• 国境のない生き方 -私をつくった本と旅-(小学館新書)

    地図のサイズを変える

    地図のサイズを変える、っていいね。スケールが大きい。

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  • いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1)

    リアル

    リアルな被災地と原発作業の実情が読めて良かった!漫画だからこその伝達力を感じる。

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  • 解体屋外伝

    1993年作品!

    一読して、1993年を感じる。
    古いとかじゃなくて、あのころのSFはこんな感じだった。
    『想像ラジオ』からいとうさんの作品に触れた人は驚くんじゃないかな。
    『ワールズ・エンド・ガーデン』は当時読んでいたけど、こちらは未読だった。さすがに20年経っていると関連性は思い出せない。
    洗脳と脱洗脳をテーマとするアンチヒロイックな作品と考えると、オウム事件以前にこの作品が書かれていたというのは凄いことだ。

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  • 羆嵐
    購入済み

    とにかく怖い

    いや、なにがコワいって表紙のクマがこれでもかってくらいコワいんですけど、読んだら中身はもっと怖かった。

    大正時代の北海道開拓民の山村を巨大な羆が襲い6人惨殺...という実話を基にした小説だが、前半はエイリアン並みの、姿の見えない巨大羆と、その陰惨な襲撃シーンに恐怖する。
    一転して後半は、羆を恐れる村人たちの緻密な心理と、羆を追い詰める老マタギのハードボイルドな描写に一喜一憂しながら読み進めることになる。

    Wikipediaで「三毛別羆事件」を参照すれば分かるが、ストーリーはほぼ実話。そこに、迫真の心理描写を加えたのがこの小説のすばらしいところだろう。まちがいなく傑作だ。

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  • 機龍警察 未亡旅団

    こんどはチェチェンか!

    1作目はチャイナ、2作目はアイルランド、3作目はロシアと、世界の裏社会と日本の警察が派手な戦いを繰り広げる本シリーズの最新作。
    ついにチェチェンが舞台だ!もう次はアラブに行くしかあるまい。

    それはさておき、本作も素晴らしい出来で満足。暴力の支配する荒廃した地からやってきた少女と、暴力を内に秘めながら克服した警察官の心のやりとりを軸に、いろいろな要素がぶち込まれた網目模様のドラマが破綻なく成立していて楽しめました。
    あいかわらず装甲機兵の戦闘シーンは迫力があるけど、それすら今作では脇役っぽい。
    ラストは、今後の伏線か?
    それにしても......警官が死に過ぎ。

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  • 春を背負って

    場所が絶妙

    奥秩父主脈の甲武信岳~国師岳間のどこか、という舞台となる山小屋の設定が絶妙ですね。

    険しい場所ではないけれども、標高2000mを超えていて意外と気象は厳しい。

    そんな架空の山小屋をめぐる人間模様というか、基本的には人情味のあるやりとりが中心の連作が本書です。

    よく知っている場所だけあって、風景を想像しながらとても楽しく読みました。

    一読してちょっと物足らないようにも感じますが、奇をてらわず、大仰に構えず、淡々と山の風景と生活を描いていて、でも山でであういろいろな経験が織り込まれていて、作者は山が好きなんだろうなあ、と思わせられるのが良いです。

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  • ウェブとはすなわち現実世界の未来図である

    現代のウェブ進化論

    梅田さんの「ウェブ進化論」が登場した頃には、「あちら側」という表現でWebによる「より良い社会」への楽観論が語られていたが、本書ではこちら側の「リアルな社会」がウェブで起っているムーブメントにどう影響されて変化するか、という視点で語られている。
    海外を中心に豊富な事例で未来を語っているスタイルがちょっと似ていて、オビの大前研一氏の「新・ウェブ進化論」というのもわかる気がする。

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  • それではさっそくBuonappetito!

    ハラ減った!

    読んでいるとどんどんお腹が減ってきます。
    特に、ピザとかピザとかピザ.......

