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著名なヴァイオリニストの娘で、声楽を志す御木元玲は、音大附属高校の受験に失敗、新設女子高の普通科に進む。挫折感から同級生との交わりを拒み、母親へのコンプレックスからも抜け出せない玲。しかし、校内合唱コンクールを機に、頑なだった玲の心に変化が生まれる――。見えない未来に惑う少女たちが、歌をきっかけに心を通わせ、成長する姿を美しく紡ぎ出す。小泉今日子さんや書評家、書店員諸氏も絶賛した傑作。
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Posted by ブクログ
主人公は、高校受験に失敗して不本意ながら滑り止めの高校に入学。積極的に友人を作らず、学校生活に馴染めない日々が続く中、合唱コンクールの指揮者に選ばれてしまう。当然、合唱コンクールは消化不良に終わるのだが、その先に待っている展開は感動的。主人公を含め、クラスメート1人1人の成長が描かれ、立場・家庭環境...続きを読む・趣味も交友関係も全く異なる少女たちが、1つの歌を通して繋がっていく。 終盤で「何のためにみんなで歌うのか?」という問いが投げかけられる。これは読者1人1人に対しての問いかけでもある。 この問いに対して、私は「1人1人の異なる人生が、あの時に確かに繋がっていたことを思い出すため」と答えたい。 学校行事の中でも、人によって好き嫌いが分かれるものは、クラス対抗の「合唱コンクール」ではないだろうか?私自身も指揮者をしたことがあるのだが、ほろ苦い思い出がある。高校1年生の時に、残りの学校生活に多大な影響を及ぼすくらいの恥をかいた。実際はそこまで気にする必要は無いのだが、自分の中で相当打ちのめされ、長期間ウジウジしてしまった。 ただし、今でも合唱コンクールのことを思い出すとき、1人1人の表情が蘇る。当時プレッシャーを感じずのびのびと楽しく歌えたのであれば、一生の宝物。そして、数年後に思い出して、クラスメートが幸せに暮らしているのかどうか思いを馳せることも、幸せなことである。 「仲間を信じること」「(指揮者である)自分1人だけの力では何も成しえないこと」「結果を周囲のせいにしてはいけないこと」を身をもって味わい、高校時代初めての挫折経験となった合唱コンクール。時々思い出して、自分の「弱い心」にシンミリと向き合いたい。宮下さん、素晴らしい小説をありがとう。
声楽科の受験に失敗し、女子校へ進学した玲。 同級生とも距離をとり高校生活を送っていた彼女だが、合唱コンクールをきっかけに音楽にも同級生たちとも関わっていく。 物語はクラスメイトそれぞれの視点で1章ずつ進んでいく連作短編集。 それぞれ、家の事や家族、友人、進学や将来について悩みもがく。その姿は青春...続きを読むそのものかもしれないけれど、その時その時を誰もが必死にもがいている。 合唱コンクールのリベンジに向かい、このメンバーで歌える最後の機会。悩みやもやもやを抱えながらも練習を重ねることで、苦しみからも成長していく姿がとても良かった。 大人が読んでも励まされる物語。
バイオリニストの母のもと、声楽家を目指して音大附属高校を受験したが失敗し普通校に通いだした怜。 怜は喪失感に自らを閉ざしていたが、学校の合唱コンクールで指揮をすることになったことで変わっていく。 怜の変化が波紋となり広がりクラスの他の子にも影響を与え、少し変化してゆく。各章6人の少女を通して描かれて...続きを読むいる。 と紹介するとよくある話なのだけど。宮下奈都さんが描くと 少女たちの繊細で複雑な心の描写で一人一人が立ち上がってくる。 みんな明るく高校生活を楽しんでいるかに思えるけれど、それぞれ事情を抱え、未来へ漠然とした不安を抱いている。あの頃の気持ちを思い出す。 お互い響き合い方が合唱の響きと重なり余韻が残る。
