【感想・ネタバレ】マルドゥック・スクランブル The 1st Compression─圧縮 〔完全版〕のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年08月20日

(1st~3rdまでを合わせた感想です)

本作にはいくつかのバージョンがあるが、私が読んだのは2010年に刊行されたハヤカワ文庫JAの[完全版]。解説では全部読むのを勧められたけど、読むとしたらシリーズの続刊のほうが先だろうからちょっと無理かな・・・
でも時間があれば読んでもいいかも、と思わせるく...続きを読むらいの面白さと魅力にあふれた作品でした。
特に中盤のカジノシーンは、ディーラーとの頭脳戦の描写がスリリングかつ圧巻で、本作一番の読みどころだと思う。敵との戦闘シーンも、重力を無視して歩くとか、情景を想起しにくそうな場面が多いにもかかわらず、さほど気にせず読み進められたのは描写力と文章のリズムが良いからなのではなかろうか。
この設定だとどうしても『攻殻機動隊』や『ブレードランナー』が想起されるんだけど、主人公の置かれた境遇とかが普通のSFだとまずやらないようなハードさで、先行作品とは一味違った新鮮さを感じた。
それにしてもよくこの内容で映画化できたなあと思う。

2

Posted by ブクログ 2023年12月12日

映画が大変面白かったので原作にも手を出してみました。

映画が1時間しかなかったのでてっきり省かれたところがいっぱいあるもんだと思っていたらかなり原作通りに作られていてびっくり。

SFらしい近未来が舞台なのに未成年娼婦は普通にいるし当たり前のように男性社会で今の日本と変わらないなぁと苦い気持ちに。...続きを読む
裁判のシーンなんてセカンドレイプそのものですよね……男性に襲われたらほとんどの女性は殺されるのが怖くて抵抗なんて出来ないと思います。
ラストのバトルシーンでの「男の人ってこんな気持ちなんだ」と言いながら男達を嬲り殺すバレットの気持ちが少しわかってしまってまたつらい。

畜産業者の面々のキャラが立ってていいと思いました。絶対友達にはなりたくないけどなんだか嫌いになれない魅力があります。
小説だと一人一人の生い立ちが語られるので読んでよかったなと。

1番好きなキャラはボイルドなんですが最後どうなるか知っているので読み進めるのがつらいー‼︎

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Posted by ブクログ 2022年09月23日

近未来SFアクション。スーパーガールとして復活した娼婦の少女と、言葉を喋るネズミとのコンビが、少女を身請けし殺そうとした男の犯罪を追う。
カジノにて少女が(男の犯した犯罪の記憶が記録された)チップをそこでのギャンブルに勝つことよって奪取するシーンには驚かされた。緻密な実況解説に著者の教養の深さを見せ...続きを読むつけられた
今作の痛快さは現実の自身の無力さを突きつける、と同時にそれと対峙する勇気をくれる
まず課題に出会ったら、時間がかかっても解決策は自力で編み出そうと思う。気安く他人に訊ねるのでなく。

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Posted by ブクログ 2020年01月13日

面白かった!SF描写がしっかりしていて説得力があり濃密。だけど本作の魅力はそれだけではなく、その上でさらに登場人物たちの葛藤や悩みを丁寧に描いているところだと思う。社会機構の中で搾取され続ける少女という存在、バロットの描写が素晴らしい。一つ一つ「対応を間違えると怒られる、殴られる」と怯えながらドクタ...続きを読むーやウフコックと相対するところは正直泣きそうになってしまった。使用される武器であるウフコックが彼女の痛みに寄り添える存在だということが美しくもあり、彼女がこれまで人ではなくただただ物として消費されてきたのだという事実が悲しかった。「なぜ私なの」というバロットの問いに対して、終盤で彼女が「こんなものなのだ」「こういうことだったのだ」と答えを見つけてしまう所もまたあまりにも悲惨。社会の論理ですり潰されてきた彼女がその答えを得てとる行動が、これまで彼女を虐げ続けてきた存在と同じだということ、「どうして私にもそれが許されないのか」という怒り、どれも切実でやるせないけれど、その行動の結果の悲惨さに胸が詰まる。どうかウフコックとだけはずっと一緒にいて欲しい…。かなり気になるところで終わってしまったので続きも早く読もうと思う。