    あと、ヌテラとムケッカが気になります。

    基本、面白おかしいエッセイマンガなんですが、
    イタリアやポルトガルの人たちが、どんな気持ちで
    地元の料理を愛して、食べているのかが伝わってきます。

    でも前半の貧乏ながら工夫して美味しく食べているあたりのほうが好きかな?

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  • 千年の愉楽

    圧倒的な物語力

    物語の強度に圧倒された。

    「血」の持つ宿命に抗いながら翻弄される男たちと、その生と死を見守る語り部たる産婆。

    作者のいうところの「路地」、すなわちひとつの(被差別)部落の中で展開するストーリーがこれほどまでに広がりと深さと崇高さとエロスを持ち得るとは。

    登場する6人の男たちの魅力もさるものながら、時空を超えて彼らを語りつくす産婆=オリュウノオバの奔放な思考が、本作品の常ならぬトーンを作り出している。
    そして緻密で難解は文体も、この物語を支える不可欠の存在だろう。

    それで、映画は.......どうなんだろう?

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  • 里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く

    地方力の活用ってことかな

    一言で言ってしまえば、地方力の活用ってことかな、と思いました。
    本書で取り上げられている個々の事例、オーストリアのCLTや真庭のバイオマス発電などは、テーマとして面白いです。地方には地方でしか成しえないイノベーションがあって、それをうまく使って生き延びていこうということですね。

    別に「マネー資本主義との決別」って大上段に振りかざす必要はないと思うけど、これから人口が減少していく日本でかつてのような経済成長を夢見ることはできないのはまぎれもない事実なんですから。

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  • パンツの面目ふんどしの沽券

    シモネタなのに深い

    アダムとイブの「葉っぱ」から力士のマワシまで、人類が腰につけるものについて、実体験と資料とタレコミを元にまじめに考察した一冊。ネタがネタだけに、米原さん本領発揮の安定の面白さです。

    東欧・ロシアの、パンツは自分で作るもの、あるいはそもそも着けない、というのも驚きですが、かつての日本人のフンドシ姿を見た外国人の興味津々の様子も面白いです。

    そして、あとがきを読んでさらに本書の深い意味を知ることに。米原さん、志半ばだったのかなあ。

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  • 氷川清話 付勝海舟伝

    時事放談的なw

    晩年の勝海舟=勝安芳伯爵による幕末明治維新の回顧や人物評。現代語訳されていて読みやすいです。
    当時の政治、外交、社会を論じているのが、やはりさすが幕府の幕引きを取り仕切った人の言葉だけあってリアリティがあるのですが、雰囲気というかノリがほとんど時事放談というかジジイの自慢話的なところもあって、読み物として面白いです。
    巻末の「勝海舟伝」もコンパクトにまとまっていてわかり易くグッドです。

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  • 宇宙兄弟(23)

    素晴らしい!

    全てが前向きで素晴らしいエピソードの連続。盛り上がりまくりです。
    #217のタイトル「いいニュースといいニュースといいニュースといいニュース」ってのがこの巻を象徴していますね。
    ここ2巻ほどつなぎっぽかったけど、20巻に勝る感動的な巻でした。
    せりかさんの子供時代のエピソードが秀逸すぎ!!!

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  • フランケン・ふらん 1

    表紙と中身のギャップがw

    表紙に騙されてエロを期待すると、中身の鬼畜なまでのグロさに衝撃を受けるはず!
    でもオリジナルのフランケンシュタインのエッセンスもかすかに感じられる...かも。
    「メディカル・ホラー」というラベリングの妙にもやられました。
    クセになります。

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  • いますぐ妻を社長にしなさい

    目からウロコ

    タイトルは胡散臭いが、着眼点が新鮮で、読めば目からウロコの良書です。
    確かに、サラリーマンが源泉徴収という搾取システムから逃れるにはこれしかないかもしれない!
    ただ「妻」の資質にもよるけどね(笑)

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  • ゴミ情報の海から宝石を見つけ出す これからのソーシャルメディア航海術

    ソーシャルメディアに接するノウ

    ソーシャルメディアを中心としたメディアとの接し方についての津田マガのQ&Aコーナーをピックアップして書籍化したものだそうです。メルマガをとっていないのでとても参考になりました。

    ソーシャルメディアとの距離感に迷っている人にはとても役に立つノウハウが詰まっているので価値ある1冊といえると思います。

    結局は情報の信頼性を確認するのは自分の知識や行動なので、本を読む、人に話を聞く、ここに集約されていくわけです。そのためのツールとしてもソーシャルメディアを活用すべし、ということでしょう。

    それと、巻末のドワンゴ川上量生氏との対談。川上氏のキャラクターはいつも通りだけど、津田さんの政治...続きを読む

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  • 岸辺露伴は動かない 1

    絶品小ネタ集!

