミドルノートを基準に香水を選ぶことが多いかなって感じがします。」(本文より) 社会人同期として、同じスタート地点(トップノート)から歩み始めたのに、 結婚、出産、昇進、転職など、それぞれが別々の道を進んでいる―― 人生の「ミドルノート」で試行錯誤する女性たちは、この先どこへ向かうのか。
  • 天久鷹央の推理カルテ 完全版
    4.0
    お前の病気(ナゾ)、私が診断してやろう。 200万部突破の大人気シリーズ、第一弾! 新カバー×書き下ろし掌編収録の完全版!! 天久鷹央。天医会総合病院、 統括診断部の部長を務める彼女は、 明晰な頭脳と圧倒的な知識で、あらゆる疾患を看破する。 そんな天才医師の元には各科で「診療困難」となった患者が集まり……。 原因不明の意識障害。河童を目撃した少年。 人魂に怯える看護師。 その「謎」に秘められた「病」とは?  現役医師が描く本格医療ミステリー、ここに開幕! 書き下ろし掌編「蜜柑と真鶴」収録。 出版社名「新潮社」より過去に配信された作品に加筆修正し、新たに書き下ろし掌編を加えた『完全版』となります。重複購入にはご注意ください。 〈目次〉 プロローグ Karte.01 泡 Karte.02 人魂の原料 Karte.03 不可視の胎児 Karte.04 オーダーメイドの毒薬 エピローグ 書き下ろし掌編 蜜柑と真鶴
  • 吸血鬼の原罪 天久鷹央の事件カルテ
    4.0
    200万部突破の大人気シリーズ、最新傑作! 二つの傷跡。抜かれた血液。 犯人は……吸血鬼? 東久留米市の公園。荒川の河川敷。 そして、東京湾の沿岸。 三つの場所で相次いで見つかった遺体。 被害者はいずれも首すじに二つの傷跡があり、 ほぼすべての血液が抜き取られていた……。 まるで「吸血鬼」が起こしたかのような連続殺人。 捜査一課の桜井公康から内々に相談を受けた 天才医師・天久鷹央は、事件解明に動き出す。 現役医師による本格医療ミステリー、書き下ろし最新作! 〈目次〉 プロローグ 第一章 吸血鬼連続殺人事件 第二章 水晶の吸血鬼 第三章 血に溶けた罪 エピローグ
  • 長野善光寺殺人参詣
    4.0
    長野、松本、小布施… 偽探偵の裏の顔を暴け! 山根七海から息子で会社員の勇一郎の素行を調査してほしいとの依頼を受け、私立探偵・小仏太郎は尾行を進める。 そこで勇一郎の交際相手・門島淡路の不審な行動に着目する。 調査を進めたところ、彼女の祖母が轢き逃げされた事件の犯人を突き止めようとしているらしい。 轢き逃げしたのは東京と長野で暮らす兄弟のようだが、彼らには見過ごせない裏の顔があって…。 謎の兄弟の周りで起こる怪事件の真相は!? <目次> 第一章 霧の道 第二章 困りごと相談所 第三章 白い靴の女 第四章 夏の終り 第五章 白い粉 第六章 善光寺参詣 第七章 諏訪の事件 第八章 『雪女』と『凛』
  • 後宮の炎王
    完結
    4.0
    「あんた……誰だ」 「きみの友だ」 ひとりは過去の記憶を失い、 ひとりは女の姿で後宮に潜む。  《過去の記憶》と《濃厚な友情》は、青年ふたりに奇跡を起こすのか!? 胸熱の中華風ファンタジー!! 悠永国(ゆうえいこく)の後宮には、こんな噂があった。 曰く「皇后の剣、と呼ばれる謎めいた人物がいる」と。 それは氷のように冷徹な皇后の側近で、名は静羽(せいは)。炎のごとき美貌の女性だという。 幼い頃の記憶がない翔啓(しょうけい)は、ある日後宮に迷い込み、女の姿をした青年・嵐静(らんせい)と出会った。 彼こそが、静羽なのか……。 初めて会った相手のはずなのに、なぜか翔啓は嵐静に強く惹かれる。 それは彼自身の失われた過去にも関係しているようで……!? 失った《過去》に、大切なものを、置いてきた――。 ふたりの「再会」がきっかけで、幼い皇太子や皇后をも巻き込んだ大事件が動きだす。 過去と友情が織りなす――血湧き肉躍る中華後宮ファンタジー開幕!
  • 君に読ませたいミステリがあるんだ
    4.0
    キュートな文芸部長がたくらむ“大仕掛け”を見破れますか? ユーモアミステリの超快作! ベストセラー『放課後はミステリーとともに』の鯉ケ窪学園に新ヒロイン登場!  4月、新入生の僕は「第二文芸部」の部室に迷いこんでしまう。部長で学園一の美少女(自称)の水崎アンナは、自作のミステリを強引に僕に読ませるのだが――テンポの良い展開、冴え渡るユーモア、そして想像を超える大トリックに一気読み必至の傑作ユーモアミステリ! 〈大反響続々!〉 「一から十まで油断ならない。最高すぎる!」――阿津川辰海さん(作家) 「気持ちよく騙されました。部長……!」――斜線堂有紀さん(作家) 「なにか仕掛けてるぞ、と眉に唾をつけたのに、やられました」――辻 真先さん(作家) 「伏線の名人である著者の本領発揮作。アンナの自己肯定感が強く懲りないキャラクターが実にキュート」千街晶之さん(解説より)
  • その謎を解いてはいけない
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    ミステリ界の最終兵器、爆誕! “異常”本格推理! そのへんにしてあげて! 必要以上に謎を解く探偵、暗黒院(本名・田中)が送る“野生の本格”四編―― さあ、あなたも心当たりをえぐられる準備を。 ――宮内悠介さん 共感性羞恥で赤面しながらも読むのがとめられない。 だって人の黒歴史のぞきたいですよね? ――新川帆立さん 生まれつき左眼だけ翠色、オッドアイの女子高生・小鳥遊(たかなし)唯(ゆい)は、右目に緑色のカラコン、黒いマントの二八歳独身男性、暗黒院(あんこくいん)真実(まこと)(本名・田中友治)が営む探偵事務所で助手を務めている。 ある日、探索中に日が落ちて山奥から帰れなくなった二人は、蛇怨館(じゃえんかん)と呼ばれる洋館に泊めてもらうが、翌朝一室で死体が見つかる。ところが探偵として推理しようとした田中が暴いたのは犯人ではなく、決して解いてはいけない謎で……。 異能の著者が贈る新感覚本格ミステリ開幕! 【目次】 第一話  蛇怨館の殺人 第二話  いるんだろ? 出てこいよ 第三話  どちらが主人公を殺したか? 第四話  黒歴史について語るときに我々の語ること(前編) 第五話  黒歴史について語るときに我々の語ること(後編) 装幀/坂野公一(welle design) 装画/遠田志帆
  • 伝記小説 ねこねこ日本史 徳川家康天下統一だニャ
    4.0
    大河超えのおもしろさ! 猫でゆる~く家康の生涯が学べちゃう! シリーズ累計150万部「ねこねこ日本史」シリーズ初の伝記小説 竹千代は、まだママのミルクを飲んでウトウトと眠くなってしまう子猫だ。 けれども、実は、この後バージョンアップを繰り返して、 徳川家康になってねこねこ日本を統一することになるすごい猫だ。 バカでかいサルの豊臣秀吉や、かなりやんちゃな猫の織田信長、 それに無敵のキバ軍団猫を率いる武田信玄とも戦国の世を争う大冒険が今、始まる。(小学中級から) 【目次】 第1章 猫の鼻は人の数万倍きく〈織田信長との出会い〉 第2章 猫はかまうと逃げる〈徳川三傑結成!!〉 第3章 猫はさむがり(戦国大名 vs. 徳川四天王) 第4章 猫は高いところが好き〈秀吉との対決の行方!?〉 第5章 興奮した猫をしずめるには?〈関ヶ原の戦い〉 第6章 猫は火が怖い〈大坂冬の陣・夏の陣〉 コラム 松平家のヒミツ/家康三大危機!/徳川四天王とは?     おもな戦国大名の勢力図とおもな戦い     よくわかる!徳川家康年表・登場人物相関図 コラム執筆/福田智弘
  • 無人駅で君を待っている
    4.0
    親友、恋人、父や母…… 二度と会えないあの人に、 もう一度だけ会えるとしたら。 ――あなたは、夕焼け列車の奇跡を信じますか? 切なくも温かい「最後の再会の物語」。 静岡県は浜名湖に臨む静かな無人駅。 そこには、不思議な伝説があった。 「会いたい」――雲ひとつない快晴の日、オレンジ色に染まる夕焼けの中、ベンチに座り、二度と会えるはずのない故人との再会を強く願えば、やがて到着した列車から愛するその人が降りてきて……!? 書店員さん大絶賛作、新たに書き下ろし一篇を加えて待望の文庫化! 奇跡のストーリーに、心の奥深くから熱い涙が溢れ出す! 泣けるヒューマンファンタジーの名手・いぬじゅんが贈る、激泣必至の1冊!
