角田光代のレビュー一覧

  • 八日目の蝉
    誘拐犯である希和子に同情。
    あのまま小豆島で細々と暮らしていけたら良かったのに…。
    大きくなった薫が希和子のことを恨んでいるところは読んでいて辛かった。
  • 愛がなんだ
     好きな人ができたときにいきなりその人の優先順位がダントツ1位になるのはすごく共感できた。これまで仲良かった友だちと次第に遊ばなくなり、距離ができてしまうのは僕も経験した。テルちゃんみたいに予定していたことを反故にすることはないけれど、好きな人と会える可能性がある日はその可能性に期待して、なにか理由...続きを読む
  • 対岸の彼女
    私にドンピシャでめちゃくちゃ面白かった!
    葵の中高時代と30代が同一人物と思えない。女の独特な人間関係が本当上手く書かれてた。

    小夜子の人間関係に疲れて家庭に閉じこもってしまうのも分かる。
    もう一度社会に出た一歩で、見える世界が開けウジウジ悩んでた事など忘れてしまう。でもやっぱり社会の人間関係など...続きを読む
  • くまちゃん
    昔に読んだけど再読。
    40代に入り読むとまた違った感想になるな。

    短編集なんだけど、みんなが恋をしてそれぞれがフラれちゃう話。
    登場人物がみんなつながっていておもしろい。

    あとがきの角田さんの言葉で、フラれることは旅を一回するようなことくらいの良さはあると思う、とあって心に響いた。
    旅から帰れば...続きを読む
  • さがしもの
    とっても良かった…。本にまつわる短編集。わたしにとっても、この本が、次に読むまでの自分の変化を感じられる鏡になってくれそうだと思う。何年かに一度読み返したい本。
  • さがしもの
    前読もうとした時はなかなか進まなかったのに今回はサクサク読めた。この短編集にも自分の成長や心の状態によって同じ本でも感じ方が変わるというお話があったが、わたしはそれをこの本自体に感じた。この短編集を通して感じたゆったりとした雰囲気が今のわたしにはちょうどよかったのかもしれない。
  • タラント
    おじいさんの手紙がめちゃくちゃ感動。
    もどかしくもある途中のさまざまな経過もこの手紙と表紙の絵で何もかも解消。
  • 源氏物語 1
    大河ドラマと並行して、源氏物語を読むなんて機会、今年しかないから。文庫化したタイミングでドラマと並走できる幸せを噛み締めたいし、やはりドラマのあのシーンは、などと考えるのが楽しい。。

    さて、とても読みやすい角田源氏。
    各帖の頭に、その帖に最適化された系図が載るので、そこも含めてとても親切な設計。
    ...続きを読む
  • もしも、東京
    東京ってすごーい。(私一応都民ですがね。w)
    実感できます!本当にっ!東京をより魅力的にするために、現実と離れた東京を載せているのかな。
  • タラント
    最初はどんな話か掴みどころがなかったが、読みやすく、分かりやすく、読み進めているうちに、この物語がどんなものかすーっと分かってきて、心にじわーっと染み込んできた
  • 八日目の蝉
    誘拐と逃走劇。子どもは誰のものか、という問い。子どもが大人になることまで描いて、さらにその問いは根源性を帯びる。その時、暮らす「母」は切実で、真剣で嘘がない。しかし、その後の解釈でいとも簡単に「母」の座は変わりうる。不在にもなる。

    あとはシスターフッド。入り込みすぎず、しかし、助け続ける。なんとい...続きを読む
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。
    とてもとても良かった、今まで読んだ猫にまつわる本の中で1番良かった。最後の養老孟司のパートの1番最後の節が本当に好き。
  • タラント
    「文学キョーダイ」で奈倉さんと逢坂さんがやたら勧めてくれていたので読んだ。僕も確かに、誰かの役に立ちたい世の中の役に立ちたいと、なんでか知らんけど焦ってた時があった。って特に何かをしていたわけでもないし、具体的なものに取り組もうとしていたわけでもなかった。いや、多少はあった。でもその所為で友人から疎...続きを読む
  • 幸福な遊戯
    初めての角田光代さん。幸福の遊戯はデビュー作らしくだいぶ昔の作品だったが、現代と変わらない女性の悩みというかモヤモヤが描かれていて、とても好みの作品だった。
  • 三面記事小説
    昔読んだものを再読。
    これは本当におもしろい。

    実際の事件をモチーフにした短編集。
    普通の人だった人が気づいたら事件に巻き込まれてたり、起こしてたり。
    大抵の事件ってこんな普通の人たちが何かのきっかけで闇に落ちていって起きてしまうことなんじゃないか?って考えてしまう。
    こういう普通のひとたちの話が...続きを読む
  • 今日もごちそうさまでした
    とても良い本!
    読んでて薬と笑えて楽しくて、料理が美味しそうで作りたくなっちゃう。
    すごく幸せな気持ちで読めた。
    センスがいい人の料理ってあんまりごちゃごちゃと手間をかけずにシンプルで美味しいもの作るよなー。
    真似して作ってみたい。
  • 私のなかの彼女
    展開が素晴らしい。
    引き込まれて、一気に読んだ。

    読みながら、「書きたい」という想いと「才能」の間に
    あるヒリヒリするような乖離やせめぎあい。
    また、人が人と関わり、近くなればなるほどに見せられる
    あまりに酷い一面。
    それを読み止めることなく、一気にラストまで読ませて
    苦しい中にも、光る希望を見せ...続きを読む
  • タラント
    失敗をすること、もっと言えば目立つことが嫌、その理由を教えてくれたように感じます。
    角田光代さんの本を読むと自身のことが書いてあるような気がしてしまうのです。
    みのりさんやそれぞれの登場人物は、すてきな人という感じではないけれど、私は好きになりました。そして、自分も大丈夫なんじゃないかな、がんばれる...続きを読む
  • さがしもの
    角田光代さんの作品を読んだのは、本書が初めてです。
    九つの作品からなる短編集ですが、読書好きの人にはたまらない魅力を持っていると断言します。
    (私は完全に魅了されました)
    その大きな要因として、どの作品も「本」が主人公と言っても過言ではない内容になっていることが挙げられるでしょう。
    また、九つの作品...続きを読む
  • 八日目の蝉
    映画を観たことがあったが、原作を読むのははじめてだった。
    もし、二手に分かれる道の真ん中に立たされて、どちらにいくかと神さまに訊かれたら、私はきっと、幸も不幸も関係なく、罪と罰も関係なく、その先に薫がいる道を躊躇なく選ぶだろう。何度くりかえしてもそうするだろう。そんなことを思う。
    この文章を何回も思...続きを読む