乃南アサのレビュー一覧

  • 火のみち(上)
    父や長兄は戦死し、戦後満州から引き揚げ、広島県は呉に辿り着き、母を支えながら生きていく兄弟姉妹4人。長姉は、家族を支えるために身を落とし、主人公の次男・次郎は、小学校にも通えず、家族を支え、妹を助けるために殺人事件を引き起こしてしまう。一家離散となった南部家。次郎は、岡山刑務所で偶然にも備前焼・陶芸...続きを読む
  • 晩鐘〈下〉 新装版
    Rさまオススメ本最終巻
    こんなに哀しい話があるかという感じでした。

    真裕子を中心に読み進めていたので、最後の方は少し嬉しい気持ちになっていたのですが、
    やはり大輔を忘れてはいけないのだなと。
    あまりに悲しかった。
    こういう風にしかなれなかったのかなぁと。

    ほんとにものすごく読みごたえのある作品で...続きを読む
  • 結婚詐欺師(上)
    評価は5.

    内容(BOOKデーターベース)
    橋口雄一郎は40代のプロの結婚詐欺師。カツラ・洋服・職業・車を使い分けて変身、女性の心理を逆手に取る巧みな話術で誘惑し、金をだまし取っていた。東京・小滝橋署の刑事、阿久津は偶然かかわった結婚詐欺の被害届から、プロの匂いを感じ取り捜査を始めた。やがて松川学...続きを読む
  • 地のはてから(下)
    小樽への子守奉公、奉公先の破綻で知床に戻り、切ないアイヌの成年との恋、そして結婚。主人公のとわは、懸命に家計を支え、子供たちも育てていく。そのさなかにも、悲しい出来事は次から次へのとわを襲う。生きること、生き抜くことの辛さ、政府主導の北海道開拓の現実、そして戦争。
    主人公とわと乃南アサ作品『ニサッタ...続きを読む
  • 地のはてから(上)
    今までのサスペンス中心の小説とは異にする乃南アサさんの小説。舞台は、大正期から昭和期の北海道。なかでも非常に厳しい自然環境にある知床の開拓移住した家族のお話。
    冒頭から、読み進めるのが苦しくなるような過酷な環境に置かれた家族、放蕩父親の様子。しかし、次第にのめり込んでしまう。主人公の少女とは、そして...続きを読む
  • いちばん長い夜に
    「マエ持ち女二人組」シリーズ最終作=三作目。仙台にて東日本大震災に遭遇する芭子。この出来事が、芭子と綾香の生き方にも大きな影響を及ぼす。
  • すれ違う背中を
    「マエ持ち女二人組」シリーズ第2作目。刑期を終えて社会復帰した芭子と綾香。身内からも断絶された2人は、ヒッソリと目立たぬように、お互い支えながら、節約し質素な生活を送り、それぞれ金銭的にも自立できる生活の確立に向けて日々過ごしている。綾香はパン職人への道、芭子はペットショップのアルバイトしながら。そ...続きを読む
  • いつか陽のあたる場所で
    「マエ持ち女二人組」シリーズの第1巻。
    刑務所で知り合い刑期を終えた芭子(29歳)と綾香(41歳)。刑期を終えて、社会に復帰しつつも、それぞれの道を模索している。本書ストーリーでは、取りたてて殺人事件などといった大きな事件が起こるわけでは無いが、二人の奮闘する姿が描かれている。
    別シリーズ「新米巡査...続きを読む
  • あなた(下)
    乃南アサ氏の著わすホラー作品。もともと新潮ケータイ文庫に連載された作品の文庫紙媒体)化が、本書。主人公に取り憑いている正体とは?主人公・秀明と年上の恋人・カンナが、その正体に解明に挑まざるを得ない状況に追いやられていく。舞台も東京からは中国山地山間部の地に行き着く。
  • あなた(上)
    二浪の末、大学に進学した主人公・秀明。浪人時代から女子大生の彼女を二股。しかし、受験シーズンの頃から、体調に時々変化が。それは、大学進学後も時折続く。そんななか出会った2つ年上の音大大学院生に惹かれのめり込んでいくが、ある日、秀明に憑く影に気づく。
  • 女刑事音道貴子 風の墓碑銘(下)
    上巻で音道・滝沢コンビが暑い中苦労して調べまわった事が、ようやく繋がりするすると解けていく様子は面白かったです。先が気になるのと、読みやすい文章で1日で読み終えられました。音道シリーズではこの作品が一番好きかな。
  • 女刑事音道貴子 風の墓碑銘(下)
    Rさまオススメ本、下巻。
    うーん、面白かった!
    出てきたときから気に入らなかった人物が、もしかしてと思ったら、という感じでしたが。
    それをどのような事件として作り上げるのだろう?と続きが気になって仕方なかった。
    二人のコンビもようやくしっくりきて、ほっとしたり、嬉しくなったり。
    しかし、とんでもなく...続きを読む
  • 女刑事音道貴子 鎖(下)
    Rさまオススメ本の下巻。
    昨夜から一気読み!続きが気になって止まらなかった。
    ずっと縛られてて、なかなか助けも来てくれなくて、ほんとにもどかしい思いをしましたが、
    この苦しいところを読みきった分、最後の爽快感がたまりませんでした。

