嶽本野ばらのレビュー一覧

  • シシリエンヌ

    予想外の重いテーマです

    下妻物語の作者が描く官能小説。スコポフィリア、ディスモルフォフィリア、ペドフィリア、アクロトモフィリア、アマロフィリア、ネクロフィリアと聞き慣れないアブノーマルな性癖が並ぶ。
    官能小説ではあるけれど、身体障害者の生きる矜持みたいな、重いテーマでもある気がする。
    登場人物の誰一人として本名がわから...続きを読む
  • ミシン2/カサコ
    面白かったです。「ミシン」より熱い。
    本当に凶暴なのはミシンではなく傘子でした。
    わたしの好きなミシンしか認めない、か弱くて脆いミシンなんて叩き潰す…と言わんばかりの追加公演の仕打ち。その前に、ミシンは傘子を「愛する人に優しくできないタイプ」と評していましたが、そんな甘いものではありませんでした。
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  • デウスの棄て児
    再読でもまたこの熱量に圧倒されました。
    かつてない天草四郎像だろうけど、好きです。神に反逆する者。
    信仰をもつ者を全て破壊するという想いだけで生きてきたけど、最期は孤独ではなかったのに涙。
    「戦うことを放棄した者に、勝利などもたらされる訳がない」…歴史小説でも、野ばらさんだ、と思いました。
    戦うこと...続きを読む
  • ミシン missin’
    東京に雪が降った日、そういえば今年は雪を見ていない、と再読しました。
    「ねぇ、君。雪が降っていますよ。」と始まる「世界の終わりという名の雑貨店」が野ばらさんの作品では一等好きです。静かに静かに進み、静かに終わる。描かれていることはショックなものもありつつ、でもとても静かな世界です。
    「ミシン」も好き...続きを読む
  • 鱗姫
    十数年ぶりに再読。
    嶽本野ばらの独特の世界に惹かれる。
    これでもかと言うほどにハイブランドの描写がされることで、高級なお嬢様感がビシバシ伝わってくる。

    物語のグロテスクさはやはり以前と同じく
    うえーな感じだけど、前回とはまた違った心地で読んでました。
    このマニアックさが好き。

    野ばらさんの本を読...続きを読む
  • カフェー小品集
    面白かったです。
    カフェー、素敵な響きです。
    昔からある純喫茶の趣…行ってみたいカフェーがたくさんですが、閉店してしまったお店もあるみたいで悲しいです。腰を重くしてないで、行きたいと思ったら行かねば、です。
    フランソアは行きました。ミルクホールはお店の前まで行ったけど時間切れです。また行きたい。
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  • それいぬ 正しい乙女になるために
    1番印象に残ったのは「乙女と性欲」というエッセイで、
    「腐女子はBLが好き」と普通は言うはずのところを「乙女はホモセクシュアルが好き」と最高のネガポジ転換をしている所が印象に残りました!
    ホモは乙女の永遠のテーマとも言い切っているのにも、
    腐乙女の私は自信を持ちました。
    この本を書いたのが、男性だと...続きを読む
  • 下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん
    甘いフリフリで身を固めていても誰よりも毒っ気のある桃子と、ヤンキーだけど可愛いところのあるイチゴ。ミスマッチなのに筋が通る関係で、こんな青春送ってみたかったなと思える素敵な2人だった。
    桃子のこざっぱりした人間関係と人生観が良かった。「好き」をあまり深く知りたくないところもよく分かる。
    それにしても...続きを読む
  • カフェー小品集
    野ばらさんの書く美しい文章と喫茶店。
    これほどマッチする作品はないなあと思いました。
    作中にあるミルクホールに実際行ってみましたが、読みながら想像してた喫茶店そのものですごく感動しました。
  • 小説 サリシノハラ/47
    原曲未聴だったけど嶽本野ばらさんがボカロ曲をもとにして書いているのが興味深くて読んだ。
    アイドルに全く興味がなくても読んでみて面白く感じられたのは、やはり野ばらさんの筆力か。予想の斜め上の展開で、お決まりの終わりにならなかったのも良かった。
  • カフェー小品集
    実際に行ってみたくなるカフェがたくさん描かれています。どのカフェもどことなく停滞している雰囲気で、懐かしい感じがしました。
  • ミシン missin’
    「世界の終り」という雑貨屋を経営する男、通ってくる少女との恋の話し。
    「ミシン」という名前の女パックロッカーに恋をする冴えない少女の話しでした。
    小説というか寓話のような手触りの作品でした。
    「ミシン」よりも、「世界の終りの雑貨店」の方が僕の心にはフィットしました。
  • それいぬ 正しい乙女になるために
    乙女のバイブルの名に間違いなし。
    甘いだけの乙女節とも、労働本位でも、下世話でもない、激辛でひたすら理想を追い求める意思を数頁で次々と次々と繰り出す著者を他に知らない。
  • 十四歳の遠距離恋愛
    嶽本野ばら氏の本を初めて読んだ。
    なんとなく気になる作家ではあったものの、読む機会がなかった。
    そして、今回この本を手に取ったのは読んでみたかったからとか、特に理由があったわけでもない。
    強いて言えば、タイトルと表紙の雰囲気が気になったから、というところか。
    裏表紙のあらすじすら読まずに読み始めたの...続きを読む
  • 鱗姫
    【お嬢様の語るトラウマ的物語!】
    エログロな悪夢にうなされるような内容ながら、なかなか面白かった。やはりあのお嬢様語りが癖になる。

    京都らしさは全体にもっと漂わせてほしかった。でも黎子叔母様はすぐ居なくなるし、罪深いし、色々疑問点がある人物。お兄様、琳太郎さんがいつでもカッコいい。
    改めて野ばらさ...続きを読む
  • カフェー小品集
    痛々しいくらいに共感できたものが幾つかありました。
    野ばら先生怖いです、、、。
    名曲喫茶行ってみたいです。
  • 下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん
    おもしろい、、、!!!
    はなもげって!
    めちゃくちゃ笑わされたー。
    桃子の自分を貫くロココな精神がとてもかっこいい。

    「きっと好きなことをお仕事にしたら、やりたくないこともやらなければいけないし、自分が好きだったものの裏側を見てしまうから。そうするときっと、つまんない」

    嶽本野ばら先生に共感でき...続きを読む
  • ミシン missin’
    以前読んだので再読。短編が2本入っています。20歳になる前は断然ミシンの方が面白かったけど、今読んでみると世界の〜の方の良さもかなり分かってきた気がする。たぶんまた読む。
  • それいぬ 正しい乙女になるために
    【本の内容】
    “乙女の聖書”として語り継がれた伝説のエッセイが遂に文庫化。

    乙女はみんな根性ワル、お食事より悪口が好き、ゴージャスで貴族で孤独であれ、真のロリータとは?

    リボン・フリルのブラウス・Vivianne Westwood…野ばらのエレメントがちりばめられた乙女論は、ロマンチックでお上品...続きを読む
  • 下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん
    主人公たちがそれぞれ自分の道を突き進んでるところが爽快だった。

    文体が面白いくて、サクサク読めた。
    こういう面白い文を書く人好きだな