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Posted by ブクログ 2019年09月18日

心理的に落ちている時に、敢えて読んだハードロマン。他の読者様も紹介しておられるけれど舞台は近未来。

バロットという少女娼婦がヒロイン。彼女はシェルという、賭博師出身のワルに殺害されそうになる。いや、瀕死の状態にされた。

ところがシェルは、それを覚えていない。
ある陰謀のために…。

身体も声も、...続きを読む物的な財産も全て奪われたバロットだが、シェルの犯罪を立証するために、証人となってくれという。

証人保護プログラムの執行のため、彼女には護衛が二人付くことになった。

生体科学や医療に詳しいドクター。
そして、心優しく万能のガーディアン、
ネズミの姿をしたウフコックのコンビ。

バロットに証言させないために、魔手が迫る…。

と、こんなあらすじなのだが

ウフコックがすごく知的で格好いいのは、皆様の指摘の通り。でも、このお話、バロットがゼロからウフコックと一緒に敵と戦うのがすごくいい。

喪失から立ち上がるために戦うヒロインは多いけど
こんなにも凄まじく奪われている女は少ない。

美しく繊細で、汚れているのにきよらか。
という定番の設定に、バロットがとても賢く、ウフコックや敵にも比肩しうる何かを、どう獲得するのか…その過程も読みどころ。

戦闘場面は映画やアニメのように臨場感があって、派手だしハードなのだけれど、凄惨な中に、文章がずっと最初からラストまでリリカルで。どこかに繊細さと詩情が漂っていて…。

圧倒的な展開に、息もつかせないのだけど、静けさがひそやかに流れているのが好き。

ウフコックとヒロインの間の、儚く揺れる糸のような、ひとすじの繋がりが、不安定だからこそ輝いて見える。

傷つけられたものが、時に反転して
傷つけるものになり得ること。

最強だったものが、たったひとつの弱さを晒した時、弱者だったものが盾になるべくどう動くのか。

そして、それでもなお強いものは、弱いものにどう接して、守護者であり続けるのか。

冒険小説の定番の命題が、ここにはぎゅっと詰め込まれている。

ともかく休憩して、続きを読もう。うん。
それが一番だわ。

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Posted by ブクログ 2017年08月27日

本屋大賞受賞で一気に知名度が上がり、ファフナー&マルドゥックの映画公開決定で今最も脂が乗ってる作家・冲方 丁。
本書は数年前に発刊されたマルドゥック・スクランブルに大幅改稿をくわえた新装版。どんなもんだろーと最初の方だけぱらぱらめくり即購入決定、冒頭部分から文章に手が加えられてます。
読点の不自然な...続きを読む多さが改善され大分読みやすくなった印象。
氏も絶賛する漫画版に触発されたエピソードも盛り込まれお得な内容に。
他にもバロットの心情部分が付け足されて、等身大の少女としての輪郭がより濃くなった(心身障害者駐車ペースでの行動など)
バロットの兄関連でヴェロシティとのリンクもあり、マルドゥックシリーズを愛読してきた読者は「なるほど、こう来るか!」と唸るはず。
世界観がよりわかりやすくなったぶん、バロット初診時におけるマルドック09の説明など説明臭くなってしまった箇所があるのがやや残念ですが、畜産業者のトラウマが掘り下げられているのは嬉しい。
彼らが各々のパーツに執着するようになった背景が解剖され、よりその不気味な存在感と猟奇性が際立ちます。

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Posted by ブクログ 2016年09月18日

天地明察で知ったから、自分的には歴史もののイメージが強い作家だけど、もともとはこっち方面の人なんですよね。得意分野ならよほど大丈夫と思いつつ、はなとゆめのことがあったせいで、不安混じりに読んでみたけど、これがまた流石の出来映えでした。それぞれ独立した物語から成る三部作かと思ったら、1-3巻は続き物だ...続きを読むったんですね。という訳でとりあえずまだ序盤ですが、SFとしての環境設定もしっかりしているし、先の展開がまだまだ気になります。