『羊と鋼の森』を読んだ時にも思ったことなのだけれど、登場人物たちの口には出さないけれど、心の中でモヤモヤしたり、たぎる感情があったり、一言言っておきたいことがあったり、そういった「うまく言葉に処理しきれない感情の起伏」を見事に地の文で表現しているというか、言葉が尽くされている…という感じがして読むた...続きを読むびに「ああ、素晴らしい文章だなぁ」と思うのです。 本作は最初の一編を読んだ時点では「ちょっと変化球気味の青春もの」という印象でしたが、2編目以降で「あ、これ群像劇だ」となり、読み進めるたびに「なんていい本なんだ!」と感動も一入で、すっかり作者のファンになってしまいました。 少女たちの屈折(からの立ち直り)と、ハイロウズの真っ直ぐさの取り合わせも最高でした。
音楽高校をめざして落ちてしまった女の子の新学期からスタートする。同じ高校の生徒をそれぞれ主人公にしたオムニバス型式。 それぞれの葛藤、青春が最後歌で一つになるのが良い。
私立の女子校に入った女の子たち みんないろんな事情を抱えている ヴァイオリンニストのむすめの御木元玲を中心に 合唱をやることになる。 最初はうまくいかず その後 マラソン大会で御木元玲が 一番最後をよれよれになって走るのを見て 一緒に合唱をやった子たちが 励ますために 声を合わせて歌う。...続きを読む その声が 素敵で みんなでもう一度 歌うことになる。 私も長い間 下手くそなコーラスの端くれをやっているので 共感できました。 みんなで声を合わせ ひどいに届け!と歌うのは 幸せなことです。 コーラスを歌う子たちが いろんなものを乗り越えて 一緒に歌う。 いい話しです。
読みやすい! 読みやすいけど、思春期独特の凸凹さがうまく調合されていて、(女子校出身ではないけど、)あーこんな時あったわとある種の懐かしさを感じながら読んでいた 個人的には、サンダーロードがすごく好き!
キラキラと輝いていて涙が出るほど素敵な小説でした。羊と鋼も素晴らしかったけど、これも本当に素敵な青春小説でした。
私は中学のとき、部活で合唱をやっていたが、学生時代の自意識はあまりに肥大だった。 周りと馴染めないことを気にしながらも、自分を特別だとどこかで思っていた。 おそらく表面的には仲良くしていた部員たちも、一緒だったのだろう。自分が嫌いで、でもどこかで自分を特別だと思っている。心のうちがどうしようも...続きを読むなく、春だったのだろう。 この小説は、高校生女子たちそれぞれの心の葛藤を描く。みんな事情があり、悩んでいることがあり、面倒な自意識がある。 青春小説によくある、それぞれのモヤモヤをぶつけ合い、分かり合うというわけではない。合唱をしながら、やがて一致団結はしていくけれど、お互いに事情は知らないままだ。 わかりあえないが、相手を尊重できる。そして自分の気持ちも変わっていって、成長していく。 それこそがリアルで、とても良かった。 なにより久しぶりに歌いたくなった。ザ・ハイロウズの曲、聴いてみよう。
宮下奈都さんの本がおもしろかったので ほかの本も読む。 もやもやを抱えたそれぞれの少女が 関わり合い、根本的解決はしないけど、少し光のある方向で終わる。好きなタイプの小説だった。 テーマが音楽であり、すべてブルーハーツの曲タイトルになっているのも粋。 ■一難好きな箇所 私の歌がすごいんじゃない ...続きを読む私の歌で誰かのどこかを揺さぶる つまり誰かのどこかに揺さぶられるものがある、ということに希望を感じる 胸が震える。 嬉しいとか、楽しいとか、悲しいとか、さびしいとか、色んな気持ちをみんなが抱えている。歌によって共有することができる" ・・・・・・・ 好きな箇所引用 ・・・・・・・ "多くを望まななければ、 はみ出すこともこぼれることもない 自分だけが間違ったカゴに放り込まれた洗濯物のように感じる 周りはみんな真っ白に洗い上げられたシャツで、自分だけが着古されたまま洗い直されていないシャツみたいだ 退屈な日常でも、喧騒よりはいい 結果を残すために歌うんじゃない、結果の前に原因がある、あるいは過程 しらっとした空気が流れた 少ししか望まないつもりで すごく大きなものを望んできた そのときに、ぱりんと割れてしまった 私が密かに抱いていた期待も、のぞみも、砕けて跡形もない 義務をこなすかのように バラバラに解体して弄んでいるような感じがした 自分で自分の気持ちが掴めない 興味も熱意もないふりを続けながら あやの付いたあの歌を、もう歌うこともないだろう。 