伊藤典夫のレビュー一覧

  • 3001年終局への旅
    モノリスは最後までモノリスでしたか~。
    物語の内容は「そこからきたか~」という感じでしたが、謎が謎のまま終わったのはちと残念な気も。大事なところは、今の知識が有効になった感じもあって。ん~、というところはありましたが、全作を締めくくるのは確かにこうなのかもね。とも思いました。
    最初から最後の作品まで...続きを読む
  • 3001年終局への旅
    この本は「2001年宇宙の旅」から始まったシリーズの完結編です。

    2001年宇宙に放り出された飛行士が1000年後、
    海王星付近で偶然回収され、蘇生しました。

    浦島太郎となった飛行士フランク・プールが見た3001年の世界は、
    宇宙と繋がる軌道エレベーターや、脳に直接情報をダウンロードできるキャッ...続きを読む
  • 猫のゆりかご
    ヴォネガットの小説をクスクスと笑いながら読んでるだけで、なんだかいい気分。
    謎の中毒性。

    根底にあるものや、モチーフのいくつかは『タイタンの幼女』と同一っぽいかな。



    注:本作に猫は登場しない。
  • 瞬きよりも速く 〔新装版〕
    太陽の黄金の林檎に比べてストーリーで魅せる。
    詩情満載な表現は控えめだが、その分ストーリーがいい。
    こっちの方が一般受けしそうな感じ。暖かみがあって、あと味のいい話が多い。


    冒頭のUボート・ドクターでいきなりがつんとやられる。なんだこれ。

    何事もなし、あるいは、何が犬を殺したか、からはSF観、...続きを読む
  • 2010年宇宙の旅〔新版〕
    もはや説明の要すらない大傑作「2001年宇宙の旅」の9年後を舞台とした続編。設定上は、小説版ではなく映画版の続編となっており、遺棄されたディスカバリー号が漂流しているのは木星衛星群の宙域です(この辺りのいきさつは、クラーク自身による「作者のノート」に詳しいです)。

    宇宙飛行士4人が死亡、1人が行方...続きを読む
  • 2010年宇宙の旅〔新版〕
    2010年が始まったとき、〆はこの小説で決まっていた。
    2001年が綿密な設定と謎にわくわくしていく古典的な名作だったのに比べ、
    この作品はどちらかというとそれの詳しい解説やエンターテイメントの面を強調している。

    実際に2010年になってもこの時代の科学力はこの小説に追いついて来れないし、明らかな...続きを読む
  • バゴンボの嗅ぎタバコ入れ
    SFもあり、ちょっといい話風な短編もあり、の短編集。
    序文などにもある通り、テレビが普及する前の時代、雑誌の読み物が一般的な娯楽として広く楽しまれていた頃に雑誌に掲載されていたもの。
    古きよきアメリカ、的な香りもし、同時に、皮肉のきいた社会批判も織り込まれていて、まだ作家として駆け出しの頃のもの...続きを読む
  • バゴンボの嗅ぎタバコ入れ
    2000年に上製本として発売されていた、ヴォネガットの短編集がこのほどようやく文庫化された。
    書かれたのは1950〜60年代で、半世紀も前のもの。
    ヴォネガットが短編を生活の糧として量産していた時期があり、
    その大半はスリック雑誌に掲載された。
    かつて、短編集「モンキー・ハウスへようこそ」が編まれた...続きを読む
  • バゴンボの嗅ぎタバコ入れ
    本を読むのなら、とりわけ「小説」を読むのなら、あなたは自分自身がひっくり返っても書けないと思える本を読むべきだ。結末の予想や著者の思想・背景を探るような余裕さえ無い程、自分を振り回してくれるような本を読むべきだ。
    そういった本を見つけるために本屋に行くべきだ。その際は出版社別ではなく、著者別にあらゆ...続きを読む
  • 3001年終局への旅
    「2001年・・・」から読んでますが、個人的には「2001年」の方が好きです。だってモノリスがー・・・。
  • 3001年終局への旅
     オデッセイシリーズの最終章。基本的に2061年の続編ではありませんが、世界観は同じです。しかし、終わり方に夢がないのでこのシリーズの世界観が好きな人にはお勧めしません。
     でも、納得いかない終わりとはいえ、結末は結末です。
  • 3001年終局への旅
    モノリスの創造主との戦いが繰り広げられるシリーズ最終章。
    3001年の世界では恐竜の庭師が、宇宙空間で園芸をしているという想像もつかない世界を描けるのは…Dr.クラークだけ!
  • スローターハウス5
    四次元的に時間が入り乱れる奇妙な構成、淡白な登場人物、個人にはどうしようもない巨大過ぎる戦争。
    無慈悲に襲いかかる死、希望、絶望、運命の全ては始めから決まっていたもの。So it goes. そういうものだ。
    この強烈な皮肉は戦争の当事者しか描けないと思った。
  • 華氏451度〔新訳版〕
    1953年に刊行された本著を読んでいる。
    耳にはワイヤレスイヤホンが刺さっているし、3枚の画面に囲まれて仕事してたりしている。
  • スローターハウス5
    古典的なSFで、著者のヴォネガッドの実際の戦争体験が元になっているということだが、自分にその手の歴史的な知識がないため内容が良く理解できない。

    ラスト近くの有名な一節だが、なぜ主人公がそう思うに至ったかが上手く飲み込めない。

    自分にとっては読み進めるのが難しい難解な部類の本だった。映画化もされて...続きを読む
  • 3001年終局への旅
    最初に出てきた宇宙船の船長はチャンドラー。ハルを開発した博士もチャンドラーじゃなかったっけ?親戚かな?とハルの生みの親の方のチャンドラーをぐぐってみると、本名はシバサブラマニアン・チャンドラセガランピライだった。たぶん誰もインド系の人の本名をきちんと発音できなかったので、チャンドラー博士と呼ばれてい...続きを読む
  • 華氏451度〔新訳版〕
    スマホに依存して読書から離れている生活だと感じたため興味を持った。
    常識は社会によって形成されるもので、客観視してみると異常な思考の枠に囚われている可能性もあると感じた。
    今までの生活や周りの人を裏切るような行動を選べたモンターグの勇気が素晴らしい。
  • 華氏451度〔新訳版〕
    読書の意義を再認識させられると共に、本を読む習慣のない人が増える一方で、事業者から提供される映像サービスにどっぷりハマる人の多い今の状況との近さにゾッとさせられた。
    文は詩的表現が多く、自分にはとっつき辛かった。
  • 華氏451度〔新訳版〕
    そもそも本だけ目の敵にされるモチベーションがピンとこず、いまいち乗り切れなかった。時代に追い越されちゃったかな…
  • たんぽぽ娘
    昔のSF仕立てのファンタジー。やはりこの手のジャンルは短編がいい。

    牧歌的という言葉が似合う。テーマはボーイ・ミーツ・ガール。昔の少女マンガを読んでる感じ。都合よすぎな面は否めないけど、手にした時の期待値よりは面白かった。

    「失われし時のかたみ」。さだまさしの「博物館」って唄に似てるなって思った...続きを読む