    やっぱりジョジョシリーズのNo.1キャラじゃないでしょうか?岸辺露伴先生。

    お話としては露伴先生が立ち回って語るホラー的な小ネタという感じなんですが、これが実にハマっています。ばっちり主人公になれるキャラですね。
    『岸辺露伴ルーブルへ行く』も読みたくなりました。

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  • ジェフ・ベゾス 果てなき野望 アマゾンを創った無敵の奇才経営者

    う~む、黒い。

    Amazonのタコ社長じゃなかった、カリスマCEOであるジェフ・ベゾスの評伝。

    ヘッジファンドから独立して、
    自転車操業のような黎明期からあっというまに世界市場を席捲して行くスピード感は圧巻です。
    でも、当然ながら急成長する企業にありがちなブラックぶりも余すところなく描かれています。
    ベゾスの強烈な個性についていければよし、ついて行けないものは自ら去り、無能と見なされたものは情け容赦なく切り捨てる。ワークライフバランスは禁句....
    とりあえず、働きたくない企業No.1決定です!

    市場を取りに行くときのライバル企業への攻撃もタブーなき焦土作戦のオンパレード。法務部門は大変そ...続きを読む

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  • ロングトレイルを歩く 自然がぼくの学校だった

    日本のトレッキングの父

    2013年5月に亡くなった、日本のトレッキングの父ともいえる加藤さんの小品。実質的にこれが遺作になるのでしょうか?

    ジョン・ミューアを日本に紹介し、ジョン・ミューア・トレイルやアパラチアン・トレイルを実際に踏破し、そして日本でも信越トレイルなど魅力的なロングトレイルの整備に力を注いだ偉大な人。
    本書はALSで起きることもできなくなるなかでまとめられたそうです。最後のメッセージとでも呼べるような、とてもやさしい語り口が印象的です。

    本書を入口にして、多くの若い人たちが加藤さんの多くの著作に触れて、そして実際にトレイルに出ていくようになればいいですね。

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  • ジョジョの奇妙な冒険 第6部 カラー版 2

    6部大好き

    移動感の強いジョジョシリーズのなかで、監獄という最も狭い空間でストーリーが展開する第6部ストーンオーシャン。
    徐倫のキャラも良くって、私はかなり好きです。

    この2巻では承太郎が登場しますが、一体何歳?
    4部との前後関係が気になります。どこかにヒントあるのかな?

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  • The Indifference Engine

    これが本当にラストか

    これが伊藤計劃のラスト短編集ということで、心して読みました。
    まあ、先に『屍者の帝国』を読んでいたんですが。

    全体に絶筆らしいというか、未完成、あるいは習作的なもの寄せ集めという印象ではありますが、遺されたテクストに触れるのは感慨深いものがあります。
    なかでも短編としてダントツの完成度を感じさせてくれる表題作には驚かされました。対立する部族に生まれて、殺し合いを強いられる子供達の救いのなさと、欺瞞に満ちたかりそめの平和維持。伊藤さんってこんなに暴力的でワイルドな作品を書くんだ、と思ったりして。

    あ、『メタルギアソリッド』は読んでいないのでそっちがどういう作品なのかは知りません。...続きを読む

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  • いま集合的無意識を、

    お久しぶりの感想ですが

    神林長平作品を読むのは相当久しぶりです。
    デビュー作からずっと読んでいて、雪風とか敵は海賊とか、シリーズ作品も読んでいたんですがいつのまにか離れていました。
    本書は短編集ですが、久々に読んで、意識と機械、というこの人の関心は変わっていないんだなあ、と懐かしく思いました。と同時に相変わらずの言葉の切れ味にも感激。
    そして表題作には驚かされます。亡き伊藤計劃氏への語りかけが一つの作品になっている!こんな言葉の発し方もあるんですね。

