東浩紀のレビュー一覧

  • 動物化するポストモダン オタクから見た日本社会
    「オタク」から世界の流れを読み解く1冊。
    キーワードは「大きな物語」「大きな非物語」「二層構造」「動物化」

    データベース(大きな非物語)を参照して無数のシュミラークルが生成される。シュミラークルの中にはオリジナルも含まれる。大きな物語と大きな非物語の違いは、それを見る主体によって解釈が異なるという...続きを読む
  • ゲンロン0 観光客の哲学
    改めて読み直した。素晴らしい哲学書は何度読んでも読み応えがあるし、新たな発見があるなと再認識した。
    この本ほど大量の哲学者たちの引用&要約されているものはあまり読んだことがなく(特に要約力が高すぎる)、その圧倒的な読みやすさからも、この本自体があたかも哲学への観光のようだった。
    再読した現在、Bla...続きを読む
  • ゲンロン0 観光客の哲学
    緊急事態宣言が発せられた最初の土曜日。予定がキャンセルで引きこもり状態なったので、よし、積読解消モードだ!ということで2017年に毎日出版文化賞でチェックしていた本書を開きました。たぶん出版後すぐ読んでも受け取れることの多い読書になったはずですが、3年後このタイミングで読んだからこそ、の浸み込み度が...続きを読む
  • 弱いつながり 検索ワードを探す旅
    読む前と読んだ後でものの見方ガラッと変わるような内容だった。
    膨大な情報にいつでもアクセスできるって思い込んでいたけど、検索ワードは自分が選んだものだし、だからバイアスがかかった都合の良い情報にしかアクセスできていないってこの本読まなきゃ気づかなかった。
    SNSが促進する村のような強いつながりが、強...続きを読む
  • 弱いつながり 検索ワードを探す旅
    「観光客」であることを、惨めに思う必要はない。
    むしろ、「観光客でいること」に自覚的であるからこそ生み出せるモノがあるのではないか。
    そんなことを考えさせられた。東浩紀さんの本を読んだのは初めてだけど、言葉を扱う仕事をしている人が書くものは、私達が読んでもスッーと身体に入っていくものなんだなと感じた...続きを読む
  • 父として考える
    自分の感じていたことをきちんと説明してもらえたような気になる。私にとって社会学者や哲学者の本を読む意味は詰まるところそういうところにあるのだろう。

    抽象的な思考や概念がどのような私的な体験プラス些細な出来事から生まれてきているのかを語っているので、非常にわかりやすく腑に落ちる。私自身、結婚して家を...続きを読む
  • 動物化するポストモダン オタクから見た日本社会
    術語にはいちいちわかりやすい説明も添えてくれているので読みやすかった。本書の発行は2001年だが、ここに書かれている論理でそのまま「なろう系」の流行が予見できてしまうところに本書の論理の説得力を感じた。感服した。
  • 新記号論 脳とメディアが出会うとき
    東浩紀の理解力バケモノか?
    わりとフロイトの話が多い。個々の説明はわかりやすいんだけど話があちこちに行くので、全体としてしっかり把握するには理解力がいるなあと思った。
    補論のGoogle広告の話についてはいままさにそういう仕事をしているから多少疑問に思うところもあったけど、そういう着眼点かあ、って素...続きを読む
  • 新記号論 脳とメディアが出会うとき
    悲しくなる本である。
    内容的には断然面白いのだけど。

    問題は、捨てたもんじゃないでしょ、という東さんにたいして、衆寡敵せず、と言うほかないことなのだ。
    安易に感染する縁無き衆生には、インテリゲンチャの言葉は届かない。
    度しがたいバカを救えるのか、と問えば、無理でしょ、と言うほかない。

    それと、文...続きを読む
  • ゲンロン0 観光客の哲学
    いま現代社会に感じている違和感を明快に解き明かしてくれる。それだけではなく、そんな社会とどう向き合っていけば良いのかまでも、ヒントを与えてくれる、そんな本だった。

    第一部終盤、ローティの考えに対する著者の考察が面白かった。
    「たまたま目の前に苦しんでいる人間がいる。ぼくたちはどうしようもなくそのひ...続きを読む
  • 新記号論 脳とメディアが出会うとき
    とても面白いけども、疑問も色々と湧いてくる。
    ちょっと極端に過ぎるところもある。
    今の情報化社会の過大評価もある。
    なぜ人文系が、記号論か、時代に対応できないのか、それは、世の中の多様化、というか、多様性の顕在化、に、答えられないからではないのか。

    情報記号論を考えていくにあたって、バロック記号論...続きを読む
  • 新記号論 脳とメディアが出会うとき
    人間が作り出した記号は、インターフェイスを通じて機械と交流するものになった。機械のために変換した記号ゼロイチが人間社会に逆流して侵食、感染していく中で、人文学が果たす役割と自由について。
  • 新記号論 脳とメディアが出会うとき
    衝撃の一冊だった。情報学環で石田先生の授業を受けたこともあったので懐かしくもなった。閉塞が叫ばれる、思想界ひいては人文学であるものの、石田先生が接続を試みる脳神経学的アプローチは思想に新たなアクチュアリティを付与する。
  • 新記号論 脳とメディアが出会うとき
    フロイトの再解釈からつながる記号の逆ピラミッド面白いわぁ。本の中でもツッコミ入ってたけど第3講義の後半を先に読んだ方が全体像がわかる笑
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講
    多数のジャンルの話をまとめてくださっているので、自分の好奇心の幅が広げる、とても良い機会となりました。
    特に資本主義のお話や、アートのお話。デザインではなくアートというジャンルが私にとってはとても新鮮でした。改めて、勉強したくなりました。
  • ゲンロン0 観光客の哲学
    これは、哲學書というよりそれ以前に、批評である。
    それは著者の『存在論的郵便的』『動物化するポストモダン』『一般意志2.0』の自注と(內容だけをみると)言えなくはない。これは、自著の単なる「解題」ではないか、と。
    しかし解題という言葉には、強靭な自己批判といういみも含まれるとすれば、東氏ほど「現在」...続きを読む
  • 弱いつながり 検索ワードを探す旅
    「統計的な最適を考えるのではなく、偶然に身を曝せ」

    ネットの評価経済社会が強いるどぶ板選挙のような体力勝負の消耗戦に身を賭すのではなく、環境を変えインプットを変えることによってアウトプットが変わる可能性に賭けよ。

    消耗戦の中からは本当に新しいコンテンツ、本当に素晴らしいコンテンツは出てこない。...続きを読む
  • ゲンロン0 観光客の哲学
    最の高。哲学とか思想とか興味ないって人も、読むべき教養書。
    このよくわかんない世の中と、自分の生き方との接点って何なのか?を、意外な切り口からグイグイ掘っていって、示唆をくれる。
    もっと、偶然を楽しんで生きていこう。
    哲学や思想って、こんなダイナミックでおもろー!なのか、と気付かせてくれる一冊。
  • ゲーム的リアリズムの誕生 動物化するポストモダン2
    動物化するポストモダンの延長で今それを体現している文学について書いてある本。ライトノベルや今の前衛的な作品のメタさゲーム世代の感覚や感性がよくわかると思う。結構な射程のある本だと思うし随分とスッキリした。
  • ゲンロン0 観光客の哲学
    偽善で空想的だったリベラルはもはや存在しないが、政治と経済、国民国家と帝国、ナショナリズムとグローバリズム、コミュニタリアニズムとリバタリアニズム、この対立のどこかに身を置く、のではなく、「第4の道」を見出すための本。
    その道は、連帯しないのが連帯、と言うただデモするだけの否定神学的なマルチチュード...続きを読む