諸田玲子のレビュー一覧

  • 幽霊の涙―お鳥見女房―
    シリーズ6作目の本編、胆が座った主人公「珠世」の言動が一家と周りの人達の気持ちを救っていく様子、後半にはドンドン面白さが加速して行って寝不足になりました。
    笑窪が人をホッとさせる「珠世」には、まだまだ出番が沢山ありそう。
    ポジティブシンキングは今のご時世に必要な事かも知れません。
  • 今ひとたびの、和泉式部
    「母の和泉式部の代作だろう」と言われ、即興で、「大江山いく野の道の遠ければまだふみも見ず天橋立」と歌を返した、小式部の話は、実話だろうか?
  • 狐狸の恋―お鳥見女房―
    このシリーズで一番ほんわりした感じがする。
    捕り物帖はやたらと人が殺されたりするので、あまり好まないけれどこういう人情物は嬉しい。
  • 鷹姫さま―お鳥見女房―(新潮文庫)
    お鳥見女房 三作目。
    前作が主の帰還に際してのやり取りだったり、手に汗握る場面が結構あったけれど、本作は一貫して穏やかに和む雰囲気で推移。
    このシリーズ、飽きません。
  • 恋かたみ 狸穴あいあい坂
    8篇の短編ですが全体的に、結寿と道三郎の悲恋のお話。前作は全然ハマらなかったんですが、今作は楽しめました☆ちゃんと江戸言葉で話していて、江戸の情緒、四季も素敵でした✨結局、道三郎とは結ばれず、他家へ嫁いでしまった結寿ですが、この辺もこの時代ならでは…の事情が詳しく書かれていて、駆け落ちしてまで貫くこ...続きを読む
  • 其の一日

    題名の通りただ一日の出来事

    題名の通りただ一日の出来事を連作短編集の形で描き切っている。非常に巧みで劇的なストーリー構成。
    第一話 経済史の観点から見ると荻原重秀のやった経済改革通貨改革は、現在は当たり前になっている通貨管理制度の嚆矢ともいうべきもの。いざという時の妻の力を再認識。
    第二話 第一話以上に話の展開が劇的。まさ...続きを読む
  • 池波正太郎と七人の作家 蘇える鬼平犯科帳
    永遠のヒーロー「鬼平」再来!「鬼平」誕生から50年を記念し、七人の人気作家が「鬼平」に新たな命を吹き込んだ作品集。
  • 四十八人目の忠臣
    見どころ:分厚い文庫だが、前半は淡い恋物語、途中から運命に翻弄される切ない二人の話、最後は残されたきよのその後と、物語が大きく移り変わっていくので読み飽きない。女性視点で書かれており、恋愛感情の描写などは自分にとっては読みやすかった。主君のために尽くし、命さえ差し出すことが当たり前だった時代の武士と...続きを読む
  • 四十八人目の忠臣
    ドラマ化されるという帯を見て、書店で購入。
    実在する女性の話なのですね。
    全く知らなかった話で、一気に読めました。
    忠義に勝るものはない時代。
    一本気な人々ばかりですが、ひとりひとりの思いは少しずつ違って、どれも共感ができました。
  • お鳥見女房(新潮文庫)
    えー、ここで終わり!?
    絶対に次も読まなきゃ!と思わせる作品。

    最初はどの登場人物もアクがなくてキャラが掴めず、次はないな…と思っていたのだけれど、だんだん贔屓のキャラができてきて、はまってしまいました。
    よくもまあそんなに居候を抱え込んで…と思う節もあるけれど、そこは時代小説なので気にしないよう...続きを読む
  • お順(下) 勝海舟の妹と五人の男
    夫、佐久間象山の暗殺、滅び行く幕府の運命を担う勝海舟。夫の仇討ちを願うお順は、村上俊五郎と恋に落ちる。幕末から明治を力強く生きた女性お順を描く歴史小説。
    村上俊五郎のような人間は、いつの時代にも世間にはいるよ。
    ただ、民のような女性は少なくとも現在はいないと思う。
  • お順(下) 勝海舟の妹と五人の男
    夫、佐久間象山の暗殺、滅び行く幕府の運命を担う勝海舟。夫の仇討ちを願うお順は、村上俊五郎と恋に落ちる。幕末から明治を力強く生きた女性お順を描く歴史小説。
    村上俊五郎のような人間は、いつの時代にも世間にはいるよ。
    ただ、民のような女性は少なくとも現在はいないと思う。
  • 巣立ち―お鳥見女房―
    子供が成長していくことの、喜びと寂しさが丁寧に描かれている。家族と時を過す、というのはこういうことだな、と。
    相変わらず、一話一話心を震わされる。
  • 其の一日
    昨年の大河ドラマ「篤姫」を見て
    自分の中で幕末ブームが続いていて。

    大老「井伊直弼」の愛妾だった女性の話が
    読めるというので手にとってみたのが、読むきっかけ。

    「桜田門外の変」以外にも
    歴史的な1日を様々な角度から
    切り取って描かれた短編集。

    うまいです。
    構成とか視点とか。 ...続きを読む
  • 思い出コロッケ
    年末年始にお読みになることをお勧めします(^^)
    昭和60年代(80年代ではない)の空気感、たっぷりです。
  • 楠の実が熟すまで
    幕府の目を巧妙に掻い潜り不正を行う公家に『公儀隠密』として輿入れした利津の物語。時代エンターテイメント創作?然に非ず。史実を元にした時代小説。ミステリ性の高さもさることんながら利津の心模様を色情豊かに描き切った素晴らしい作品。想いの強い主人公が己を突き通す物語って本当に素晴らしい。
  • 遊女のあと
    この人の作品は初めてだったが、文句なしに面白かった。時代ものとして特に目新しい内容ではないが、文章にリズムがあり、謎が謎を呼ぶ設定に引き込まれた。
    登場人物も非常に魅力的だ。時代物特有のステロタイプな感じではあるものの、心理描写にはなかなかリアリティがあった。
    女流作家の描く女性はこれまであまり好き...続きを読む
  • 巣立ち―お鳥見女房―
    お鳥見女房シリーズ五弾。嫡男久太郎の婚姻の日が近づいていた。相手は、珠世の夫伴之助に苛酷な陰働きを命じた前老中水野忠邦に連なる家の娘、鷹姫さま。祝言の日までの心労、婚礼の場での思わぬ騒動、そして次男久之助も人生の岐路を迎えて──。家族が増えた矢島家では、喜びも増え、苦労も増える。姑となった珠世に安寧...続きを読む
  • 鷹姫さま―お鳥見女房―(新潮文庫)
    お鳥見女房シリーズ第三弾。女だてらに鷹狩りに行きたがり「鷹姫さま」と呼ばれる気性の烈しい娘と嫡男久太郎との縁談、次女君江のひそやかな恋。子らの成長と行く末を、珠世は情愛深く見守る。また、鷹狩りを司り、幕府隠密の任務もあるお鳥見役の主も、過酷な勤めを終えて帰ってきた。妻として深い痛みを抱えた夫を気づか...続きを読む
  • お鳥見女房(新潮文庫)
    お鳥見女房シリーズ1弾。将軍の鷹狩りの下準備をするお鳥見役には、幕府の密偵という裏の役割があった。江戸郊外、雑司ケ谷の組屋敷に暮らす矢島家は、当主が任務のため旅立ち、留守宅を女房・珠世が切り盛りしている。そんな屋敷に、ある日、子だくさんの浪人者が押しかけて来て……さまざまな難題を持ち前の明るさと機転...続きを読む