東浩紀のレビュー一覧

  • セカイからもっと近くに 現実から切り離された文学の諸問題
    まとめ

    ○かつての文学
    ・現実で生きる人々の喜びや苦悩を汲み取り、作品表現として昇華するという役割
    =社会や政治をふまえたうえでの創作が価値を持っていた
    ・文学と社会が「公共的」な関係を持っていた

    ○現代の文学
    ・現代の社会はあまりに複雑で、わたしたちはもはや社会全体をうまく見渡すことさえできな...続きを読む
  • ゲンロン0 観光客の哲学
    わかりやすさがすごい。
    ラカンの解説ではじめていっている意味がわかった文に出会った。
    論理が明確。
  • ゲンロン0 観光客の哲学
    確かに過去のどのゲンロンよりも読みやすい(カラマーゾフの兄弟は再読しないといけないけど)。観光客という響き、家族という言葉に対して扱う内容は深い。2017年の、いま、この環境において、いかに他者と関わることができるのか、世界とどうつながることができるのか、社会をつくることができるのか。それが「観光客...続きを読む
  • ゲンロン0 観光客の哲学
    不思議な本である。そして同時に傑作である。

    本書のテーマは重い。極めて重い。今の世界が直面する困難の構造を析出し、それを突破する主体を構想する。それが本書の目的である。ところが、その重すぎるテーマを前にして本書の叙述スタイルはなんだかとっても妙だ。文章はわかりやす過ぎるほどに明快であり、哲学書・思...続きを読む
  • 戦争する国の道徳 安保・沖縄・福島
    3人とも今の日本を憂いている。危機感を持っている。日本がアメリカの属国的な立ち位置から脱却し、真の独立性を取り戻すために安易な国家主義的ナショナリズムに走るのではなく、保守主義の神髄を説く。
  • 戦争する国の道徳 安保・沖縄・福島
    宮台真司を見直すことが出来たのが最大の収穫。結局現在は右も左も迷走しているというのは同意。どうしても悲観的になってしまうね。
  • 社会不満足 ―乙武洋匡 対談
    対談形式だから読みやすいし、いろいろ注釈が付いていてわかりやすかったです。
    学校関係者に1番読んで欲しいなと思いました。
    そして子どもたちのことを考えられるように。
  • 社会不満足 ―乙武洋匡 対談
    これは、「さすが乙武さん」と唸ってしまうような、そうそうたるメンバーとの対談を集めた本。あえて言えば、ちょっとキャッチ―なひとばかり集めすぎている感はあるけど、これでも十分これからの日本を考えるためのきっかけは与えられるんじゃないかと思う。
  • 社会不満足 ―乙武洋匡 対談
    とても刺激を受けた。
    考えること、さらにその後、行動すること。
    久々に刺激を受けてやる気になった。
  • 社会不満足 ―乙武洋匡 対談
    乙武さんは聞き上手な人ですね。乙武さんを前に対談相手の人は割合にリラックスして、でもきちんと言いたいことをわかりやすく伝えていたと思います(伝わってきました)。対談相手と乙武さんの個性がよく出ていた本だと思いました。
  • 社会不満足 ―乙武洋匡 対談
    乙武氏のインタビューは、対談相手に対する敬意と理解に満ちていて、かつ和やか。個々の特性を引き出す対談のそれぞれが内容的に深く絡み合っていて、今の社会がどうなっていて、これからの社会に何が必要なのか示唆するかのよう。でいて、読みやすい。巻末の鼎談は、生で聴いた身としては、広く知れ渡ることが嬉しいような...続きを読む
  • 社会不満足 ―乙武洋匡 対談
    教員問題を知るために、教員免許を取った現場主義の乙武洋匡さんが、より社会問題を知るために各分野の現場で活動している専門家の方々と対談する『R25』での対談連載「乙武洋匡の自問多答」をまとめた本です。

    テレビで報道させる社会問題は、一般人からするとあまり身近に感じられないかもしれない。
    だけど、この...続きを読む
  • ゲーム的リアリズムの誕生 動物化するポストモダン2
    オタク世界をちょっとかじっただけの自分でしたが、「なるほどなぁ」と楽しく読めました。
    舞城王太郎さんを知るきっかけにもなった一冊です。
    「九十九十九」の最後の方の見立てのくだりがすごく好きです。


    ん、これは「九十九十九」の感想になっている…?



    この本のおかげで
    →メフィスト賞巡礼
    →西尾維...続きを読む
  • 父として考える
    父として考える

    P.17 循環する時間と成長する時間
    あるステイタスのときに特定のコミュニケーションをし忘れると、そのときに意味があった刺激がそうでなくなるので、「だったら時間を有効に使わなくてはいけない」と思うようになりました。(宮台)

    おっしゃる通りです。5,6歳までが決定的に重要な時期だと...続きを読む
  • ゲーム的リアリズムの誕生 動物化するポストモダン2
    本書にも言及のある通り、社会と物語との関係について述べたもので、ラノベや美少女ゲームが考察の中心。
    キャラクター小説、データベース消費、まんが・アニメ的リアリズム、ゲーム的リアリズム、想像力の二環境化、自然主義的読解、環境分析的読解、コンテンツ志向、コミュニケーション的志向、文体の半透明性。
    本書で...続きを読む
  • IT時代の震災と核被害
    次世代を担う人たちの答え。
    震災当時、震災以前の反省と現状認識、そして将来への課題など素晴らし良い内容がつまってる。
  • ゲーム的リアリズムの誕生 動物化するポストモダン2
    前作よりも刺戟的。
    なるほどキャラクター小説の読み方とはこうか、とひざを打つことしばし。
    もちろん作品の選定に偏りはあるとはいえ。
    さすがあずまん。
  • IT時代の震災と核被害
    ルポから思想まで豪華布陣だが、宮台さんの激憤しながらの筆致が鮮やか。『「ファストフードからスローフードへ」と同じく「原子力から自然エネルギーへ」も日本的に勘違いされるでしょう。〈食の共同体自治〉の問題が、食材選択の問題に短絡したように、〈エネルギーの共同体自治〉の問題が、電源選択の問題に短絡するでし...続きを読む
  • リアルのゆくえ おたく/オタクはどう生きるか
    大塚英志と東浩紀の、4度にわたる対談を収録したもの。
    二人の議論は、さながら紙媒体出版世代の価値観と、ネット世代の価値観のぶつかり合いが見える。大塚英志は「どうして自分が東の主張に納得いかないか」、ということを追求して説明を求め、東浩紀がそれに冷静な返答をしているため、二つの価値観にどのような違いが...続きを読む
  • ゲーム的リアリズムの誕生 動物化するポストモダン2
    「物語」は不定形なものであり、書き方も、読み方も、それが姿を現す場所も、昨今においては、確率論でしかないように僕には思えていたのだけど。

    その考えを大きく覆してくれた、『ゴーストの条件〜クラウドを巡礼する想像力〜』(村上裕一)から遡ることで、本書へと辿り着いた。

    これはもう、東さんかっけー! と...続きを読む