小谷野敦のレビュー一覧

  • 頭の悪い日本語
    タイトル買いである。第一部の誤用編が、本書の趣旨であるところの日本語の頭の悪い使い方で、公の場や文章での誤用を怒っているのに対し、第二部以降は雑学・豆知識に終始する感があった。まあ、それでも本書で初めて本来の意味を知ったものも少なくなかった。差別語狩りは私も嫌いである。「いちいち言葉を法律にのっとっ...続きを読む
  • 友達がいないということ
    太字でフロムのバカ!と書いてあって、これは悩める文学青年あるあるなのだろうか。笑ってしまったが、誤読したのはお前だろうと思う。ちくまプリマーなだけに、もっと人生の早い時期、出来れば高2くらいで読みたかった。それなら親への過剰な期待も、早めに諦めがついていただろう。本書にある、「グランド・フィナーレ」...続きを読む
  • もてない男 ――恋愛論を超えて
    面白かった!
    恋の悩みに取り込んでる自分に、ここには答えが用意されていた!

    わけではなく、もてない男、持たざる者たちの声がここにはあった。

    恋愛なぞするべきでない、とまでは言わないが、どうやら恋愛とはとんでもなくやっかいなものなのである。
    だから悩むわけだが、それが恋なのでしょう。不合理な行為だ...続きを読む
  • 「昔はワルだった」と自慢するバカ
    小谷野氏のエッセイで、自分がした悪いことを自慢気に話す者の話から、悪とは何かという問いへ漂うように論が進む。著者の他の著作に書かれたエピソードも出てきて既視感を感じるときもあるが、個人的には後半の俗物論が独特の視点で面白かった。
  • このミステリーがひどい!
    ミステリ愛好家としてはかなり構えて読んだのだが、意外にもうなずけるところが多い。
    ねちねちしたところのないさっぱりとした「面白くない」の断定は、ときにユーモアも感じられ、小谷野節健在だなあとニヤリとさせられる。ここ数冊の著書の中では最高の質なんじゃないかなあ。

    にしても「俗謡に合わせて人が死ぬと何...続きを読む
  • 日本人のための世界史入門
    世界史の授業にちょいちょい蘊蓄やトリビアを混ぜて面白くしていますが、それと覚えることとは別で、まぁそんな脱線した内容が魅力的なんですが、僕はどうにも覚えられません。
    世界史の勉強って、暗記がどうしても多くなるのですが、全体像からの位置付けが分からなかったり、カタカナが多くて混乱したり、地名人名が似た...続きを読む
  • もてない男 ――恋愛論を超えて
    この本に書かれているが、もてないということは、自分の好きな女性にもてないということで、万人にもてないということではない。そのとおりである。かなり、女性に優しい筆者であると思う。だから、女友達が多いのであろう。その意味では、フェミニストであると思う。何か、女性とトラブルを起こしたときは、おそらく、女性...続きを読む
  • 悲望
    何がセクハラで何がセクハラでないか、というのは
    パワハラとの複合を前提にしない限り
    結局は個人の主観的判断にもとづくのであって
    極端なことを言えば
    恋愛に関するあらゆる言説は、セクハラ認定しうるものなんである
    それはまあ仕方のないことだろう
    どうやっても苦痛にしかならない組み合わせというものは
    悲し...続きを読む
  • 頭の悪い日本語
    良い。ユニークな本。
    著者は日本語に詳しく、だからこそ誤用に我慢できない
    らしい。
    誤用なのに大多数が使うともはや誤用とは言えなくなる。
    言葉はいきものと言われる所以だ。
    誤用かどうかの判断も難しい。
    目から鱗が落ちる事例が沢山あった。
  • 頭の悪い日本語
    えらそうな書き方だけど、内容的にはそれなりに面白い。今(14年)の言葉も入ってるので決して古い言葉ばかりではなかったのは読んでて意外だった。と思って最後に著者の紹介を見たらなんや若いんだって(あくまでも自分基準ですが)納得した。
  • 日本人のための世界史入門
    歴史を知るというよりは、言葉を知るモノを知るということが大事だと感じた
    歴史はその一環として学びたい