  • 春告げ桜 眠り医者ぐっすり庵
    4.0
    春爛漫 桜の名所・飛鳥山で お江戸と京のお茶対決!? 人情満開! 〈眠り〉と心に効く しみじみ時代小説! 桜の宴の目玉イベントは 京とお江戸のお茶対決!? 今年も飛鳥山に花見の季節がやってきた。滝野川の高級料亭・桜屋で奉公修業を始めることになった茶問屋の娘・藍(あい)。慣れない女中仕事に四苦八苦するかたわら、店を盛り上げる桜の宴の催しを考えるよう、やり手商売人の万屋(よろずや)一心(いっしん)から命じられる。そんななか、朝寝坊する御用聞きや占い師など、眠れない悩みを抱える人々が次々と店に現れて……。 目次 第一章 宵っ張りの友 第二章 朝寝坊の御用聞き 第三章 ふくよかな占い師 第四章 花見の茶 眠りのうんちくも!――「ぐっすり覚え帖」 その壱 眠りに効く食事とは その弐 朝型と夜型、あなたはどっち? その参 夢の中で未来が視える? その肆 一味違う、宇治茶の魅力!
  • 分岐駅まほろし
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    「あなたの、人生の分岐点はいつですか?」 分岐駅まほろし――。 それは満月の夜だけ現れるという不思議な駅。 過去に後悔を抱えた者たちが行き着く場所だとか。 もしもあの日、あの時、過去の分岐点で違う選択肢の人生を歩んでいたら……。 これは素晴らしき人生の物語。 切なくも温かい、心に沁みる「永遠の感動ファンタジー!」 2022年秋のドラマ化も話題となった大ヒット作『さよならの向う側』の著者が贈る、書き下ろし最新作! 小説家・佐藤青南さんも激賞!!! 「別れのつらさや後悔の重さに耐えきれなくなりそうなとき、きっとこの本を読み返す。 明日に踏み出す勇気を与えてくれる感涙小説!」 重く深い後悔を抱えた人たちが、過去の分岐点へと戻り、自分が選ぶことのなかった人生を辿ることで、自身の生き方や人生と向き合う物語。 その不思議な現象が起きる分岐駅「まほろし」を訪れたのはそれぞれ訳アリな男女……。 「もしもあの時、告白をしていたら」 「もしもあの時、第一志望の大学に合格していたら」 「もしもあの時、夢を追わなければ」 「もしもあの時、病院に連れて行っていたら」 ―――さまざまな後悔を振り返る中で見えてきた、本当に大切だったこととは……!? 誰もが何かしらの後悔を抱えて生きている。 そして、誰もが何かしらの大切な人生の分岐点を持っている。 過去は変わらないが、未来は分からない。 今日この日が分岐点となって、また誰かの新たな人生が始まる――。 明日から前を向いて生きる勇気が生まれる――これは、間違いなく、素晴らしき人生の物語!
  • 十津川警部 怒りと悲しみのしなの鉄道
    4.0
    軽井沢、上田、小諸、別所温泉、浅間山…… 一週間で真犯人を捜せ! 十津川警部、刑事の誇りを賭けた緊急捜査! 傑作トラベル・ミステリー初文庫化! 警視総監が狙われた 列車爆破事件の真相は!? 後藤警視総監が誘拐された。犯人の山中悦夫は、二年前に起きた列車爆破事件の真犯人を、一週間以内に捜し出せと要求する。当時の警視総監をはじめ二十二人が死亡したこの事件では、山中の父親が逮捕され、容疑を否認したにもかかわらず死刑判決を受け、獄中で病死していた。再捜査を指示された十津川警部は再びしなの鉄道に乗りこむが……!?
  • 武士道 鍋島直茂
    4.0
    死ぬことと 見つけたり― 「葉隠」武士道は この漢(おとこ)から始まった! 戦国乱世の九州を泰平に導いた 佐賀藩藩祖、激闘の生涯! 秀吉、家康ら天下人に認められ 「葉隠」武士道を生んだ猛将! 九州肥前で、大友氏、島津氏ら近国の猛将と覇権を争う戦国大名・龍造寺隆信。その重臣・鍋島信生(後の直茂)は、戦場では忠孝にして勇猛、抜群の知略で版図の拡大に貢献する。隆信は国外に手を伸ばし、五州二島の太守と呼ばれるが――。戦国から徳川の世にかけ幾多の苦難を切り抜け、「葉隠」武士道で知られる佐賀藩祖となった激闘の生涯! 目次 第一章 蓮池合戦 第二章 権謀術数 第三章 今山合戦 第四章 肥前統一 第五章 五州二島の太守 第六章 敗戦から前進 第七章 朝鮮の役 第八章 東西分裂 最終章 関ヶ原と武士道  文庫版あとがき
  • カレーの時間
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    僕の祖父には、秘密があった。 終戦後と現在、ふたつの時代を「カレー」がつなぐ 絶品“からうま”長編小説 ゴミ屋敷のような家で祖父・義景と暮らすことになった孫息子・桐矢。カレーを囲む時間だけは打ち解ける祖父が、半世紀の間、抱えてきた秘密とは――ラスト、心の底から感動が広がる傑作の誕生です。 【感動の声、続々!】 「ひとの持つどうしようもなさ、そこから生まれる愛おしさ。味わい深く余韻ある作品」――町田そのこさん 「あの時代を生きてきた祖父と、この時代を生きているぼく。どうしようもない噛み合わなさと、どう向き合うか。いま必要なテーマをじっくり煮込んだこれぞテラチ風味の極うま長篇」――瀧井朝世さん カバー撮影/山本まりこ
  • 北上症候群
    4.0
    「なんて美しくて ロマンチックな小説なんだろう」 ――小説家・中村航さんも感動!絶賛! 人気作家・いぬじゅんが贈る、不朽の名作! 愛を見つけに深夜特急は北へ。 終着駅で待っていたのは……!? 「嘘、でしょう?」 神戸に住む琴葉がある朝出社すると会社は倒産。 札幌にいる遠距離恋愛中の恋人・海斗に電話し不安をぶつけるが、彼の反応はなぜか歯切れが悪い。 見え隠れする元カノの影。 悩んだ琴葉は、衝動的に深夜特急に乗り、彼に会いに行くが……。 車中、訳アリな面々との出会いが、彼女の心を変えていく。 心揺さぶる結末が待つハートウォーミングストーリー! この物語は、2014年11月に公募された「otoCoto presents OtoBon ソングノベルズ大賞 ~音楽を感じる小説~ DREAMS COME TRUE編」の入選受賞作。 大のドリカム好き著者が、『LAT.43°N ~forty-three degrees north latitude~』(北緯43度)という楽曲を元に書きあげた小説。 そして今、7年の時を経て、新たなエピソードや登場人物を含めて書き直され、感涙必至の物語に生まれ変わった! それはまさに愛と優しさに満ちた、最高にヒューマンなエンターテインメント! 人生に勇気をくれる1冊!
  • ザ・ウォール
    4.0
    低迷に喘ぐかつての名門球団〈スターズ〉は、副都心・新宿の新球場で開幕を迎えた。 そびえ立つ高層ビルと一体化した異形のスタジアムは、観客増を目論むメジャーリーグ好きオーナーのアイデアを満載。 だが、狭くて変則的な構造は選手に不評で、監督・樋口は采配に苦慮、フロントとの軋轢も生じる。 しかしシーズン後半、投打が徐々に噛み合って、チームは優勝争いに絡んでいく――。
  • 私を抱くと死ぬらしい
    4.0
    危険すぎる彼女。その秘密とは? 恐怖とエロスの饗宴!! 官能界のトップランナーが描く、堕ちる女の物語 売れなくなったモデル 「愚かな女」が見た夢―― 著者渾身の最高傑作!! 化粧品会社イメージガール、雑誌専属モデル、テレビCM出演。モデルの清奈にとって、それがキャリアのピークだった。ある日、清奈を抱いた男が死んだ。大手芸能プロダクション常務取締役。その後も、地元の後輩、キャバクラの送迎ドライバーと、負の連鎖が止まらない。なぜ彼女を抱くと死んでいくのか? 恐怖とエロスが交錯する、超官能サスペンス!  【目次】 第一章 殺意 第二章 報復 第三章 流浪 第四章 炎上
  • 惑 まどう
    4.0
    短編小説の名手8人が描く「惑う時」。大崎梢/加納朋子/今野敏/永嶋恵美/法月綸太郎/松尾由美/光原百合/矢崎存美
  • 嫁の甲斐性
    4.0
    天保十三年、すずは腕利きの大工・篠吉と祝言を上げた。二人が出会ったのは、吉原遊廓の大見世、金華楼。すずは年季明けを迎えた遊女だったのだ。父親の借金の形で女衒に売られ、八歳で妓楼へ。禿(かむろ)、新造(しんぞ)から花魁(おいらん)“蝶々”へと上り詰める。家族との再会が叶わぬまま、二十年の苦界生活を耐え忍び、好いた男と添い遂げるはずが、待っていたのは新たな苦難と借金地獄の日々で……。元・花魁の数奇な半生に一喜一憂、共感必至。新鋭が放つ新感覚時代小説、書き下ろし!
