スクールカースト上位のリア充高校生が、知識・経験ゼロの状態から美大を目指す青春物語です。
第1巻では、それまでやりたいことも情熱を注ぐようなものもなかった主人公が、絵を描くと自分の好きなものと向き合うことができる、と気づくシーンが印象的です。
彼は、美術の授業で「私の好きな風景」という課題を与えられ、「まどろみの中で青く見える早朝の渋谷」が好きだが、それを好きと言うことを怖がっていた自分を自覚します。
そして、完成させた絵を褒められたことで、彼は美術に関心を抱き、実質倍率200倍(!)の超難関大学である東京藝術大学を目指すことになるのです。
「好きなことは趣味でいい」とよく聞く大人の理論がありますが、それを言い訳にせず、好きなことに人生を賭けようとする主人公の若さとひたむきさが眩しい作品です。
感情タグBEST3
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お絵描き教室
*主にあらすじのネタバレ
今回は春休みにお絵描き教室でバイトをする話でした。
絵を描く子供たちがたくさん出てきて、昔を思い出して懐かしくも少し悲しくなりました。私も昔は絵を描くのが好きでしたが、色々考えて一切やめてしまった…
久しぶりに登場した橋田くんの繊細な一面も見れて良かったです。
「空気を読む」子どもの脆さ、親自身も意識しない期待とプレッシャーに擦り潰されていく子どもを上手く描いていると思いました。相変わらず観察眼に優れた作者さんには感服です。
匿名
なんて面白いんだ。ほんとこの先生に美術習いたかった。
芸術もっと触れたかった。いや今からでも遅くないかな…と思いながら読んだ。
芸術に触れたくなるこれも芸術だわ。
深い……!
八虎がお絵描き教室の先生としてちゃんと生徒と向き合っていて素敵です。
親の期待に背かないように、模範的で分かりやすいお利口さんになろうと自分を枠に当てはめることを小さい頃から無意識にやってしまう……
愛ゆえに辛いものもありますね。
主人公のバイト編で子供と接する大変さ面白さが書かれていて面白く感じた
作中に書かれていた「いつから絵が嫌いになっただろう」のような言葉を読み自分も考えてさせられました
後最後の最後で次の巻が気になる終わりかたで面白く感じた
最高!
葛藤したり、たくさん悩みながらもそれぞれの道を歩んでて、もうブルーピリオドにどハマりしました。みんながんばれーー!
無理
全世界の子どもが幸せになってくれないと無理。
これは物語だから一応最後に読者がハッピーエンドだったんじゃないかと思えるような描写があったけど、現実。本当に全世界の子どもに幸せになって欲しい。
てか思うだけで何もしてない自分。結局こうやって思ってるだけで行動しない人がたくさんいるから何も変わらないんだね。でも何かを良い方向に変えられるほどすごい人間なんてそうそういないから本当に神様????
全世界の子どもを幸せにしてください。
とりあえずこの本を全世界の人間に買わせて読んでもらいたい(
Posted by ブクログ
漫画でここまで泣くのは初めてってくらい泣いた。
ここに出てきたさえちゃん、翔也くんどちらも
自分の子供の時を見てるようで、
子供の時の自分を佐伯先生や八虎や橋田くんが救ってくれたような気分になる。
自分の子供の時にこんな大人がいたら今は違っていたのだろうと思う瞬間もあったが、
それ以上に翔也くんが八虎きっかけで楽しく描けるようになったことや
描き下ろしの多分さえちゃん?が絵画教室に戻ってきた部分が見えて嬉しくなった。
特にさえちゃんと橋田くんの話はすごく面白かったし、共感できる部分が多くあったが心に何とも言えない切なさを残すようなそんな終わり方が秀逸だった。
最も心に来たのは翔也くんのシーンで
みんないつの間にか自分とは違う方向を見てて、
社会的価値が見えるようになって
自分が置いていかれる感覚
それを選べてない自分が不正解みたいな感覚
っていう部分。
本当にそうだったなあ…と昔から絵を続けている自分を振り返って泣いた。
小さい時は絵を描いたら、褒められてたのに
いつの間にかいつまで続けるの?とかそれでプロになれるの?とかそんなことばかり言われてきて
段々と人に求められることをするようになって…
子供の時に言われた無自覚な一言ってかなり心に残って影響を与えるもんだなと改めて思ったし、
言ってる方は悪気がない部分もあるからこそ難しい。
子供は素直ゆえに全部ちゃんと聞いちゃうからこそ尚更…
自分がもし、いつか子供の教育に触れる機会があるとしたら中学生くらいまでは何かを通して感じる好きという気持ち、楽しいと思う気持ちを1番に育ててあげたいと思った。
そして、この世界は資本主義なのでどうしても
人に求められるものこそが正義となりがちだが
そんな今だからこそ、自分が自分で価値と感じるものやことに触れる時間を何歳になっても大切にしていくことが大事だと改めて感じた。
読み進めるごとに面白くなるブルーピリオド、
今後の展開も楽しみ!
人の気持ちに寄り添うということ
11巻は、八虎が2回生に進級するまでの春休みを描く。
物語は前巻で八虎が電話をかけたシーンから再開され、そこからは絵画教室に通う子どもたちと向き合う八虎、絵画教室に仲間入りする橋田も交えて進んでいく。
ストーリーを読み進めていて、橋田の知識や見識の深さに尊敬の念を覚えたのだが、そんな彼でもコンプレックスに思っていることがあって、そこは意外だったが、いつも表情を崩さない彼の人間らしい面だと思った。
小枝ちゃんのお父さんの無意識さは誰でも持ち合わせていそうで怖いと感じた一方で、小枝ちゃんが追い詰められていく様を見ているのは辛かった。しかし、最後に「あ、自分と向き合えたのかな」と思えるシーンがあったことで救われた。
11巻は、八虎も翔也くん達との物語があるものの、群像劇のような様相を呈している気がした。
次巻にも期待。
お絵描き教室でのアルバイトを通して八虎は色々得られた模様。
橋田は飄々としているイメージだったけど、表に出さないだけで、たくさん悩んでいるんだろうな。
早く続きを読みたい。
Posted by ブクログ
ブルーピリオドは美大生の話なんだけど、すべての「絵が好き(だった)」人の話で、気付いていないかもしれないけれど、これはあなたの話なんですよって言われているような気がした。世界が同じように見えている人なんていないのだから、あなたにはどう見えていますかと、これは少しずつ、それに気付かせてくれるマンガなんじゃなかろうかと今回で思い至った。
いろいろな要素が絡み合う話で全体的にしんどいのだが、しかし何より堪えるのは別に誰が悪いわけでもないということだ。保護者による子どもへの不理解は「悪」に見えるし、彼らを悪者にしてしまえれば話はすごく簡単だ。実際それは良くない影響を及ぼしてもいたわけだが、しかし作中でも言及されている通りそれは「無自覚」であるということ。無自覚である以上、誰だってこの11巻の中にいた親たちのようには成り得るのだということ。そういう無自覚な眼差しに誰しもが大なり小なり晒されて人格形成をしてきていて、その中で如何様にも人生は変わってしまう。絵が好きだという気持ちを高校生のうちに取り戻せた八虎は幸運だったと言うしかなかった。子ども時代に、自分の道を自分で選ぶなんてことはそうそうできない。でも、これを読んでいる大多数は大人だろう。今の自分に、じゃあ何ができるか。辛くても向き合い続けたいものは今、改めてあるか。今なら周りを気にせずにできることもあるんじゃないか。