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Posted by ブクログ 2014年03月03日

おもしろい。展開が早いんだけど、それは中身が薄いからではなくて、余分な肉を削ぎ落としたような、無駄のない内容だからだと思う。ページをめくる手が止まらなかった。

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Posted by ブクログ 2013年08月03日

前評判は聞いていたが噂通りとても面白かった。完璧超人だけど悩み苦しみながらもがく少女と人間になりきれないけど人間臭いウフコックのコンビは抜群で、胸踊るワクワク感がたまらなかった。敵との対比もよくできていてSFながら少年漫画のようでもあった。次作も読みたい。

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Posted by ブクログ 2013年06月26日

映画版を観て、大変面白かったので原作を読みたくなったのだけど、映画はこの原作をとても丁寧に映像化していたんだなと。
原作と映画の幸せな融合ではないかな、と。

バロットが生き残る選択をしたことにより手に入れた能力。
その描写も丁寧で、当然ながら映画よりもわかりやすい。
ラストの戦闘シーンにおいても、...続きを読む敵対者をしっかり描いてることで、単なる適役ではなくなっている。
そこがバロットがウフコックという「力」を手にしてしまったことで、不本意(?)ながらも変わってしまい、さながらバロットの方が虐殺者になってしまってるという描写も怖い。
やはり原作小説の方が素晴らしい。

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購入済み

サイバーパンク!

2013年10月07日

日本のサイバーパンクもやるなあ!というのが感想。
最初は、あまりにウィリアム・ギブスンっぽい(もちろん黒丸尚訳の)文体にどうしようか、読むのをやめようかとさえ思いましたが......読み進めると、俄然面白くて気にならなくなりました(笑)
人物設定、ガジェット、世界観、バトルアクション、そしてカジ...続きを読むノのめくるめく頭脳戦、と読みどころ満載で一気に読んでしまいました。お腹いっぱい。

特に、生身の人間と言うタガを外したバトルシーンは、もう想像力を超えていますね。いったいどんな事になっていたのか、映画で確かめたくなりました。まだ未見なので。

ところで、読んでいるといろんな作品にインスパイアされたとおぼしきシーンが沢山ありますが、それも名作へのリスペクトでしょう(笑)

あと、3巻はちょっと長過ぎです。面白いけどこれが厚めの1冊に凝縮されていたらさらに物語の密度が上がっていたんじゃないでしょうか?

1

Posted by ブクログ 2022年04月03日

10年程前にオリジナル版を読んでいるので、半再読。
しかし、記憶がほとんど失われおり完全版によって何が変わったのかは分からず。(私はシェルなのかもしれない)
すごく端的に言えば、この小説は仮面ライダーの変奏である。悪の組織にいいように使われていた主人公が個人の復讐心と社会正義とを繋げて超パワーをふる...続きを読むって、悪をやっつける話である。
戦争、資本主義の巨大な装置によって歪められた男達が敵であり、その歪みの生贄とされた娼婦バロットが彼らに復讐する話である。それ故に、彼女の相棒は人間ではない男、ネズミのウフコックである。
1巻では、バロットが人間的な喜びを取り戻していくシーンが描かれている。次に期待大。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年12月23日

王道のディストピアSF、かなあ
娼婦として生きてきた少女と、喋るねずみ。なんか狙ってる感があるなあ…。けど、バロットが、手に入れた力を「濫用」してしまうところ、それによってウフコックを傷つけてしまい泣きながら戦う、最後のシーンを読んで、なるほどこれは少女とねずみだからいいのだな…と思った。
大体読み...続きを読むやすくおもしろかった。
ドクター好きですねえ…

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Posted by ブクログ 2015年06月27日

アニメ化など話題にのぼることが多くて、ようやく手にした本書だが、予想以上にグロいシーン、ハードなシーンが多かった。特に敵の殺し屋グループがヒドくて、こんなのアニメ化したらどうなるん? 見るに耐えるのか? と下世話な興味がわくレベル。

物語の基本構造はごくシンプルで、復讐譚を兼ねた成長物語。
社会の...続きを読む底辺にいた少女が、たまたま社会的に成功した男に拾われ、専属の娼婦となるが、彼の商売のため、計画的に殺害されそうになる。そこを一組の事件屋がレスキューし、「スクランブル09」という法令にしたがって少女を再生させる。彼女はすべての事情を受け入れ、自分を殺害しようとした相手を追い詰めるため、戦う力を手に入れる。三部作の第一作である本書はだいたいここまで。