  • 北町奉行所前腰掛け茶屋 片時雨
    4.0
    元奉行所与力の店には今日も事件が―? たちまち大反響、 新捕物帳シリーズ第2弾! 名物甘味に名裁き―― 茶屋に事件の香り立つ? かつて北町奉行所与力を務めていた奉行所前腰掛茶屋の老主人弥(や)兵(へ)衛(え)。 新しい甘味の創作に余念がなかったが、浅草で医者をめぐる騒動が起きていると客の噂話を耳にする。 貧乏人から薬代を強引に取り立てる医者町仲間と呼ばれる集まりがあるらしい。彼らの真の狙いとは? 茶屋の常連客の啓太郎と半次、そして看板娘の加代も探索に手を挙げるが……。
  • 君がくれた最後のピース
    4.0
    きっと見つかる、大切なもの。 ――実業之日本社文庫GROW誕生!第3弾! 「大切な人を、もっと大切に思える1冊。」 家族・恋人・友達…愛されることの奇跡を描いた感涙ストーリー! 最愛の母を亡くし2年。 嘆き悲しむ暇もなく、遺された家族のため気丈に頑張ってきた大学生の智子。 だが、新しい恋人を作る父、バイトもせず家にこもる兄…と報われない毎日が嫌になり、智子は母の故郷・秋田へ「家出」という名の旅に出るが――。 謎の少女との出会い、衝撃的な母の過去の秘密に触れる中、人との絆や愛される奇跡に気づいていく、最高に心温まる物語。 愛がすべてを繋いでいく――。 時空を超えた絆の強さに、涙あふれずにはいられない!
  • 源氏の白旗 落人たちの戦
    4.0
    最後の戦い、してみせん―― 源義朝、常盤御前、義仲、義経、静御前… 奔る源氏たちの敗れざる魂を描く 慟哭の源平合戦小説! 『奔る義朝 源 義朝』―平治の乱で平清盛に敗れ、東国からの再起を誓うが―― 『雪の坂 常盤御前』―義朝との間に生まれた三人の子を連れ雪の坂を……。 『歌う老将 源 頼政』―歌詠みの老将が以仁王とともに挙兵した意外な理由とは―― 『落日の木曾殿 源 義仲』―落日の“旭将軍”の前に逃がしたはずの女戦士・巴が――。 『しずのおだまき 静御前』―義経の子を宿した身で頼朝に舞うことを強いられ……。 「敗北は終わりではない! 敗れても信念を貫いた人たちの物語は、 勇気と希望を与えてくれる。本書のテーマは暗い時代の光明になるだろう」 ――末國善己(文芸評論家)
  • 負けるための甲子園
    4.0
    きっと見つかる、大切なもの。 実業之日本社文庫GROW誕生!第1弾 愛と涙の青春の果てに―― 誰も知らない衝撃の奇跡。 第1回令和小説大賞選考委員特別賞受賞!! 目的は甲子園で負けること!? その裏に潜む驚愕の真実とは…… 甲子園の決勝戦。野球部のエースでピッチャーの筧啓人(かけいひろと)は失投からホームランを打たれ負けてしまう。だが、その見返りに彼は1000万円を手に入れていた! 不可解な失投を問いただしたキャッチャーの矢久原純平(やくはらじゅんぺい)は、啓人に怪しげな店へ連れて行かれる。啓人の目的は、とある「人間」を買いに来ることだった……!? 第1回令和小説大賞で選考委員特別賞受賞の超感動作! 【実業之日本社文庫GROWとは?】 GROW=成長。 自分らしく生きることを探し続けるあなたへのエール。 それが「実業之日本社文庫GROW」です。 この1冊が、あなたの心を育て、希望を与えてくれますように。
  • お助け椀 人情料理わん屋
    4.0
    江戸の町に現れた御救い組の正体は? 平穏な日々が続いていた江戸の町が、突然の嵐に襲われ、甚大な被害を受ける。 かろうじて難を逃れた料理屋「わん屋」は、困窮した民のために炊き出しをすることに。 そこへ御救い組と名乗り、義援金を募っている僧形の者達が現れる。 その言動に妙なものを感じた御用組の三人が、身辺を探ってみると驚きの正体が――。お助け料理が繋ぐ、人情物語。
  • 北町奉行所前腰掛け茶屋
    4.0
    茶屋の主人は元奉行所与力。 貧乏長屋をく悪党どもの正体は? 名物料理と人情裁きが心に沁みる新捕物帳シリーズ開幕! 江戸北町奉行所の前で腰掛茶屋を開く老主人は、かつて奉行所で御仕置の記録をする与力を務めていた。 訴えや裁きの待合いのため訪れる客の話を耳にし、事件や揉め事の種を見つけ出しては、自ら解決に乗り出す。 看板娘の加代や息子の紀一郎の心配をよそに、仕込み杖を手に今日も探索へ繰り出す弥兵衛だが… 人情と捕物の傑作新シリーズ開店! 目次 第一章 おい、と答えて 第二章 思い半ばに過ぐ 第三章 爪に火をともす 第四章 単糸線を成さず 第五章 欲には目見えず 第六章 頼み難がたきは人心 第七章 暮れぬ先の提灯 第八章 金銀は回り持ち
  • 白バイガール
    4.0
    1~6巻586~814円 (税込)
    「泣き虫だけど、負けない!」――新米女性白バイ隊員が暴走事故の謎を追う! 神奈川県警の白バイ隊員になったばかりの本田木乃美は、違反ドライバーからの罵詈雑言に泣かされる日々。同僚の女性隊員・川崎潤ともぎくしゃくしている。そんな中、不可解なバイク暴走死亡事故が発生。木乃美たちが背景を調べ始めると、思いがけない事件との接点が――。隊員同志の友情、迫力満点の追走劇、加速度的に深まる謎、三拍子揃った警察青春小説の誕生!
  • 彼女の恐喝
    4.0
    藤田宜永 最後の作品 驚愕の犯罪×心理サスペンス 屈折した愛のカタチ――  闇を持つ者たちが交錯する 心理サスペンスの極北! 奨学金を利用し、六本木のクラブで働く大学4年生、圭子。台風が襲った夜、マンションから知り合いの男が飛び出してきた。 ニュースを見ると、そのマンションで殺人事件が起きたという。 男が犯人? 圭子は脅迫状を送る――。秘密をもつふたりは、次第に接近する。 思いが錯綜し、絡み合う珠玉のエンターテインメント。藤田宜永、ダンディズムの結晶。 解説/西上心太 カバーデザイン/町口覚 カバー写真/奥山由之 目次 プロローグ 第一章 岡野圭子の思い切り 第二章 国枝悟郎の秘密 第三章 下岡文恵の疑い エピローグ 解説 西上心太
  • ミセス・ノイズィ
    4.0
    大スランプ中の小説家・吉岡真紀(ペンネーム水沢玲)は、実家近所のマンションに引っ越し早々、隣家の女・若田が発する騒音に襲われた。 若田は早朝にもかかわらず、ベランダに干した布団を激しく叩きつけ、轟音を撒き散らすのだった。真紀の苦情を物ともせず“音”はエスカレート。 執筆はいっこうにはかどらず、夫や幼稚園に通う5歳の娘との関係も悪化する一方。 心の平穏を失った真紀は隣人とのいざこざを小説に書いて反撃に出ることに。 その作品「ミセス・ノイズィ」は評判を呼ぶが、やがてSNSで炎上、二人の女の運命を狂わせる大事件へと発展して……。 2019年秋、東京国際映画祭・スプラッシュ部門のワールドプレミアで大反響、劇場公開が熱望されながら、 コロナ禍で公開が延期となっていた話題の映画作品を監督自らが小説として書き下ろした、衝撃の一作です!
  • 総理の夫 First Gentleman 新版
    4.0
    20××年、相馬凛子(そうま・りんこ)は42歳の若さで第111代総理大臣に選出された。 鳥類学者の夫・日和(ひより)は、「ファースト・ジェントルマン」として妻を支えることを決意。 妻の奮闘の日々を、後世に遺すべく日記に綴る。税制、原発、社会福祉。混迷の状況下、相馬内閣は高く支持されるが、 陰謀を企てる者が現れ……。凛子の理想は実現するのか!? 痛快&感動の政界エンターテインメント! 「なぜ日本の総理は当たり前のように男性なのか?それをフィクションで覆してみたかった。 凜子は私の理想そのもので、彼女を支える夫・日和は何があっても妻を信じ、陰ながら守り抜く。 本作は政界を舞台にした、信じ合い支え合う夫婦愛の物語である。 日和役の田中圭さんはお茶目でまっすぐな役柄にぴったり。凛子役の中谷美紀さんは書きながらイメージしていたので とても嬉しい。このカップルが日本を変える、封切りの日が待ち遠しい。」 ――原田マハ(映画化決定にあたって) ※本書は、2016年刊行の『総理の夫 First Gentleman』(実業之日本社文庫)と同じ内容です。 新版刊行にあたり装幀を新たにし、国谷裕子氏による解説を収録しました。
  • 異邦の仔
    4.0
    3カ月300万円。 それは人生最悪のアルバイトだった。 戦争に巻き込まれた 実体験を基に描く衝撃のサスペンス! 著者のコラム(「日雇いアルバイトでイラクへ行った。そこで見た地獄」)が 「すごい!」「壮絶すぎる!」「自分と決して無関係ではない!」とSNS世代に大反響!  俺の命を狙うのは誰だ!? 謎を解く鍵は灼熱の地に―― 放送作家の立花遼一が電車を降りた直後、車両が爆発した。 さらに数日後、都内で起きた爆発事件の被害者は、遼一が三十四年前に中東イラクで出会った人物と同姓同名だった。 もしや、電車で命を狙われたのは俺では? 一九八〇年、摂氏五十度の国での凄絶な地獄体験が脳裡に蘇り――著者の実体験を基に描く、衝撃と慟哭のリアルサスペンス。
  • きずな水 人情料理わん屋
    4.0
    江戸の“グルメ”と“とらいあすろん”で、絆をつなげ! 客で賑わい商売繁盛な料理屋「わん屋」。そこに常連の同心が面白そうな話を持ち込んだ。大川での泳ぎくらべを見ていたある大名が感じ入り、泳ぐだけではなく、競馬、駆けるを足した三種で競い合う「三つくらべ」を思いついたのだ。皆賛同し、準備にかかるが、江戸の町を大火が襲い、三つくらべに出るはずだった火消しが巻き込まれてしまい…。
  • 桃太郎姫暴れ大奥
    4.0
    讃岐綾歌藩の若君・桃太郎の正体は、跡継ぎに恵まれなかったため、男として育てられた姫君である。時折「町娘の桃香」として、江戸の待ち歩きを楽しんでいる。 桃香の立場で交流のある、深川の薬種問屋若主人・善右衛門の婚礼に参列中、善右衛門が突然、火付盗賊改方に捕縛された。幕府禁制の朝鮮人参を不正に売買した咎という。彼は無実を訴えるが、厳しい拷問を受けているらしい。 桃太郎君と親しい岡っ引き・猿吉と家臣・城之内らの調べによると、将軍暗殺を企てる不穏な動きとかかわりがあるらしい。陰謀を未然に防ぐべく、桃太郎君は「部屋子」の姿で単身大奥に潜入するが……。 「夢一輪」「大奥繚乱」「路上の露」「こんぴら奉行」の四編を収録。「若君」がお転婆な町娘に変身して、江戸に巣食う巨悪に挑むシリーズ新章、待望のスタート!