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  • 獣の奏者 外伝 刹那

    まさに外伝

    外伝というのにふさわしい作品です。
    主要な登場人物の「愛」にまつわる短編を収録しています、やはり本編とは別物だと感じます。ちょっと大人な雰囲気だし。
    それでいて、あの人のあの頃はどうだったんだろう?という読者の妄想に答えてくれるんだから、作者から贅沢なプレゼントをもらったような気分です。

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  • 豪快茶人伝

    放蕩者列伝?

    茶人に興味をもったきっかけは『へうげもの』なんですが、いくらなんでも「創り過ぎ」だろうと思っていた人たちが、けっこういい感じのデフォルメだってことがわかって、楽しさ10倍ドン、です。

    武野紹鴎~今井宗久~千利休~古田織部~小堀遠州といったあたりの流れがよくわかって満足。
    それと同時に、茶の湯と切り離せない「名物」にかかわる人々の放蕩ぶりに感激ひとしおです。
    特に荒木道薫。信長に叛いて逆に攻められ、落城の折に一人茶壺を抱えてトンズラしたおかげて家臣妻子皆殺しにあってもしぶとく生き延びたその業の深さはあっぱれとしかいいようがありません。
    その後江戸の時代でも名物に身代を注ぎ込んだ大名・...続きを読む

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  • ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕

    スパイ小説の金字塔

    ル・カレの世界を堪能させていただきました!
    荒木飛呂彦風にいうならば、男が泣ける、男の悲哀を感じさせるサスペンス、というところでしょうか。★5つでは足りません!
    実は、紙の本で積ん読数年。その間に新訳が出て、電子化されて、やっと読みました!何でもっと早く読まなかったんだろう?
    まあ、確かに本をパラパラっとめくった時に感じる重苦しいオーラに、つい本棚に戻してしまう、ということを繰り返していました。
    電子書籍にはその拒絶感がありませんね(笑)。

    内容に関しては随所で語り尽くされていますが、とにかく暗く,重く、緻密でスリリング。
    組織に潜む2重スパイを捜し出すことを命じられた、老いた...続きを読む

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  • 顧客を売り場に直送する ビッグデータがお金に変わる仕組み

    スマートフォンの次!

    位置情報と行動情報。
    スマートフォンが切り開いている、持ち歩けるコンピューティングデバイスがもたらす膨大なデータの蓄積を、
    だれが商機に結び付けていくのか?というお話。
    メガネとか時計とか、どうなんだろう?GPSロガーとしての腕時計は有りだと思いますが、
    情報表示デバイスとしてはもっと違うものが来るんじゃないかと個人的には思います。
    「今」を知るうえでは、本書はとても面白かったけど、こういうテーマは旬が短いので、読むなら今すぐが乙。

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  • 蹴りたい背中

    むき出しの自意識

    オサーンになってしまうとリアルに感じることは難しいけど、たしかにこういう自意識のかたまりみたいな時期もあったような。
    思い出すとこそばゆい。
    このストーリーに反発を覚える人の気持ちもわかる気がする。

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  • 信念 東浦奈良男 一万日連続登山への挑戦

    聖者のごとし

    1万日連続して登山続ける。目標を立てること自体が想像を絶する。
    そして実践。
    雨が降っても、車にはねられても、オペル冒険大賞の授賞式に出席するために上京するときにも、どんなに低くても一日一山を26年のぼり続け、それを膨大な日記に残した。
    これはもはや趣味ではなくて人生をかけた「行」だ。
    小さな「行」を積み上げて、奈良男さんは聖者になったんだと思う。

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  • 宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論

    わかりやすい宇宙論

    サイモン・シンの著作の翻訳などで知られる青木さんの宇宙論の本。
    とにかくわかりやすい!
    まさに入門編といった感じで、
    古代から現在までの宇宙論の流れを教えてくれる!
    あらためて20世紀から現在も進行中の、物理学のダイナミックな変化は面白い。

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  • 万能鑑定士Qの短編集I

    短編って...

