伊藤典夫のレビュー一覧

  • スローターハウス5
    SF小説と戦争ノンフィクション小説が融合したような作品。時間旅行と戦争実録が絡み合う。
    ドレスデン爆撃については、全く知らなかったので、衝撃的だった。米兵の捕虜生活も壮絶で、作者の実体験を元に描かれたからこそ、具体的だ。
    「そういうものだ」…多用されるこの言葉に諦めを感じさせる。
    ビリーの虚無的な人...続きを読む
  • 華氏451度〔新訳版〕
    現代を風刺したディストピア小説と謳われている割には読みやすくて面白い設定な上に説教臭くなくて良かった。
    登場人物も魅力的で、特にベイティー隊長が敵キャラとして説得力があった。
    最終的に火は何かを消すためのものじゃなくて、何かを照らし温めるものなんだと気づいた主人公に希望を見出せた。
  • 華氏451度〔新訳版〕
    本が禁忌とされ、見つけ次第燃やすと言う未来の話。
    気になっていていつか読んでみたいと思っていた。
    何も考えず燃やす職業に付いてた主人公があるきっかけで本に興味を持ってしまい追われる側になると言う。
    話の展開的には思ったよりあっさり事が展開してそこで終わるのか…とはなるけど、古典の名作と言われるだけあ...続きを読む
  • 華氏451度〔新訳版〕
    面白かった〜。ディストピア系SFって初めて読んだけど、思った以上に楽しめた。

    他のレビューでも見かけたが、少し読みにくい。ただ、体感としては読みにくいのは中盤までだったようにも思う。私が読み進める中で慣れた可能性もあるが、主人公が混沌とした独裁社会に疑問を持つにつれて、話に整合性が出てくる感覚があ...続きを読む
  • 死の鳥
    勿論難しかった。特に死の鳥。ランゲルハンス島でやっと。まだ入り口。米国ノスタルジーは他国でもなんとなく理解できるけど、日本のノスタルジーは別世代の狂騒として温かい目で見てしまうの不思議。宣伝の力?
  • 2001年宇宙の旅〔決定版〕
    あの頃、未知なる未来は希望に輝いていた。

    映画「2001年宇宙の旅」が封切られた時、評判は真っ二つに分かれた。
    「意味がわからない、独りよがり」
    「なんだかわからないけど、なんか凄い」

    小説は映像とは違う。
    当然、感じ方も異なって当たり前とは思うけど、あまりに映画に感化された者にとっては、文章で...続きを読む
  • 町かどの穴 ラファティ・ベスト・コレクション1
    読み終えて、少したって、収録されていたタイトルを眺めてみる。どれも味がある小説で「あぁ、面白かったなぁ」と密かに幸せな気分になれる。もちろん読んでいる最中も楽しめるのですが、じわじわと染み込むおもしろさ、と評した方が、なんだかしっくりきます。

    そんな不思議で奇妙な物語19篇を収録した本書は、R・A...続きを読む
  • ファニーフィンガーズ ラファティ・ベスト・コレクション2
    あおり運転やウクライナ侵攻が無いかと思うと技術の進歩を選ばない実現しなかった「田園の女王」社会を魅力に感じる
    のんびりと読むのに適した短編集
  • 2001年宇宙の旅〔決定版〕
    ★だが、そのうち思いつくだろう。(p.321)

     読んでよかったようなよくなかったような。映画は十回くらいは観てるので読んだ気になっていたが未読だったことに気づいたので読んでみました。映画ほどではないがドライでクールな印象。旧きよきSFで尖ったところがなく読みやすいです。映画版の、混乱をもたらす終...続きを読む
  • たんぽぽ娘
    表題のたんぽぽ娘は読めたけれど、その他は昔のSFで、なんか眠くなる。
    読み進めるのが少し億劫でなかなか読み進めない。
    解説読むと著者さんなんかあれな人みたいだし。
  • 無常の月 ザ・ベスト・オブ・ラリイ・ニーヴン
    マイクロブラックホールのお茶漬けとかと同じ時代だったのか
    潮汐力に気付かないのは変に感じた
    イーガンと違い付いていけるハードSFで楽しめました
  • 猫のゆりかご
    マッドサイエンティストが生み出した世界を破滅させる物質をめぐる物語ですが、舞台となる南の島の独裁国家での主人公達のやりとりが面白いです。あやとりもやってみたくなりました。ゆりかごなら簡単にできそうですね。
  • 町かどの穴 ラファティ・ベスト・コレクション1
    「町かどの穴」★★★
    「どろぼう熊の惑星」★★★
    「山上の蛙」★★★
    「秘密の鰐について」★★
    「クロコダイルとアリゲーターよ、クレム」★★★★
    「世界の蝶番はうめく」★★★
    「今年の新人」★★
    「いなかった男」★★★
    「テキサス州ソドムとゴモラ」★★★
    「夢」★★
    「苺ケ丘」★★
    「カブリート」★...続きを読む
  • スローターハウス5
    読書会課題本。奇想天外な展開と言えば、確かにそうだけれども、戦争によって多くのものを失う悲しみが、ひしひしと感ぜられる内容だった。時々挟まれるユーモアや繰り返される「そんなものだ」という台詞に、諦めのような感情が伝わってくる。戦争について色々と考えさせられた。
  • 2001年宇宙の旅〔決定版〕
    映画でカットされたナレーション部分が補足されてて、頭の中のハテナが解消された。
    特に第一部の猿人類がモノリスによって人類へと進化した過程は、1章丸々割いてくれてる。「現在だけしか知覚しない動物とは異なり、ヒトは過去を手に入れた。そして未来へと手探りをはじめた。」という文章が象徴するように、進化前の猿...続きを読む
  • 華氏451度〔新訳版〕
    メアリ1世による弾圧←《男らしくふるまいましょう、リドリー主教……》のくだり
    ロウソク 受け継ぐ火⇔火炎放射器 破壊する火
    社会のスピードに殺された
    洞窟の比喩 フィルターバブル
    スピードが増していく社会 概略抄録ダイジェスト
    悪魔は言葉で誘惑する(雄弁) ベイティーは悪魔的人物
    テレビがダメになる...続きを読む
  • 死の鳥
    なかなかグロテスクな場面のある短編や、シュールな構成の短編など、なかなかバラエティに富む編集である。
    個人的には、「ジェフティは五つ」と「ソフト・モンキー」がおもしろかった。
  • 2010年宇宙の旅〔新版〕
    ハルがどうして反乱を起こしたのかはわかった。
    神がどういった存在かとか、精神と肉体の関係性、どちらが重要な存在かだとか、SFというよりは哲学的な小説だと思った。

    チャン博士が見つけた木星の衛星にいた魚みたいな生き物は、木星が太陽になった後どうなったんだろう。続編を読めばわかるのかな。
  • スローターハウス5
    カートヴォネガットジュニア
    スローターハウス5
    カバー 和田誠

    面白さはないが、死に対して鈍感にならざるえない戦争の雰囲気は伝わる

    戦争の中の死を語った自伝的小説。時間旅行や異星人との会話などSF要素を組み込んでいるのは SF世界が本来あるべき世界という意味か?

    多くの人の戦死が 語られた後、...続きを読む
  • 2001年宇宙の旅〔決定版〕
    映画を観たので、読んでみた。
    映画では理解の限界があったところもそういうことだったのか、と単純に分かった部分もあり。。。

    人間の理解を超えた領域への想像が掻き立てられ、「神」とは何か、「宇宙」とは何か、知性の行き着く果てはどこなのか、支配者は誰なのか、考えさせられる本。
    人類は、ポツンと訳もわから...続きを読む