  • 夢あかり 人情料理わん屋
    4.0
    順風満帆なわん屋に 舞い込んだ摩訶不思議な物語 世の中が円くおさまるようにと、全ての料理を円い器に盛って出す「わ ん屋」。跡取り息子の誕生、縁を取り持った娘の嫁入りと、順風満帆。そ こへ、同心が妙な話を持ちこんでくる。江戸を騒がせている盗賊を追う ため足跡をたどると、寂しい感じの小料理屋に辿りついた。悪事に関わ りはないようだが、何か秘密が……。書き下ろし江戸人情物語。
  • 文豪芥川教授の殺人講座
    4.0
    『クリーピー』の現役大学教授作家が贈る傑作ミステリー! “文豪”教授が挑む凶悪犯罪の真相は!? 無双大学文学部の教授で、ミステリー作家でもある芥川竜介。名前が文豪とそっくりなため、学生たちには裏で「文豪」とあだ名されているが、なぜか大学キャンパス内外で起きる事件の相談が次々と持ち込まれる。ゼミの学生らと文豪の名作について議論を交わす間も、話題は自然と事件の推理に――大学教授作家が贈る異色文学講座&犯罪ミステリー! 【目次】 第1講座  天才と変態の芸術概論 課題図書 谷崎潤一郎『少将滋幹の母』  第2講座  心中の現象学―純愛か殺人か― 課題図書 田宮虎彦『足摺岬』ほか 第3講座  美醜と犯罪の比較関係論 課題図書 芥川龍之介『地獄変』 第4講座  身の上相談対処法演習 課題図書 三島由紀夫『獣の戯れ』 第5講座  愛と殺人の公開ディスカッション 課題図書 樋口一葉『たけくらべ』
  • わたしは分断を許さない
    4.0
    「真実を見極めるためには主語を小さくする必要がある」 ファクトなき固定観念が人々を分断する。 香港、朝鮮半島、シリア、パレスチナ、スーダン、福島、沖縄。 いま、分断の現場では、何か起こっているのか? 分断の細部を文字として描いた、ジャーナリスト堀潤の渾身のルポルタージュ。 民主主義を、自由を、考える。 <序章より> そんなに難しいことを言いたいわけではなかった。金よりも大切なものがあるはずだ、ということを伝えたかっただけだ。一度失ってしまったら取り返しがつかない悲しみを背負うことになる人々を、冷笑さえする空気があることが辛かっただけだ。ささやかな幸せを手にするために懸命に生きてきた人々の努力をなかったことのようにして、大義を振りかざし、沈黙を強いる権力者がいることに憤っただけだ。そして、そうした強者に媚びて、忖度し、現実を見るべきだと開き直るメディアで働く人間がいることが虚しかったからだ。マスメディアだからこそ、かき消されそうになる小さな声を伝え続けるべきであるのに。 (中略) この10年でメディア環境も大きく変化し、SNSを中心に誤った情報や一方的な強い表現が跋扈するようにもなっていた。ヘイトスピーチやフェイクニュース現象が国際的な社会問題にもなった。こうあるべきだ、こうに違いないという偏った情報により分断が深まり、分断はやがて排除、排斥を加速させていった。政治はそれを利用し、自らに利する都合の良い情報発信に邁進するようにもなった。暮らしが豊かになるのであれば、誰かの人権が制限を受けても構わないという、誤った認識も広まったように思う。  そうした状況を鑑みると、福島で起きている問題の解は、世界各地で孤立する分断の当事者たちへの処方箋に繋がるかもしれない、そう思うようになった。その逆もある。各現場では分断を手当てするための様々な取り組みが試行錯誤を繰り返しながら続けられている。世界を見ることで、国内の分断を乗り越えるヒントが見つかるのかもしれない。わたしはその答えを知りたくて、世界を旅することにした。今、この原稿もアフリカ、スーダンで書いている。昨年、市民のデモによって30年続いた独裁政権が倒れた現場だ。今、ここでも新たな分断が生まれようとしている。
  • ぼくとおれ
    4.0
    1972年9月8日。札幌の同じ病院で生まれた「ぼく」蒲生栄人と「おれ」仁村拓郎。ふたりは毎日〈スイッチ〉を押し、ちいさな選択を繰り返して、進学、恋愛、就職、結婚と、人生の地図を描いてきたが……。 40歳の男ふたりが辿った交わりそうで交わらない(!?)道筋を、昭和から平成へ移りゆく世相と絡め、巧みな筆致で紡ぎ出す。山本周五郎賞作家の珠玉作。(『地図とスイッチ』改題) 解説/大森 望 「ぼくがイメージするスイッチは鉄道でいうと分岐器だ。ターンアウトスイッチ。線路を分岐させ、電車の進む道を選ぶシステム。つまりスイッチを押すとは、ぼくがどの道筋を進むか決めること。それを繰り返して、自分だけの地図ができる。」(本文より)
  • 好色入道
    4.0
    「行きなはれ、極楽浄土へ――」 性愛小説の女王が圧倒的熱量で描く、人間の業と欲望 市長選挙間近の京都。美人ジャーナリスト・東院純子は、保守派のスキャンダルを探るため怪僧・秀建(しゅうけん)に接近するが、政財界の大物が集う秘密の館で身も心も裸にされてしまう。快楽、復讐、裏切り、支配――人間のあらゆる欲と業を巻き込みながら、選挙戦は大波乱の結末に! 読み出したら止められない“魔物”のような痛快エンターテインメント! 解説/中村淳彦
  • 父 渋沢栄一 新版
    4.0
    人を愛し、国を愛した実業家。 息子の視点から描かれる、渋沢栄一の素顔とは? 栄一の生涯を俯瞰する、随一の伝記!! 2024年、経済人として初めて紙幣の顔となる、渋沢栄一。 彼は、江戸から昭和へと、四つの時代を駆け抜けた。明治維新の志士、大蔵省の官僚、数多くの企業の創立や発展に携わる企業人として生きていく中で、多くの意思決定を迫られていた。 その際判断基準となったのが、〈その行動で社会をも利することができるか〉、つまり公益の追求である。道徳に照らし合わせた活動でなければ経済活動の継続も難しいというのである。 令和に生きるビジネスマン必見、持続可能な経済実現のヒントがここに。 巻頭には栄一の歩みを写真で振り返る、豪華12頁のグラビアページも収録!
  • ブラックリスト 警視庁監察ファイル
    4.0
    1巻1,683円 (税込)
    「警察の警察」が真相を炙りだす、その答えは…戦慄のラスト1行に! 元新聞記者の気鋭による新世代警察ミステリー!! 大型特殊詐欺犯罪の捜査資料が流出し、資料に記された逃亡中の詐欺犯たちが次々と変死する事件が起きた。警察内部からの情報漏洩を疑う人事一課監察係の佐良は同僚の皆口菜子とともに、マルタイ(対象者)の刑事を行確するが、突如何者かに銃撃を受け…これは捜査妨害か脅迫か。組織内の熾烈な暗闘も見え隠れするが、本当の悪者はどこに潜んでいるのか!?
  • マル暴総監
    4.0
    「俺のこと、なめないでよね」が口ぐせの、史上“最弱”の刑事・甘糟が大ピンチ!? 北綾瀬署管内で起きた半グレ殺人事件の捜査線上に浮かんだ意外な人物。捜査本部でただひとりその正体を知る甘糟は、現場にふらりと現れる男に翻弄されることに――。笑って泣ける痛快〈マル暴〉シリーズ待望の第2弾。映画化『任侠学園』の阿岐本組の面々も登場!
  • 土葬症 ザ・グレイヴ
    4.0
    大学の探検部の七人は夏合宿を行うために山間のキャンプ場へ。近くの有名な心霊スポットに向かうが道に迷い、偶然辿り着いた廃病院で肝試しすることに。中庭に出ると墓のように土が盛られ、その中に立つ卒塔婆には、今は亡き部員の名前と不気味な言葉が書かれていた。それを見てパニックとなったメンバーに、次々と恐怖が襲いかかる!