シンプルに成長物語とはいっても、主人公の心の動きがきちんと描き出されなくては、まったく説得力のない話になってしまう。その点、この作品では、主人公バロットの心の傷や弱点をきっちり描き出し、それらがどう変化し、さらには暴走するかを丁寧に追いかけている。
また、バロットを保護する事件屋たち――科学者のドクターと人工的に生み出された万能ネズミのウフコックが、とにかくよく出来た人間(ネズミ)で、鉄壁の安心感があり、バロットの凄惨な過去とうまく釣り合いがとれている。

ウフコックの支援を得て、肉体的にも精神的にもすっかり生まれ変わったつもりでいたバロットだったが、彼女が最大のピンチを自分で招いてしまうところが興味深かった。その理由というのがもう、すべての人類に共通するんじゃないかという根源的な理由で、うわぁ、と思った。
身体能力を人工的に強化すること、また生まれつきの才能ゆえに、バロットの戦闘能力はチートといえるレベルまで上がったのだが、これまで支配ばかりされてきた彼女が、他人を支配できる側にまわったとき、彼女は力に溺れ、他者をいたぶることに快感を覚えはじめる。支配と服従は人の心の根源に根ざし、表裏一体の関係だということ。人間は聖者ではないので、しっかり教育しない限り「これまでひどい目にあわされた」→「だから自分は他人をひどい目にあわせないようにしよう」というふうにはならないのだ。

これがウフコックに言わせれば、力の「濫用」にあたる。「濫用」に対してトラウマを持つウフコックは、それ以上バロットを支援できなくなり、最大のピンチに陥った。
もちろんバロットはこのことをすぐに理解し、いたたまれないほどの後悔にさいなまれるのだが、もう手遅れかもしれない。というところで次巻に続く。

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Posted by ブクログ 2015年06月03日

 賭博士・シェルの手により殺されかけたバロットはシェルの犯罪を調べていたドクター・イースターと人の知能を持った万能兵器のネズミ・ウフコックの手によって救われる。
 そしてバロットは二人と共にシェルの犯罪を暴くため奔走するのだが……。

 バロットは家庭環境から娼婦に身を堕とし過酷な人生を歩んできた少...続きを読む女です。彼女の家庭環境の一端は小説内の裁判シーンでも触れられますが、それだけに彼女がウフコックやイースターといった信頼できる大人たち(ウフコックは大人とは違いますが)に出会えたことが、そして彼らを信頼しようとしている姿がとてもいいな、と思いました。

 終盤の戦闘場面の迫力もかなりのものです。バロットはシェルの手により瀕死の重傷を負いますが、マルドゥックスクランブル09という緊急法令により、禁止された科学技術を全身に施されることで生き延びます。その際バロットは特殊な力を手に入れ、兵器でもあるウフッコクの力も相成り自身の力に溺れます。その描写も凄まじいものがあります。

 そしてバロットたちを付け狙うボイルドという強大な敵の存在や、禁じられた科学技術によって生まれたが故のウフコックたちの存在意義の話など読みどころは多いです。文庫で全三巻の作品ですが、あっという間に読み終えてしまいそうな気がします。

第24回日本SF大賞

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Posted by ブクログ 2015年02月22日

未成年娼婦の主人公バロットが、自分を「殺し損ねた」男に、マルドゥック・スクランブル09で得た技能を駆使し、復讐をしようとする話。
登場人物の名前がいいなぁ。横文字のSFってただでさえ用語を押さえないといけない上に人物名まで覚えづらいと全然乗れないから。キャラに関連した名前をつけてあると覚えやすいね。...続きを読む
SFといってもどちらかと言えば能力バトルものに近い。ガジェットも想像力の限界は越えない感じ。
キャラクターの書きかたが上手くて読ませるなぁ。敵役のおぞましさとか、主人公の心情とか。バトルも俺tueeeeee!からの絶望の落差で次が気になる。ボイルドの絶望感はやや唐突な感もあるけども。
気になるけど、すぐに読みたい!てほどではないような感じもする。単純に好みの問題だけどね。もう少し世界観が掘られていた方が好みなんだ。危なっかしいけど守ってあげたくなるような、超強い少女主人公の行く末は気になるけどね。