    短編といっても連作なので、シリーズの1作のようにも読めますね。
    とはいえ一つづつのエピソードが短いので、トリックがより小ネタ化しています。それはそれで楽しいのですが。

    『事件簿』『推理劇』『短編集』とそれぞれつまみ食いのように読んでいるので、だんだん違いが判らなくなってきましたww

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  • 千里眼 完全版 クラシックシリーズ1

    怒涛のアクション

    言わずと知れた大ヒット作。臨床心理士にして元自衛隊F-15パイロットというヒロインが、
    日本の支配をもくろむカルト教団と対決するシリーズ第一作(の改稿版)。
    序盤のつかみも良し、後半の怒涛のアクションにも度肝を抜かれます。
    ありえねー、と叫ぶこと数度ですが、そんなことは忘れて楽しむのが乙。
    教訓:大風呂敷は広げたもの勝ち。

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  • 万能鑑定士Qの推理劇 I

    新シリーズで気合はいってる?

    面白い!けどそりゃないよ!!って言いながら、なんとなく読み続けてしまい、ついに新シリーズにまで手を出してしまった。

    本作は新シリーズ1冊目ということもあってか、いつもの豆知識ネタだけでなく、
    これでもかというクライマックスの連続でかなり楽した。シリーズ最高傑作といううたい文句もわからないでは無い。
    しかーし、いちばんのクライマックスの「御前鑑定」のシーンは.....無言。

    ラブ要素も入ってきているけど、相変わらず味付け程度。

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  • 万能鑑定士Qの事件簿 IX

    祝!映画化

    ついに映画化!綾瀬はるか主演!
    ますますメジャーになりますね。

    映画化されるのがこの9巻のエピソードということで、5巻に続けて読みました。(フランスつながりで)
    相変わらず序盤から中盤、つまり莉子がその才能をいかんなく発揮して人々に認められていく過程は抜群に面白いです。
    しかも今回はルーブルの学芸員相手だし。

    謎解きの「そ、そんなぁ(゚ロ゚;)エェッ!?」も相変わらずですが、そこも含めて楽しめます(笑)
    映画ではどう演出するんだろう?

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  • 月は無慈悲な夜の女王

    風化しない名作!

    ハインラインの代表作と言われるものの一つ。流刑地であり搾取される生産地である月世界の革命の物語です。
    半世紀前の作品ですが、まったく風化していない!間違いなく名作です。

    3章構成になっていて、盛り上がるのは最終章ですが、そこまでがちょっと長いかも。
    でもいろいろな要素が詰まっていて面白いです。
    革命の組織論が延々語られるのはアレなんだけど、
    月の中央コンピュータ「マイク」の万能ぶりは、当時のコンピュータへの夢が詰まっている感じです。

    そして定番だけどやっぱり邦訳タイトルがかっこいい。
    原題[The Moon Is a Harsh Mistress]
    のMistressを...続きを読む

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  • オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史1 2つの世界大戦と原爆投下

    教科書にない...

    月並みな言い方ですが、まさに教科書にないアメリカ史。
    建国以来の政治的中心(すなわち大統領)がどういう思想傾向を持っていたかがよくわかります。
    1巻は2つの大戦を中心に描いているので、ウィルソン、フーバー、ルーズベルト、トールマンといった人たちの描写が自分には新鮮でした。
    ただ相当リベラルよりの内容なので、当の米国では本書はどんな評価なのか気になります。
    TVシリーズも見たほうが理解という点では補助になりそうですね。

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  • キネマの神様

    やっぱりあの映画

    映画好きお父さんがかわいいキャラですね。
    定年後に自分の好きな世界にどっぷりはまって周りを振り回す昭和ヒトケタ世代のやりたい放題加減は自分の父親を見ていても共感できます。

    映画好きのオールタイムベストってやっぱりあの作品なのかな?