  • 桃太郎姫七変化
    4.0
    桃太郎が女岡っ引に!? 快刀乱麻を断つ捕物帳界の新ヒロイン誕生!大好評!もんなか紋三捕物帳シリーズ! 〈若君〉が町娘に姿を変えて江戸に巣食う鬼を成敗! 讃岐(さぬき)綾歌(あやうた)藩の若君・桃太郎、実は女である。役目の合間を縫って深川の呉服問屋のご隠居の姪っ子・桃(もも)香(か)に早変わり、十手持ちの紋三親分のもとで、事件に足を突っ込んでいる。仇討、島抜け、連続殺人……次々起こる事件の背後に隠れた鬼を成敗せんと、南町奉行・大岡越前や謎の老女〈花咲か婆さん〉も巻き込んでの大立ち回り!? 大好評痛快捕物帳。
  • 占い居酒屋べんてん
    4.0
    カクテル占いで事件や謎を解決! 居酒屋ミステリーの決定版! 女子高生の菜乃は、駅の改札でスリの現場に遭遇、あやかを救う。財布を盗まれずに済んだあやかは、お礼に自らの酒屋で唐揚げ定食をご馳走。その美味しさに驚いた菜乃は、店で働くことに――。グラスに落とした花びらで運勢を見るカクテル占いのあやか、本業は探偵の店員・千種、引きこもりでゲーマーのやよいらと共に、菜乃は店に持ち込まれる事件や謎を追う。著者初の一般文芸文庫、書き下ろし!!  ハートウォーミングミステリーの新傑作!
  • 明日に手紙を
    4.0
    1巻715円 (税込)
    製品に欠陥のある洗濯機が原因で、女性が感電死する。製造元のK電気興業は欠陥を知りながらそれを認めず、世間から非難を浴びる。そんな悪い状況から抜け出したいK電機工業の成瀬は、被害者家族の平田夫婦や不買運動をしている人々の絆を壊すため、捏造した手紙を出す計画を提案する。その計画は思惑通りに進んでいくかに思われたが……。シリアスな展開、まさかの結末!! 傑作ヒューマンサスペンス!!
  • 大久保利通 わが維新、いまだ成らず
    4.0
    国造りに命を捧げた男が夢見た未来とは――。明治維新から十年、内務卿となった大久保利通は征韓論を唱えた盟友・西郷隆盛と対立、故郷・鹿児島へ戻った西郷は挙兵する。同じ頃、新政府に不満を抱く元金沢藩の士族は西郷の動きに共鳴、怒りの標的は大久保に向かう。彼らが策謀を巡らすなか、新しい国造りに邁進する大久保。そしてその日が…。西南の役から暗殺までの一年を描く渾身の歴史小説。
  • 工場のおばちゃん あしたの朝子
    4.0
    「食堂のおばちゃん作家」が母をモデルに描いた、昭和の女一代記。泣き、笑い、心温まるあの頃の東京下町物語! 千葉・館山の老舗旅館の娘・朝子は、失恋をきっかけに新宿へ。ウェイトレスをやりながら声優を目指すも、突然、下町の鋏工場へ嫁いだ。舅との確執、夫の不倫、愛人との闘いなど、困難を乗り越えて、強く、楽しく、笑顔で生きていく。集団就職、初めてのテレビ、東京オリンピックなど、昭和の世相や風俗を鮮やかに描く、著者初の自伝的小説。母と娘の感動長編!
  • 坂本龍馬殺人事件
    4.0
    先祖が八丁堀同心の名探偵が二人の龍馬暗殺の謎を解く! 京都の高級ホテルで〈現代の坂本龍馬〉コンテストが開かれていた。旅行中の歴史ライターの月村弘平と恋人の警視庁捜査一課・上田夕湖もそのイベントを覗いていると、偶然会ったなじみの編集者に、龍馬暗殺の珍説を書くよう依頼を受ける。その打ち合わせの後、現代の坂本龍馬が殺されたというニュースが……新感覚トラベル歴史ミステリー!
  • 流転 浅草機動捜査隊
    4.0
    瞬速で撃て! 新メンバー登場!! 書下ろし絶好調シリーズ第9弾!小町を狙って散弾銃が…浅機、外国人犯罪に挑む!御徒町で金塊強奪事件が発生。銃器を所持した外国人三人組は犯罪現場の駐車場で宝石商社員の頭を撃ち、五億円相当の金塊を奪って北へ逃走した。程なく住宅街をパトロール中の稲田小町ら機動捜査隊の刑事が、散弾銃を手にした男と遭遇、強奪犯の一人と思われたが……。特殊部隊SAT出身の新メンバー・本橋も登場、人気警察小説シリーズ第9弾!
  • 不惑ガール
    4.0
    元ミスコン女王たちの痛快エンターテインメント! もうひと花咲かせたい! “アラフォー”の女たち 1989年、ミス聖泉大学のステージでスポットライトを浴びていた苑子、真理恵、由美子。43歳になり専業主婦、熟女バーのホステス、カリスマモデルと、それぞれの道を歩んでいる3人の人生が交錯したとき、奇跡が起きる――? 女性の本音と葛藤を軽快に描く、痛快サクセス・ストーリー!『花の命は短くて』改題。(解説/青木千恵)
  • マル暴甘糟
    4.0
    待望の新シリーズ第一弾! 抗争か、半グレの怨恨か――“史上最弱”!?の刑事が大活躍! 甘糟達夫は「俺のこと、なめないでよね」が口ぐせのマル暴刑事だ。ある夜、多嘉原連合の構成員が撲殺されたという知らせが入る。コワモテの先輩・郡原虎蔵と捜査に加わる甘糟だが、いきなり組事務所に連行されて――警察小説史上、もっとも気弱な刑事の活躍に笑って泣ける〈マル暴〉シリーズ第一弾。〈任侠〉シリーズの阿岐本組の面々も登場!
  • 歯科女探偵
    4.0
    笑って、泣けて、驚愕する!? 衝撃の歯医者ミステリー! 現役歯科医が描く「歯科医療ミステリー」の頂点!! スタッフ全員が女性の錦織デンタルオフィス。月城この葉はもの静かな美人歯科医。医師としての腕はもちろん、長い黒髪とFカップの胸から人気だ。同時に彼女は人々の隠された真実をつかむ術に長けていて、歯科衛生士の高橋彩女とともに、周囲で起こる日常の謎や連続殺人事件に挑む。読めば歯医者に行きたくなる、歯科医療ミステリーの新傑作! (2015年7月、小社より単行本として刊行された『表参道・リドルデンタルクリニック』を文庫化に際し、改題、改稿しました)
  • 歴女美人探偵アルキメデス
    4.0
    美人歴史学者の静香、ひとみ、東子(はるこ)の三人が集まるウォーキングの会〈アルキ女(メ)デス〉の旅の目的地はなぜか川。北海道の石狩川の岸を歩く三人の目前に、川を仰向けになり流れる女性の姿が。幸いにして救出され一命を取りとめるが、その女性の夫は数日前に不審な溺死を遂げていた。事故か事件か、彼女たちの推理は露天風呂でひらめく!? 傑作トラベル歴史ミステリー。
  • 鉄道少年
    4.0
    1巻613円 (税込)
    切なくて温かい人と鉄道の「絆」の物語。国鉄が健在だった1981年、北海道から東京までひとりで旅をする不思議な男の子がいた。室蘭本線、中央線、東海道線、相模線……男の子の存在は出会った人々の記憶に深く刻まれる。彼はなぜひとりで旅しているのだろう。成長した「わたし」は、思いがけない形で自らの過去を知ることになるが――家族・青春小説の名手が贈る、謎と希望に満ちた感動の物語(「鉄童の旅」改題)! 梯久美子氏の解説より一部抜粋「本書には佐川さんの小説にはめずらしくミステリーの要素があり、またファンタジックな側面もあるが、一方でいつもの佐川さんらしく、地に足の着いたリアリティと生活感があり、成長小説、職業小説としても読むことができる。そこに鉄道が大きくかかわってくるのが私のような鉄道ファンにはたまらないのだが、とくに鉄道好きというわけではない人にとっても、主人公とともに電車に乗って旅をしながら謎を解いていく過程は、ワクワクしたり、しんみりしたり、涙したりしながら、やがては自分自身の過去と未来に思いをはせる、特別な読書体験となるに違いない」
  • 漫才刑事
    4.0
    昼は刑事、夜は漫才師。 事件はお笑いの現場で起きている!かつてない警察小説、誕生! さえない刑事(デカ)は漫才師!爆笑必至の警察エンタメ 腰元(こしもと)興行所属の若手漫才コンビ「くるぶよ」のボケ担当・“くるくるのケン“。彼が大阪府警難波署の刑事・高山一郎であることは相方の“ぶよぶよのブン“にも言えない秘密だ。お笑い劇場で起こる数々の事件にも、刑事であることは伏せ事件解決に協力する。しかしある日、同僚の交通課巡査・城崎ゆう子に正体がばれ…爆笑間違いなしの警察&芸人小説! 第一話 ふたつの顔を持つ男 「こしもとお笑い劇場」の楽屋でベテラン芸人びっくり太郎が襲われた。昼の刑事としての仕事を終え、「くるぶよ」として偶然居合わせたくるくるのケン(高山一郎)はてきぱきとした現場の保存に協力し、小さな手がかりから真犯人も…? 第二話 着ぐるみを着た死体 人気漫才師スリムドッカンブラザーズの芸歴四十周年ライブの宣伝に駆り出された「くるぶよ」。スリム健四郎とドッカン大作の二人が本人の着ぐるみを着て登場し、場を盛り上げるつもりが、思いもよらぬ事態に…。 第三話 おでんと老人ホーム 老人ホームに営業に来た「くるぶよ」。一緒に営業にやってきた父娘の漫才コンビ「喜寿・喜美子」の喜寿が舞台の上で突然倒れて死んだ。「舞台のうえで死にたい」と常々話してはいたが…しかし、その死には意外な真相が…。 第四話 人形に殺された男 新人漫才師たちの登竜門「N-マングランプリ」に出場することをしきりにすすめられる「くるぶよ」だが、かたくなに断るケン。しかし、その対応には相方のブンは不満があるらしい。そんななか、腹話術師の縦縞ボストンが楽屋で死んでいた。生前、人形のきゅん太に殺されるかもと語っていたというが…。 第五話 漫才師大量消失事件 「N-マングランプリ」に出ることになった「くるぶよ」。しかし、出場予定の漫才師八組が、開始時刻になっても会場に現われない。いったい何があったのか――。 第六話 漫才刑事最後の事件 腰元興行最大の劇場なんばキング座で一握りの芸人しか出演が許されない公演に出られることとなった「くるぶよ」。しかし、そのためには刑事の仕事を一週間休まなければならない。その口実に、警察の同僚に結婚宣言をしたケンこと高山一郎だが、またも劇場で大事件が!