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Posted by ブクログ 2018年01月12日

少女娼婦バロットは賭博師シェルに計られ爆炎にのまれた。瀕死の彼女は緊急法令スクランブル09により蘇り、シェルの犯罪を追う。

心を殺し、望むことを諦め、男たちに支配され、死さえ従順に受け入れかけていたバロット。彼女が蘇り、手に入れた力を操作する時に感じた征服感と高揚感の描き方が良かった。力を手に入れ...続きを読むた人間は間違いなく彼女のようになるから。

まだ1冊目だけど、最後まで彼女が戦うだけの話なのか、今後彼女の内面の変化を描くのか、気になるところ。

必要以上にグロテスクな部分もあるけど、沖方丁のリズム感あふれる文体は好きだと思った。


*以下引用*

*愛の定義は与えることだ。それにはルールがある。与えられる者が守るべきルールが。それさえ守れるなら、君は愛され続ける (p18)

*(生きていていいの?)誰もイエスと言ってはくれない気がした。それこそ無条件に愛された経験がない人間が抱える欠落だと泡がささやいた。その欠落に従ってこの世から消え去るか、一生涯イエスという答えを探すために生きるのか。 (p49)

*心の殻を、割れずにいるだけだ。あまりに自分を傷つけるものが多すぎて (p70)

*信じられることが何よりの支えだった。裏切られないという確信。それが世界に満ちてさえいれば麻薬も銃も必要ないのだと、何年も前に兄に言われたことを思い出した。 (p117)

*私の知ってる女の子たちみんな、それが手に入らずにクスリや男でぐちゃぐちゃになって生きてる。そんな目に合ってまで生きてる言い訳がほしいだけなのに。(中略)私を愛して、ウフコック。 (p144)

*この全ては自分が起こしているのだという快感が込み上げた。それは圧倒的な支配力だった。物事を思い通りに動かし、感情を持つ人間さえもいいように操作する力。(中略)男のひとたち、みんな、いつもこんな感じだったんだ。これか、と思った。自分を支配する男たちが味わっていたものはこれだったのだ。この胸の焼けるような甘い思い。これをどうして自分も味わってはいけないのか。 (p263-p264)

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年02月14日

 読んでいて攻殻機動隊やサイボーグ009のようなイメージを持った。SFを装飾品としてちりばめながら、人の暗い内面を描いている本だと思った。人の暗くてバイオレンスな部分を無機質に描いている印象を受けた。

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Posted by ブクログ 2013年12月09日

奪われるばかりでいいこと無しの未成年娼婦の少女がシリアルキラーに瀕死の重症を負わされたとこり、事件解決のために最新技術により特殊能力を得て復活する。

そんなお話。

攻殻機動隊のような義体化が進みつつある世界で、カラッポの少女の成長の物語。

構成は

少女を中心に主要人物を紹介しながら世界観を形...続きを読む作っていき、少女が殺されるところまで。

復活と自覚

訓練と戦いの予兆

開花と窮地

絶妙な間で次巻へ

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Posted by ブクログ 2013年09月29日

バロットの可憐さとウフコックの渋可愛さ、ボイルドは虚無で畜産業者は醜悪で...。完全改稿版を読み直してます。
旧版の文章と比較できるほどの記憶力はなかった。
ストーリーも程よく忘れていて、わりと新鮮な感じで読めてます。

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Posted by ブクログ 2013年09月19日

3冊とも購入しました。退廃的な世界観と言葉の選択、韻が好みです。なによりも喋るネズミ(ウフコック)と喋れない少女(バロット)のコンビがかわいいくかっこいい。気に入って映画も見ています。

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Posted by ブクログ 2014年05月25日

面白かったけど、表紙がカバーかけないと持ち歩けない……
天地明察とはえらい違う世界なんだな。
メカが苦手な私でも何とか読めました。SFにしては読み安いのかな。

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Posted by ブクログ 2016年01月17日

アツい。非常にアツいSFだこれ。全部のキャラクターが個性あるのも良いし、なによりダークな文体がSFしててグッド。個人的にはバロットの性能チェックのシーンが一番燃えた。感想見ると天地明察からこれ読んでるひとが意外といて、しかも結構評価高くてびっくりw みんなどんどんSF読もう…。