    滝沢さんが必死に助けようとしているのに、なんであのおやじなの?って...続きを読む
  • ニサッタ、ニサッタ(下)
    評価は5.

    内容(BOOKデーターベース)
    借金を何とか返し終えた耕平は、北海道・斜里の実家に戻る。その雄大な自然に癒されたものの、働き口は見つからない。そこに新聞配達所で一緒だった沖縄出身の竹田杏菜が突然やって来る。ようやくスーパーの正社員の道が見えてきた矢先、酒酔い運転で事故を起こしてしまう。...続きを読む
  • ニサッタ、ニサッタ(下)
    故郷の北海道斜里に戻った主人公の片貝耕平。寝起きする場所、食事は心配する必要もなくなり、地元でのアルバイトも始める。しかし、耕平の甘さは、ここでも同様。再び、転げ落ちる人生が始まる。
    沖縄出身の杏奈の抱える生い立ち。北海道と沖縄、そして都会との地域間格差。非正規従業の増加といった誰にも起こりそうな現...続きを読む
  • ニサッタ、ニサッタ(上)
    北海道は斜里出身の主人公青年・方貝耕平。浪人の末、関東の無名大学を卒業し、新卒で二部上場会社に就職したものの、上司とそりが合わず、直ぐに退職。その後、派遣社員として働くも、直ぐに辞めるといったことを繰り返し、行きつくところは、消費者金融とギャンブル。多額の借金を一括返済してくれた新聞販売店で働き始め...続きを読む
  • 駆けこみ交番
    東京都世田谷区の等々力不動前交番に勤務する新米警察官:高木聖大。彼が、地域の老人「とどろきセブン」たちに見守られ、支えられながら、警察官として成長していく姿を、事件を通して描かれている。4つの話に散りばめられた謎が、最後に繋がっていく。
  • ヴァンサンカンまでに
    バブル時代の女性社員の恋愛模様が、小説の素材。不倫、ブランド品、そして安パイな保険彼氏。
    巻末にある解説、エッセイストと斉藤由香さんの文章は、その視点や分析が鋭い。
  • 自白 刑事・土門功太朗
    戦後から高度経済成長期の日本が舞台。戦後昭和史、出来事が作品内に散りばめられている。まさに昭和の刑事・土門功太郎の事件簿。短編集して4作品が所収。事件ごと、短編ごとに、土門の年齢も違い、土門の家族情景も描かれている。
  • ウツボカズラの夢
    展開が180度変わるシーンが多くてなかなか面白かった。何も知らない田舎娘の未芙由がまさかあんな大胆なことを。ここが一番衝撃だったかな。夢の話をしているのかと思ったし。そしてここから彼女の躍進が始まる。我儘女子高生美緒なんて目じゃない男へのパラサイト能力。尚子よりも仁美よりも誰よりも上手。やっぱ天性の...続きを読む