乾ルカのレビュー一覧

  • 花ざかりを待たず
    夫婦と娘2人の4人家族。八十近い父親が病を得、みるみる弱っていく。その間の家族それぞれの葛藤、日々の生活を綴るある意味地味なストーリーなのに妙に心に沁みた。
    身近な人の死は思いがけないものをもたらしたりする。長女の由希子は自分自身の道を見つけ、妻の慶子は「おまえが、一番だ」という夫の最後の言葉を糧に...続きを読む
  • 花ざかりを待たず
    共感できるシーンやセリフがたくさんあった
    主人公と同じく区切りの言葉は言えなかった
    死刑宣告と同じだったから
  • コイコワレ
    〈螺旋プロジェクト〉の一冊と知らずに読み始めました。明治後期〜昭和初期の話が個人的に好きなので、今回の設定もとても楽しかったです。

    自分では環境を選べず、しんどいなかでもどうやって生きていくかを主人公のお母様の言葉から学びました!

    後半にかけて主人公が自分なりに変わろうとし、行動に移す姿が印象的...続きを読む
  • 明日の僕に風が吹く
    今のところかなり好きな本です。

    少し前に読んだため、記憶が曖昧な部分もありますが、不登校の男の子がとある島で自分を取り戻して生きるお話だったような…
    葛藤とかそんなのが、伝わる、少し希望も与えてくれる、そんな本だったように思います。
  • 葬式同窓会
    山の2人とスケートペア。この描写があるからこそ同級生の話を読みながら常に頭をフル回転させられる。どこで繋がる?ラストでようやく伏線が回収されて山の朝焼けのようにスッキリ。
  • 花ざかりを待たず
     乾ルカさんの作品で、湖永さんのレビューを読んで私も読みたいと思いました。湖永さん、ありがとうございます。泣けました…。

     ストーリーは、79歳の椎名利夫が末期がん(ステージⅣのすい臓がん)と診断、余命は1年との説明を受けたことから、妻として、娘として、どう関わるべきかを模索するもの…。妻の慶子は...続きを読む
  • 葬式同窓会
     高校時代の担任の葬儀で再会した元3年6組のクラスメートたち。懐かしさ、うれしさ、そして未だ癒えない心の傷。
     卒業して7年。大人になったつもりでいた。けれど……。

     現在の自分を見つめ直し、これからの自分を作っていく。そんな若者たちを描く群像劇。
              ◇
     8月11日午後0時。
    ...続きを読む
  • 葬式同窓会
    題名からして、年寄りの話かなって思ったけど、そんな事は全然なかった。
    そうだよね、表紙のイラストからして若いもんな。

    一木さんと船守さん、ガンバレ!
  • コイコワレ
    海と山で始まりやっぱり海と山で終わるんだ。何か経緯とか歴史が出るのかと身構えたが、それはもう理屈じゃない大昔からあるもの そういう事なんだって事。お互いが嫌悪感に気付きそこにいるのが分かる理解したって凄い でもあってもいい筈。どれもこれも不思議だけど、老木を見つけて掘るのと光のと邪念で割れるのと興味...続きを読む
  • メグル
    ここから始まる小説なんだと知り直ぐに2冊購入してメグルを読みました。ユウキさんからメグルでは悠木さんになってた。断らないでね、あなたは行くべきよ、が毎回出てきて、毎回その通りだけど、悠木さんの長い髪の毛と足の怪我とやっぱり謎のままなんだよ。悠木さんの当たる予言が関係するのかな、とにかくバイトを受けて...続きを読む
  • ミツハの一族
    3部作の最後かな〜と思いつつ読み込みました。どこで関連性あるのか想像するしかないですね。自分は見つけられなかったな、5部のラストが烏目の交代=八目が死んでいたという衝撃的な展開。ラストを予測出来た人は大したもんだと思う。富雄がいるけどまさか3年後に亡くなったとは。子供を助けた正義感持っていた八目は適...続きを読む
  • わたしの忘れ物
    てふてふ荘から好きだ。本当に久しぶりだけど最初からミステリーだと思い込んでいて、美影と恵麻が再会して終わるのかなと、自分の殻を破って、大学生を終えるのかなとか思った。心の準備がなくて、交差点で美影に電話した所から一気にストーリーが動いて、まさかそんな事があるのかと、震えてしまう。忘れ物が傘が見つかっ...続きを読む
  • 心音(しんおん)
    何故だよ何故ここまで苦しめる、苦しまないといけないのですか、神様はやっぱり居ないことの証明ですね。それと解説者の杉江の書評に反吐が出た。自分が死にたいからって明音さんを利用して心も丸裸にして自殺幇助させるとか ただ自分のエゴで分かり合える正反対だ、元々小悪魔な性格では。それで死んだら明音は殺人者じゃ...続きを読む
  • 明日の僕に風が吹く
    道下さんは出てくるのだろうなと乾ルカさんならきっとそうなるだろうと思ったら、あのタイミングなのね、というか叔父さんダメだよそんな消え方は叔父さん自身にも天売島にも何一つ幸がないから。叔父さんに裏切られたと思った日から100ページも鬱鬱とするのか、長いって、もっと手売島の鳥たちと天文台と自然の中を感じ...続きを読む
  • 願いながら、祈りながら
    正直に、自分にも生きてる場所にも、子供でもちゃんと考えてる、小さな本当に小さな村のとても大きな話だった。5人の子供達と先生の声、心の声。出だしのやる気のなさ生徒にも見透かされて林先生は実にくだらない女を見返すだけの行き方を選ぼうとする。のと一生を1日に置き換えて20分をくださいと言う久松ドクターが素...続きを読む
  • あの日にかえりたい
    乾ルカさんを読んで、てふてふ荘を読んで、あの日に帰りたいに来てます。綾瀬まるのやがて海へと帰るに深い感銘して、これって似た感覚だと思い出す。翔る少年が切なくて、でも新しいお母さんにも少年にも良い結末が来たのでは。15年は長い、非常に長い。ずーっと少年の手ではなく受け取ってしまった手紙を見ていたんだ。...続きを読む
  • 花ざかりを待たず
    病室でモスバーガー食べるシーンは
    もう、泣いちゃう。

    昭和感全開の価値観のじいちゃん達だが
    気持ちも分からんでもない。

    長女由希子の心の動きが
    リアリティがあり
    希望の持てるラストでよかった。
  • 水底のスピカ
    高校生という多感な時期に、それぞれ抱えるコンプレックスに向き合う5人の登場人物の葛藤や成長が鮮明に描かれ、読んでるこっちまで心が苦しくなってしまった。みんな抱えるものがあるし、辛いことも多いけど、和奈、更紗、美令の3人のようになれたらいいなと思った。
  • メグル
    アルバイトをめぐる小説というものを読んだことがなかったのでいいなあと思った。古本屋でたまたま巡り合って読んだ。まさにタイトルそのままだ。バイト中にこの本を読み終わり、いい時に読めたなあと思った。
    ハートフルな話からちょっと闇を垣間見る話まで、「仕事」と名がつくものは様々で、バイトを探すときの楽しい気...続きを読む
  • 紙魚の手帖Vol.12
    書籍のSFアンソロジー「Genesis」が雑誌になったようです。今後は書籍のアンソロジーは出ないのは少し寂しくもあるが、代わりに雑誌を購入するいいきっかけになるのかもしれない。収録作品はどれも面白かった。話が止まっていそうで進んでいる「ローラのオリジナル」(円城塔)、なんとも切ないSFラブストーリー...続きを読む