櫛木理宇のレビュー一覧

  • チェインドッグ
    ーどうして人は、孤独を恥ずかしいと思ってしまうんだろう。(P.12)
    …顔の皮膚一枚で浮かべたらわれながら薄っぺらな笑みであった。(P.180)
    西の空には、橙と薄桃を刷毛で交互に滲ませたような色あいが広がっていた。細い電線と、まわりに群れ飛ぶ鴉とがくっきりと黒く浮かびあがっている。(P.250...続きを読む
  • ホーンテッド・キャンパス 待ちにし主は来ませり

    駆け抜けた

    あー面白かった。駆け抜けるように終わってしまったけど、エンディングには気になることが。まだ終わりじゃないのね。森司くんとこよみちゃんはクリスマス・イブのデートまでして、学生には高価なアクセサリまで贈ったまでして、まだ付き合ってないことになっているのだろうか。二人のことはそっと見守り続けるとするか。
  • 鵜頭川村事件
    「死刑にいたる病」がおもしろかったので、こちらも読んでみました。
    設定がちょっと「八つ墓村」チックで私は好きです(^^)
    昔からの風習に囚われている村だったり、度を越した乱暴者がいるというあたり。
    違うのはこちらは集団心理の恐ろしさ、みたいなものに焦点を当てている点。
    日頃の不満を押し殺している人た...続きを読む
  • 本格王2022
    みんな良かったです!
    読んだことのない作家さんのお話は興味深く、次に読む本をどれにしようかな~、と迷ってます!
  • 少女葬(新潮文庫)
    眞実といい淳平といい、一緒に過ごす(連む)人の違いによって、綾希とはこうまで差が出てしまうものなのか。
    けれど自分が弱っている時に仲間扱いしてもらえたら、たとえ間違っていると気づいても、居場所を失うのが怖くてなかなか認められないし離れられないと思った。
    他人事ではないとも思う。

    終盤、実はレストラ...続きを読む
  • 虎を追う
    旭も哲もとにかく行動力が凄い。
    終盤の怒濤の展開に目が離せなかった。

    人生初の櫛木さんの小説でしたがとても面白かったです!
  • 少女葬(新潮文庫)
    小説にしても映画にしても重めのテーマ、暗めのテーマのものを選ぶことが多いが、それでもしんどい描写の多い辛い作品だった。
    同じような不幸な境遇の二人の少女。
    二人共その環境を抜け出すために生きていこうともがいている。
    二人共他人を頼って行くのだけど、違うのは簡単に信頼するか、まずは疑ってかかるか。
    ...続きを読む
  • 死刑にいたる病

    一気に読みました。

    普段あまり小説を読まないのですが、TV欄で見たタイトルが気になり購入しました。とても読みやすく一気に読めちゃいます。終盤の展開の頃にはもうこの物語の虜になっていました。
  • 死刑にいたる病

    ホラー

    話に引き込まれる
    最後のどんでん返しが圧倒的
    序盤から中盤は主人公がまともだったのにどんどんと犯人に洗脳されていく過程が怖かった
    腑に落ちない終わり方も非常にはがゆい
  • チェインドッグ
    とりあえず原作読みしようと借りた本。
    凄く面白かった!最後の匂わせは分かりやす過ぎて要らなかった気もするけどでも面白かった。
    榛木のイメージは阿部サダヲさんじゃないんだけど、きっと面白い映画になってるんだろうなと思う。
  • 死刑にいたる病

    一気読みしました。

    雅也が大和に飲まれて行き過ぎて犯罪を犯すのではないか・・と、ヒヤヒヤ。
    雅也と大和・・パン屋の客よりも親密な関係性があるのでは?と予想はしていましたが・・・
    最後の面会で、やはり殺人犯は殺人犯なんだな・・・と。自分をしっかり持つ事って大事ですね。
  • 世界が赫(あか)に染まる日に
    誰にも見てもらえなかった文稀は、「復讐」という名目で、「自分を世に認識してほしい」という腹の奥底に眠る欲求を満たしているように思った。

