乾ルカのレビュー一覧

  • 明日の僕に風が吹く
    不登校の少年が前を向くまでの話。
    全体としていい話だけど、細かく違和感が。
    親が医者とはいえ中学生が、意識のない人をみて気道確保できる時点ですごい。エピペンがわからないなんて、当たり前じゃない?医者じゃないだからエピペンを打たなかったからって有人は失敗はしてない。両親が間違ってるって言うのも変。有人...続きを読む
  • おまえなんかに会いたくない
    スクールカーストという言葉を自分の学生時代には考えたことがなかった。(大昔だからかな)
    自分の子どもたちが学校に通っていることで、少し重ねて読んでしまいました。
    カースト上位のグループ、その次、おたく、同人誌、その他諸々…コロナなんかもなるほど。
    恐らく、今はこんな教室あるんだろうなと感じることがで...続きを読む
  • てふてふ荘へようこそ
    高橋真一
    一号室の住人。極度の緊張症で就職活動では本来の力の半分も出せず。大学卒業後、短期のアルバイトや日雇い労働で暮らしている。破格の家賃に惹かれ「てふてふ荘」に入居する。小学五年生の時の初恋相手、中学一年生の同級生、高校二年の時に思いを寄せた彼女、大学四年の冬に公務員試験予備校で共に合格しようと...続きを読む
  • おまえなんかに会いたくない
    同じ高校生なのに、カースト上位だのなんなのというようなくだらない思考、そして卒業してから10年経つにもかかわらず、その思考のままの彼らが痛々しく、そして呆れる。
    けれど、その思いは自分がさらに歳を取った今だから言えるわけで、その渦中にいた自分も確かにそんな思考はあったかもなぁ~、なんて思い出した。
    ...続きを読む
  • 葬式同窓会
    子どもの頃の私は、大人になるということは「妬みや意地悪な気持ちがなくなること」だと思っていました。
    乾ルカさんの作品は、自分や他人の様々な感情に振り回され、もどかしく感じていた、子どもの頃の教室という特別な空間に一気に引き戻されます。さらに、大人になった今でも、あの教室から抜け出せない自分がいること...続きを読む
  • てふてふ荘へようこそ
    訳ありアパートの群像劇

    以下、公式のあらすじ
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    このアパート、なにやら秘密があります。

    敷金礼金なし、家賃はわずか月一万三千円、最初の1ヶ月は家賃をいただきません。破格の条件に隠された理由とは……特異な事情を抱えた住人たちが出会った奇跡。切なくもあっ...続きを読む
  • 心音(しんおん)
    一気読み。
    もし自分が、自分の子が、友達が、恋人が、事故加害者の親が心臓移植を受けていたら。
    考えたことのないシチュエーションだったからとても興味深かった。
    友人のパターンがそんなにも悪意に晒されるのかが意外だったけど、私がただの偽善者なのかどうなのかは実際そこにはまってみないとわからないものなのか...続きを読む
  • 花ざかりを待たず
    最後の由希子の人生の選択に凄く共感できました。
    子どもが幸せに生きていることが親にとって一番ありがたいことなのだと、当たり前のことを再認識しました。

    末期癌のお父さんが、ホスピスに転院もせずセカンドオピニオンも受けない、癌に対して攻めていかない生き方も、こういうことも普通にあることなのかもしれない...続きを読む
  • 明日の僕に風が吹く
    やっぱ読書は良いね

    なんでもそうだ。手元からなくなってわかる。そして、良かったもの、大切なものはたいていなくなる。せいぜい惜しめと、己の価値を主張するかのように。
  • 花ざかりを待たず
    余命一年と言われたのにあれよあれよと病状が進み…人生末期の親になにが出来るだろう。独身の娘は花嫁姿を見せるのが親孝行になるの?両親揃って娘に結婚を急かすシーンはあまりにもくどくてイライラさせられたけど、人生を終えようとしている父親に寄り添う娘や妻の姿がなんだか泣ける一冊でした。
  • 森に願いを
    あぁ人には人それぞれの悩みがあるんだなと。

    木は大きくなる。
    年を重ねる分大きく成長する。
    木はいいなぁ。
    人は年を重ねると老いる。
    齢をとりたくないなぁ。

    はて、人も木も同じ。
    時間は等しい。
    人も年を重ねることで成長していると言えないだろうか?
    木も年を重ねることで老化していると言えないのだ...続きを読む
  • 水底のスピカ
    読んでよかった。
    青春コンプレックスの様な内容なのかなって思ってたけど、刺さることもあった。
    共感出来るところもあって、
    また読みたい。秘密って難しい...。
  • 水底のスピカ
    美しく謎めいた転校生、彼女は最初「東京の人」と言われて孤立していた。だが次第に打ち解けていく。しかし……。
    胸がきゅっと痛くなるような青春小説だ。
    いつだって青春時代を振り返るとどこか痛くて、甘酸っぱい。
    本書もその例に漏れておらず、そういった感情がよく描かれている。
  • コイコワレ
    螺旋プロジェクト、いよいよ昭和に入ってきた。年代順にいくと、次が伊坂幸太郎さんの『シーソーモンスタ』になる。再読してから、次の『死にがいを求めて生きているの』を読もうかと思案中。
    本作も物語に引き込まれ、楽しめた。海族と山族の因縁の対決が、どのように昇華していくのかを示唆しているような作品だと感じた...続きを読む
  • 水底のスピカ
    美しい転校生と、去勢中の男女の交流を描く。著者らしく北海道の高校が舞台だ。
    多分表紙は、その美しい高校生とその同級生x2が描かれているのだが、イラスト上は全員画一的に美しい…イラストは美しか描けないものなのか、それとも美しい高校生とモブ女子高生にそれほどの差はないということなのか。
  • 花ざかりを待たず
    昨年、父を亡くした私には
    リアルすぎて切なかった

    最初の告知からの病気の進行が早すぎるし
    痛み止めをなかなか出してくれない
    奥村医師にイライラした
    最期も病院におらんし

    なのに、奥さんも娘さんも
    冷静に対応していて
    私はこんな風に冷静には
    無理やったなと思った

    由希子が結婚しないことに
    たいし...続きを読む
  • 森に願いを
    本を読みながら森を歩いているような気分になりました。人間の弱い部分が描写され、そんな中でも前向きな気分になってまた新たな生活を送っていくことに、前向きな気持ちになれました。
  • コイコワレ
    ちょっとずつ、頑張って変わっていこうとする清子とリツに心打たれました。
    その関係性や関係性の変化は、理性ではなく本能によるものだから、さらに魅力を感じたのだと思います。
  • コイコワレ
    面白かった。
    螺旋プロジェクトの内の1冊。読むのは本作で4冊目ですが、読めば読むほど繋がりが見えてきて面白くなってきました!

    本作は昭和前期の戦時を描いた作品。
    高源寺で暮らす山の民のリツ。そこに東京から疎開してきた海の民の清子。
    出会う前、相手の存在を知る前から、お互い得体の知れないピリピリした...続きを読む
  • 花ざかりを待たず
    80歳近い男性が突然体調不良からがん宣告後急変していく様を妻と娘2人の家族の視点で描かれている。描写がリアルで臨場感たっぷり。思わず一気読みした後、続けて2回目も読んだ。
    闘病ストーリーではなく、本題は長女が結婚しないことを本人が、家族が、どう受け止めいくかにあったように思う。
    自分は妻の立場で何度...続きを読む