  • ロジャー・フェデラー伝
    4.0
    テニス史上最高のプレーヤーは誰だ? コート脇やバーなどで語り合う人々も多いだろう。 ボルグ? マッケンロー? エドバーグ? サンプラス? この手の話は時間が経つのを忘れて盛り上がる。 いわゆる“ビッグ4”、ジョコビッチ、マレー、ナダル、フェデラーが世界のテニス界の頂点に君臨して久しい。彼らは史上最強と言われるだけでなく、コートの外でも素晴らしい人間として高く評価されている。 特にフェデラーは伝統と格式を重んじるウィンブルドンに最もふさわしいテニスプレーヤーとして、世界中の多くのファンの心を掴んで離さない。 テニスマニアならご存知だろうが、フェデラーも若い頃は試合中にラケットを投げたり、暴言を吐いたりと、やんちゃな少年だった。 そこからいくつかのきっかけを経て、テニス界を良くしたいと考えるようになり、意識を変え、態度を変え、人格者に進化していった様子が本書には書かれている。 そして伝説となった数々の試合、そしてその舞台裏の描写も、ファンにはたまらない。 そう遠くない将来、フェデラーにも引退を迎える時が来るだろう。テニス界以外でも大きな影響力を与え続け、また新たな顔を見せてくれるであろうこのスーパースターから、今後も目が離せない。
  • ビタースイートワルツ Bittersweet Waltz
    4.0
    2000年、北千住にある〈弓島珈琲〉店主のダイは30歳になっていた。4月のある日、ダイの恩人であり常連客でもある三栖警部が、〈ダイへ〉というメッセージを残して失踪した。三栖の部下である甲賀芙美が、そのメッセージを手掛かりに店を訪ねてきたのだ。店を手伝う女子大生・あゆみからは、大学の同級生で親友の梨香と連絡が取れないと相談される。ダイと常連客の純也が調べ始めると、ふたつの事件の影に暴力団組長・松木の影が――。珈琲と紫煙、ミートソースの薫りの先に見える真相は――。甘く苦い過去をめぐる珈琲店ミステリー。
  • 散華
    4.0
    ガイドブック執筆のために京都を訪れたフリーライターの緋美花。取材で街を歩いていると、オスを感じる男と出会う。ベンチャー企業の経営者、寡黙な京人形師、茶道具屋の跡取りの坊や、SM愛好家…。彼らの指、口、身体に、ときに緩やかに、ときに激しく、緋美花は乱される。雅やかな空気につつまれた、匂い立つ官能が胸を揺さぶる傑作短編集。
  • ラストナイト
    4.0
    1巻1,485円 (税込)
    彼が犯した最後の「罪」とは? 顔には刺青、左手は義手。菊池正弘が営む居酒屋「菊屋」に、古い友人で刑務所を出所したばかりの片桐達夫が現れた。かつてこの店で傷害事件を起こしてから、自身の妻とも離婚し、32年もの間に何度も犯罪に手を染めてきた男だ。獣のような雰囲気は人を怯えさせ、刺青に隠された表情からは本心が全くつかめない――。何故、彼は罪を重ねるのか? 吉川英治文学新人賞受賞後第一作! 著者新境地、魂を震わせる衝撃のミステリー。
  • 本日は遺言日和
    4.0
    人間いつかは…のために、遺言の書き方教えます! 小さなプランニング会社・弥生プランニングに務める新米社員の川内美月は「遺言ツアー」なる旅行企画を思いつきで提案する。ダメ元と思いきやすんなり実現の運びとなるが、神奈川・湯河原温泉の旅館「荻野屋」で始まった二泊三日のセミナーは個性派ぞろいの参加者たちに振り回されどおし。やがて、それぞれの人生へふれていくことで、美月は遺言を書くことの本当の意味に気づかされていくが、思いもかけぬトラブルが待ち構えて……笑いと涙のハートウォーミングな「終活」ストーリー。「遺言」と聞いて、「いずれ…」「関係ない…」「先のこと…」と考えてるあなた、必読です! 大ヒット『限界集落株式会社』著者が贈るハートフルストーリー! 「2泊3日遺言ツアー」改題。(解説/青木千恵)
  • 真田十忍抄
    4.0
    優れた忍びを探していた霧隠才蔵は、天賦の才を持つ猿飛佐助を見いだした。才蔵が仕える真田幸村は、忍びとしての佐助を評価し、自らの配下に加える。関ヶ原の後、紀州九度山に配流されていた幸村は、密かに徳川家康への爪を研いでおり、忍びの者を九度山に集めていたのだ。佐助の他、筧十蔵、根津甚八、三好清海、望月六郎ら腕利きの忍びも集結した。服部半蔵党は、蘇りの術を駆使して真田の忍びを翻弄。佐助は、天地に張りめぐらされた鋼の糸を自在に渡って、敵斬殺をもくろみ、九度山は凄絶な闘争の場と化す。一方、徳川家康の目的は、真田家の有する奇怪な技術であった。真田は密かに、闇の一族より、連射する鉄砲などの技術を授けられていたのだ。真田と徳川の暗闘、真田十勇士と服部党の死闘の行く末はいかに――。関ヶ原後から大坂冬の陣へ、史実と伝奇が交錯する戦国活劇。
  • 砂漠の駅(ステーション)
    4.0
    二つの事件に死体はひとつ。牛尾刑事の推理が冴える! 人間の坩堝・新宿を通過はできても根は下ろせない――多様な人間が去来する新宿で、歌舞伎町スナック「止まり木」のママと、松本の骨董商が同時に消えた。失職と冷えた家庭による空虚を補う唯一のオアシスとして、スナックに通っていた蒔田俊男は、常連客仲間たちとママの行方を捜し始める。同様に骨董商の娘・有美子も父親を捜すべく松本から上京。蒔田、牛尾刑事らと合流し、二人の失踪を追求するが……。但馬・出石を経て舞台が再び新宿へ戻った時、二つの事件は交わり、やがて驚くべき真相が明らかに! 一度限りの人生を殺した邪悪に立ち向かう運命のミステリー。 解説/細谷正充
  • 煽動者
    4.0
    そのテロ組織の名は「V(ブイ)」。目的は、流血によらず現政府への不信感を国民に抱かせ、その転覆をめざすこと。メンバーは平日、一般人を装い、週末だけミッションを実行。各人はコードネームを用い、お互いに本名も素性も知らない。僕――片桐も組織の一員で、平日は30代前半の会社員、週末はコードネーム「春日」として活動している。この週末、兵器製造のため軽井沢の施設に招集されたのは僕を含め八人。見た目は60代から20代まで、やはり週末テロリストの男女が召集された。施設は表向き企業の研修所となっており、外部からの侵入は不可能。出入りの際は、八人のメンバーの掌紋認証が記録される仕組みになっている。今回のミッションは、<子供>という切り口から、政府を揺さぶり、言わずもがな流血や殺戮をしない<兵器>を製造することだった。僕たちメンバーによる侃侃諤諤の作戦会議が終了し、兵器製造に取りかかっている最中、メンバーの一人が扼殺される事件が発生した。施設は部外者の侵入は不可能、テロリストが警察を呼ぶわけにはいかない。犯人はメンバー七人のうちの誰かだが、お互いに素性を知らないメンバー間でなぜ殺人が起こるのか、誰も動機を説明できない。肝心の探偵役は不在、つまり全員で推理をするしかない。そして組織の<兵器>製造命令は絶対。週明けには一般人に戻らなければならない刻限下、閉鎖状況で犯人推理の頭脳戦が始まった――。
  • エール!(1)
    4.0
    笑って泣いて元気になれる、お仕事小説アンソロジー第1弾!! 漫画家、通信講座講師、プラネタリウム解説員、ディスプレイデザイナー、スポーツ・ライター、ツアー・コンダクター。6人の「働く」女性たちが、ときに悩み、へこみながらも、自分らしい生き方を見つけていく姿をいきいきと描く。漫画家の収入の仕組みや、ディスプレイデザイナーの働く時間、ツアー・コンダクターのスケジュールなども盛り込み、気になる職業の豆知識や裏側も楽しめる。仕事帰りの電車の中で、一日の終わりのベッドの中で、お疲れのアナタを癒やす全6話を収録。人気作家が競作!! 責任編集/書評家・大矢博子。
  • 小説家 森奈津子の妖艶なる事件簿 両性具有迷宮
    4.0
    連続通り魔殺人事件――。被害者は、○○○の生えた女子大生!? 妖しい謎を、美人作家が優雅にあばく! 今度の奈津子はさらに過激! 天下無双の推理劇、開幕。宇宙人に、男女両方の性をあわせ持つ身体にされた美人作家・森奈津子。これ好都合と新たな趣向の性生活を楽しんでいた矢先、彼女のもとへ女子大生連続殺人事件が舞い込む。なんと被害者たちは奈津子と同じく男性器を有する女性だった。犯人の目的とは――? うら若き乙女を救うため、奈津子が過激に優雅に活躍する! 官能×SF×本格ミステリ!?
