このラスト、結構すき。
まず、真の悪であるはずの真千代が語弊を恐れずに言えば魅力的。
彼女が過去の凄まじい性被害によって「性を自分の支配下に置きたい」という復讐心のみで生きるようになるのは、それの善悪はさておき、十分に理解ができる。
しかも、中途半端に近親のみにとかではなく、近親を徹底的に蹂躙し、
...続きを読むその後も手をゆるめることなく手当り次第堕としていく。
そして全てを完璧にやり遂げるIQも備わっている。
最後まで、みなが彼女の手の中で踊る。
やはりヴィランとして魅力的。
また、浦杉の弱さにちょっとイラついていたのも、ラストに納得した要因かもしれない。
彼が憔悴しきった妻から逃げるのは百歩譲って分かる。
しかし娘の架乃からも逃げ、連絡もせず、愛情表現を一切しない。それは親として、というかそれ以前に大人としてどうなのか。
隣人から預かっている亜結と自分の娘を比べた発言で、浦杉への嫌悪感も増してしまった。俺の娘も手はかからなかったが、これほどではなかったみたいなこと言ってるけど、手のかからなさとかで比べるなよ。
子育てしたこともないしましてや結婚もしたことが無いわたしが彼の気持ちに対してどうこう言おうなんて100年早いんだけど。
なので、彼が現実と真正面からぶつかる覚悟を持ったラストにはちょっとスッキリとした。まあ、すべて彼女の計画通りなのがひたすらに怖いのだが。
結末に向けて2転3転しながら猛スピードで進んでいくので、グイグイ読める。場面転換も多いので飽きもしない。
個人的に、歪んだ性癖について思うところが沢山あって、時々ページを繰る手を止めながら現実と交差させて読んだ。
総じてとても満足度が高い。
ただ、真面目に読むと心が壊れるとは思う。
ひとつどうしても気になったのが、「殺された