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  • 海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

    上質な家族のドラマ

    数十年ぶり(!)に吉田秋生作品を読みました。
    こんな絵だったっけ?というのは置いておいて(笑)、
    離婚や死別といった家族をめぐる重いテーマを、軽く、明るく、面白く描いています。それでいて深い。
    素晴らしい作品に出会えました。

    主人公が4姉妹というのもいいですね。
    家族それぞれの事情が複雑なストーリーとして絡み合って、物語に厚みがあります。上質な家族ドラマを見ているよう。
    ちょっと出来過ぎなくらい絶妙に交錯する登場人物たちの日常に、鎌倉という「場所」がリアリティを与えてくれています。

    そう、やっぱり鎌倉という土地があってこその物語なんですよね。久々に訪ねてみたくなりました。

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  • GOTH 僕の章

    『夜の章』を先に

    『夜の章』を先に読みましょう。『僕の章』を先に読むとネタバレしてしまって楽しめない気がします。

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  • GOTH 夜の章

    ミステリーorライトノベル

    本格ミステリ大賞受賞作、ですが、
    ライトノベルかミステリーか?それが問題だ。
    ってことはありませんが、確かに微妙なところですね。

    猟奇的な描写が多くて趣味悪~って思うけどそこがGOTHたるゆえんでしょうか?
    (あとがきで著者が言い訳してます)

    謎解きではなくて叙述トリックで楽しませてくれる趣向で、完全に騙されました。ちょっとずるいぞ(笑)
    ということで、必ず『僕の章』まで読まなければいけません。なんで2冊に分けたんでしょう?

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  • 日輪の遺産

    ロマンか悲劇か?

    終戦に際しての、架空の(?)秘宝をめぐるドラマ。
    現在と終戦時という二つの時間軸で話は進みます。
    同時に、さまざまな登場人物の視点が複合的に描かれてストーリーの厚みを感じさせます。

    GHQ側の視点でも話は進みますが、
    マッカーサーってそんな人だったのか?という大いなる疑義が心に湧き上がってとても落ち着かない気分にさせられます。
    ありそうな気もする、ってところがロマンなのでしょうね。

    でも、やはり少女たちの運命の扱いが.....自分にとってはちょっと痛かったです。

    映画は未見なのですが、そこがどう扱われているのかも気になりました。

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  • 「英語公用語」は何が問題か

    TOEIC批判?

    日本の企業が社内英語を公用語にするってどうよ?とは誰でも思うところ。
    社内が人員的にもグローバル化していて必要があって英語が公用語化している会社ならまだしも、
    今後グローバル展開に必要だといって日本人の会議や書類を英語化するなんて、そりゃおかしいでしょ。

    ということいついて専門家の立場で一刀両断しているのが本書です。
    特にそれらの会社が判断基準にしているTOEICは槍玉に挙がっていて、
    たとえば700点以上、というのがどの程度のものなのか、
    ビジネスとして使える程度なのかについて相当厳しいご意見を述べられています。
    まあ、実際そのとおりなんでしょうね。
    英語力がどうという前...続きを読む

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  • 黄金の日日

    懐かしすぎる

    昔、大河ドラマで見た印象がのこっていたので、読んでみました。川谷拓三が道に埋められて鋸挽きされる、たがドラマらしからぬ残酷シーンが強烈でしたが、原作はそこまででもなかったですね。でも面白かったです。

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  • テルマエ・ロマエ 6巻

    鉄蔵

    ようやく最終巻を読みました。
    最終巻にしてあの人が最強キャラに進化!
    登場したときからただ者じゃないオーラでまくりでしたけど。

    話の本筋よりそっちが印象に残ってしまいましたが、第2部にも期待します。
    いや、第2部って本当にあるのか?

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  • マルドゥック・スクランブル The 1st Compression─圧縮 〔完全版〕

    サイバーパンク!

