嶽本野ばらのレビュー一覧

  • 下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん
    むちゃくちゃにポップで分かりやすい内容でありながら、散りばめられる桃子とイチゴの美学と生き方がカッコよく思えます。

    相手の好きなものをバカにしつつも、相手の大切な領域は侵さないという、一本芯の通った友情(というと桃子には嫌がられるだろうけど、「付き合い方」というとちょっと違ってきちゃうし)の貫き方...続きを読む
  • ロリヰタ。
    15年ほど前に読んで、懐かしくなってまた手に取りました。当時、ロリータを「ロリィタ」や「Lolita」と表記するのはあったけれど、「ロリヰタ。」とは?!と気になって読んだ記憶が。

    主人公に嶽本野ばらが投影されているのは、著者のあるあるなのですが、今作はかなりはっきりとそれを感じます。業界のエピソー...続きを読む
  • 下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん
    10年以上前に読んで面白かった記憶があり再読した。

    高校生のロリータ魂で生きる桃子と、ヤンキー魂で生きるイチゴが茨城県下妻市で出会う。
    きっかけは桃子のダメ親父が大量生産したVersaceのバッタものをイチゴが買い求めに来たことから始まる。

    普通に生きていたら交わることのなかったロリータとヤンキ...続きを読む
  • 鱗姫
    とある裕福な一族にて、女児だけが感染する遺伝病「鱗病」。発症は性器周辺から始まり、やがて全身の皮膚に魚のような、あるいは龍のような鱗が広がっていく……というエロ・グロ・ホラー要素が入り混じった怪作。
    主人公の楼子の、自らを「ウルトラ・スーパー・お嬢様体質」と言い切ってしまう気位の高さが良い。美しい肌...続きを読む
  • カフェー小品集
    実在する純喫茶(カフェー)を舞台に、様々な男女の恋愛模様が描かれる短編集。どの話にも恋や人生に懊悩する僕(主人公)と君(ヒロイン)が登場し、その中には晴れて成就する恋もあれば、叶わぬ恋もある。彼らはある時はカフェーで出会い、またある時はカフェーで逢瀬を重ね、親密になってゆく。そして勿論、カフェーで別...続きを読む
  • 純潔
    ほぼ500ページの大作。
    何ヶ月も前から読み始めたのですが物語に入り込むまで時間がかかってしまい他の本も挟みながら休み休みで読みました。
    ただ没頭できれば後は早い。
    特に終盤の勢いが凄くてハラハラしました。
    これが『純潔』というタイトルというのがまた……
  • 鱗姫
    お嬢様や奇病という非現実さと実際するブランドのもつリアリティーが奇妙に混ざり合って気持ち悪くも美しかった。美肌への意識や最も愛する人に醜い部分を見られたくない高貴さの表現は嶽本野ばらワールドでとても好き。ただ、忌み嫌っていた相手の血だったとしても躊躇なく体に塗りつけるシーンは少しゾッとしたし美しさへ...続きを読む
  • ロリヰタ。
    純潔、ミシンに続き、野ばら氏3作品目。内容は異なれど、野ばら氏の「私」から「あなた」に語りかけているような文調は心地よかった。
  • ロリヰタ。
    ファッション用語が多く、ロリータファッションにも疎かったので、想像が大変な部分がありましたが、知らなかった世界をのぞかせてもらった感覚です。
    ロリータとロリコンを混同されるとか、着ているだけで軽蔑的に見てくる人がいるとか、目立つ人や偏見を持たれやすい人共通の大変さがここにもあるのかと思いました。
    2...続きを読む
  • カフェー小品集
    現実感のない「僕」と「君」の物語の数々。どれも夢うつつ、儚く脆く消えてしまいそうな繊細なお話。

    不器用でも、愚鈍でも、出来損ないでも誇りを持ち生きれば良い。時代に合わせて自分を変える、器用な生き方は出来なくてもいっこうに構わない。

    流行りのコーヒーチェーンの新しい設備、完全禁煙、オシャレで豊富な...続きを読む
  • お姫様と名建築
    野ばらちゃんのお姫様好きが顕著に現れていたり、偏りつつも愛が伝わってきます。
    何となくお城や宮殿を見たいなと思っていて、更にそれが強くなりました。
  • 下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん
    いや、面白い。
    若かりし頃がフラッシュバックする。

    好きなものは、とことん極めるのがいい。
    周りの目なんて気にしない。
    今さらだけど、本作がヒットして、映画化され、その映画も話題になるのもうなずける。
    そして、やっぱりこの2人の友情がいい。
    うらやましいね。

    映画みたくなったぞー!
  • カフェー小品集
    実在する/したカフェーをモチーフにした短編集

     実在するカフェーと、一人称で語られる物語が多く、嶽本野ばら節がきいてるので、ついつい作者のエッセイのように読んでしまう。

     短いお話が12編収録されているので、短い時間で読め、ロリータ好きやレトロな空間、静かな世界が好きな人向け。
  • スリーピング・ピル 幻想小品集
    再読。表題作の「Sleeping Pill」がとても好きです。不穏な雰囲気がありながら、潔癖なまでに美に貫かれた世界観は野ばらさんならでは。真珠をテーマにした「Pearl Parable」も着想がユニークで面白いです。「Chocolate Cantata」は狂気が入り交じる禁断の近親愛。読んでいると...続きを読む
  • カフェー小品集
    野ばらさんの描く、実在する12のカフェーをもとにした御話。

    やっぱり嶽本野ばらさんの小説を読んでる時間は、何にも増して綺麗な詞、綺麗な文体との出逢いの連続です。今回の御話達も、とても好きになりました。紅茶やビスケットが合いそうな、ほろ苦く甘美な短編集です。

    『カフェー小品集』では、野ばらさんの他...続きを読む
  • ツインズ twins―続・世界の終わりという名の雑貨店
    5年振りに再読。「世界の終わりという名の雑貨店」の続編。愛する人を失った「僕」は教会で出会ったひとりの少女に惹かれてゆく。痛み、傷付き、病みながら、それでも相手を必要とし、愛すること。愛を超えた愛。執着とも言えるかもしれない。彼と彼女の間には常人には理解できない深い繋がりがあって、それはやはり愛とし...続きを読む
  • 鱗姫
    “乙女のカリスマ”こと、嶽本野ばらさんの描く美醜観念…それがこの一冊に凝縮されていて、とても充実して、そして実に耽美的な内容。2日程で読み終えました。しばらく読書をしていなくても、嶽本野ばらさんの作品はグイグイと私を読み耽らせる魅力があります。強くて美しい生き方に勇気をもらう…!

    「美」という観念...続きを読む
  • 下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん
    嶽本野ばらとの出会い
    映画化してたけどそれは見ていなくて、お洋服に興味のある時期だったから余計に楽しく読めた
    ポップででもしっかり芯があるキャラクターが最高
  • 十四歳の遠距離恋愛
    中学生の淡い恋。「俺と付き合ってくれんかね。...結婚したらよ、一生幸せにしますわ」可愛い。シビれる。ピュアラブ。クセのある作品が多い印象の野ばらさんだが、本書の系統は『下妻物語』っぽい面白さと読みやすさ。ロリータファッションに傾倒する少女と本宮ひろ志の世界観に憧れる少年。独特なスタイルを貫く二人の...続きを読む
  • お姫様と名建築
    イラストが見たくて。ラプンツェルはディズニープリンセスじゃなかったのね。ってそこかい。解釈が結構今どきなのが楽しい。