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Posted by ブクログ 2021年02月22日

カジノのシーンが長くて詳細に描かれててギャンブル小説みたいだけど、そこが面白かった。戦闘シーンは特殊すぎて掴みきれないところがあったけど、凄みは伝わってきた。世界観とか設定はすごく良い。

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Posted by ブクログ 2018年12月31日

冲方丁作品は先に『天地明察』、『光圀伝』を先に読んでいて、どちらも素晴らしかったので、元々SFが本業だということに驚いた。

『マルドゥック・スクランブル』は3冊組で、①はいかにもSFという感じの戦闘モノの色が強い。著者の言葉選びは面白いと思う一方で、ちょっと中2感がすぎるなと感じる時もあって、その...続きを読む辺はちょいと寒いかなと。
ただ②、③は戦闘より、ギャンブルのシーンが長く、ここがとにかく面白い。SFらしく特殊能力を使っているものの、それを凌駕するほど強いディーラーとの戦い。


“撃ったら引く(ヒット・アンド・ラン)。プレイヤーいつも不利な条件だから。自分よりも強い相手と戦うための戦法。”

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Posted by ブクログ 2018年10月08日

やたらと褒める人が多いがそこまでじゃない、カジノのシーンは引き込まれるがクドい、ほかは特になし、ラノベ基準でいいならかなり文章はうまいでしょう

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Posted by ブクログ 2017年11月28日

切ないバロットの半生を支える真摯なウフコック。この二人に幸あれ。精神的な描写はゾクッとするほど不意を突かれた。

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Posted by ブクログ 2016年03月03日

賭博師に買われた、専属娼婦の少女。
言いつけをやぶり、『自分』を知った事により
炎に抱かれる羽目に。

青ひげみたいな状態だな、と。
結局、知ってしまった『自分』の正体が何なのか、は
最後まで持ち越し、のようです。
事件をなかった事にしようとする相手と
公にしようとするこちら。
最後の攻防戦がすごい...続きを読むです。
冷静に、そこまで考えて行動ができるのは
ここまでの人生のせいでしょうか?

この後、敵からどう逃げてどう裁判の続きをするのか。
色々謎です。

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Posted by ブクログ 2015年10月01日

『もしも2ちゃんねるがなくなったら』

もしかしたら、僕らは変われるかもしれない。ある意味、僕らの退屈は消費されている。能力や有用性や生まれた意味など、どうしようもなく人が与えられる事を何故か無意識的に行う奇行に対してのなにか。生まれた意味?

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年08月13日

「何が幸福で何が不幸せなのか」。自分で全く考えるということをしてこなかった少女娼婦(そのような環境だった)が自分で生きたいと願った事により立場や環境がまるで変わり考えなければならなくなった話。
副題?の圧縮には次巻への助走というイメージがよくあっている。

この話は圧倒的に彼女の成長がキモであるが、...続きを読むこれからの話しを想像するとウフコックのはたまた、機械工学、システムの成長が書かれるような気がしてならない。
彼女という雛がすでにある常識に縛られた大人達のハリボテをどのように見抜き、その力を持ってして破壊するか。
1巻は彼女の判断力や善悪を見定める力を養い、考え方を示す巻だった。


文章自体にも少し引っかかった。
まず冲方さんはこういう書き方の文章を書くんだ〜って思った。天地明察をすこし読んだくらいなので。
結構この本はラノベみたいな読み口を感じた。文も、キャラクターもそんな感じ。
文章は結構無駄がなく、ある種無感動に進んでいくイメージ。語りてや世界観の支配がそこによく現されているようでSFらしさ(古典の海外SFを読んでるみたいな)がある気がした。

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Posted by ブクログ 2013年10月20日

攻殻機動隊脚本の人、という世間とは逆の?知り方をした作家さん。

瀕死の重症を負った後、圧倒的な力を手にした不安定な美少女が主人公のSF。
ちょっとひどい言い方ですが、それ以上でもそれ以下でもないです。

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