読んで良かった。
気持ちの良い感動に酔いしれる青春ミステリーだった。
父親が亡くなり母の実家である山形の祖母の家に引っ越してきた小6の高橋みのり。
近所で出会った少年は、優しく話しかけてきてくれた藤崎怜。
乱暴な強い眼差しをぶつけてくるのは、隼人。
みのりと怜と隼人を中心に物語は進んでいく。
こ
...続きを読むの土地では向日葵男というおぞましい怪物がいて…という噂があり、何者かによって向日葵の花が切り落とされる事件が起き、真っ先に向日葵男のしわざだと。
よほど暗い絶望感漂う事件が次々と起こるのでは…と想像していたが、殺伐としたものではなく結果としては、そういえば序盤から気にはなってたなと思い返すことができた。
大きな事件があるわけでもないが、狭いコミュニティでの複雑な人間関係と家庭内で起こる問題。
だが満足感を得られたのは心理と情景の濃さだと感じた。
季節を巡るたびにこの3人の子どもたちの成長と変化の心理描写の巧みさがより一層際立っていく。
これほどまでに丁寧に少女や少年の内面を描いていく凄さに自分も同じ年齢になったかのような錯覚に陥ってしまった。
終盤は、事件の真相に切なさしかなかったが、ラストに感動。