東浩紀のレビュー一覧

  • ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる
    今ではなかなかお目にかからなくなった、ガチの評論家のエッセイ。
    「ゲンロン」よりも先にこれを読むことをおすすめする。
    その後、ゲンロンを楽しみやすくなる。

    評論できてないのに評論家ぶってコメントするタレントじゃなく、彼のような評論家に戻ってきてほしい。
  • 動物化するポストモダン オタクから見た日本社会
    東さんが自分の中でトレンドになりつつあるので、初期の代表作を手に取る。90年代のオタクの閉塞的な空気と何となくネガティブな印象とポストモダン的な社会を結びつけて論じられている。人間関係の希薄さがとやかく騒がれてた時代の雰囲気をおおよそマッチしてるかな。

    2023年のオタクはどうなのか、結構オタクの...続きを読む
  • 2035年の世界地図 失われる民主主義 破裂する資本主義
    いずれの登壇者も中国を(アメリカも)過大評価せず、いずれたち行かなくなると考えている。また今後注目すべきインドについての見解が興味深かった。
    アタリ氏の「未来の自分に優しく」は、まさにその通りである。
  • 2035年の世界地図 失われる民主主義 破裂する資本主義
    4名の著名な知識人へのインタビューと、それを踏まえた日本の知識人による論評という構成。日本の知識人の方々は、確り自身の意見を述べていて好感が持てた。


    また4名のインタビューの中では、ミラノビッチ氏の話が面白かった。

    曰く、エレファントカーブを見ると、程度の差こそあれ、あらゆる人々がグローバリゼ...続きを読む
  • 忘却にあらがう 平成から令和へ
    本書は2017年から2022年までの出来事をコメントしているが、表題にあるように忘れていることが多い.このような形で残しておくことは非常に重要だと思う.特にCOVID-19に関して政府のドタバタ劇は思い出しても噴飯ものだ.トランプの登場も同じようなものだ.人口に膾炙した事件を違った角度から見つめ直す...続きを読む
  • 弱いつながり 検索ワードを探す旅
    自分が今いるコミュニティから外に出てよその文化を体験するってことの重要性はとても共感。これは自分の視点として私自身も日頃から志向している。
    そこからさらに、よそ者がよそ様のコミュニティに無責任に首を突っ込んで当事者でもないのに好き勝手思ったことを発信すること は咎められがちだけどむしろ新たな解とか可...続きを読む
  • 2035年の世界地図 失われる民主主義 破裂する資本主義
    考え方、捉え方の好き嫌いはあると思うが、ガブリエル、トッド好きはすんなり読める。対談内容を日本人がさらに評論するという形式は面白い。本人がいないので忖度もなく好き勝手(良い意味で)言える。
    4人の主要な意見はもちろん勉強になるが、それでもその道を本業とする人たち固有の考え方の特長があるように感じる(...続きを読む
  • 一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル
    デジタル時代の民主主義の在り方について、10年以上前に出たこの本で触れているのは驚きです。政治にコミュニケーションは不可欠と思っていましたが、国民全員がコミュニケーションが得意なわけでもなく、ただ、こうして欲しいという潜在的な欲求は持っているもの。これをテクノロジを駆使すれは、一般意思として抽出でき...続きを読む
  • 動物化するポストモダン オタクから見た日本社会
    非常に面白く読むことができた。

    「大きな物語」が失われたポストモダンの時代には、「物語消費」から「データベース消費」に移行していく。

    ガンダムとエヴァンゲリオンの対比や、キャラ萌えの話を社会的な大きなテーマに結びつけていくところが、知的に刺激的だった。

    しかし、まだまだ勉強不足なので、関連書籍...続きを読む
  • 忘却にあらがう 平成から令和へ
    2017年1月2日・9日合弁号から2022年4月19日号までの週刊誌AERAの巻頭コラム131本。まったく「忘却にあらがう」こと出来てません。すっかり忘れていることばかり。今日より明日という未来志向に駆動されてしまっています。昨日のことを思い出させるのはGoogleのフォトライブラリーの思い出リマイ...続きを読む
  • 忘却にあらがう 平成から令和へ
    巻末の付録の「平成という病」がこの本の本質なのだろう。東さんが平成を生きたこれまでに失望し、疲れ、やる気を無くし、それでも令和という時代を迎え、偽りでない希望を見出そうとまた立ち上がりそうな気配だ。
    なーんて偉そうなことを言える人間ではないが、この人は本当に素直に自分の失敗だったり不明だったりをきち...続きを読む
  • 弱いつながり 検索ワードを探す旅
    検索エンジンに支配され固定的な生き方をするよりも、偶発的な発見や出会いを求めて新しい旅の可能性を探ろう。利便性は便利で最適化されているように思いがちだが、型にはまりすぎてしまう恐れもあるので要注意。自分は旅行が割と好きな方だが、常にガイドブックとスマホの指示通りに旅していて、パッケージ化されていたな...続きを読む
  • 動物化するポストモダン オタクから見た日本社会
    “しかしポストモダンの人間は、「意味」への渇望を社交性を通しては満たすことができず、むしろ動物的な欲求に還元することで孤独に満たしている。そこではもはや、小さな物語と大きな非物語のあいだにいかなる繋がりもなく、世界全体はただ即物的に、だれの生にも意味を与えることなく漂っている。意味の動物性への還元、...続きを読む
  • 新記号論 脳とメディアが出会うとき
     記号論とはなにか。歴史からここまでの新しい言説までをまとめたものである。知を愛するものであれば必読の書である。
     この分野はコンピュータ、AIの発展の礎になっているし、そもそもメディアを探究する場合にも必要になるものである。
     本書に「ヒトはみな同じ文字を書いている」、「ニューロンリサイクル仮説」...続きを読む
  • 私たちはどう生きるか コロナ後の世界を語る2
    コロナ後の日本社会はどのように変化してゆくのか。変化した社会にどう生きるか。桐野夏生さんの「不寛容な時代、自由な小説から力を得て欲しい」の言葉に、不安の塊がふうっと軽くなりました。
  • ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる
    誤配=啓蒙
    オルタナティブこそが反資本主義、反権力になりうる。有料化されたコンテンツで健全なコミュニティが作られる。
  • 動物化するポストモダン オタクから見た日本社会
    オタクにとって価値を見出す点が、作品から作品の文脈に変遷していくまで。同人活動へのつながりがスッキリ理解できた
  • ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる
    オイラ東浩紀より4つ下なんで、ちょうどこの本に書かれてる時の東浩紀くらいの歳なのよね。で、外回りの営業から内勤の事務職へ異動。「会社の本質は事務」とか「任せると目を逸らすとは違う」とかいろいろ刺さり過ぎる。まぁ東浩紀でもこんだけ迷い惑ってんねんから凡人の我々なんぞが40過ぎて迷ったり惑ったりするのも...続きを読む
  • 動物化するポストモダン オタクから見た日本社会
    うまく時代の表層の流れは捉えている。
    最後のゲームyu-noの紹介は実例として面白いが、妥当性があるのか、筆者が言う通り深読みではないのか、その疑念を晴らす作業が欲しかった。
  • ゲンロン12
    東浩紀の訂正可能性の哲学。公共性を開放性ではなく、訂正可能性としてとらえるという新しい哲学。そして東的な家族という概念。とても熱くなった。