  • 大阪城殺人紀行 歴女学者探偵の事件簿
    4.0
    豊臣の姫の正体は聖母か、それとも――? 静香・ひとみ・東子の歴史学者三人組は、歴史的名所を歩き、酒と食事を楽しむのが趣味。豊臣秀頼の妻・千姫の伝説に惹かれてゆかりの地へ観光に来たが、待ち受けていたのは不可解な事件ばかり! 井戸の底で発見された死体、盗み出された金塊、未亡人をとりまく謎……。ひらめきの鍵は悲劇の千姫の意外な伝説にあった!? 「姫路城殺人紀行」、「大阪城殺人紀行」、「熊本城殺人紀行」の歴史トラベルミステリー三話収録。
  • 小説家 森奈津子の華麗なる事件簿
    4.0
    無人島という密室で起きた怪奇事件! 美人作家が、数々の謎を華麗にあばく! 百合からSFまで幅広いジャンルの小説を手がける美人作家・森奈津子。彼女の周りでは、なぜか事件が多発する……。豊満な美女に拉致され無人島に監禁された奈津子。意外にも快適な島での生活を楽しんでいたが、ときに覗き見ていた向かいの島で、一人の男性が死亡したという。奈津子はなぜ監禁されたのか? 男性は死なねばならなかった理由とは――?(「なつこ、孤島に囚われ。」より) そのほか、宇宙人にすけべな依頼をした男の行く末、亡くなった少女との再会を願う女性の本心を探っていく“不思議”に満ちた事件を全5編収録。どんな奇怪な謎に直面しても動じない奈津子が、驚くべき推理を披露! 読めば誰もが過激でエレガントな彼女に夢中になる、笑撃の傑作ミステリー。
  • 闘う女
    4.0
    1989年に東京の女子大に入学し、バブル崩壊後の1993年に出版社に就職した石川ひとみの半生は、変転の連続だった。不本意な配属、失恋、プロポーズ、予期せぬ妊娠、そして離婚……。時に家族や友人を裏切ってまで仕事に貪欲であり続けたひとみの20年間、彼女の欲望と葛藤の行方を、ポケベルの時代から、インターネットやSNSの登場に至るまでの“人と人をつなぐツール”の変遷や、移りゆく世相を巧みに織り込んで描き出す。就活小説『あの子が欲しい』で話題の著者が放つ、「女の狡さ」と「黒い本音」全開のこの物語は、あなたの魂を捉えて離さない!(解説:柳瀬博一)
  • ゲゲゲの女房 人生は……終わりよければ、すべてよし!!
    4.0
    NHK朝の連続テレビ小説でドラマ化され、日本中に感動の輪が広がった水木しげる夫人の自伝的エッセイ。赤貧の時代、人気マンガ家の時代、妖怪研究者の時代、「幸福とは何か」を語る現在……結婚以来半世紀、常に水木の傍らに寄り添い、見守ってきた。著者はなぜ極貧の無名マンガ家と結婚したのか? 伝えられる貧乏生活とはどんなものだったのか? 超有名人の妻となって人生はどう変わったのか? 水木のユニークな言動をどう受け止めてきたのか? 自らを「平凡な人間」と語る著者の目に映った異能の天才の真実と、夫と歩んだ自身の激動の人生への思いを率直に綴った、感動の初エッセイ!
  • 黄金の糸 幕末甲州金始末
    4.0
    甲州の隠し金で大逆転を狙え! 甲府、江戸、横浜、富岡製糸場……。信玄ゆかりの金貨争奪戦の行方は!? 最後の甲州金、お前らには絶対に渡さぬ! 幕末、甲府勤番士の幕臣・高木東助は、城に眠る数千両の甲州金を、攻め寄せる官軍から守りぬくため、秘密裏に江戸の両替屋へと運び込む。しかし、次々と金を狙う刺客が現れ東助たちに襲いかかる。幕府再興を期して忍従の日々を送るが……時代に翻弄された男が戦いの果てに見出した人生の活路とは!? 「莫大な甲州金を手にした主人公がどのように幕末・維新を乗り超えたのか、彼とともに時空を超えて歩み続けて戴けたなら、著者として望外の喜びである。」――著者「あとがき」より
  • 将軍家の秘宝 献上道中騒動記
    4.0
    山奥に眠る謎のお宝とは!? 若僧、山女、不正探索方が迫る! 舞台は江戸時代の信濃国。修業先から逃げ出した若僧・秀全は、ひょんなことから行商人の平助、若い山女・まつと行動を共にする。読心術の心得がある秀全、藩の密命を受けて不正を探る平助、蛇や野獣を従えるまつ。三人が山中を行くうちに遭遇したのは、山に眠る謎の将軍家献上品をめぐり、跳梁跋扈する人々だった。躍動感溢れる時代活劇エンターテインメント。
  • 高尾山 魔界の殺人 私立探偵・小仏太郎
    4.0
    登山客で賑わう山には死を招く魔物が棲んでいる! 東京・葛飾の小仏探偵事務所を訪れた男性中学教師は教え子の女生徒との関係を知られたことで脅迫されているという。脅迫相手である女は自らを警視庁の刑事と称していた。偽刑事と睨んだ小仏は、教師、教え子と相談の上、脅迫金の受取り現場で待ちぶせするが、女は現われなかった。その頃、都心に近い高尾山の森林で死体が発見され…下町探偵が活躍する傑作ミステリー!「高尾山 魔界の彷徨」改題。
  • 大延長 堂場瞬一スポーツ小説コレクション
    4.0
    夏の甲子園決勝戦。公立の進学校・新潟海浜と甲子園の常連・東京の私立恒正学園の勝負は、延長15回で決着がつかず、翌日の再試合に持ち越された。監督は、大学時代のバッテリー同士。海浜のエースと恒正の四番バッターは、リトルリーグのチームメイト……お互いの過去と戦術を知り尽くした、勝負の行方と、球場に出現した奇跡の舞台で交錯する人間ドラマを、スポーツ小説の旗手が圧倒的な筆力で描ききった、野球小説の名作。読めば勇気が湧いてくる!
  • 花嫁は夜汽車に消える
    4.0
    花嫁とともに消えた三十年前の真実とは――? モノクロ映像の中で、列車をバックに恥じらう花嫁。ドキュメンタリー番組〈花嫁の歴史〉のプロデューサーから彼女を捜すよう命じられたスタッフの片丘と今日子だが、花嫁の顔になぜか見覚えが……。一方、女子大生・亜由美は孤独死した老女が遺した日記帳を受け取る。そこには、ある受刑者の無実を示す証拠があった――。表題作のほかに「花嫁は天使のごとく」を収録。
  • ゆるやかな生き方
    4.0
    五木寛之氏の最新刊エッセイ『ゆるやかな生き方』は、2004年から2013年にかけて各紙誌に執筆された膨大なエッセイの中から、これまでの既刊本に未収録のものを抜粋し、再構成、編集した集大成版といえます。人はだれでも、雑事に追われながらせわしく生きていくものです。そのようなあわただしい日々の中、自分に「ご苦労さん」と言いつつ、生きづらい世の中を、身軽に、ゆるやかに生きるヒントがちりばめられた書です。
  • 命の値段 生命保険を創った男たち
    4.0
    貴殿の命は百円なり。生命保険という名の命の絆に賭けた男たちの熱き志を描く! 明治の初め、質屋を営んでいた角田小太郎は、友人の巡査の死や新興商人・安田善次郎との出会いを機に、庶民のための「人命保険」結社を立ち上げた。しかし、「宵越しの金は持たない」江戸っ子たちに生命保険の精神を浸透させるには、多くの災厄と困難に立ち向かわねばならなかった――福沢諭吉が日本に初めて紹介した生命保険の黎明期を描く感動の歴史ドラマ。
  • ぞろりん がったん 怪談をめぐるミステリー
    4.0
    瀬戸内海に面した広島の三原市に暮らす作家・世良の家から、妻の加奈子が姿を消した。世良の友人・内畠は、加奈子の妹から頼まれ、実情を探ろうと世良の家を訪ねる。しかし、世良は話を逸らすばかりで、それよりも執筆中の原稿を読んでほしいと内畠に頼んだ。寡作で、世間からも忘れ去られている世良だが、いま書いている作品は「話題になって大ヒット間違いなしだ」と豪語する。それは、日本各地に伝わる怪談に起因する、不可思議なエピソードを綴る物語。内畠は、「座敷わらし」とタイトルのつけられた最初の作品のページをめくった……。「座敷わらし」「言うな地蔵」「河童の雨乞い」「吉作落とし」「チロリン橋」「ぞろりん がったん」、6つの怪談と現実世界が交錯する幻想ミステリー短編集。読後に残るのは恐怖か、感動か!? 横溝正史ミステリ大賞出身で社会派ミステリーの新鋭による、初の短編集!!
