乃南アサのレビュー一覧
-
*美容に狂う前妻と彼女を奪っていった男、なぜ二人は俺に会いに来るのか?なぜこんなに友人の母親が気になるのか?隣室で虚ろで奇妙な音を出し続けるのは何者か?どうしてあんなに不出来な部下に惹かれるのか?なぜ暗闇で出会って顔も見えない彼女がこんなにも愛おしいのか?なぜ、なぜ…。愛とも恋とも言えない、不思議な...続きを読むPosted by ブクログ
-
*一つになれない家族を猫だけが見つめ続けた――「すずの爪あと」。不倫に倦んで故郷に帰った女が癒やしを求めたのは――「秋旱」。幼時の事故で嗅覚を失った男が、ある女と出会って――「向日葵」。かつての恋人に書き続けたメールの思わぬ行方――「Eメール」。すれ違い、交錯する男女や家族の想いを、美しい風物ととも...続きを読むPosted by ブクログ
-
まず、こんな史実があったことに衝撃を受けた。
戦争は1945年の玉音放送で終わったが、そこからが本当の戦いだったことは誰も教えてくれない。
どころか、当時も隠蔽していた事実がたくさんあったからこそ後世に知られることもない。
それだけでなく、当時の女性に対する、貞淑な妻であるべき、とか、男に3歩後ろ...続きを読むPosted by ブクログ -
元々は素直で優しい鈴子が母の変化によってどんどん卑屈になって行きますが空襲で右腕を失った幼馴染の勝子ちゃんと再会した時のやり取りは心が和みました。
戦争と言う特殊な状況の中で生きていかねばならない女性たちがストーリー全体を通して圧倒的なリアルで描かれています。
戦後70年となり徐々に戦争を語...続きを読むPosted by ブクログ -
戦争は戦争中はもとより戦後も国民に多大な苦しみを与え続けた。戦後、残された女、子供は様々な生き方を選ばなければならなかった。鈴子の母つたゑは自分と娘が生き抜いていくために今までとはがらりと違うしたたかに生きていく道を選ぶ。つたゑにはそんな才能も強さもあった。14歳という多感な時期であった鈴子はそんな...続きを読むPosted by ブクログ
-
突然、目の前から消えた婚約者。その理由と真相を追い求める女性。この女性のひたむきな姿に心打たれます。しかし、その前途には、追っても追っても、追いつくことができない現実があり、女性から逃れようとする男性の姿が見え隠れします。一体、この真相はどこにあるのか。さまざまな人物が交錯する物語が展開し、巧みな時...続きを読む
-
上巻から続いて、少し鳥肌を立てながら一気に読破。「あなた」の実体は愛っだのか?それとも人を愛するばかりに狂ってしまった魂なのか?人を愛することに対して正直でありたいと思うと同時に人を愛する心を持つことは難しいと感じる作品。最後は少しホラーの要素も感じられましたが、あっという間に作品に没頭していました...続きを読む
-
乃南アサさんの作品は登場人物の表現が豊かで、読み進めるうちにいつの間にか作品の中に引きずりこまれていきます。しかし、この作品は最初から何か違う。「あなた」と呼ぶ見えない登場人物が漂っていて、これは一体何なんだろうと。「あなた」と呼ぶ実体は一体何?単にゆるい恋愛小説ではない何かが待ち受けている予感がし...続きを読む
-
戦時下、父やきょうだいを亡くし、母親と2人で東京で暮らす二宮鈴子。彼女の14歳の誕生日、昭和20年8月15日水曜日、戦争は終わり、日本は敗戦国となった。混乱する社会の中で、母子2人のサバイバルがはじまる。
戦争以前、女は家庭に入り、男たちを陰で支えるだけだった。しかし、敗戦国となり、多くの男手を失...続きを読むPosted by ブクログ -
とても面白かった。上下巻一気に読めました。文章力が素晴らしいのでしょうか、飽きることが全くなく、テレビドラマか映画を観ているかのようでした。読み終わってしまったのが残念です^ - ^
-
全体的な感想は上巻で書いたので、こっちでは無駄話w
この小説の面白さは、とにかく地味な事件に、地味なキャラ二人(中年オヤジ&中年にさしかかった女性)のやりとりがのっかることで、人と人のちぐはぐなコミュニケーションを巧く描き出していることにあると思う。
唯一、難癖付けるwならば、音道のキャラクター設...続きを読むPosted by ブクログ