    「子どもは精神が未発達のため、少年犯罪の心理は明確になっていない」という様な文章があったが、少年犯罪の動機にはこのような心理があるのではないか、という一説を提唱し...続きを読む
  • ホーンテッド・キャンパス だんだんおうちが遠くなる
    第19弾。だけれど二人の仲の進展は……うーん、ま、こんなもんでしょか。全くの進歩がないわけではないけれど。その他オカ研メンバーの気持ちはよーく分かるぞ。
    ホラーの部分は今回も怖いです。ほんわかムードに騙されずやっぱりどこまでも怖い。しかし実は一番怖いのって幽霊……よりも生きている人間……よりも……雪...続きを読む
  • 少女葬(新潮文庫)
    道を踏みはずすのは一瞬だ。でもそれを立て直して軌道修正するには、何十倍もの時間がかかる。(P.24)
    「弱さは罪じゃないっていうけれど、そんなの嘘よ。馬鹿は罪、弱いのも罪」(P.179)
    お金がなくても、飢えても、なにかひとつ支えになるものがあれば人は生きていける。(P.182)
    「ーあれがしたい、...続きを読む
  • 侵蝕 壊される家族の記録
    「みの多い皆川さん」こと皆川美海。その家族が洗脳され壊されていく。
    由衣は、美海の異変にいち早く気づいたのだろう。しかし、その時の由衣と美海の間はぎくしゃくした関係だった。美海は、何かを話しかけようとした由衣を無視した。事件後の美海と由衣との親友関係が修復する描写がほしいところでした。
    怖いホラー・...続きを読む
  • ホーンテッド・キャンパス だんだんおうちが遠くなる
    このシリーズを読み始めて8年近く経とうとしてる。中学の時に読んだ森司は大学1年生。大学四年生の時に読んだ森司は大学3年生。とうとう彼らの年齢を追い越してしまった。彼らはまだ付き合ってすらいない。
  • 死んでもいい
    なんとも毒々しい短編集。何これ大好き。

    ゾッとするような人間の闇をこれでもか!と見せてくる短編6話。一つ残さず面白かった。  

    なんとなく全体的に気味が悪くて気持ち悪いんだよな。よくこんなに色んな種類の人間の歪みを気持ち悪く、切なく、腹立たしく描けるもんだなあ。

    期待よりも更に斜め上をいくどん...続きを読む
  • ホーンテッド・キャンパス だんだんおうちが遠くなる

    虐待

    今回は虐待がテーマ。かつて虐待を受けた人にもたらされる様々な影響。その一つである攻撃者への同一化というのは恐ろしい現象だ。虐待被害者が、受けた被害と似たようなことを他者にしてしまう。自分が加害者になることで、自分は被害者ではないと信じ、自己防御する反応らしい。自分の行動がおかしくなったら、気をつけよ...続きを読む
  • ホーンテッド・キャンパス だんだんおうちが遠くなる
    今回黒沼部長のうんちくで面白かったのが、四谷怪談の話!
    赤穂浪士が関わってたのは知ってたけど
    民谷伊右衛門の話、案外知らない事が多いと気づきました

    占い師の裏側とか、旧家のしきたりとか
    今回も面白かった‼️

    八神君とこよみちゃん、惜しかったねwww
    まぁ絶対邪魔が入ると思ったけどwww
    いつにな...続きを読む
  • ホーンテッド・キャンパス 待ちにし主は来ませり
    リアルクリスマス時期になるまでと思って積読していた件。

    森司とこよみちゃんのクリスマスデートにいっぱいいっぱいな両片思いカップルの外野で事件が起きすぎである。
    途中までこの二人、完全に蚊帳の外である。
    というか、オカ研のみんなが敢えて巻き込まないようにしていたので。
    こんなにバックアップしてもらっ...続きを読む