【感想・ネタバレ】聖闘士星矢EPISODE.G アサシン 13のレビュー

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Posted by ブクログ

仕事が忙しすぎて、心が疲弊してしまった時に読んで回復しよう、と思って、その時が来るまで寝かせておいたら、すっかりと感想を書くのに時間がかかってしまった
もう、(14)は書店に並んじまったってのに
しかし、岡田先生への、そんな罪悪感すら吹き飛ぶ、いや、凍り付き、木端微塵になるほど、この(13)のストーリーは激熱だった。衝突したのは、現生の理すら超える、二つの絶対零度の力だったけども
この(13)の内容を、シンプルに語ると、一人の少女の命を救うために、多くの漢たちが本気で、不可能に挑み、全力を尽くす、だ
対戦カードも、これまた、グッと来る。『聖闘士星矢』シリーズで、ファンが連想する師弟は、恐らく、紫龍と童虎か、氷河とカミュだろう
そう、この(13)で激突するのは、氷河とカミュ
しかし、カミュはアイオロスの幻朧魔神拳により、赤き鬼になってしまっている
愛娘・ナターシャの命を救うべく、父として氷河は、カミュに挑むんだが、ここで、彼の悪い癖が出てしまう
トラウマが起因しているんだろうが、氷河には、自分の生死を軽視している節がある
娘が救えるなら、自分の命くらい捨てられる、カッコ悪い、間違っている、とは一概に言えないけれど、その判断と選択、行動で悲しむ者もいる。それを知っても尚、決断できるのが氷河の砕けぬ強さと言えるんだが
そんな氷河の覚悟を諫めるべく、仮初の命を得て、戦場へ顕現した男
その男とは、氷河と星矢らとは違った友情で結ばれている親友・アイザック
氷河を命を懸けて救い、かつて、氷河に命を奪われたアイザックは、今、親友を助けるべく、再び得た命を彼の為に使うべく、ここへ来た
愛娘と親友、そのどちらかしか守れぬ選択を迫られた氷河
ナターシャを生かすべく、アイザックの命を犠牲にするしかなかった氷河の苦しみ、岡田先生はグッと来る表現で描いてくれている
友の命も犠牲にしても、カミュの放つ冷気と拮抗する事が出来ない氷河
しかし、彼の努力と娘への愛、何よりも、アイザックとの友情は、ここで氷河を裏切ったりはしない
二つの力を共有した時、弟子たちの燃える魂が放つ冷気は、人すら凌駕した師の凍気に並んだッッ
そんな氷河の覚悟、彼らの友情を無駄にしないために、仲間らが全力でサポートしてくれる展開が、これまた、読み手の胸を全力で打つんだよ!!
バトルパートが、最もグッと来た訳だが、自覚なしに、アテナらしさを発揮するヨシノが、黄金聖闘士らを叱り飛ばすシーンは、つい、笑えてしまう
あのデスマスクですら、ヨシノには、持ち前のヒールさを保てず、良い人っぽくなっちゃうってんだから、彼女は本物だよ、うん
氷河がメインの話だけど、デスマスクの存在感も何気に大きいのが、この(13)の特徴と言えるんじゃないか
確かに、デスマスクは良い人じゃない。ただ、根っからの悪人ではない
奪った命と魂の数は相当だろうけど、無差別に殺した訳ではない
聖域の掲げる正義に徹し、その絶対性を害する可能性がわずかでもある存在であれば、誰であろうと命令通りに殺せる、それがデスマスクの揺るがない強さ
自分がない、からではない、自分があるからこそ、聖域の下す命令に対し、十順に従えるんだろう、デスマスクは
もしも、聖域が悪となった自分らを討て、と命令すれば、デスマスクは躊躇いなく、その命令に従うに違いない
そんな彼だからこそ、シュラ達は信用しているんだろうな
こんな凄い男たちが揃っているんだ、絶対、ナターシャの命は救われる!!
それにしても、今巻もカバー下のオマケ漫画は、強烈だったな
カミュは冷静な男だってのに、そのカッコ良さが瓦解しちまってるよ
ただ、これは、カミュが情けない男に成り下がったって訳じゃなく、彼の中から、元からあった父性を大きくするほどに、ナターシャが激可愛いって話
やっぱり、むさ苦しい男と、可愛い系とは言え、少年に囲まれる生活だったからか、娘が欲しかったのかな、カミュも
そんな意外な一面もあったカミュは、果たして、この戦いの後、どちらに付くんだろうか
この台詞を引用に選んだのは、アイザックの逝き様がカッコ良すぎなので
藤田和日郎先生のファンなら、彼の最期にグッと来てしまうはずだ
次代へ繋げる、人としての強さが、彼の微笑みには宿っていた
「氷河―――人の死の為ではなく、人の生の為に生きる。誰かの犠牲ではなく―――誰かの為に、最後まで、『生き抜く』者で在れ―――そうであれば、死は、無駄ではない」(byアイザック)

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2019年02月07日

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