乃南アサのレビュー一覧

  • いちばん長い夜に
    前作とは雰囲気が打って変わって、今まで通りだと思って読んでいたらびっくり。かなり衝撃のラスト。
    やっぱりわたしは、ふたりにはずっとこの距離感を保って、お互いに足りないところを補い合って生きていってほしかった。けど、今までもチラホラと芭子の綾香に対する意識と、綾香の芭子に対する意識の違いっていうものが...続きを読む
  • 美麗島紀行
    台湾についての旅行記かと思った。
    それだけではない。台湾の歴史がけっこう垣間見ることができる。
    知らないことが多すぎる。
    まず、一国家として存在していることがないこと。
    次に世代で通じる言語が異なること。
    1987年まで世界でも類をみないほどの厳しい戒厳令があること。
    また行きたいなあ。今度は深く見...続きを読む
  • 暗鬼
    これは恐ろしい物語です。

    疑心暗鬼。
    疑いの目で見れば、何もないところに闇を作り、鬼を創りだすことができる。

    結婚というのは、異なる環境で育ってきた者同士がひとつの同じ環境の中で生きていくことで、核家族ならばそれは1体1の違和感ですむ話。
    けれど大家族に嫁ぐということは、ひとりの異物が入り込んで...続きを読む
  • 最後の花束―乃南アサ短編傑作選―
     ぶっちゃけた話、売れている作家とは言い難い乃南アサさんだが、知る人ぞ知る短編の名手なのである。しかも、後味が悪い…。本書は、過去の単行本から傑作短編を選りすぐった再編集版であり、男女関係のもつれを描いた作品で統一されている。

     唯一の初収録作品「くらわんか」。最初はお互い、割り切った関係のつもり...続きを読む
  • 晩鐘〈下〉 新装版
    まさにたった今読み終わりました。今はただ呆然としているのみ。風紋の続編とは知らずに手に取りましたが、またすごい小説に出会ってしまいました。最も可哀想な運命だったのは怖しげな子どもだったとは。最後の3つのありがとうがあまりに悲しすぎる。もう一方の明るい兆しも全て吹き飛ばし、凍りつかせてしまうようなこの...続きを読む
  • いちばん長い夜に
    2015/08/09
    今までは、ただ、ただ平和に。
    そして、静かに街に溶け込もうと生きていた芭子と綾香。
    2人の運命が大きく変わり始める。
    きっかけは、東日本大震災。

    3.11
    その1日でいろんな人の運命が変わった。

    芭子は運命の人と出会い。
    綾香は運命の土地に、戻ることに。
  • 地のはてから(下)

    最後まで

    北海道の開拓者たちの苦労をほんの少しでも知る機会ができて良かった。一気に最後まで読んでしまった。
  • すれ違う背中を
    シリーズ第二弾。今回も色々なことに巻き込まれるけど健気に頑張ってる姿に応援したくなります。次の巻でラストとのこと。ふたりとも幸せになってほしいです。
  • あなた(下)
    再読。
    何回となく読んだ作品だが、細部は忘れているものだ。
    謎の生き物の正体はある程度のところでわかってくるが、それでも予想外の展開もある。
    とても面白かった。
  • あなた(上)
    再読。何回となく読んだ話。
    携帯小説だったとのこと、一文は短めでメールでのやりとりが随所に。
    謎の生き物の視点で「あなた」が語られる構成。
    「あなた」は、ちょっとお気楽な2浪中の秀明、女子大生の彼女もいて無駄なメールをやりとりしている。
    そんな中、急激な身体の不調など不思議なことが起き始める。
    謎の...続きを読む
  • ボクの町
    シリーズあるなら読みたい!読んでると途中で「これって坂本司だったっけ?」って思うことしばしばだったけど。良い世界でした!
  • 火のみち(上)
    大きく変わっていく戦後の昭和を舞台に、過酷な人生を強いられた兄妹の話がすすんでいく。
    殺人という重い罪を背負ったのは兄だけではなく妹も同じだった。赦しを請うが如く陶芸に命を注ぎ込む兄。兄と世間に好評できなくても、陰ながら支える妹。
    兄妹同士、時には理不尽なことがあっても、やっぱり大切な存在であり生き...続きを読む
  • 火のみち(下)
    戦後を必死に生き抜いてきた兄妹が晩年が描かれている。

    取り付かれたように汝窯の研究に没頭する兄と、経済的にも大きな負担を背負わざるを得なかった妹。
    痛々しいくらい展開だったが、決して消えることにない罪と向かい合いながらも、お互いを支え合ってきた兄妹であることの見えない力を感じる最後でした。
  • 団欒
    乃南アサの作品の中では、とてもユーモアがあり、
    ブラックでありながら、軽快で読みやすい。

    家族の奇妙さ、危うさをテーマとしていて、
    「え、こんな家族いる?」と思うような、
    ちょっと変わった家族を描いている。

    解説にあるように、
    夫婦はお互いに好意を持ち、結婚して家族になることを選んでいるけど、
    ...続きを読む
  • 駆けこみ交番
    聖大、偉い!大人になってる!
    真面目に真っ正面から町の人々の人生を考える大人になってるじゃないか!
    それもこれも「とどろきセブン」のような、人生の先輩がいるからかもしれない。
  • 女刑事音道貴子 鎖(上)
    音道貴子刑事シリーズ
    読んだのは文庫じゃなくて、大きい版。
    ぶ厚さに、躊躇したけど、一気に読めました。
    ラストの方で、タイトルの「鎖」ってこういう使われかた?
    と一人笑う。突入の時の合言葉にも。
  • ウツボカズラの夢
    ウツボカズラは誰なのか?という問いに色々と考えさせられてしまったお話。やはり主人公のミフユが上手くやったなーと思った。面白かった!
  • 結婚詐欺師(下)
    人が(ほぼ)死なないサスペンス。
    騙される女性には申し訳ないけど、騙し方…騙されてく過程も面白いし、逮捕劇も面白かった。
  • 結婚詐欺師(上)
    面白い~!結婚詐欺師という自分的には新しいタイプのミステリー。年齢層もタイプも異なる女性たちが騙されていく。
    相変わらず描写が上手いから?なんだかリアルでハマるんだよね。
    続きが気になって、読む手止まらず一気読み。
    急いで下巻へ行きますー。
  • ライン
    再読。
    1990年刊行「パソコン通信殺人事件」から改題。
    チャットにハマっている浪人生の周りで起こる殺人事件の話。
    電話代が何万円もかかったり、パソコンがまだ特別のものだったりした
    時代の話だが、今読んでも充分面白い。