辻村深月のレビュー一覧

  • ツナグ(新潮文庫)
    大切な存在が亡くなった時、その喪失感をどうやって埋める事ができるか。また亡くなった人は自分の事をどう思っているのか。
    大事な事は「死者は残された生者のためにいる」という考え方だ。
    人は何かに縋らないと生きていけない。見たことの無い神様を信じるのも良いが、具体的な誰かの存在を身近に置く方が、自分の行動...続きを読む
  • ツナグ(新潮文庫)
    最初はファンタジー物で苦手だな〜なんて読んでたけど、よく出来た物語で読むのには苦ではなかった。
    読んでいくとどんどんツナグである歩美が気になって。最後の章でようやく全てが繋がった。読んで良かったと思える作品だった。
    死んだ人ともう一度生きてる間に会えるなら誰を選ぶのか。なぜその人を選ぶのか。
    私はク...続きを読む
  • 朝が来る
    養子縁組については大学の卒論のテーマだったし、自分にもそういう未来があるかもしれないと心の中にあった。
    さとこさんの不妊治療、想像を絶する日々だったと思う。私もたった一年未満だったけど流産を繰り返したあの日の辛さは忘れられない。
    そして大学の時に読んだ資料のように育てられないお母さんを支援する団体は...続きを読む
  • ツナグ 想い人の心得(新潮文庫)
    社会人になった歩美が回を重ねるごとに人として、ツナグとして成長していく流れが全ての話で繋がっていて前回よりも面白かった。
    どの話もそれぞれにぐっとくるものがあった。

    娘を亡くしたお母さんの気持ちはそれぞれで来るものがあった。辛い気持ちもあるけど全ては時が解決していくのを感じた。

    とりの工房との関...続きを読む
  • 朝が来る
    夫が無精子症で、子供望んでる夫婦が赤ちゃんポストみたいなので養子縁組して愛情たっぷりに育てるねんけど、そんな中その人の本当の母親のひかりから赤ちゃん返して欲しい、返さないならお金欲しいって言われる話。

    最初は、ひかりの無責任さに呆れてたけど、ひかり視点、本当の母親の8年間が物語の後半で描かれること...続きを読む
  • ハケンアニメ!
    アニメは視聴者に夢と希望を与えます。そのアニメ製作の裏で多くの人が熱意を持って協力し合っていることを学びました。多忙ですが人に感動を生み出すクリエイティブな仕事。愛情があふれるやりがいのある仕事だと共感しました。
  • 盲目的な恋と友情(新潮文庫)

    ①読むきっかけ
    インスタグラムの投稿を見て知り、
    傲慢と善良の作者である深月先生が執筆した本で、興味を持った。恋と友情のバランスや考え方は私も知りたいと思い読むことに。

    ②読み終えた直後の感想
    まず、読めない展開で非常に面白かった。
    物語は恋と友情パートで別れており、恋のパートが終った後の友情パ...続きを読む
  • 子どもたちは夜と遊ぶ(下)
    とても夢中になれた作品で、面白かったです。

    恭司というキャラクターが個人的に好きです。
    もう少し恭司の事を書いてほしかったなぁという気持ちが少しあります。
  • ツナグ(新潮文庫)
    物語前半は、中高生向けの設定だし、登場人物にも深みが薄く、私の様な中年が読むには物足りなく感じた。

    それが中盤から、どう解釈すれば良いか判らない諸行無常な物語が出てくるし、
    後半にはまさか伏線と思わなかった前半の設定を回収していく。

    前半で中高生向けの内容と思わせる事も、物語を楽しませる為の、作...続きを読む
  • ぼくのメジャースプーン
    先生の言葉が終始、私に深く突き刺さってきました。

    教育関係者や教育に興味のある方、子育てをしている方には特におすすめの本です。

    また、他の本で出てきた登場人物が再び登場するのもとても面白い。早く他の作品も読みたいです!
  • 青空と逃げる
    有名女優が運転する車が深夜交通事故にあう、一人同乗していた俳優に不倫疑惑が巻き起こり、その女優は自殺する。