  • 京都-宇奈月 トロッコの秘湯殺人事件
    4.0
    姪の千代と和久井刑事をどうしても結びつけたい志垣警部は、二人を再度お見合いさせる計画を強行した。舞台は富山県の秘境・黒部峡谷にある、トロッコ列車だけで行ける黒薙温泉。ところが一行は、現地で殺人事件に遭遇してしまう。被害者は大学教授で、容疑者はこの一軒宿の秘湯にやってきた客の中にいるとしか考えられない。つづいて、京都嵯峨野を走るトロッコ列車で第二の殺人が発生、関係者のひとりが殺される……。大学教授と女子大生カップルの「禁断の愛」が招いた、悲劇の真相は!?

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  • 下町の迷宮、昭和の幻
    4.0
    田端にある古い銭湯の「昭和湯」の主人が旧式の柱時計を見るうちに……。飛鳥山公園の坂を上るたびに、母親の顔から「癒しの天使」となる女は……。かつての人気漫才師が、古巣の浅草にある蕎麦屋で聴いた歌謡曲は……。三十年ぶりに谷中を訪れた紙芝居屋が、千代紙を買った後に向かうのは……。現代の下町を舞台に、郷愁と恐怖が横溢する昭和レトロホラー。

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  • 上杉かぶき衆
    4.0
    直江兼続の下に集まったかぶき者たちの豪快な生き様! 知将・直江兼続に請われ、上杉家に仕えることとなった、天下御免のかぶき者・前田慶次郎、兄・兼続への憧れを終生抱きつつ、最後に叛旗を翻した大国実頼、謙信に直々に戦を学んだ正真正銘のいくさ人・水原親憲……兼続の下に集まり、上杉景勝を盛り立てた「もののふ」たちの壮絶なる生きざまを見事に描き切った、「天地人」外伝!

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  • 大江戸ぐらり 安政大地震人情ばなし
    4.0
    震災あるところ、人情あり――。安政の大地震の後を懸命に生きる町人たちを描いた、珠玉の時代小説。舞台は幕末の江戸。商家の箱入り娘、おようは、安政大地震で行方がわからなくなった父母や祖母、そして座敷牢に入っていた叔父の消息を探す。混乱に乗じて泥棒や人さらいが跋扈するなか、人の情けに支えられたおようはお家の再建を目指し立ち上がる――竹問屋手代、鰯売り、飛脚人、船頭、こそ泥ら、震災と復興下の江戸に織りなす町人たちの人間模様を、味わい深い筆致で描いた心に沁みる時代小説。

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  • 十津川警部捜査行 神話と殺意の中国路
    4.0
    離婚した男女の再婚旅行に仕掛けられた鉄壁のアリバイトリック! 出雲から博多に向かう急行列車の中で、毒物による殺人事件が発生した。しかし、犯人の目ぼしがつかないまま、事件は迷宮入りになってしまった。ところが、スポーツ紙に載っていたアニメ・プロデューサーの結婚の記事を目にした十津川班の西本刑事が、奇妙な符号に気づいた。迷宮入りをした事件の被害者と、新聞記事の人物との接点を発見したのだ。事件は新たな進展を見せることになる。さっそく、十津川班の刑事が、事件現場に飛んだ。

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  • 十津川警部捜査行 愛と哀しみの信州
    4.0
    白鳥に魅せられた写真家は白鳥と心中したのか? 遠くシベリアの地から白鳥が飛来する初冬、信州松本に近い「白鳥の湖」の畔で、ひとりの写真家が首を折られた一羽の白鳥とともに死んでいた。その一カ月後、男の友人のカメラマンが、東京の自宅で血みどろの死体となって発見された。ふたつの事件に関連はあるのか? はじめは病死として処理されていた写真家の死に疑問を持った十津川警部は、直ちに松本に飛んで、事件の真相を探る!

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  • L特急やくも殺人事件<新装版>
    4.0
    事故死か、殺人か? 退職した刑事が娘を誘い、岡山県の吉備線の旅に出た。古代史好きの父は吉備路を歩き、その間、娘は旅情ある倉敷を訪れる計画である。L特急「やくも11号」の車内で待ち合わせた父は、しかし、伯備線との合流駅・総社に現れず、翌日、轢死体で発見される。岡山県警の事故死説に娘は納得せず、十津川警部は現地に飛ぶ! 表題作ほか3編を収録。

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  • 向日葵を手折る
    3.9
    消えた向日葵、連続する不穏な事件―― 多感な少女の感情を繊細に描く、慟哭必至の傑作青春ミステリ 父親が亡くなり、山形の集落に引っ越した小6の高橋みのり。 初めての夏、「向日葵流し」のために育てられていた向日葵の花が、何者かによってすべて切り落とされる事件が起きる。 みのりの周囲ではさらに不穏な事件が続き――。彼女の4年間の成長と事件の行方を瑞々しい筆致で描く、感動の長編青春ミステリ。 第74回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門ノミネート作品。 「これほど自然の中に多感な思いがこめられた小説も珍しいのではないか。 自然描写をしなくなった(いや出来なくなったといったほうがいい)作家が多いなかで、 彩坂美月は、丁寧に一人の少女の内面と、過ぎていく季節の流れを追っていき、嫋々たる余韻を残す」 ――池上冬樹氏の解説より抜粋
  • 罪と祈り
    3.9
    貫井徳郎史上 最も切なく 悲しい誘拐事件 スリルと感動のどんでん返しミステリ! 警視庁を震撼させた 世紀の誘拐事件の真実とは? 元警察官の辰司が、隅田川で死んだ。 当初は事故と思われたが、殴られた痕がみつかった。 真面目で正義感溢れる男が、なぜ殺されたのか。 息子の亮輔と幼馴染みの賢剛は、死の謎を追い、 賢剛の父・智士の自殺とのつながりを疑うが……。 隅田川で死んだふたり。 そして、史上空前の未解決誘拐事件の真相とは?  男たちの絆と葛藤を描く、慟哭の長編ミステリ! 解説/西上心太 【目次】 第一部 亮輔と賢剛 第二部 辰司と智士 第三部 亮輔と賢剛 第四部 辰司と智士 第五部 亮輔と賢剛 第六部 辰司と智士 第七部 亮輔と賢剛  解説 西上心太
  • 喫茶とまり木で待ち合わせ
    3.9
    1巻1,760円 (税込)
    全国の書店員さんも大絶賛! 感動のコメント続々! 不器用な心を救う、ヒューマンドラマの名手、 沖田 円の新たな最高傑作、ここに誕生! とめどなく切なく優しく温かい。 「心の再生」の物語。 そして……これはあなたの物語。 さまざまな人生が交差し、疲れた羽を休めていく場所 ――喫茶とまり木へようこそ。 そこは静かな街の片隅にある喫茶店。 決して繁盛しているとは言えないが、毎日、様々な想いを抱えたお客さんが訪れる。 仕事と家庭の両立ができず離婚した後も、母親になれなかった自分に苦悩する女性。 男子であることに縛られ、趣味のアクセサリー作りを誰にも話せないでいる高校生。 安定は手にしたものの、平凡で退屈な生き方から外れることに憧れる20代事務員女子。 そして、ある特殊な依頼によって大切なことを知る便利屋男性……。 それぞれの人生を紡ぐ温かな眼差し、沖田円渾身の「心に刺さる」連作短編。 何気ない毎日の中で、自分の生き方がほんの少しだけわからなくなっている人に捧ぐ、小さな人生の再生ストーリー。 読後は、生まれ変わったような希望に満たされて――。 【沖田 円さんから読者の皆様へのメッセージ】 どこにでもいる人たちの、どこにでもある物語を書こうと思いました。 自分が人生で体験しないだろうことを味わえるのは読書の醍醐味のひとつだと考えていますが、今作はあえて自分に身近な「そこら辺にいそうな人」たちを物語の主軸に置いてみました。 本作に主人公はたぶんいません。 喫茶とまり木にやって来た5人は、他の物語ならば名前も付かないモブかもしれません。 でも彼らにだって悩みがあり、躓きがあり、人生にちょっとしたドラマだってある。 今作は、そんな人たちのささやかな物語となりました。 皆様のそばにいつの間にかいるような、古い友達みたいな本になればいいなと思っています。 ほんのちょっとだけ明日が来るのが楽しみになりますように。                  (作家・沖田 円)
  • 終活中毒
    3.9
    1巻1,650円 (税込)
    人生は、いつでも 大どんでん返し。 たとえ、余命わずかでも―― 最高の最期(エンディング)、始めますか?   あなたの心に火を灯す驚愕×号泣ミステリ―! ゾッとする終活、理想的な終活、人生を賭けた終活… 4人の〈終活〉に待っていたサプライズとは? 40代女性―余命をSDGs活動につぎ込む資産家の妻に望むのは…(「SDGsな終活」) 60代男性―妻の三回忌のため息子と家のリフォームを始めたが…(「最後の終活」) 60代女性―ベストセラー作家の遺品に心を乱された理由は?(「小説家の終活」) 40代男性―売れない芸人の終活はお笑いグランプリの挑戦で…(「お笑いの死神」)

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