角田光代のレビュー一覧

  • 今日もごちそうさまでした
    読むほどに、何か食べたくてたまらなくなる。作者の表現力の高さと、元々は偏食ということのせいか食べ物への観察力や想いがすごい!季節ごとの身近な食べ物について、あれこれ書かれていて、一年中楽しめる。
  • 八日目の蝉
    表向きは誘拐犯で、でも純粋な気持ちで母でありたくて。
    薫が本当の家に帰った時の反応が親子ともに気持ちが分かりすぎて辛かった。
    こんなにごちゃまぜな感情になったのは初めてだった。
  • 八日目の蝉
    読んでいる間ずっと苦しかった。どの女性に感情移入しても苦しい。逃げ場のない部屋にいるような気分でした。

    希和子の薫(恵理菜)への愛情は本物の母娘だったけれど、それは自己満足でしかない。
    人を憎むことで救われ、望むことも選ぶこともできなかった恵理菜(薫)。小豆島を訪れ、見られなかったものが見られてた...続きを読む
  • タラント
    タラントの意味を考えながら、戦争、障害、引きこもり、夫婦関係。いろんな物語が繋がりあって、それでいてすっきりと整理ができた本だった。最高でした。
    私にとっての「使命」とは。。。とりあえず諦めないこと。
  • ツリーハウス
    477ページの長編を久しぶりに読んだ。読む前は、途中で放置してしまうんじゃないかと思ってけど、物語に引き込まれて、みんなの人生が知りたくて、どんどん読み進めてしまった。
    私には物心ついたころにおじいちゃんおばあちゃんは亡くなってたから、貴重な祖父母の人生を聞くことはできひんかった。ヤエたちは現代では...続きを読む
  • 源氏物語 3
    高校のとき、「あさきゆめみし」の漫画で源氏物語の全体像を知り、はまりました。

    もし、そのとき角田光代さんの訳があったら、漫画と平行して読んでいたと思います。とても分かりやすく読みやすいからです。

    光源氏と女性たちの和歌のやりとりで、文字や墨色、使用されている用紙の色の記述にうっとりします。平安時...続きを読む
  • 八日目の蝉
    ポテトフライ•カーリーさんの評価が高く、「涙が止まらない」と投稿しているので、購入しましたが、その時は泣く気分ではなかったので、少し寝かせていました。
    過去に映画版がテレビで流れていたのをなんとなく見たので、あらすじは知っていましたが、誘拐犯に感情移入してしっかり泣きました。私の涙腺ゆるゆるポイント...続きを読む
  • 対岸の彼女
    自分ごととして読まずにはいられませんでした。もっとこの様に生活に近い同世代女性の話を読みたくなりました。クライマックスの勢いが良かったです。
  • 紙の月
    ちょっとしたことで一歩を踏み外し、そこからだんだん深みにはまっていき取り返しのきかないところまできてしまう、そんなことが誰にでもある、そういうことか
    私には感想を書くのに難しかった。
  • 八日目の蝉
    母親になりたかった女、娘を愛せなかった母親、不貞の子を孕んでしまった娘。様々な事情を抱えた女たちのそれぞれの愛が入り組んでいる。希和子の決死の逃亡劇、彼女を取り囲む周囲の事情、そして、事件の収束。偽りだらけの母娘のその後の人生の描かれ方がとても丁寧。
  • 愛がなんだ
    好きな人とうまくいかなくて、なんでもいいから恋愛小説!!!と自棄になって本屋で手に取ったのがこれだった。恋に暴走し悩んでいるみなさん、この物語は何の参考にもなりません。テルちゃんが突き抜け過ぎているからです。テルちゃんみたいには絶対になりたくない。だけど、自分を見失ってまで誰かにこんなに夢中になれる...続きを読む
  • 八日目の蝉
    こういう話を読みたかった
    映画のタイトルとしてはみたことあったけど、実際に読むのははじめて。
    男が全て悪いのは前提として。
    心が崩壊して、誘拐した子と各地を逃げたり、宗教団体じみたものに入ったり。
    いろんな人のいろんな視点をひとつひとつ丁寧に書いてある。
    映画としてもみてみたい。
  • Presents
    プレゼントに関する短編集
    人からもらうものって姿形のあるものだけじゃなく、姿形のあるプレゼントだったとしてもそれと一緒に愛情とか仲直りしようとする気持ちとかが含まれてるみたいな内容でなるほどねえってなった

    女性が主人公で大体のストーリーが暗いというか現実的でキラキラしてない現状とかから始まるのも角...続きを読む
  • 愛がなんだ
    人を愛するにはバイタリティが大切だと思った。こんなに愛することができるのはある種、才能だろうと思う一方でわたしは恋愛をするときでさえ損得やメリデメを考えながらしているんだなぁと思った。こうはなりたくないが友達であれば行く末を見届けたい、そんな恋愛です。
  • 銀の夜
    余韻が残る。すっとずっと残る作品。本当に欲しいものは素直になって、手放さないと手に入らないのかもしれない。
    自分の立ち位置、自分の人生で本当に欲しいもの、それすら分かっているようで分からない。ちっぽけさと弱さを認めることの怖さ、必要性を感じた。自分の事を考えた。
    同世代の女性にはぜひ一読して欲しい作...続きを読む
  • タラント
    2024初読み。
    ボランティアって見返りを求めないはずなのに、自分への評価につながることがないだろうか。大学入試でもボランティア経験が問われる時代。内面から湧き出る使命感より、外の力が働いてしまう。
    地球の遠い所で起こっている紛争、その犠牲者の子ども達や避難民。元日に起きた石川能登地震、家が全焼し、...続きを読む
  • 今日も一日きみを見てた
    私も数年前から猫を飼っているのですが、猫を飼い始めた頃の驚きや猫中心の生活となっていく様子を懐かしみながら読むことができました。トトちゃんがとても可愛い!
    猫と暮らしている方にぜひ読んでほしい一冊です。
  • さがしもの
    短編集で、そのどれもが秀作だった。すべて本にまつわる出来事だが、それぞれ本の楽しみ方、読書の大切を再認識させてくれる。何年かたったらもう一度読みたい。
  • 紙の月
    どこで、どこで間違ってしまったんだろう。
    ひとつ曲がり角を間違えるとそこからまた違う道が続くし、見たことのない景色が広がる。
    それは誰にもわからない。
     
    人生は落とし穴だらけ、そしてあみだくじのようなもので、一本道を違えると思ってもみないところへ着いてしまう。
    今、自分が立っているこの場所は正しか...続きを読む
  • 銀の夜
    ちづるも伊都子も麻由美も
    それぞれの日常が妙にリアルで
    彼女たちの今が気になる作品だった。

    ちょっと特殊な経歴を持つ3人っていうのが
    より一層彼女たちの繋がりを深めているようで
    なんだか面白い。

    それでも私たちは大丈夫。
    大丈夫を胸にそれぞれまた動き出した先には何があったんだろう。
    近い世代だか...続きを読む