スクールカースト上位のリア充高校生が、知識・経験ゼロの状態から美大を目指す青春物語です。
第1巻では、それまでやりたいことも情熱を注ぐようなものもなかった主人公が、絵を描くと自分の好きなものと向き合うことができる、と気づくシーンが印象的です。
彼は、美術の授業で「私の好きな風景」という課題を与えられ、「まどろみの中で青く見える早朝の渋谷」が好きだが、それを好きと言うことを怖がっていた自分を自覚します。
そして、完成させた絵を褒められたことで、彼は美術に関心を抱き、実質倍率200倍(!)の超難関大学である東京藝術大学を目指すことになるのです。
「好きなことは趣味でいい」とよく聞く大人の理論がありますが、それを言い訳にせず、好きなことに人生を賭けようとする主人公の若さとひたむきさが眩しい作品です。
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Posted by ブクログ
62~65筆目
夏休み編がやっと終結。
「当事者だからってその出来事が同じように見えているわけじゃない」
「なんで立ち直らなくちゃいけないの。その悲しみを一生背負って生きてもいいんじゃないの」
これ両方とも世田介くんの言ったことだけど、この人ちょいちょいええこと言うな。
1つめは悲しみから立ち直ってない八雲さんが事実を誤認していたことをふまえて八虎くんに言ったこと。
2つめは八雲さんに対して言ったことだけど、悲しみを引きずっている人に対してたいていは「早く立ち直れ」だの「立ち直ることが悪いことではない」というけれど、立ち直らないで生きていくことも肯定するのもアリかな、と思わされました。
巻末の学園祭の話はめっちゃ好き。懐かしい人も出てきたしまさかのつながりが。ユカちゃん登場がうれしい!てかマキちゃん、ユカちゃんのフォロワーかいっ。
私もですが(リアルで)。
Posted by ブクログ
芸術以前に人間ドラマだった。
死を受け入れられない。
そんなとき、「なんて立ち直らなくちゃいけないの?」の一言で救われる。そう、救われる。
それにしても作品の展示の風景は素晴らしいなぁ。
14巻から一気に読んだ
何気なく買いっぱなしの14巻を今朝開いて、15巻ラストまで一気に読んでいた。絵を描く喜びを得てから、たくさんの道程と確かに何かを拾い続けてきた八虎。ここで、ようやくまたひとつの到達点に至った。ずっと考え続けてがんばってるよね、お疲れさま。そしておめでとう。この先も君の作品や出会う人たちを追っていきたい。
Posted by ブクログ
このシーンのために今までの広島編があったんだろうなとそう感じさせてくれるような特別な一コマが印象深い。死とどう関わるか、いろんな答えがあるのは美術もいっしょで、八雲くんたちはようやく折り合いをつけることができたようでスッキリした。
今回も面白かった。蟹江ギャラリーの人たちそんな悪い人ではないのかもと思った。
村井がギャラリーで言ってた内容その通りだと思う。
真田さんは天才(ぶっとんでる)な部分が危うくて儚くて切ない。
八雲の発言ってそんなSNSで炎上一色になるかな?
「一理あるけどわざわざ展示で言うことじゃない」みたいなコメントを叩き判定に入れないなら、割と叩きコメントの割合少なそうだけど。
むしろクリエイター系から投稿者に対して嫌悪感を露にするコメントの方が多くても不思議じゃない。
Posted by ブクログ
みんなの想いを部外者なりに咀嚼した結果の八虎の作品には、その子は"居た"し皆の中にはまだ"居る"んだなあ。
八虎の優しさもよたの優しさも、3人の強さも、
ぎゅっと詰まった15巻…涙なしでは読めませんでした…はあああ好きな漫画すぎる
Posted by ブクログ
真田まち子の死を受け入れる 手放す
人間は目に見えないものを共有できるからこそ 死というものをみんなで解釈して受け入れたり手放したりできる
その悲しみを一生背負って生きてもいいんじゃないの
入選し作家デビューした八虎
画家(プロ)になるってピカソと同じ壁に並ぶってこと