辻村深月のレビュー一覧

  • シークレット~綾辻行人ミステリ対談集in京都~
    綾辻さんもいつの間にかもうかなりのベテランっていうのが驚き。今をときめく若手の書き手の対談はとても興味深いし面白い。ホストが綾辻さんだから成り立っている部分が多分にありそう。もっと分量を読みたいし、他の方との対談も読んでみたい。
  • 凍りのくじら
    寂しさから人とのつながりを求める一方で、斜に構えた態度で本心を見せずに心の壁を作る主人公。高校生の時の自分に通づるところがあり、どんどん引き込まれた。
    今も尚、物事を第三者的に捉え、何かに執着できずどこか不在気味な自分は存在し、
    人生で何かやりたいことを持ち、それに傾注できる人を羨ましく感じてしまう...続きを読む
  • 凍りのくじら
    読んでいて、すごく疲れた。歩くのもふらふらしちゃうくらい。例えの意味を考えたり、それぞれの人が何を思っているのか一生懸命考えていたからなんだとおもう。
    すごく良い作品だった。
    テキオー灯。
    結末を知ってから、読み返すとまた得るものがあると思う。
    私もsukoshi•fuzai だと思う。
    誰かに縋っ...続きを読む
  • 凍りのくじら
    「別所あきら」の存在がこの作品をすごく面白くしてるように感じた。
    いろんなキャラとの対比関係に位置していて、なおかつ作中で1番達観しているから彼が出てくると読んでいて安定感があった。
  • 本日は大安なり
    ある大安の日のホテルの結婚式場の群像劇。

    妃美佳と鞠香は美人双子姉妹。双子は親でも見分けがつかない、とリアルでは良く聞かれる話ですが、小説の中でも見分けるのがなかなか難しかった。っていうか最後まで、どっちがどっちかちゃんと把握できずに終わられた感はありました(笑)。

    真空くん、いろいろよくがんば...続きを読む
  • はじめての
    好きな作家さんばかりでYOASOBIコラボでなくても読むわこれは。

    みなさん超自然とかSFとか、純文学でない方向性になっていて、共通テーマの「はじめての」からは意外性を感じた。
    タイトルからは超自然とかSFとかじゃないのが来るんじゃないかと思ったんだよね。
    既存のYOASOBIの電子音による音楽に...続きを読む
  • ぼくのメジャースプーン
    ぼくの小学校で起きた陰惨な事件。幼なじみのふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし言葉を失った。犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは一度だけ。
    先生に導かれながらぼくは考える。罪と罰について、生きることについて。誰かが自分のために一生懸命になってくれることは何かしらその人の救いになるって...続きを読む
  • 嘘つきジェンガ
    284ページ
    1650円
    8月18日〜8月19日

    耀太はコロナ禍の中、大学生になり、緊急事態宣言のため、入学式も授業もない中、友人に勧められたバイトを安易に始めてしまう。それが詐欺に加担する行為だと薄々気付きながらも抜け出せず、ターゲットで
    ある女性に惹かれ始める。3つの短編集。

    詐欺にまつわる...続きを読む
  • 光待つ場所へ
    スピンオフやったとは知らず。
    元ネタも読みたい。刺さるシーンがたくさんある。後から思えば体験してないようなことも、自分ごととして気持ち丸ごと思い出すような。
  • 冷たい校舎の時は止まる(下)
    上巻から気になりつつ、のめり込んでしまう。

    梨香の家庭事情に泣けてくる。
    特に下の妹の弓子が頭洗って欲しいって言い、梨香が早く帰ってくるから。その代わり、そろそろ一人でお風呂にはいる練習始めなさいよ。と言ってる辺りから弓子が大変なことになったところ。
    そして、菅原がひまわりの家でヒロのことで辛い思...続きを読む
  • 噛みあわない会話と、ある過去について
    こっっっわい、、、
    自分にも思い当たる節がありすぎて心臓が痛んだ

    ナベちゃんのヨメは、
    同期の女の子達がみんな、ナベちゃんと本当はどういう関係だったのか気になる
    下世話だけどもしかしたら…と思っちゃう笑

    されたことは鮮明に覚えてるってなんか嫌だな
    した側もされた側も、記憶が自分を守ろうとしてるっ...続きを読む
  • 冷たい校舎の時は止まる(下)
    すごく良かった。りかちゃんのところで涙が出て菅原のところでも泣いた。榊と菅原が同一人物であることに気づけなかったの悔しい!下巻もいじめについて考えさせられた。春子ちゃんの気持ちもわかる。どっちも辛かったよね。菅原榊みたいな先生になれるといいな
  • 凍りのくじら
    最後の結末がびっくりで、すごく面白かった。若尾のヤバさがよく分かって、若尾が次どんな行動をするのかドキドキしながら見ていた。
  • 冷たい校舎の時は止まる(下)
    めちゃくちゃ面白い!!!!大好きな本になった。あらすじを読んで手に取って、文庫本の上下巻の厚さに、これいつ読み終わるかなと思ってたけど、先が気になりすぎてすぐ読み終わってしまった。学校とクローズドサークル、自殺した子の名前が思い出せないという設定からすでに最高すぎる。出てくるみんなもキャラが良い。葛...続きを読む
  • 朝が来る
    友人が養子を育てている。
    子供が望めないとわかった時、旦那さんの、これからずっと二人だけなのかなあ…とつぶやいたことで、彼女は子供を貰うことを決めた。
    その覚悟は本人たちでしかわからないが、その子が小学生の頃、血の繋がりがないことをカミングアウトすることになっていると聴いた。言う方も聞かされる子供
    ...続きを読む
  • あなたの言葉を
    辻村深月さんが毎小新聞で連載しているエッセイをまとめた一冊。小学生を対象に書かれたものですが、年齢に関係なく理解できる•感じられる何かがたくさんあると思います。

    丁寧な言葉のひとつひとつが、するりと胸の内に入りこみ、暖かな気持ちになれました。著者の小説ではいつも緻密な心理描写に驚かされ、「どうすれ...続きを読む
  • ツナグ(新潮文庫)
    よかった〜!一度だけ望む死者と合わせるツナグという役割。どの話も良かったけど1番えぐかったのは親友を事故で亡くした女子高生の話。この連作の中で1番救われて欲しかった枠だったのに1番業が深くてつらい話になってしまった。思春期の頃の、友達に対する痛みと妬み憧れって本当に最高に人間だって思うと同時に深刻だ...続きを読む
  • ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。
    久しぶりに長く読み応えのあるミステリーを読んだ気がする。第1章と第2章で書き方の特徴にも変化があって、360ページ以降一気に読んでしまった。女性の妬み嫉み、なんとなく目に見えない格付けも、そして意外と妊娠してないとか、流産は珍しく無いとか、こないと思っていたら生理が来たとか。この本で起こる全ての出来...続きを読む
  • オーダーメイド殺人クラブ
    今自分のいる環境が世界の全てであると感じてしまう中学2年生。

    1番難しい年代を美しく描いていました。

    スクールカーストなどから起こる無視やハブを読んでいる私までもが辛くなるような、読んでいる内容の景色がそのまま映し出されている、文章で読んでいるのに映像で見ている感覚でした。

    胸が痛くなる部分も...続きを読む
  • かがみの孤城 上
    最初はファンタジーで苦手かも?って思ったけど、どんどん引き込まれていった。
    教師として働く身、不登校の子どもたちの気持ち、そしてうつ病になって外が怖い、普通が何だろうと沢山考えたこの一年。
    色んなことを思い出し、彼らの未来がどうなるか見守りたい一心で読み進めた。
    下巻も楽しみ。