    日本のサイバーパンクもやるなあ!というのが感想。
    最初は、あまりにウィリアム・ギブスンっぽい(もちろん黒丸尚訳の)文体にどうしようか、読むのをやめようかとさえ思いましたが......読み進めると、俄然面白くて気にならなくなりました(笑)
    人物設定、ガジェット、世界観、バトルアクション、そしてカジノのめくるめく頭脳戦、と読みどころ満載で一気に読んでしまいました。お腹いっぱい。

    特に、生身の人間と言うタガを外したバトルシーンは、もう想像力を超えていますね。いったいどんな事になっていたのか、映画で確かめたくなりました。まだ未見なので。

    ところで、読んでいるといろんな作品にインスパイア...続きを読む

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  • 機龍警察 暗黒市場

    ユーリの生い立ちが明らかに!

    今作はロシア人の元警官であるユーリに焦点があてられています。いつも損な役回りのユーリですが、本作でもいつにも増して虐められています。メインキャストなのに。
    ライザがメインだった前作ほどの華(というには暗いが)はないけど、ストーリーの面白さは増していますね。このシリーズ、作を追うごとにパワーアップしていているで楽しみです。
    そういう点では、3作で3人の主人公を描き切ってしまったのに話は終わりそうもない、という今の状況、どう展開するんだろう?

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  • 塀の上を走れ 田原総一朗自伝

    破天荒!

    本書は鉄道員から映像ディレクター、映画監督まで経験して、いまや政界にガッチリ食い込むジャーナリストとなった田原氏の自伝なのだが、なんといっても映像ディレクター時代の話が破天荒で面白すぎる!

    時代の荒波に乗って自己実現していくメチャクチャさは、昭和ヒトケタ世代ならではでしょう。

    そして、田原氏は朝まで生テレビでなぜあんな傍若無人とも思える司会をしているのか?本書はこの疑問に明確な答えをあたえてくれる。

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  • 原典から読み解く日米交渉の舞台裏 日本国憲法はどう生まれたか?

    交渉現場の空気が伝わる

    原典から、とあるので憲法原文の英語版を解説している本かと思って手に取りましたが違いました。

    GHQから日本側にドラフトが手渡されてから受諾するまでのやり取りを記録や手紙の英文で検証するのですが、
    登場人物としてGHQ側はホイットニーとケーディス、日本側は松本大臣と白洲次郎に焦点が当たっています。

    有名な<symbol>という言葉をめぐるやりとりなど、言葉に歴史が左右されていく過程がとても面白くて楽しめます。

    同時に、それぞれのプレイヤーの個性が英文から読み取れる、ということも本書の楽しみの一つです。
    特に白洲次郎とケーディスのやり取りは、その結末も含めてドラマのような展開...続きを読む

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  • へうげもの(1)

    数寄!

    侘び数寄の世界がこんなふうに描かれるなんて!なんたって『デカスロン』の山田芳裕ですからね。絵が凄い!真面目キャラ(明智光秀、石田光成など)とやり過ぎキャラ(加藤清正と伊達正宗とか)の描き分けが強烈。あと淀君....ww

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  • へうげもの(2)

    信長forever

    2巻でいきなり本能寺の変だが........そんなばかな!?という強烈な展開だ。史実の捻じ曲げもここまでいけばアートなんじゃないでしょうか?絵も山田芳裕ここにあり!といった構図のオンパレード。この巻は本作序盤の最大のヤマ場といえるでしょう。

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  • 荒木飛呂彦の超偏愛! 映画の掟【帯カラーイラスト付】

    サスペンス!

    偏愛というと独善的な感じがしますが、本書は荒木氏流の「映画の見方」といえるんじゃないでしょうか?自分はこの映画をこう観る、というのを延々と熱く語っているわけですが、まったく押し付けがましくないところがいいです。マンガの参考にするために長年研究した成果ともいえるでしょう。
    前作はホラーでしたが、本書のテーマはサスペンス。有名作も無名作もTVドラマもアニメもあり、というところが荒木氏らしくて楽しいです。良い映画の判断基準に「泣ける」が入っているのがイイ。
    そしてなにより、あのメインキャラのモデルがクリント・イーストウッドだという事実を明かしていて、しかもイーストウッドにあった時にジョジョ立ちを...続きを読む

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