今日のこともぼんやりの膜にくるんで忘れてしまおうと思った 聴かせよう、感動させようと歌う歌でもない ちっぽけなありか薄羽蜉蝣か何かそんなようなものにならなくてはいけない気がした すでに幼体からの変態を終えたように見える子もいれば これから脱皮しようときている子もいる ローファーの先で小石を蹴りながらつぶやく 飛び上がるほど嬉しいことも、心臓が張り裂けそうなことも、目の前が真っ暗になるようなことも、これから先に待っているのだろう どろどろ、もしくは、がつがつ、そういうものを綺麗にラップして、人前ではサラサラだけを見せている。私も同じだ。 色んな人を恨んで、泣いて、怒って、一生分の嫌な感情を使い果たしたと思う ともかくそういう負の感情を全て取り払うことにした 負を持たないためには、強い正も持たないようにする。 正が強すぎると、振り子のように大きく触れて負に飛び込んでしまう 級友たちが何も見なかったみたいなさざめきながら歩いていく いけすかないやつではあるけれど 余生では無い、本道を生きている人に嫉妬していたことを。 音楽は目的じゃなくて手段だった →楽しく生きること、そのために、音楽があるんだ 誰かの真剣をちゃんと受け止めるのはものすごく大変なことだ 試合はますますわからなくなってきました 取り戻したいと思い続けるなら、やっぱり私は余生のままだ 私たちはあちこちで折れたり曲がったりしながら生きていく。 余生だと思っていた人生は、もしかしたら、本編がまだはじまたまたばかりなのかもしれない。 切実に願った。鳩尾のあたりがシクシクと痛むほどに。 これでいい、私は鍵を手渡す役なのだと思う、その鍵を使って彼女が何かを開けるだろう →★いい考え方!教育も同じ 無関係で無害な、、、についきをゆるしただけだ 一向に進んでいない油絵をイーゼルに載せ どんな表情を描きたいのか 何色を塗りたいのか 気持ちが定まらない 何も湧いてくるものがない 核シェルター 助け合うけど、寄りかかるな。 つまり、寄りかからず、助け合え。 好きか嫌いかということと いいか悪いかということは別だ 鳥は飛べる形 空を飛べる形 僕らは空を飛べない形 ダラダラ歩く形 ダビンチのひらめきと ライト兄弟の勇気で 僕らは空を飛ばないかわり 月にロケットを飛ばす たとえでっち上げたような夢も 口から出まかせでもいい 現実に変えていく 僕らはそんな形 プラモデルのジオラマで 兵隊にパンを渡す 翼を持って生まれるよりも 僕はこの両手が好き たとえでっち上げたような夢も 口から出まかせでもいい 現実に変えていく 僕らはそんな形 僕はこんな形 ダラダラ歩く形 オートバイに乗る形 コーヒーを飲む形 バームクーヘン食べよう れいのかたちが例えば 厳選された上等の粉と卵とクリームとで作られたショートケーキだとしたら 私たちの合唱は、サンジのおやつのバームクーヘンみたいなものかもしれない 素朴だけどいくそうにも重なって意外と食べ応えのある形 いつか落とされるのが怖くて、秋や冬が来るのを恐れ、春を嫌っている 歌は良いものだけど、良いものがよく歌われてこそ生きて伝わるんじゃないか 音楽家って幸せな職業だ 人生に一つも無駄なところがない 辛かったことも、悲しかったり寂しかったことも、人を恨んだことさえも、みんな血肉になる いいところも、悪いところも、私は私で、私から生まれる音楽はどう転んでも私の音楽だ。立派なところだけじゃなく、ダメなところも含めて、どう生きてきたか、どういきていくか きっとお互いに知らないのだ 知らない間に、私たちは交わった ぶつかって、混じり合って、私たちは変わった 歌を歌うのは私のやり方でしかない。 目指すのは何かと言われれば、つまり、よく生きること、なのだと思う 私の歌がすごいんじゃない 私の歌で誰かのどこかを揺さぶる つまり誰かのどこかに揺さぶられるものがある、ということに希望を感じる 胸が震える。 嬉しいとか、楽しいとか、悲しいとか、さびしいとか、色んな気持ちをみんなが抱えている。歌によって共有することができる"
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