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25万年の眠りののち、病み衰えた惑星〈地球〉によみがえった男の数奇な運命を描き、ヒューゴー賞/ローカス賞に輝いた表題作「死の鳥」、コンピュータ内部に閉じこめられた男女の驚異の物語――「おれには口がない、それでも俺は叫ぶ」、初期の代表作「「悔い改めよ、ハーレクィン!」とチクタクマンはいった」など、半世紀にわたり、アメリカSF界に君臨するレジェンドの、代表作10篇を収録した日本オリジナル傑作選。
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Posted by ブクログ
カッコいい小説てえのを知りきゃ、エリスンを読みな。 まず、タイトルがいい。「『悔い改めよ,ハーレクィン」とチクタクマンは言った」。時間を守れない奴っているわな。それがハーレクインであり、ハーラン・エリスンなのであるが、そいつのせいで超管理社会を管理するチクタクマンまで調子が狂ってしまう話。 「...続きを読む俺には口がない,それでも俺は叫ぶ」。遠未来、AIによって慰み者にされる人類。タイトル通りの話。 「北緯38度54分、 西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中」、これも実に凝ったタイトルだが、『SFマガジン』初出時に読んだときには、ランゲルハンス島がおなかのなかにあるなんてことも知らなかった。 「死の鳥」は『SFマガジン』初出時に読んでいたのに気づいたのは、アーブーの話を読んだとき。「死の鳥」は創世記の神が狂っていて、蛇が実は人類の味方だという話をおよそ25万年のスケールで描いたもの。しかも、「これはテストだ。そのつもりで。」で始まるテストの文章やらテクストは多重化している。その中にエリスン自身が愛犬アーブーを安楽死させる挿話がはいっているのだが、これだけ何だかものすごくよく覚えていた。安楽死を獣医にまかせようとすると、「知らない連中のところにおいていかないでくれ」とアーブーの目が語る。なぜ、GODの反対はDOGなのか。 そのほか。エリスンを読みな。
どの作品も面白いのはいうまでもない。ただしそれは面白いの種類は作品ごとに異なる。単純に笑える作品はないが、生きていることの意味、人間の正体、人類を取り巻く環境など、様々な観点で読者の心を揺さぶる。個人的に気に入った作品は、『「悔い改めよ、ハーレクィン!」とチクタクマンはいった』『プリティ・マギー・マ...続きを読むネーアイズ』『ジェフティは五つ 』『ソフト・モンキー』といったところ。
読中は圧倒的な悪夢におぼれるよう、読後は切ない寂寥感が残る。 創世記をSF的別視点で書いた「死の鳥」、永遠に地獄が続く「おれには口がない」、文明の進歩を自問する「ジェフティは五つ」。 重くて短編集の感じがしない。
ワン・アンド・オンリーな孤高のSF作家、ハーラン・エリスンの日本独自編集短編集。 日本人SF者として何が嬉しいかって、収録作全てが伊藤典夫氏の翻訳だということ。エリスンの作品は、全編これ暴力と狂気の世界です。猥雑で非情で容赦のないこの世界観を、悪趣味一歩手前のギリギリのラインで美しい言葉遣いでまとめ...続きを読むる手練の技は、正に伊藤典夫氏の職人芸。 10編の短編が収められていますが、「これSFじゃないでしょ」な作品も結構あります。でも、何だろうなぁ、SFというジャンル分けするのがもったいないような独特の存在感。 ブラッドベリの妖艶さでもなく、ディレイニーのスタイリッシュさでもなく、正に「エリスン節」としか言いようの無い独特のグロテスクさと、並行して光り輝く問答無用の「カッコよさ」。何が言いたいのかよく判らない描写も、正直結構あります。でもそんなことどうでもいいんだよ、だってカッコいいじゃん!と大声で主張したくなる、唯一無二の香気。表題作の壮大にして壮絶な香り高さといったら、語弊を恐れずに言えば筒井康隆「幻想の未来」に通ずるものを感じました。 他に鴨が気に入ったのは、「おれには口がない、それでもおれは叫ぶ」「プリティ・マギー・マネーアイズ」「ジェフティは五つ」の3編。SFのネタとしてはどれも大して面白いネタじゃないんですけど、表現次第でここまで面白くなるんだなと思わせるカッコ良さです。
「悔い改めよ、ハーレクィン」とチクタクマンはいった、とか、おれには口がない、それでもおれは叫ぶ、とか、いやいやいや、邦題がww 読んでいる間じゅう不吉さが低周波のように感じられるところが大好きなマルケスっぽいんだけれど、あの乾いた感じがなくてずっとぐじゅぐじゅしててきもちわるい。でもページをめくる手...続きを読むが止まらん、そんな作品。
勿論難しかった。特に死の鳥。ランゲルハンス島でやっと。まだ入り口。米国ノスタルジーは他国でもなんとなく理解できるけど、日本のノスタルジーは別世代の狂騒として温かい目で見てしまうの不思議。宣伝の力?
なかなかグロテスクな場面のある短編や、シュールな構成の短編など、なかなかバラエティに富む編集である。 個人的には、「ジェフティは五つ」と「ソフト・モンキー」がおもしろかった。
読むのが辛かった。 いちいち残酷で悲しい話なんだもん。最初から最後まで暗い気持ちになる事請け合い。 唯一死の鳥だけは面白かった。テスト形式、神と蛇と犬。
タイトルがパロディされまくった「世界の中心で愛を叫んだけもの」の作者であるハーラン・エリスンの短編集。 個人的には作品ごとに面白さのムラがありすぎて、かなり評価に困る。特に「ランゲルハンス島沖を漂流中」は難しすぎて自分にはサッパリだった。 「ジェフティは五つ」のようにほろ苦さが残る青春時代を思わ...続きを読むせるSFは良い。
『随』 たしかにカッコいい。 あくまでも感覚の世界。 なんというのかなー。 アンディーウォーホールのような感じもしなくもない。 ハーランの作品にはどこか、私を寄せ付けさせてくれない。 単純とおもったら、複雑も感じられる。 計算なのか、ちがうのか。 ジレンマだ。 読んだら途中で放り投げることを憚れる...続きを読む本なのだ。 もしかしたら後一ページ読んだら、ボヤけていた輪郭がハッキリするんじゃないか! と読み進めては、裏切られたりw でも、それがこの作家の魅力としかいいようがない技なのである。
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死の鳥
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ハーラン エリスン
伊藤典夫
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