    本筋とは関係ないがソクラテスをソークラテースと表記するのは阿呆だと言い切ったのは見事だった
  • 『こころ』は本当に名作か―正直者の名作案内―
    名作とされている文学作品に対し、自分の感じたまま、良い悪いを断じるのが痛快。
    無理矢理なところもあるけど、面白く読めるのは、小谷野敦の知識と技術によるものかなと思う。

    小谷野敦は基本的に「もてない男」目線で読んでいる。
    「もてない女」である私から見たら共感できる部分もあったし、感覚が決定的に違うと...続きを読む
  • 日本人のための世界史入門
    最初の感じから外れかなと思ったが読んでいるうち引き込まれた。世界史入門というタイトルに実は合っていて今までなんとなく聞いた事件や人物について簡潔に説明され、さらに作者なりの見解それに関わる出来事、参考書、映画をいれてありもっと知りたいと自然と意識が向く。専門家じゃないなら大体でいいあるように変に気張...続きを読む
  • 『こころ』は本当に名作か―正直者の名作案内―
    片っ端からぶった切ってる感が何とも痛快でした。名作案内、書評のはずなのに何故か痛快で面白い。容赦ないこき下ろしっぷりがまた笑える。
    普遍的ではない書評、と言うのがまたいい。決して万人受けする内容ではないが、だからこそに著者の好みや価値観が顕著に出ていて楽しめる。
    案内本としてはいまいちだが、一般的な...続きを読む
  • 日本人のための世界史入門
    一般人には、「だいたい」で充分だし、「だいたい」が良いのである。歴史を学ぶのは、面白いから、と主張する著者の一冊。
    わたしゃ、年表を行き来する世界史について行けず日本史を取った人間だが、面白かった。
    掘り下げは浅いし、とにかくあっちこっちに話が飛ぶ。途中にガンダムやキャンディキャンディは出て来るし、...続きを読む
  • 『こころ』は本当に名作か―正直者の名作案内―
    小谷野敦さんのボヤきのような小谷野節、かなり好きです。
    白眉は三島由紀夫の『金閣寺』のこき下ろし方。こじつけもいいところ。金閣寺と聞いたら多くの日本人は「キンカクシ」を連想してしまう…って、そんなこともないでしょう!(笑
    おそらく、全く受け付けない人も多いことと思いますが、私はハマってしまいました。...続きを読む
  • 日本人のための世界史入門
    すごい勢いで世界史を描く新書。
    作者の書きたい放題の文章と見解が面白い。
    世界史は大学入試以来離れている、個人的には結構な課題分野であり、課題を思い出すには充分な内容であったものの如何せんすごい勢いと書きたい放題の文章のものであるから、これだけでは全く蓄積にはならない。
    もうちょっと体系的な本を読ま...続きを読む
  • 日本人のための世界史入門
    だいたいの説明でありながら、横道にどんどん逸れて行きつつ、戻ってくる一見気ままに見えながら配慮のある論述がすばらしい。当方と同じにおいを感じる。減点分はまとまりのなさ故。
  • 日本人のための世界史入門
    一般人が歴史を学ぶのは、現代を生きることをより意味のあるものにするためだと思うが、いま思うと学校で学んだ歴史は、そういう視点からいうと必ずしも痒い所に手が届くものではなかったと思う。
    系統立てた歴史入門書ということではないが、そういう痒いところに手が届くという意味でまことにためになり、興味深い本であ...続きを読む
  • 日本人のための世界史入門
    世界史の流れを著者独自の観点から述べている。教科書には書かれていないようなことや、著者の考えやら。でも歴史の大筋は変わらないので、歴史をまずは一冊で読みたい人におすすめ。