    俳優の妻と子は女優所属の芸能事務所やマスコミにカチコミをかけられ東京のアパートから逃げる。四万十、家島、別府、仙台。逃げるだけでなく生活を整えようとするが、そのたびに芸能事務所の陰がつきまと...続きを読む
  • 闇祓【電子特典付き】
    怖い 自分も作中の登場人物のように闇に引き摺り込まれるところだった。

    短編集かと思いきや短編"連載”集

    第1章宇宙人みたいな(物理的ではなく)人物が出てきてSF要素が強かったから途中読むの断念しそうになった(汗)
    第2章〜 タワマンやパワハラをテーマとして書かれてリアル 第3章の「同僚」はこれか...続きを読む
  • 噛みあわない会話と、ある過去について
    『傲慢と善良』を読んだ時も思ったけど、辻村さんは、人の腹の底の底にある、半ば本人も無自覚な感情や思考回路についての表現がとても的確で驚く。読んでいるこちらのことまで見透すような突き詰めた言語化で、嫌な緊張を強いられた。

    最後の話は、特に自分や自分のまわりにいたクラスメイトたちにも当てはまりそうだっ...続きを読む
  • かがみの孤城 上
    伝えたいことは、自分の思いが正しく思いの通りには相手に伝わらない。声の出し方、話しかけ方、間の取り方、相手の目で見えているものすべてが表現として受け取られる。
  • 琥珀の夏
    【内容】
    子供教育の理想を掲げ、集団生活を行うミライの学校とその外部にいる、夏休みのみミライの学校に通った弁護士との物語。
    この学校では基本的に実親とは離れて暮らす。

    【感想】ミライの学校の理想は必ずしも間違いとは言えないが、問答のあり方や大人の人間関係等の現実であり世俗的な面を子供に見せないよう...続きを読む
  • かがみの孤城 下
    7人それぞれに、物語があり、人生があり、そこに深く、暗く、決して窺い知れない澱みがあった。

    こころは、たまたまそれを知ることができた。知ろうとして、歩み寄り、繋がって、多くを得た。

    けれど。

    読書を終えてあの城から現実に戻った、自分たちはどうだろう。

    自分の日々を生きるので精一杯だ。

    誰か...続きを読む
  • 冷たい校舎の時は止まる(上)
    10年以上前に読んだけど再読。
    なんとなくのストーリーと面白かった事だけ覚えててラストもいまいち思い出せず。
    ああ。でも、やっぱり好きなジャンルは変わらないと再認識。
    早く下巻が読みたい。
  • スロウハイツの神様(下)
    この本を手に取れてよかった。
    まず、クリエーターがひとつ屋根の下に集まって生活しているっていう設定が最高!その時点で面白い!
    そして、住人がお互いのことを分かりあっている関係性が10点!10点!10点!……1000点!!

    それで、ワクワクと読み進めていったが………
    創作に纏わる、作品の出来や周囲の...続きを読む
  • 冷たい校舎の時は止まる(下)
    8人の高校生が雪の降りしきる学校に閉じ込められるお話。
    冒頭は不思議なことがたくさん起こり、何が起こっているのかすら掴めず、ミステリー?要素が強めだけど、途中からは登場人物一人ひとりのエピソードが丁寧に描かれていく。
    自殺したクラスメイトが誰なのか!?がだんだん明らかになっていくくだりだけでなく、緻...続きを読む
  • 冷たい校舎の時は止まる(上)
    8人の高校生が雪の降りしきる学校に閉じ込められるお話。
    冒頭は不思議なことがたくさん起こり、何が起こっているのかすら掴めず、ミステリー?要素が強めだけど、途中からは登場人物一人ひとりのエピソードが丁寧に描かれていく。
    自殺したクラスメイトが誰なのか!?がだんだん明らかになっていくくだりだけでなく、緻...続きを読む